♪Tokyo Sky Walker♪

2007年11月22日
XML
真説 .hack//.サイバーコネクション Calling Bell's

一人じゃないってこと、一人で守っているんじゃないってこと。
やっと、やっと判った気がする。

真説「序」 第一篇「回想 1」

「司っ…。」
あたし、判ったよっ…。

ただ、何もない白いフィールドデータの中、マルクは走っていた。
彼女は、ひとつの事実に行き着いた。
向かう先は唯一つ。

マハが、探していた、場所。
―――――白い場所と十字架。探してる。あの人。
きっと、゙彼女"も、探していたのだろう。

「そりゃ、探すわな。」
 ――― エマ・ウィーランド ―――
墓標は、そう、彫刻していた。
この、゙世界"を形作った、張本人の、名。
゙世界"の真の゙母"の名。

「消さないと、なのかな。 マハ。」

―――――――あ゙ぁぁぁぁ、あ゙あ゙ぁぁぁぁぁ――――――

゙彼女"の悲鳴は、マルクの耳に痛く残る。

マルクは、―――知っていた。
だから、振り返ることが出来た。
安心ではなく、不安の空気をマハが纏っていたから。



「あの娘(コ)は、やっと、自分を知った。」
とめることは不可能だよ。ソルロイド。

其の言葉に、ソルロイドは一瞬、たじろぎ、反論しようとした。
「なッ……!」
言葉を聞かずに、彼は、その場を去って行った。
・・・・・・・・・・・・・フォン・・・・・・・・・・
ペタ、と座り込み、ソルロイドは頭を抱えた。
「母様っ……。」
―――ナゼです……
手中におさめたとばかり思っていた彼女は、自己を取り戻し、独自の行動を始めた。
司がいる限り、彼女はコチラ側にいる、という絶対的自信は崩れたのだ。
「クソッ……!!」
―――賢者め………っっ!!!
そう、アリスという賢者が、TheWorldへ彼女を招いた時点で、コチラ側への永遠存在は初めから保証されなかったということだ。
ソルロイドは、勝利という言葉しかなかったために、その実質的な勝利自体が少しずつ、彼女たちに傾き始めていたことに気がつかなかったのだ。


―――あ゙ぁぁぁぁぁ、あ゙ぁぁぁぁぁぁ――――
「マルクのやつ、何かやらかしたな…?」
アリスは、ニ、と口元をゆがめた。
モルガナの悲鳴は、「賢者の部屋」にも届いていた。
と、其のとき、アリスに昴からの簡易メールの返信がかえってきた。
その内容を読んだ彼女は眉をひそめた。
「コレは…。」
アリスは、2枚、モニタを表示させた。
「‘黄石'、‘騎士長候補’に告ぐ。‘悪魔’が動いた。聖域の援護に向かってくれ。」
「「―――了解っ」」
「―――紫(シ)よ、おぬしはどうするつもりだ。」
アリスの横にイランからのモニタが表示され、彼は問うた。
彼女は小さく笑った。
「あの、バカのところに行く。樹緒をバックに入れてくれ。」
「―――御衣。伝えよう。」

……ヴン

モニタは消え、アリスは、その楽しそうな表情のまま、ドアノブを押した。

ギィッ………

ザザザッ…ザザザアザアzッザッ・・……

ザザザザッザッザアッザザザザザッ・・・・・・・・・


「消しても、いいよ。」
ニコ、と笑い、警戒を解かないマハにマルクは微笑んだ。
「でも、」
「消せ。って言われてるんでしょう?」
゙あの人"に。
「でも、」
マハは、不安そうにマルクと、十字架を見た。
交互に、二度、見返した。

「そうしたら、マルク、どうするの。」
「何にもしない。けど。」
マルクは自分の目を指差した。
深い海のような深い蒼の眼。
「ここに、十字架があったことはあたしの目が、記憶が覚えている。」
「あっ・・・。」
「あたしは、あたしを取り戻した。もう、あんなに痛い思いしながら記憶を消されるのは、嫌だから。」

