♪Tokyo Sky Walker♪

2008年01月16日
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カテゴリ: 小説
世界の始まりはここにあった。
未来と繋がるこの場所に、私は存在していて、それを守り、伝えてゆく。


『彼女は不死なる時を経て』


「オズバルドの裏切り、か。」
ガードルの死体を前にして、少女は呟いた。
ご丁寧にも彼の死体は引き上げられ、目の前にはすでに彼が使われるであろう機体が存在していた。

「なぁ、ガードル。己はそれでいいのか?」
すでに事切れている彼の口は、開く事はない。
だが、何かを察知した少女は瞼を伏せた。


震える体は、寒さによるものではない。
強く握る手にさらに力が加わったのも、手が冷たいわけではない。

こらえなければ。
ココで力を使えば、どれだけ暴走するかわからないのだ。

「…何も出来ない、私を許してくれるというのか…?」
ハ、と顔を上げ、驚いたように目を見開いた。

――――――――アスラ。


「まだ、彼らに望みを託す事は出来るだろうか…。」
今、黎明の塔に向かおうとしているであろう、アスラの転生者とその一行を。


「フォルテマ。だっけぇ?」
「や、っと、名前覚えてくれたわけか。ハスタ。」


その手には先ほど殺してきたであろう人間達の血が滴り落ちる槍が握られていた。
少女、フォルテマは一息ついて、もう一度ガードルを見下ろした。
ス、とフォルテマの首に槍の刃が軽くなぜるように走った。
何の反応も示さないフォルテマに、ハスタはわざとらしくいぶかしむ様に呟く。

「怒らないのん? おっかしいぴょん」


フォルテマの言葉に、ふざけていた表情がスイッチが入ったように切り替わった。
その表情は、フォルテマは一度見たことがある。
何を思ったのか、彼女を拾った彼のしていた表情。

「敵と思いたくないぴょん? 拾い主に噛み付くつもりか?」
「噛み付くつもりはサラサラないさ。いつでも私はお前の味方だ。」
思想は邪魔していただきたくない、と言いたい。

背を向けたまま、フォルテマはそう言葉を返した。
その肩は小刻みに震えていた。
怖いから震えているわけではない事は、ハスタにも理解できているはずだ。
前世に翻弄され、この世界を彷徨っていた彼女に、手を差し伸べたのは彼で、彼女が泣くことは彼の前でしかしない。
背を必ず向けるのが常だが、その背はこういう時とても普段より小さく感じる。


フォルテマの前世は、天界に住む、時の神、クロノスの妹。
常にクロノスの隣にいて、彼を守り続けた。
だが、天界と下界のあやふやな不完全世界が出来たとき、クロノスは姿を消し、同じ時の力を司っていた妹、ティファナがこの現状を維持する人柱となった。


「おいらについてきた事、後悔してるぴょん?」
「いや。感謝している。」
くるりと振り向き、フォルテマはハスタを見上げた。
流れる涙を隠そうともしない。
はじめてみた顔に、一瞬考慮していたハスタはぎょっとした。

「いいよ。」
「へ?」

突然の言葉にハスタから出た事もない間の抜けた声が出た。

「殺していいよ。私にもう手を出せることはないからな。」

口元には微かな笑みを浮かべたフォルテマの姿に、一瞬ある場面が垣間見えた。
そう、地上で一人で時の力を守り、秩序を乱さず、死んでいったティファナの最後が見えた。
人柱となった瞬間だ。

『この地でアスラは天下を統一させたのだな…その地で私は死ねるのなら、本望、だ。』

兄とともに王宮へ出向くたびに、ティファナはそのアスラの人望の厚さに感服し、その部下であることを誇りに思っていた。


カランッ・・・カランッ


槍が音を立てて落ちた。

「っ、ハスタ?」
「フォルテマはフォルテマだぴょん、なんかわかんないけど、おいらは別にいいさっ、けどにゃ、殺すとか殺さないとか、その口から聞きたくないぴょん」

その小さな体を抱きしめ、ハスタはそう吐き出した。
柄にもないことを言われ、フォルテマは小さく笑んだ。

このまま殺されてもいい、と本気で思った。

「変なトコで甘いな。 ハスタ。」
「これはおれだからだぴょんっ、こればっかは前世とかんけーねーみょん」

ちいさく「ありがとう」と呟いて、私は、彼の先が見えてしまっている自分が悲しくて、また涙を流していた。



END


あとがき。
別に、ハスタ夢にしたかったわけじゃないのよ(==;
ハスタはあの奇抜な言葉に惚れたよbbb
かわいいじゃねぇか!!!

なんか、ハスタ、抱きしめて殺しちゃいそうだ。
あえてさせませんでしたよ(==;

ま、いいとしましょう。
そんなかんじでb





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最終更新日  2008年01月16日 12時17分36秒
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