表情はあまり変わらないが、確かにマハは危機を感じ取った。
(もう、この人は、あの人の配下じゃない、)と。
彼女の眼には生きる者の光が宿っている。

「敵対、することになるかもしれない。」
「僕は、イヤダッ・・・・。マルク、敵、嫌だ。」
「司も、元は外の人間。こんなの、おかしいもん。ゲームなのに、あたし、感覚あるんだよ?」
「イヤダ、イヤダ。」

現実を、ひていするかのように、マハは首を横に振った。
だが、目の前に、マルクがいて、後ろには十字架がある。
脳内では、゙あの人"が「その十字架を消せ」と言っている。
声はだんだんと大きくなっている。

「だから、マハ、あたしは戦うよ。この、水面下の戦いを表に出すために。」
「イヤダァァァァァッァァァァァァッァァァッァァァ!!!!!!」

ドッ

ギギギギギギイィィィィイィィィィィィイィィィィィィィイィィィィィイィィィィィィイィィィィイ―――――――――――――――――――ン

まるで、機械がエラーを起こしたかのように劈くような音が白いフィールドと十字架と、そして、マルクに降り注いだ。

「っぅあっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」

―――ラドマクシア。

音の暴風の中、重い、声が、フィールドに、こだました。
それはマハでも、マルクでも、゙彼女"でもない声。
呪紋が行き渡った瞬間、フィールドは、無音の空間に逆戻りした。

キィン

その音とともに、呪紋の発動は終了した。
「マルクの形跡はたどりやすくてとてもいいね。一発で済ますことが出来た。」
どうやら、少し遅かったみたいだが。

頭を抱え込み、うずくまっているマルクの前に一人の少女がログインした。
声の主、アリスだ。
マハの姿は、すでにない。
そして、アリスの視線の先には食い荒らされたような穴だらけの空間。
十字架は、見当たらない。
「ネコさんは」
「喧嘩別れ、しちゃった。」
「そか。」

ゴソ、と立ち上がり、マルクは穴の開いた空間を見つめた。
「ホントに、けしちゃったんだ…。」
「都合が悪いだろうからな。」
「でも、何であたしに探してること、教えてくれたんだろ。」
「ネコさんにある理性だろ。アイツにもきっと、自己があるんだろうさ。モルガナの予期せぬってヤツだ。」
「じゃぁ、マハも平穏を願ってるってこと、かな。」
ポツリとマルクは呟いた。
その言葉に、アリスはほほを緩ませ、マルクの頭に手を置いた。
「かもな。希望は、あるかもしれん。」
「だと、いいけど。」
「あるさ。そのために俺らがいる。」
マルクが不安そうな表情をし、アリスはニィと笑って言った。

しばらくの間、沈黙が続いた。

あのさ、と言葉を切り出したのはマルクだった。
「あたしが、TheWorldに来るまでに、何があったか、話してくれない?」
「話すより、見せたほうが、いいだろう。なぁ? 樹緒。」
アリスは上を見上げた。
『――そうですね。そっちのほうが短時間で理解できると思います。』
「樹緒さん、いるんですか?」
「おぅ。バックアップについててもらった。さっきはサンキューな。」
『――いぇ。兎に角、お二人とも、「賢者の部屋」へ。』
「ん。了解」

二人は、その穴が開いた空間から、脱出するようにオートリープに包まれた。



残されたのは、十字架の裏にあったと思われる、ぼろぼろになった書物と、穴だらけの空間。
後に、再び見つかるときが来ることを、記録者は予測していた。



ザザザッ…ザザザアザアzッザッ・・……

ザザザザッザッザアッザザザザザッ・・・・・・・・・

「ココは…?」
「モルガナにも、マハにも、見つかることはない空間。見た目は唯のアジトだけど、れっきとした不正サーバーだよ。」

確かに、見た感じはマク・アヌも窓から見える普通のアジトのように見える。
そう、何の変哲もない、部屋。

「裏っかえすと」



アリスは横に一線、線を引くように腕を垂直に滑らせた。

ガァァァァッァァァッァァ―――――――――――――――――――


一瞬にして、部屋はオペレータールームへと変わった。
「ココは、あたしたち賢者の称号を与えられた者が入ることの出来るトコだ。」





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年11月22日 17時42分10秒
コメント(1) | コメントを書く
[サイバーコネクション Ver1] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: