全199件 (199件中 51-100件目)
家内が買って使っていた27cmフッ素コートフライパンのフッ素塗装が切れて、鉄板が剥き出しとなり焦げ付く様になりました。小さなフライパンはもう2度程買い換えて、今はダイアモンドコート製、油無しで解き卵から金糸卵を作ることが出来ることを便利に感じていましたので、27cmダイアモンドコートフライパンを買い替えに行きました。イトーヨーカ堂では27cmサイズは無く、26cm、28cmの何れかを選ぶしかありませんので、大は小を兼ねると思い観ると28cmダイアモンドコートフライパンは2000円でした。しかし、イトーヨーカ堂オリジナルとしてマーブルコートフライパンが並べられていて、ダイアモンドコートと硬いマーブルコートを併用しているとのことで、価格は28cm で2800円強と良い値段が付けられているのです。堅牢であるならば、多分10年以上は使えると奮発してマーブルコートフライパンを選ぶことにしました。フライパンも進化を続けているのだと実感しましたが、それに伴って随分高価格になってしまうのかと思い、複雑でもありました。
2017.05.25
コメント(0)
IHIは、真藤恒を得て、タンカー特有のずんぐりした箱型の真藤船型と工期短縮用のブロック工法を採用することで、日本造船業の飛躍に大きな役割を果たしました。LNG船では、海外技術のMos-Rosenbergの球形タンクではなく、角型のSPBタンクを採用して、荒海でのスロッシングと言う液面乱れを克服して船の安定化に寄与するべく、他社との差別化を図ったのですが、如何せん強度確保の為の内部リブ数が多くなって製作工数が嵩んで割高になったのでしょう!しかし、角型のSPBタンクは、その上面を有効に使えますので、海洋構造物事業の一環として、洋上LNG製造・貯蓄プラントを構成するには、最適なタンクでLNG12と言うオーストラリアのパース市で行われた国際会議で論文発表し、ロイヤルダッチ・シェルへのプリゼンテーション技術説明をしたのでした。沿海部での、天然ガス採取には好適なアイデアとも思われたのですが、近頃の石油価格低減を受けて、洋上プラントの需要は喚起出来なかったのは残念です。IHIは不振が続く海洋構造物事業から撤退する。愛知工場で行っている液化天然ガス(LNG)船用タンクの生産を来年2月までに終える。工事遅れによる損失が膨らんだ他、エネルギー分野の船舶需要の回復が見込めないことから撤退を決めた。愛知工場は、SPBタンクと呼ぶLNG船用タンクや、洋上でLNGを生産・貯蔵する設備を生産しているが、引き渡しを終え次第、生産を停止する。400人強いる従業員は、他の事業部門などに配置転換する方針。跡地の活用法は今後詰める。生産停止に伴い99億円の関連損失を計上、売上高は1兆4900億円と100億円引き下げたが、航空エンジンの採算が改善した他、販売管理費を削減したことから、2017年3月期の連結最終損益見通しは50億円の黒字に上方修正した。同社の海洋構造物事業を巡っては、シンガポール向け海洋掘削船の船体などで工事が遅れて追加コストが発生し、業績の悪化要因となっていた。造船事業は2001年にJFEホールディングスと発足させ、IHIが約46%を出資するジャパンマリンユナイテッドが引き続き行う。
2017.04.27
コメント(0)
我が家には、アメリカ駐在中に購入したヘンケルの鋏が数個残っていて、刻印にはW. Germanyとなっていますので、もう35年も経ちますのに未だ使える様です。小物の鶴を模した鋏は切先が鋭く小さな箇所を切り落とすのに便利ですし、通常の裁ち鋏より小振りの切鋏は刃面が少し傾いていて使い勝手が良いのです。鋏は包丁類と並んで刃物の代表格ですが、包丁と較べて高価なもので無い様で、インターネット検索してもHenckels Rostfreiの刃物は多く見つかるのですが、Henckels鋏は日本では販売されていない様です。日本はドイツと並んで、刃物工芸が発達していますので、わざわざ輸入して販売する程の需要は無いと言うことなのでしょう!
2016.12.25
コメント(0)
昨日夜、流し上の蛍光灯が点滅して寿命となりましたので、台所のシーリング照明で過ごしましたが、手暗がりで不便を感じ、家電量販店に買いに出掛けました。序に、8畳リビングの天井照明は、2代目の蛍光灯40W+32Wセットのもので、別にチカチカはせず、寿命が来たとは思わなかったのですが、2年は経過していますので交換しようと、家電量販店に行って調べてみますと、2000~2600円で販売されていました。蛍光灯は6000~8000時間とされていますので、800~1000日、つまり2~3年おきに交換が必要なのです。一方LEDシーリング照明のLEDの寿命は4万時間と言われますので、1日8時間の使用ですと5000日と14年程使い続けられますので、蛍光灯4回分の交換費用8000~1万0400円は不要となります。LEDシーリング照明はピンからキリまである様で、展示されているものは1万円~4万円まで様々です。其処でネットにて調べてみましたら、Panasonicシーリング照明8畳用が1万円で販売されていましたので、蛍光灯4回分の交換費用相当となりお徳用と考え、それを購入することにしました。記載される消費電力は36Wと半分ですが、私の理解は頻繁なる点滅が無ければ蛍光灯もLEDも使用電力差は少ないと言うことなので、一寸奇異な感じがしてなりません。少し暗くなるのかも知れませんが、8畳用と言う仕様ですので、予め我慢しようと思っています!
2016.12.19
コメント(0)
昨年は病気療養の代理年賀状を受け取り、今年は無かったので心配していましたが、残念なことに今年1月の逝去通知が来状しました。それに加えて、今回は喪中葉書、行年76才、私より2才年上です。彼の大学在学講義中、八田桂三教授がローター回転式のWankel Engineは偏芯ギアの熱変形を懸念と解説していたのですが、開発意欲に燃えた彼は、意を決して東洋工業(現マツダ)に飛び込んだのでした。Wankel Engineの開発は大変だった様で、お結び型ローターのシール漏れ等問題が山積しましたが、何とか解決してRotary Engineと銘打って、コスモスポーツに実機搭載となりましたので、彼の思いは通じたのでしょう。しかし、大気汚染防止法の厳格化には、Rotary Engineは対応が難しく、通常のPiston Engineの2段式希薄燃焼(CVCC)の後塵を拝する様になりました。その後、彼は故郷の家業を継ぐべく福岡に帰り、親を安心させる人生を選択することになり、逝去に至るまで努力したのでした。彼の開発成功への技術貢献を称えると共に、良き人生だったのだろうと、ご冥福を祈るばかりです!
2016.12.03
コメント(0)
早稲田大学理工学術院の内藤健教授が開発中の新エンジンがNHKニュースで報じられていました。熱効率が60%を超える究極エンジンとのことでしたので、インターネット検索して早稲田大学のWebサイトを調べてみましたら、エンジン原理として次の様に記載されていました。新たな圧縮原理は、まず、従来型の始動用セルモーターなどで短い時間、燃焼室内部を減圧(真空に近づけた状態に)し、外部大気との圧力差によって、大気と燃料を燃焼室に急速吸引し、これによって燃焼室内に音速レベルの高速気流を多数生成させる。次にその高速気流の噴流群を、燃焼室中心部の一点(小領域内)でほぼ同時に衝突させることにより、気体を燃焼室中央部のみに封鎖・自己圧縮させて高温高圧状態にしてから燃焼させ、それをパルス状に繰り返して出力を得るものである。この原理では、燃焼後の高温ガスをも燃焼室中央部に封鎖でき、燃焼室壁面に到達しにくいために、燃焼室壁面から外部に放出する熱エネルギーを少なくすること(空気断熱)が可能で、結果として、熱効率が飛躍的に向上するポテンシャルを有している。現在の自動車等に利用されているピストンを伴う往復動エンジンには、このアイデアは適用できるかも知れません。しかしながら、航空用や発電用の主力となっている速度型エンジンである、ジェットエンジンやガスタービンには適用出来そうにありません。現在のガスタービンと蒸気タービン複合サイクルを使用する発電所では、熱効率が60%に達していて、カーボン繊維材料による高温化でより高い熱効率が実現出来ますので、新エンジンの適用は期待出来ません。又、宇宙用スターリングエンジンは往復動エンジンですが、燃焼を伴わないことから、適用は無理と判断しています。それでも加藤教授の提唱するアイデアは画期的で、現在のガソリンエンジンやディーゼルエンジンには、将来の適用が期待される処です。
2016.08.30
コメント(0)
現在は化石燃料節約の観点からハイブリッドが主流となりつつありますが、将来の化石燃料不要の自動車が、水素自動車になるのか、電気自動車になるのか、議論の分かれる処になります。インフラストラクチャーの整備から考えますと、電気充電スタンドを整備して電気自動車が有利の様ですが、バッテリ容量制限から航続距離が短く、従来のガソリンスタンドよりも密に配置する必要があります。その点、燃料電池/水素自動車では、現在のガソリン車と同等の航続距離となりますので、ガソリンスタンドを水素スタンドに置換することで済むのですが、水素の供給体制は確立出来るのか、未だ判然としません。そんな中、電気自動車メーカーの雄、テスラ・モーターズが航続300マイルを超えるバッテリーを発表して、電気自動車が将来の姿だと宣伝しています。しかし、極寒や極暑の地域では車内を快適にするエアコンやヒーターがバッテリーを大幅に消耗させてしまうので、航続距離は半減となる懸念があります。又、水素自動車では、排気が水蒸気ですので、極寒の地では排気管が凍り付いてしまって、機能不全となる懸念もあるのです。此処暫くは、ハイブリッド車が主流となる期間が続くと考えるのが妥当です。電気自動車大手(EV)テスラ・モーターズは、「モデルS」および「モデルX」向けの電池容量100kWhのバッテリー「P100D」を発表した。大容量のP100Dを搭載することで世界最高の加速力を持つ電気自動車が実現できるとしている。新充電地について「非常に大きな一里塚であり、世界中の人々が未来は電気(自動車)にあると納得すると信じている」と述べた。テスラによると、新充電地の搭載によりモデルSの最高航続距離は300マイル(482.8キロ)を超える。マスク氏は気温がそれほど高くない環境下なら、サンフランシスコからロサンゼルスまで1回の充電で走行できるとしている。
2016.08.24
コメント(3)
ウラン235&238から生成されたプルトニウム放射性物質を廃棄することなく、永久に使い続ける夢の原子炉と期待された高速増殖炉「文殊」は、冷媒のナトリウム漏洩事故以来見放されてしまって適切な管理や整備が行われていないのは、残念なことです。私は原発推進論者ではありませんが、通常原発は40年を最長運転期間とし徒に延長することなく、適切に廃炉作業を進めること、又、放射性廃棄物処理量を軽減するべく、実験炉「文殊」の研究を再開して、運転性能確認や安全性を確保することが必須だと考えています。これが、世界最悪のメルトダウン事故を起こした日本の義務であり、世界の英知を集めて廃棄物処理を含めて原子力を管理するチャンスだと思っています。原発は運転終了後も、放射性物質を安全に管理する必要がある。経済産業省によると、廃炉期間は20~30年で、原発施設の除染、解体、廃棄物の処分等の費用は、50万kW級は400億円、100万kW級は600億円とされている。しかし、メルトダウン事故を起こした福島原発では、廃炉直接費用はその10倍で、福島原発の廃炉に関わる工程表では、廃炉に関わる総期間は30~40年、総費用は2兆円(廃炉費用のみで除染費用、被害者損害賠償費用は含まれない、全部を合せると11兆円超)との概算が示されている。原発撤廃論者として有名なArnold Gundersen氏は、福島第一原発には100年、総費用にして5000億ドル(約60兆円)の費用がかかるとの見通しを公表している。全世界で約600基の原発が建設され、廃炉が決まった原発は100基を超えた。今後10~30年で運転開始後30年を過ぎた老朽原発が次々と廃炉を迎え、世界に廃炉という巨大な市場が生まれつつある。順調に進めば30年程度で廃炉が完了するが、日本では残された課題は多い。その一つが廃棄物で、原子炉内での使用済み核燃料は最も放射能が高く再処理後に地中深く処分する。それ以下の廃棄物もどこかに処分するが、具体的な場所すら決まっていない。又、廃炉を進める電力会社は7社、廃炉は集約した方が、ノウハウが蓄積しやすいと関西電力や四国電力などは廃炉で協力を進めるよう提携した。ドイツや英国、フランスでは国策会社が廃炉を一括して担うことで効率化が図られている。日本では、ある団体が経済産業省に廃炉への一括体制案を求めたが、同省はやんわり断った。東電ホールディングスは政府に新たな経営支援を求めた。福島第1原発の廃炉費用が当初見込んだ2兆円を超えるのが確実だからだ。東電だけでは負担しきれないという当初から指摘された懸念が、改めて表面化した格好だ。日本で廃炉は始まったばかり。経験が少なく課題も多い。ただ原発が立地する地元自治体にとっては経済効果だけでなく、安全な作業の完了は大前提だ。産官が協力した技術開発や経営の安定化といった対策も求められる。
2016.08.23
コメント(0)
原発は核分裂エネルギーを利用した熱サイクル機関のプラントですので、運転延長はプラントとしての見地から総合的に判断されなければなりませんが、原子力規制委員会の構成メンバーに機械専門家やプラント屋が入っていないのです。今回の審査では、僅かに給水管の劣化が指摘されていますが、熱機関の根幹となる蒸気タービンについては何の言及も無いのが気になる処となります。蒸気タービンは高温・高圧に晒されますので、耐熱合金は少しずつクリープ(伸びて)して破断に至る懸念があり、10万時間のクリープ破断強さに対して安全率2倍で設計されるのが通常です。熱サイクル機関プラントは寿命30年とされますので、この設計思想で従来は問題無いとされます。30年を経過しますと、高温部品は全て点検され、結晶粗大化が懸念される部品は交換されて、更なる運転継続が可とされるのです。点検無し、劣化高温部品の交換無しの状態にて、40年運転で寿命と言うのは妥当と思われ、60年運転は破断発生の懸念が拭い切れず、妥当とは思えないのです。結局は、政府の再起動方針と、電力会社の「40年制限では経済性が保てない」と言う論理に、原子力規制委員会が、総合的な専門知識に欠けて妥協した結果なのでしょう。地元の新聞は次の様に懸念記事を発しています。「相当困難」とされていた原発の40年超運転が、関西電力高浜原発1~2号機(福井県)で認められた。原子力規制委員会は「劣化を予測し、更新すべき部分は更新して、新規制基準を60年間維持できる」と判断した。焦点となった原子炉圧力容器の劣化に関し、予測値が正しいか未知数という不安が残る。耐震試験の一部は未実施のままだ。原子炉等規制法が定める「40年」の制限は、早くも骨抜きとなった。原子炉容器の脆化;原子炉容器が中性子の影響を受けてもろくなる脆化現象、温めたガラス容器が急に冷えると割れてしまうようなことが、原子炉では起こりうる。運転延長審査では、脆化の進み具合を関西電力が予測し、その妥当性を規制委が審査した。関西電力は炉内の試験片の調査結果を元に、運転開始から60年時点でも健全性を保てるとしたが、井野・東京大名誉教授は疑問を呈する。井野氏は、脆化温度について、予測値が10年前の技術評価と比べ大幅に上昇しているとし、「予測式自体に信頼性がない。60年を保証しているとは言えない」と警鐘を鳴らす。運転延長が認められる前提として必要な、新規制基準の適合性審査の中にも積み残しがある。蒸気発生器など、一部の耐震試験は後回しになっている。「最新の知見を反映したい」として、揺れの収まりやすさについて建設時とは異なる値を設定、使用前検査で実際に確認する方針だ。検査不合格なら合格するまで再改造は可能で、仕組みは「後出しじゃんけん」との批判が根強い。高浜1~2号機を再稼働するのに必要な安全対策工事費は2160億円にも上る。格納容器上部のドーム、ケーブルの防火対策、自主対策としての免震事務棟の建設まで多岐にわたる。今年7月7日までに運転延長審査を要するのは、高浜原発を含め全国に7基あったが、高浜以外の5基は、安全性を突き詰めることなく、「費用対効果」を理由に廃炉となった。「事業者が取捨選択するのが40年制限の意味なのか」との質問に、田中委員長は「経済性や新規制基準の適合性も考えて申請してくるのだと思う」と答えをはぐらかせた。田中委員長は「安全対策ができているかは、検査の中でみていく。いろんな形で検査体制は強くなっていく」と強調してみせた。
2016.06.22
コメント(0)
ここ数日、夏日になって、カーエアコンの出番が来ましたが、冷たい空気が出て来なくなりました。1週間前には何の問題も無く、エアコンは稼動していたのですが、多分冷媒のフロンが漏れ出してしまっているのです。冷媒システムに空気が混入しましと、冷媒圧縮機にも作動流体の変化したことで、運転支障が起きて、軸受けの固着など損傷の懸念があります。早速ディーラーに持ち込んで、調べて貰いました処、圧縮機が稼動していて、フロンが量が不足と言うこと充填してくれました。冷房機能は回復したのは良いのですが、フロン漏れを防止しないと長時間運転には適さないと言い、電装メーカーに持ち込んで、色を付けたフロンを入れて漏れ箇所を特定して修理しなければならず、約1週間預かって、費用は検査費用も含めて3~10万円掛かると言うのです。今の車は4年前にH18年式プリウスを購入したもので、もう製造から10年は経過したことになります。半年点検と1年点検はディーラーで欠かさず行って来たのですが、やはりエンジンやブレーキ、シグナル関係中心で、補機のチェックはなされていないのでしょう!未だ5万kmしか走っていませんが、10年経過すると、部品劣化は避けられず、これを契機にオイルポンプ、水ポンプも心配しなければなりません。今の車には、何の不満も無かったのですが、中古ディーラーに行き、H23年式のプリウスに買い換えることにしました。プリウスは新型が発売されたことで、中古市場に旧型が多く出て来て、4年目より少し安く買えた様な気がしますが、消費税が5%から8%になったことで相殺された気もします。
2016.05.23
コメント(0)
冥王星(Pluto)は、太陽系外縁天体内の準惑星に区分される天体。1930年に米国のトンボー氏によって発見され、2006年までは太陽系第9惑星とされていましたが、米国人は未だに惑星としての愛着がある様です。2006年1月に打ち上げられたNASAのニュー・ホライズンズ探査機は木星重力によるスイングバイを行い、2015年7月14日に冥王星に最接近、観測は最接近の5ヶ月前から始まり、冥王星を通り過ぎた後「離脱フェーズ(Depature phase)」に移行し、2016年1月に終了する予定らしいのですが、発表された画像は素晴らしいものがありました。1957年10月、ソ連が人工衛星を打ち上げたことに触発され、1958年の高校内の作文コンクールに「1988年宇宙の旅」と称して、ロケットで冥王星に行けたことを主題にして応募、選ばれたこと等を思い出してしまいました。惑星探査計画では通常、何度もスイングバイして目的地に向かうが、成否を握るのは探査機の位置制御で、探査機のルートと惑星の動きを計算し、正確な地点に入れる必要がある。スイングバイを世界で初めて実施したのは1974年、米国の水星探査機「マリナー10号」だ。まず金星でスイングバイし水星を目指した。77年に打ち上げられた「ボイジャー1、2号」は打ち上げ時木星まで行くスピードしかなかったが、木星、土星でスイングバイを繰り返して加速し、天王星、海王星を訪れ、太陽圏外に達した。日本では87年、技術試験衛星「さきがけ」が初の地球スイングバイを実施した。90年代に工学実験衛星「ひてん」が月で加速と減速のスイングバイを繰り返して技術を確立した。はやぶさ2前身の「はやぶさ」は、新開発のイオンエンジンを噴射しながら地球スイングバイをして小惑星「イトカワ」に到達した。その後も数々のトラブルに見舞われながら、イトカワのサンプルを地球に持ち帰った。この経験をふまえて改良されたイオンエンジンが、今回のはやぶさ2に搭載されている。はやぶさ2は打ち上げからほぼ1年をかけてイオンエンジンを噴射するなどして、徐々に目的のルートに入っていった。探査機の位置や速度を常に正確に把握するため、日本の探査機としては初めて「デルタドア観測(DDOR)」と呼ぶ測定手法を採用。デルタドア観測は、地球上の2地点にあるアンテナで、探査機と、位置の基準となる電波星が発する電波を受信し、それぞれの時間差から探査機の位置を割り出す技術だ。日米欧豪に設置されたアンテナの内2つで電波を受信。アンテナを切り替えながら探査機を追う。地球からの奥行き以外はあまり精度が高くなかった従来の手法と違い、3次元で探査機の位置が把握できる。精度は0.000000001。1億キロ離れたはやぶさ2の位置が、100メートル以内の正確さでわかる。
2015.12.29
コメント(0)
10年経過したFAX電話Panasonic KX-PW503-Sに付属していた子機KX-FKN521-Sの液晶画面が表示されなくなりました。電話が掛かって来た時は、子機を取り上げれば問題なく通話出来、子機で掛けることも可能なのですが、発信する際は番号が表示されないので、甚だ不便なのです。子機をインターネット検索すると、1万円弱とかなり高額なのです。家電量販店に行ってみますと、同じ型番は未だ生産中止となってはおらず、価格は10年前の半分以下となっていて、1万円強でしかありません。近頃は親機もコードレスで且つ入信したFAXは選別して印刷する機能が普通となっていて、その価格は10年前のPanasonic KX-PW503-S程度になっているのです。買い換えるのも一案ですが、FAXの使用頻度は格段に少なくなっていますので、買い替えを躊躇せざるを得ません。子機もFAX機能も無ければ、設置スペースは格段に小さくなるのですから・・近頃は、FAXで出来ることは、電子メールで殆ど肩代わり出来る様になって来ていますので、FAX機能が必要か否かは疑問符が付きます。子機の液晶画面が消えているのは、一寸不便ですが、暫くの間、不便のまま使い続けることにしました。次の電話はFAX機能無しのコードレス親機のみで良いのでは思い始めています。
2015.12.24
コメント(2)
私は原子力工学者では無いのですが、「夢の原子炉」と言われた高速増殖炉もんじゅを見学させて貰ったのは1995年春のことでした。1994年臨界に達し、1995年秋の本格運転に向けての定期検査の最中で、運営は動燃(動力炉・核燃料開発事業団)、ウラン補給不要のプルトニウムを再利用するMOX燃料を使う核燃料サイクルの中核となるもので、新技術開発の希望が膨らんでいる時期でした。MOX燃料の核分裂はウラン燃料に比べて核分裂速度が速く、原子炉冷却が冷却水では出来ず、高温の金属ナトリウムを使用するのが売りでも懸念でもありました。ナトリウム漏洩事故(国際事故評価尺度レベル1)の隠蔽工作等が批判され、動燃は解体、その後運転再開の見通しの無いまま、運営を日本原子力研究開発機構に委ねることになりましたが、インセンティブの無い保守管理だけでしたので、士気も上がらず企業の協力も得られずに点検でも多くの不備が指摘される様になり、今日の勧告に至りました。原子力規制委員会は、安全管理上のミスが相次ぐ高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)について、運営主体の日本原子力研究開発機構は「不適当」とし、新たな運営組織を見つけるよう馳浩文科相に求める勧告をまとめた。半年以内に適切な運営主体を示せない場合、もんじゅのあり方を抜本的に見直すことも求める。もんじゅは2012年機器全体の2割に当たる約1万件で点検漏れが発覚、規制委は2013年に原子炉等規制法に基づく運転禁止命令を出し、原子力機構に管理体制の見直しを求めたが、その後も新たな点検漏れや機器の安全重要度分類のミスなどが次々と発覚するなど改善されなかったため、初の勧告に踏み切った。もんじゅは過去に約1兆円、年間約200億円の国費が投入されたが稼働実績はほとんどない。もんじゅは高速増殖炉の原型炉、使った以上の燃料を生み出すため「夢の原子炉」とも言われ、水を使う一般の原発と異なり、核分裂で発生した熱吸収を液体ナトリウムで行うのが特徴ですので、ナトリウムは水分に触れると爆発燃焼するので、高度な技術が求められます。もんじゅ運営に関して、原子力機構に代わる新組織を見つけるのは難しく、もんじゅを中核とした国の核燃料サイクル政策は大きな岐路を迎えることになりました。今年も日本人のノーベル賞受賞者がいましたがそれは過去の産物、近頃の建設業の杭打ち不正等を考えますと、日本の技術水準は難局を切り開く進取の気勢が無く、衰えて来ていると思わざるを得ません。
2015.11.14
コメント(0)
日本付近は冬型の気圧配置が続き、季節風が吹きつけています。日本海には筋状の雲が広がっており、済州島と屋久島の南にはきれいな「カルマン渦」が見られます。上の画像は昨日の午前9時の衛星画像、済州島と屋久島の南にきれいな渦状の雲が見られます。流れの中に置かれた物体の風下方向にはカルマン渦と言われる不思議な渦巻きができることがあります。流体におけるカルマン渦:渦放出の周波数と流速の関係は、それらを無次元化したストローハル数St とレイノルズ数Re によって、一般にSt = f (Re ) と表される。物体が円柱の場合、Re = 103 - 105 の範囲では、St = 約0.2 でほぼ一定とされる。気象現象におけるカルマン渦:冬季の屋久島や済州島など、島の風下側に雲渦が列状に並びカルマン渦を形成することがある。この雲渦は主に下層の層積雲で構成される。高さ1km付近に顕著な気温逆転層があり、山頂がその上端よりも高く、風向がほぼ一定で比較的強い風が吹くなどの一定の条件がそろうと発生する。雲渦ができる高度は500 m~2,000 m程度、長さはおよそ500 km~1,000 km、渦の直径は20 km~40 kmとなることが多い。このカルマン渦では、対策が施されずに大きな人災とも言える災害が起きています。1940年、アメリカのワシントン州タコマ橋は横風の中、H型断面の橋梁に、カルマン渦を生じるような不安定な剥離が起こり上下に橋が振動、共振し崩壊に至った。1995年、福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」二次冷却系で温度計の破損によって金属ナトリウム640kgが漏洩し火災となった。熱電対温度計を収納する「さや(ウェル)」がナトリウムの継続的な流れによるカルマン渦が発生、その振動によって折損に至った。この事故以来、もんじゅは運転休止状態が続き現在に至るまで運転を停止している。
2015.01.10
コメント(0)
中古のH18年式プリウスを購入したのは2012年(H24)3月のことでしたから、2年半が経ちました。昨年12月は7年目の車検でしたが、今年は定められた12ヶ月点検のみでしたので、購入したトヨタ中古ディーラーT-Upに持ち込み1時間半掛けて整備をして貰いました。普段は不精を決め込んで、前のエンジントランクを開けることもなくなりましたので、安全に運転を続けるには必要なことだと思っています。尤も、半年毎の6ヶ月点検も行っていますので、車の状態で気になる所はなく、まあ安全保険と考えています。序でのことに、カーナビのHDDも2014年11月版の更新して貰うことにして、2時間で全て作業終了となりました。チューンナップも作業の一環でしたのか、点火進角が適正になり、アクセルを踏み込みますと、エンジンの調子が軽く快調になった気がします。
2014.12.09
コメント(0)
昨夜のNHKニュースで、都内で開催されているLNG消費国会議が報じられていて、東南アジアとオーストラリアでの浅い海でのガス田開発を効率的に担う、メジャーShellが提案したと思われる移動浮体式LNG製造貯蔵基地であるFLNGのモデル展示の解説も行われていて、吃驚しました。この概念設計を、IHIとJGC共同で実施、技術説明の為、オランダのハーグにあるShell本社に行きましたし、オクラホマ州タルサ北方のBartlesville市にあるPhillips本社にも出向いて行いましたのは、1998年のことでした。その年のLNG国際会議にてその概念につき技術ペーパー発表したのでしたが、鍵となるのは現在のLNG輸送船に採用されているMoss-Rosenberg球形タンクではなく、IHI開発の角型のSPBタンクで「LNG FPSO」としたのでした。それからもう16年も経っているのですが、Shellが名前を簡明にFLNGとして連綿と開発を進めている姿勢に納得する処となりましたし、IHIとJGCの貢献を祈って止みません。経済産業省は、産ガス国と消費国の硬直的な売買契約の解消を狙う対話の場としてLNG産消会議、今年で3回目の開催となり、国内では経産省がLNG先物を東京商品取引所に上場することを計画し、先物市場の基準となる価格の形成を目指し、LNG店頭市場(OTC)取引も開始した。国際エネルギー機関(IEA)は、「グローバル市場におけるアジアのLNG戦略」と題した報告書で「高いLNG価格は、アジアの消費国にとって受け入れ難くなっており、規制でガス小売価格が低く抑えられている国で大きな問題となっている」と指摘した。 日本と韓国で世界のLNGの取引量の約半分を占めている他、中国やインドも輸入を増やしており、アジア消費国の存在感は増している。一方で、アジア諸国が購入するLNG価格は、欧州向けのLNGや米国内の天然ガス価格と比べて割高になっている。 割高な価格への対応策として、売買契約の更新や新規契約を締結する際に、流動性のあるスポット市場価格が形成されればLNG価格決定方式に盛り込むことを提案した。
2014.11.07
コメント(0)
ロケットのメインエンジンは打ち上げ時6分間しか使用しないのですが、過酷な環境下であることから万全な品質管理が不可欠となります。米オービタル・サイエンシズ社のアンタレスは旧ソ連製NK33を改造したAJ26と言うエンジンが搭載されていたのですが、改造時に取り付けられた配管類等の溶接欠陥による破砕では無いかと思われ、品質管理不足が疑われてなりません。日本の誇るH2のメインエンジンLE7も、1990年前半迄はニッケル基合金Inco718の突合せ溶接欠陥でよくトラブルを起こしましたが、滑らかな突合せ形状変更と徹底した品質管理で現在の信頼性を獲得したのでした。米オービタル・サイエンシズ社のアンタレスは、国際宇宙ステーションに物資を運ぶ為に無人宇宙輸送船「シグナス」を載せて、10月28日午後6時過ぎ、バージニア州にあるNASA施設から打ち上げられたが、打ち上げ直後に爆発し打ち上げに失敗した。「シグナス」が国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶためのロケット打ち上げは4回目で、食料や実験材料など2トン余りの物資が積み込まれていた。アメリカ政府は、民間による宇宙開発を推し進めようと、国際宇宙ステーションへの物資の搬送を民間企業が開発した宇宙船に委ねていて、今後の計画への影響が懸念されている。米民間ロケット「アンタレス」には、旧ソ連が40年前に製造したエンジンを改造した第1段エンジン「AJ26」に何らかの異常が生じたとの見方が強まってきた。AJ26の元になったのは、旧ソ連が1970年代前半に月探査用に約200基製造したNK33エンジン。月探査計画の断念後は、旧ソ連内に保管されていたが、米企業が1990年代に約40基を購入して配管や様々な装置を取り付け改造したAJ26を2基搭載したアンタレスを開発、運用する米宇宙企業オービタル・サイエンシズ社に売り込んだ経緯がある。米の民間宇宙船試験機が墜落して飛行士等が死傷、今回の事故で宇宙旅行実現が遠のく可能性と報道されていますが、やはり品質管理不足が原因では無いかと思っています。宇宙旅行を目指す米ヴァージンギャラクティックは10月31日、カリフォルニア州上空で宇宙船「スペースシップ2」の試験飛行を実施したが、異常事態が発生し、ロサンゼルス北約120マイルのモハーベ砂漠に墜落した。スペースシップ2は、高度約15kmまで上昇した処で航空機から分離された直後にトラブルが起き、CNNによると、飛行士2人の内1人が死亡、1人はパラシュートで脱出したが、重傷を負った。同社は数分間の無重力状態を体験できる宇宙旅行を来年から始める計画を打ち出しているが、今回の事故で実現が遠のく可能性がある。
2014.11.01
コメント(0)
国産初のジェット旅客機となる「MRJ」のお披露目式(Launching Ceremony)が華々しく報じられています。ビジネス成否を決めると言う最低350受注機数を超えていますし、今度こそ自動車産業の後継となる基幹産業成長育成の観点からも頑張って欲しいものです。唯、推進エンジンが米国PW社製PW1200Gと言う最新設計の歯車つきターボファンエンジンと言うことで、国産と言うには「画竜点睛を欠く」とも思え、何としても残念です。尤も、三菱重工がエンジン生産分担を担うようで近い将来の国産エンジン誕生に期待することに致します。10月18日、三菱航空機はMRJのお披露目式を行った。国産旅客機の開発は日本航空機製造のYS11以来、実に50年ぶりとなる。受注も全日空始め407機(JALとの基本合意を含む)と順調に見えるが、MRJの将来はそれほど楽観できるのか。開発費1800億円を投じるMRJ成功の条件を考えてみよう。リージョナルジェット(以下RJ)とは、座席数が50~100席、航続距離が3000km程度の小型ジェット機で、より低騒音より短い滑走路で離着陸できる点に特徴がある。MRJは標準座席数が78席のMRJ70と92席のMRJ90があり、カタログ価格で4680万ドル(約47億円)である。RJの用途はハブ空港から周辺都市の空港を結ぶ路線、あるいはハブ空港を経由しない都市間の路線への活用だ。LCCの勃興で、RJ運行も拡大すると予想されている。三菱サイドでは今後20年間で約5000機の需要があり、その半分を取りたいと強気だ。国産初の旅客機YS11では、推進性能を重視して英国RR社製Dartターボプロップエンジンを使ったので、プロペラ振動が機体に伝わり、騒音防止に気配りが無く、乗り心地は今一の旅客機でした。航空学科同期の友人も1964年卒業と同時に日本航空機製造と言う産官共同の国策会社に就職したのですが、改善設計も為されず乗り心地の悪いままで、受注が伸びずビジネス的に失敗、会社解散の憂き目に遭いました。乗客座席数約60席の双発ターボプロップ機のYS11は、産官学が総力をあげて取り組んだ国家プロジェクトであった。1962年初飛行に成功、短距離で離着陸できる性能や頑丈な構造をセールスポイントに内外の航空会社に売り込んだが赤字が累積し、1973年に合計182機にて生産を打ち切った。民間機の販売経験が全くなく海外の競合機との商戦に苦戦、ダンピング販売を強いられたのが主因とされている。しかし、販売力だけでなく、将来を見据えた市場調査(F/S)と構想・基本設計、生産態勢に至るまで数々の問題を抱えていたことが明らかになっている。テスト飛行を重ねるにつれ、空気特性の悪さによる振動と騒音、プロペラ後流による右方向への偏向、全ての舵が効きにくい、安定性にも問題がある等致命的ともいえる欠陥が次々見つかり、輸出に必要な米連邦航空局(FAA)審査は合格しない。一部設計変更を伴う大改修を行って再審査でやっとFAA審査をパスするといった状況だった。
2014.10.23
コメント(0)
新幹線開業50年と言うことで、TV各局はその歴史が紹介されていますが、高速化に向けて空力抵抗を減らすべく車体を変えて来た歴史が殆どです。しかし、振動克服の技術開発も大きな課題で、高速走行中に架線からパンダグラフを経て安定して集電するのもその一つでした。それまで用いられたシンプル&ダブル・カテナリー架線では伝播速度が低く、走行速度が伝播速度を超えてしまい、パンタグラフを中心にCosh懸垂曲線(カテナリー)であるべき状態が、Cos三角関数曲線に変貌してしまい、架線破壊に至ることが分かったのです。そこで、国鉄の振動専門家である松平精氏と東大機械工学の藤井澄二教授との共同研究で、伝播速度を高くするべく、合成コンパウンドカテナリーが採用されることになりました。そんな振動学講義を聞きましたのは、開業1年前の1963年秋のことで、応用数学の有用さを改めて認識したものでした。この振動問題も格段の進歩を遂げ、360km/hでも安定した集電を提供できる目途を得られたと言うことが報告されています。新幹線の営業速度の向上に向けては車両の開発のみならず、電車に電気を供給する架線設備についても同様に開発を進めていく必要がある。当所ではFASTECH360試験を始めるに当たり、既設のコンパウンド架線に替わるiコンパウンド架線[improved compound catenary]を導入した。しかし、試験の速度を上げるに従って、架線の高さの変化やパンタグラフの配置方などに起因する、現状の営業速度では問題とならなかった種々の課題が明らかとなった。このため、シミュレーションや現車試験を通じ、これらの課題の克服に取り組んだ結果、360km/hでも安定した集電を提供できる目途を得られた。高速化に向けては、良く知られているように(1)式で表される架線の波動伝播速度cを向上させることが有効であり、そのため、トロリ線の高張力・軽量化で対処して来た。c=(T/ρ)1/2×3.6[km/h]但し、T:架線張力[N]、ρ:架線単位長重量[kg/m]ヘビーコンパウンド架線: 新幹線の標準とされるが240km/h走行が限度。張力upヘビーコンパウンド架線: 東北新幹線を275km/hに向上する際の改良架線。CSヘビーコンパウンド架線: 上越新幹線を425km/hに向上する際の改良架線。i(improved)コンパウンド架線: CSヘビーコンパウンド架線並みの走行確保。
2014.10.11
コメント(0)
政府は、次世代型原子炉として期待される高温ガス試験研究炉の運転を2015年度に再開し、研究開発を本格化させる方針を固めたと報道されています。沸騰水型原子炉(BWR)は原子力発電所の主流の一つを占めており、改良型ABWRは平成8年の運開以来一層の熱効率及び稼働率・信頼性の向上が図られ運転実績をあげていた。しかし熱効率は35%にとどまり、通常火力発電の主流であるガス・蒸気タービン複合サイクルの54~60%熱効率に比べて見劣りがするのです。その主因は熱機関の熱サイクルの違いにあり、即ち現状の原発は蒸気ランキンサイクルで、水・蒸気と言う2相を扱って復水行程があって熱効率向上に限度があるのです。一方、今回再開が予定される高温ガス試験研究炉では、ガス1相のブレイトンサイクルで、相の変化が不要であることから熱効率向上が容易となりますし、又、作動流体がヘリウムガスと言う安定した不活性流体ですので、福島原発の様な水素爆発は惹き起こさないとされています。それでも、安全確保の為に克服すべき課題は多いのだとも思われますが、ステークホルダーの努力による進展を期待しています。高温ガス炉の試験研究炉(茨城県大洗町)は東日本大震災を受けて停止中だが、早ければ10月にも原子力規制委員会に安全審査を申請する。産官学による協議会を年内に設置して研究開発の工程表を作成し、実用化に向けた取り組みを後押しする考えだ。高温ガス炉は軽水炉と違い、冷却に水ではなく、化学的に安定しているヘリウムガスを使う。このため、水素爆発などが起きず、安全性が高いとされる。日本は1990年代から、日本原子力研究所(現在の日本原子力研究開発機構)を中心に高温ガス炉の研究開発を行っており、世界有数の技術の蓄積がある。試験研究炉では1998年、核分裂を連続して発生させる「臨界」に初めて成功した。ただ、震災を受けて2011年3月に運転を停止して以降、研究は進んでいない。
2014.09.18
コメント(0)
期待される研究ですが、実験室では成功しても、工業化するのは困難では無いかと思われてなりません。工業化には原材料は持続性と均一性が要求されるのですが、農産物は収穫時期が限られていることや天候によって品質がばらつく等のハードルが高く、課題山積ですから・・エネルギー資源の分散化のトレンドからバイオマス発電の需要も大きい筈ですが、原材料となる間伐材供給の持続性と均一性がネックとなって計画倒れになっているのです。数年前には化石燃料の価格高騰を受けて、米麦等の農産物からだけでは無く、農産物ゴミからバイオメタノールが生成出来ないかとの研究もありましたが、シェールオイル及びシェールガスの登場により、沙汰止みとなってしまいました。信州大と東京大の共同研究グループは、最先端技術とされるナノテクノロジー(超微細技術)を活用し、稲藁やトマトの茎等の農林水産業の廃棄物から、微細の炭素体「ナノカーボン」など次世代のハイテク素材をつくる研究を始めると発表した。農業の活性化と循環型社会の実現に繋げるのが目的。埼玉県に拠点を設け、民間企業も今後、参加する。最終的には、産業界で幅広い活用が期待されている複合材の開発生産を目指す。農産物からハイテク素材を生み出す研究は進んでいるが、商業化には至っていない。このため研究グループは、高付加価値化や低コスト化などを図り、量産体制の確立を目指す。開発対象のハイテク素材は、繊維質の「ナノセルロース」、炭素物質の「ナノカーボン」、二酸化ケイ素「ナノシリカ」の3素材。ナノセルロースは鋼鉄の1/5の軽さで、5倍以上の強さにもなる高機能の特性を持ち、家電や自動車、航空機の強化材などに利用されている。研究グループはこうしたハイテク素材を、別の研究機関と協力しながら、コメのもみ殻、間伐材、寒天用の海藻などから生産出来る様にする。
2014.09.13
コメント(0)
全ての原発が停止して1年が過ぎていますが、老朽火力の再稼動もあって電力需要が供給能力を超えたことはありません。又、東京電力福島第1原発事故の原因究明も済んでおらず、作られた安全神話は通用しないこともあって、原発の再稼動には反対が大きく、原発廃止が潮流となりつつあります。そんな中、再稼動初号機とされる九州電力川内原子力発電所1、2号機に安全審査合格証が出されることになりました。世界的には原発需要が減ることは無く、世界最悪の事故を経験した日本が、福島第1原発からの教訓による安全対策構築とそれに基づく廃炉推進を進めなければなりません。福島第1原発では安全面からの冗長システムが貧弱で、原子炉冷却が出来ずメルトダウンしたことに疑いは無いのですから・・地震だけでなく、洪水対策、テロ対策、他国からのミサイル攻撃にもシステム対応出来る安全性が確保される必要があります。又、廃炉費用を考えますと、原発が火力発電よりも安価であるとは思えませんし、ベースロードとして使い続けることの適否を妥当性検討(フィージビリティ検討)する必要がありますが、エネルギー選択肢として保持する必要があるのだろうと考えています。原子力規制委員会は9月10日の定例会合で、九州電力川内原子力発電所1、2号機(鹿児島県)の安全審査の合格証にあたる「審査書」を決定した。今後、審査書に沿って、機器の耐震性能や事故時の人員配置を確認する詰めの作業が残る。現地での最終検査なども合わせると全て終えるのに数か月かかるとみられる。九州電力は、残る手続きに必要な書類をまだ提出しておらず、年内に再稼働するのは難しい。再稼働には、鹿児島県と原発が立地する薩摩川内市の同意も必要となる。周辺9市町で住民避難計画を強化する必要もあり、自治体側からは政府支援を求める声が上がっている。この為、政府は経済産業省職員を現地に派遣、避難計画づくりを支援する。原発寿命は原子炉系だけでなく蒸気タービン系も考えますと、40年以上とすることは詳細なサンプリング調査が必要であることから、強い放射能雰囲気では可能とも思われず、40年で廃炉とするのが妥当なのだろうと判断しています。電力各社と政府が、老朽化が進む原発の廃炉へと動きだした。関西電力が運転開始から40年以上経つ美浜原発1、2号機(福井県)、九州電力も稼働から38年の玄海原発1号機(佐賀県)が廃炉の検討に入った。原子炉等規制法で定めた原発の寿命は原則40年。政府は審査に合格したものに限り例外的に最長60年まで延長を認めたが、20年延ばす明確な根拠はない。老朽化影響は解明されておらず東京電力福島第1原発事故の原因究明も済んでいない。40年で運転を終了するなら、2050年までに国内48基全てが寿命を迎えるし、必要な放射性廃棄物や使用済み核燃料の処分場すら決まっていない。技術開発や人材育成も急がれる。廃炉によって大きな影響を受ける原発立地地域に対して、新たな産業創出など国の積極関与も必要になろう。 政府は日本の原発のたたみ方を、早く国民に示さなければならない。
2014.09.10
コメント(0)
昨日、家電量販店では2.8kW冷房能力で多機能の無いエアコンCS-F284Cはリサイクル料金を含めて9万2560円、近くの電気店の見積は10万2800円で、約1万円以上の価格差がありました。近くの電気店からは理事長時代に団地TVアンテナ修理で世話を掛けましたし、昨年は台所レンジファンの換装も行った経緯もあり、きっちり10万円と言うことで発注しました。個人商店なので忙しく、設置は今週金曜日以降と言うことで猛暑は過ぎているかも知れませんが・・17年前は16万円以上支払った覚えがありますのでエアコンも安くなったものですが、電気店が「これは随分高級なエアコンです!」と言うくらいの製品である様でした。冷媒がR22からR32に変更となる影響なのか、旧製品は室内機10kg・室外機36kgもあるのですが、今回は室内機7.5kg・室外機21kgと大分軽くなる様です。しかしながら、R32はオゾン層破壊が無いのですが、高い温暖化係数・可燃性と言う欠点もあり、全てに良いと言う冷媒は見つかっておらず、これからも模索が続けられそうです。クロロ・フルオロ・カーボン(CFC) 特定フロン:塩素を含みオゾン層破壊が高い化合物R11、R12等 1995年末生産中止ハイドロ・クロロフルオロ・カーボン(HCFC)代替フロン:オゾン破壊少なく規制対象外R22、R123等 2020年全廃予定ハイドロ・フルオロ・カーボン(HFC)代替フロン:オゾン層破壊がない新代替物質R134a、R32等 現在流通R32は可燃性があり、空気より重いので床面近傍に溜まる傾向があります。室内底部に充満すると、燃焼濃度に至る可能性があり、燃焼の回避のためにも適切な換気を行って作業環境を保つようにしてください。作動圧力がR22機種に比べ約1.6倍と高いため、一部の配管部材および据付・サービス用工具類が専用となります。R22機種をR410AおよびR32機種と取り替える場合は、冷媒の化学的特性および冷凍機油が異なりますので、新規の冷媒配管をご使用ください。
2014.07.28
コメント(0)
昨日、室外機のファンが何とか低回転で回っていたのですが、遂に止まってしまいました。19年前義母が我が家で8月下旬に亡くなった時は前のエアコンでしたので、換装したのは早くて翌年の1996年、若しくは翌々年の1997年でしょうから、17~18年を経過したことになります。静かで冷房面積19m2の冷房能力2.8kW、前のエアコンに比べて堅牢で故障も無く気に入っていたのですが、寿命を迎えた様です。念の為、富士通ゼネラルのWebサイトで、故障診断しようと型番を入れてみましたが、古すぎて「型番が見当たりません!」とのメッセージしか出て来ません。仕方なく、インターネット検索してみますと、「運転ランプとタイマーランプが同時に点滅する」と言う事象は、「電子基板が故障!」と言う結果の様でした。部品保持期間の8年を大幅に超えていますので、メーカーでも電子基板は無いと判断し買い換えることにし、近くの電気屋と家電量販店で相見積を取って近々に換装することに致します。電子基板の故障は交換以外に対処法はありませんので、単純な冷暖房のみで多機能の無い機種にしようと思っています。
2014.07.27
コメント(0)
ガスタービンはエネルギー分野での中核機器となっていて、火力発電はBTGからガスタービン複合サイクルに替わり、将来の原発も蒸気タービンからガスタービンに替わって行くものと見られます。1970年代から、この分野では米GE社がリードし、競合他社の米Westinghouse社、スイスBrown Boveri社は事業撤退に追い込まれました。しかし、Westinghouse社の技術継承した三菱重工、東独のメーカーSiemens社が、GE社の牙城に挑むことになりました。其処で、GE社はリードを守るべく、世界戦略の見直しを画策することになりました。GEのガスタービン部門拡大に向けて模索-三菱重工の挑戦を受けて三菱重工は、従来のパラダイムチェンジを目指し、独Sienmens社と2位3位連合で、GE社の戦略阻止を目指すことにした様です。仏政府は、ヨーロッパオリジンの会社が米国傘下になることを快しとせず、現状は三菱・シーメンス連合が有利ではないかと見ています。三菱重工業 と独総合電機シーメンス は、仏重電大手アルストム (Alstom)の発電事業買収を正式に共同提案した。シーメンスがアルストムのガスタービン事業を現金39億ユーロで買収、三菱重工は水力発電、送電など発電資産の株式を取得し、3つの合弁事業を設立する。三菱重工はアルストムに現金31億ユーロを注入し、仏複合企業ブイグ から10%のアルストム株式を取得する。 アルストムをめぐっては、米ゼネラル・エレクトリック(GE) が同社の全エネルギー事業を124億ユーロで買収することを提案している。GE買収案は今月23日が期限で、アルストムをめぐる買収合戦は今週ヤマ場を迎える。アルストムは今後数日で、三菱重工とシーメンスによる共同提案を精査する方針であることを明らかにした。関係筋によると、買収対象とならずアルストムにとどまる発電事業の一部も含め、日独連合の提案はGE案を10億ユーロ超上回る。仏政府は雇用確保とエネルギー自立の観点から、アルストムが外資の手に渡ることには否定的な立場だ。アルストムは世界の原発にタービンを供給しており、米国企業の傘下に入れば仏原発産業の輸出を損なうと懸念している。仏大統領府によると、オランド大統領は三菱重工、シーメンスの両社首脳と17日に会談するが、仏政府やアルストム、アルストム筆頭株主のブイグがシーメンスと三菱重工の提案をGEより評価するかどうかは不明だ。仏政府はまた、エネルギーに加え、アルストムのもう1つの中核事業である輸送分野でも大手として存続させたい意向だ。シーメンスは、アルストムと鉄道車両事業を統合して、「欧州最大手」を目指す可能性についても話し合う計画と説明したが、確約はしていない。GEは前月、鉄道分野でもアルストムとの提携を検討しているとして、両社の鉄道信号事業を統合しアルストムの傘下に置く可能性を示唆している。
2014.06.17
コメント(0)
プラズマクラスターは、家内の病気療養中、実兄にお見舞いとして頂いたものですから、もう5年も前のこととなりました。その前から室内の空気清浄には気を使っていて、HEPAフィルター式の空気清浄機は居間で稼動していたのですが、プラズマクラスターの脱臭機能は、HEPA式では叶えられないもので、それ以来重宝して使っておりました。昨年6月、イオン発生ユニット交換の赤信号が点滅しましたので、シャープのWebサイトで購入して交換となりました。最小寿命は2年となっておりましたので、又4年程稼動出来るつもりでした。しかし、数日前に、イオン発生ユニット交換の赤信号が点滅し始めたのです。1年しか経過していませんので、気にせずにリセットボタンを押せば良かったのかもしれませんが、今度は部品型番も分かっていましたのでAmazonの即日配達で購入、交換してみることとしました。取り外した昨年の発生ユニットは加熱板の焼付けも殆ど見られず、付着していた汚れを塗れたティッシュ数枚で綺麗に拭き取りましたので保存しておき、残っている余寿命1年を見込んで次回の交換時に生かすことにしました。プラズマクラスターイオンには以下の効果があるとされている。しかし、有効性を確認出来ないとする研究はあるが、開発者以外の第三者による「除菌効果の実空間での実証」がされた論文は現在のところ存在しない。-布に染み込ませたタバコの臭いを脱臭-浮遊しているダニの糞や死骸等のタンパク質を切断して除去-空気中のウイルスを除去し、浮遊ウイルスの作用を抑える-細菌の細胞膜のタンパク質を断片化して不活化-浮遊しているカビの細胞膜のタンパク質を切断して分解除去-イオン濃度25000個/cm2の場合、肌の水分量の増加-機能搭載エアコンの場合、内部のカビを除菌
2014.06.10
コメント(0)
大型ガスタービン供給者の雄である米General Electric(GE)社が三菱重工の挑戦を受けて、ガスタービン部門拡大を模索しています。General Electric社のイメルト最高経営責任者(CEO)は、フランスの重電大手Alsthom社のエネルギー部門買収に向けてフランス政府と「建設的な作業」を続けていると述べた。フランス政府はGE社の買収提案に難色を示し、ドイツの複合企業Siemensに買い手の対抗馬になる様に促している。フランスは先週、戦略的分野の国内企業に対する外資買収を政府が阻止できる法令を導入しており、この点がGEにとって大きな障害となりかねない。しかしイメルトCEOは「これは実行可能な案件だ。われわれにとっては経験済みのことであり、合意に達すると見込んでいる」と強調した。三菱重工は勢力拡大に意欲的で、GE社を凌ぐ世界トップを狙っています。三菱重工と日立製作所が火力発電システム事業を統合して2014年2月1日に発足した三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、世界トップに躍り出る2兆円事業計画を明らかにした。現在同事業の世界トップである米GE社の売上高が1兆5300億円、同2位の独Siemens社が1兆3300億円。現在、火力発電の主流は大型ガスタービンの複合サイクルであり、熱効率60%を越える高効率で、熱効率40%以下の従来火力発電所のリパワーリング更新に因る温暖化対策への需要が大きく、市場は引き続き大きいと見込まれています。1970~80年代には、ガスタービンは事業用火力発電の主力ではなく、自家発やパイプラインの駆動機が主な用途であり、GE社、Westinghouse社、ABB社が供給メーカでした。GE社の戦略は、各国にOEMメーカを設立、英国にJohn Brown、仏にAlsthom、独にThomassen、日本に日立製作所として、一気に世界市場を席捲、Westinghouse社・ABB社は撤退を余儀なくされました。1990年代に、大型ガスタービン火力発電が主流になりますと、東独から飛躍したSiemens社、Westinghouse社技術を踏襲した日本の三菱重工が競合相手となりました。ABB社の頚木を離れた東芝がGE社との提携で、三菱重工に対抗していますが、今後大型ガスタービン市場に変化は起きるでしょうか?
2014.05.26
コメント(0)
H2Aロケット24号機は24日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、16分後に予定通り衛星を切り離し、打ち上げは成功しました。24号機で打ち上げられた観測衛星「だいち2号」は、高性能なレーダで地震による地殻変動や火山噴火などを観測し、自然災害の監視体制の強化が期待されます。H2Aロケットの打ち上げは今回で18機連続の成功となりました。写真は22年前、種子島宇宙センターを訪問した時のもので、向かって右に並んでおられる現地所長にセンター内を案内して貰った時のものです。当時はロケットも改良前のH2、主管がJAXAでなくNASDAの時代で、三菱重工・川崎重工・IHIの3重工が独立に現地事務所を開設し、NASDAをサポートしていました。その前年、H2メインエンジンLE-7がエンジン試験場で破損事故を起こしたので、原因究明と対策が検討されている時期でもありました。今ではロケットは改良型のH2Aとなり、信頼性を格段に向上させコスト削減も叶い国際競争力も増しました。又、製造から打ち上げ迄の全体責任は三菱重工が負う様に変更、民営化してロケットビジネスの改革が進められました。連続20回成功が国際的な信頼性を評価される基準ですが、もう大丈夫だと思っています。今後ともJAXA主導で、国際競争力を高める為には、一層の品質管理とコストダウンは不可欠だと思っています。情報収集・宇宙科学需要から年間3機打ち上げの官需がありますが、民間・海外からの追加受注ビジネス展開を考えますと、少なくとも年4機打ち上げ体制の構築が必要でしょう。1969年に設立された種子島宇宙センターは、総面積約970万平方メートルにもおよぶ日本最大の宇宙開発施設です。種子島東南端の海岸線に面しており、世界一美しいといわれているロケット打ち上げ射場です。ロケットの組み立てから打ち上げまで、そして衛星の最終チェックからロケットへの搭載までを行っており、我が国のロケットや人工衛星の打ち上げを担う施設です。施設内には、小型ロケット打ち上げ用の「竹崎射場」、日本の主力ロケットであるH-IIAロケット打ち上げを中心とする「大崎射場」があり、その北方には「増田宇宙通信所」「野木レーダ局」、西方に「宇宙ヶ丘レーダステーション」「光学観測所」などの試験設備が整備されています。また、液体ロケットエンジンおよび固体ロケットの地上燃焼試験等を行う開発関連設備も備えています。
2014.05.24
コメント(0)
原子力発電の将来性に疑念が投げられて以来、究極のエネルギーとされる水素利用が再び注目を浴びて、マスコミでも取り上げられて来ている様です。1980年代には、ドイツのDow Chemical社から納めたガスタービン発電装置の燃料として、天然ガスに随伴水素ガスを8%程混入する要請にも応じたこともありました。1990年代には、NEDOのニューサンシャイン計画での「水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET)研究開発」にも参画し、社内で進められていた米国MC Power社との溶融炭酸塩の燃料電池共同開発を横目で見ていたものでしたが、経済性に問題があって実験室段階で、計画が終了してしまいました。2008年、経産省の水素パイプライン計画にも参画、設計方法を具申致しましたが、それ以上進まず、翌年にはハイタン利用に変質してしまいました。ハイタンとはハイドロジェンとメタンを混合させたガスの呼称で、私にとっては1980年代に逆戻りの感がありました。しかし、長年話題となっている燃料電池は、経済性問題が一向に解決の目途が立たず、実用化には尚長期間を要すると見ていますので、当面は副生成物として出て来る水素を天然ガスに混入して使用するハイタンとしての利用促進が現実的なコンセプトなのだろうと思っています。これまでに水素が大きな話題になったことは2回あり、今回は3回目であると認識している。1回目は「水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術(WE-NET)研究開発」を実施していた1990年代初めであり、2回目は資エネ庁長官の私的研究会として「燃料電池実用化戦略研究会」が発足した2000年代初めである。 3度目の今回は、平成26年度概算要求では「水素供給設備整備事業費補助金」として80億円程度が要求されている。 水素社会が持ち得る価値について、以下に主な3点が挙げられる。•二酸化炭素(CO2)の削減:水素は温室効果ガスを排出せず、温暖化対策になる。•再生可能エネルギーの活用:再生可能エネルギーによる水素製造、再生可能エネルギーの変動対策にも、水素による発電を利用する。 •必要なエネルギーの貯蔵:FCV利用により車の燃料にもなり、生活に必要なすべてのエネルギーは水素のみで賄うことができる。 水素は貯蔵性に優れており、石油製品ほどではないが、電池よりもエネルギー密度が高い。エネルギーをすべて水素により供給する「水素タウン」ができれば、エネルギーを高効率で最適に利用できるだけでなく、災害時のエネルギー利用と言った付加価値が生まれる。 水素社会には上記の利点がある一方で、その実現にはさまざまな課題がある。適切な機器を開発し、適正な価格で水素が供給されなければ、水素社会は来ない。現時点では、機器開発も経済性もインフラ整備も、今後の課題として残されている。 新しい技術の導入には政策支援が不可欠で、水素を積極的に導入するための政策を打ち出す必要がある。また、民間企業はその政策を大いに利用して儲かるビジネスモデルを作り、多くのプレーヤーが参入したい市場を作っていかなければならない。 水素がエネルギーとして身近な所で徐々に使われ始め、少しずつ水素社会への道を歩み始める2015年およびその先に向けて、あらゆるステークホルダーが一丸となり、将来水素社会を実現させるという強い意志と覚悟を持って課題解決に取り組むことが望まれる。
2014.04.20
コメント(0)
車を運転中に携帯電話を使うのは道路交通法違反となりますので、カーナビの電話機能を生かして車のマイクとスピーカで携帯を使うことにしています。しかし、スマホを買い換えましたので再設定が必要なのですが、上手く設定できずディーラに持ち込んで設定を依頼しましたが、真に簡単で登録電話機の初期化をし、スマホのツール機能を使ってカーナビと交信しますと、自動接続されて完了となりました。古いとは言えToyota純正のカーナビですので、Webサイトに入ってみますと、スマートフォンとカーナビとの連携させた便利な機能が紹介されていました。スマートフォン連携アプリ(NaviCon/smart nAVVi Link)スマートフォンとカーナビをBluetoothで連携、スマートフォンからナビの目的地に設定できる位置情報の送信を行うアプリです。位置情報は、アプリの地図から周辺施設や行きたい場所を選択したり、電話帳にある住所録から選択したりしてナビに送信。ナビ目的地の設定:地図上から目的地設定→地図の周辺施設の検索結果から目的地設定→電話帳(アドレス情報)から目的地設定→地点情報付きメールから目的地設定1. 対応アプリを使って見つけた場所の地点情報をスマートフォン連携アプリに受け渡し2. スマートフォン連携アプリからナビに送信3. ナビの目的地に設定ナビのAV機能リモコン:助手席や後席からナビのAVソースをリモコン操作できます。TVやDVDなど、各AVソースに最適なスイッチ意匠のリモコン画面を用意。楽曲名やアーティスト、放送局など再生中のAV情報も表示します。Bluetooth通信で接続する連携アプリ:スマートフォンとナビがBluetooth®通信でつながり、スマートフォンの対応アプリをナビのディスプレイで表示・操作できます。私のカーナビは7年前のもので、TVもワンセグ機能が無くて見られない機種ですので、そんな機能が生かせるか否か分かりませんが、カーナビも進化の一途を辿っている様です。
2014.04.18
コメント(0)
H2Aロケットは1段目ロケットのメインブースタLE7Aと言う世界に冠たるエンジン搭載に特徴があり、その信頼性が格段に向上したのは嬉しい限りです。H2ロケットのメインブースタLE7は世界に類の無い再生サイクルを使ったエンジンで、サイクル的には優れているのでしたが、ニッケル合金Inco718溶接部に設計と熱処理上の問題があり信頼性に不安のあるものでしたし、打ち上げ運用コストも120億円を越え円高の影響もあり、世界的なロケット打ち上げビジネスに競争力の欠けるものでした。その後LE7の設計・製造改良と共に固体ロケットブースタのコスト低減の努力で、H2Aロケットとなり、信頼性向上と共に打ち上げ運用コストも90億円を下回り、近頃の円安基調でロケット打ち上げビジネスにも競争力のあるものとなり、今回の日米共同開発のGPM計画の主衛星が日本のH2Aで打ち上げられて成功したのは喜ばしい限りです。日米が共同開発した降水観測衛星を搭載したH2Aロケット23号機が28日午前3時過ぎ、種子島宇宙センターから打ち上げられ、予定軌道に投入され打ち上げは成功した。主衛星は重さ3.7tと大型で、開発費は打ち上げ費用を含め785億円。H2Aは17回連続の成功となり、成功率は95.6%に向上し信頼性を高めた。地球9割地域の雨を高精度に観測する国際プロジェクト「GPM計画」の中心となる主衛星。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と米航空宇宙局(NASA)が共同開発した。日本が開発した高性能レーダーを搭載、従来の衛星では不可能だった弱い雨や雪も観測できる。9月を目途に運用を開始し、各国の副衛星と連携して降水の様子を3時間毎に詳しく把握。観測データは地球温暖化の研究、台風や豪雨の災害対策、天気予報などに役立てる。全球降水観測(GPM:Global Precipitation Measurement)計画 雨や雪の様子を地球規模で高精度に観測する日米欧などの国際協力プロジェクト。日米が共同開発した主衛星と各国の副衛星が連携し、地表の9割を3時間毎に観測。現行の衛星「TRMM」が熱帯や亜熱帯の雨しか観測できない弱点を克服する。運用開始時には日本の「しずく」など12基の副衛星が連携する見通し。
2014.02.28
コメント(0)
コンバインドサイクル(複合サイクル)発電は、ガスタービンや蒸気タービンを回す従来型よりも発電効率が高い。蒸気タービンだけの発電では40%に満たず、ガスタービンだけでは40%程度だが、最新式のコンバインドサイクル発電では60%にまで向上します。熱効率が上がって使用燃料は減り、排出される二酸化炭素(CO2)も削減される利点があり、設置拡大が大いに見込まれると予想されます。事業用でない企業のガスタービン自家発電所でも、少なくとも排ガスボイラーで蒸気発生させて利用するコジェネレーション(熱併給)方式であって欲しいし、可能であれば蒸気はガスタービン内に噴射する蒸気混相流(STIG:Steam Injection Gasturbine)にして、出力増加を図り発電効率を高めたいものです。私の関わったガスタービンプラントの事例蒸気混相流(STIG:Steam Injection Gasturbine)に就きましては、米国機械学会で10年以上前に論文発表したものです。ガスタービンエンジニアリングの事例東京新聞では「高効率の複合サイクル火力発電は原発ゼロをしのぐ切り札」とした記事を下記の様に掲載しています。大手電力会社の火力発電所で2011年3月11日の東日本大震災以降、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた高効率の「コンバインドサイクル(複合発電)方式」の導入が進んでいる。この3年間、東京電力など6社で計約417万kWが整備された。民主党政権が「原発ゼロ」の達成目標時期として掲げていた2030年代までに、更に1700万kW以上の整備が予定されている。コンバインドサイクル発電は発電設備の新増設・老朽化施設の改修の際に導入されている。改修前の従来施設の発電能力を差し引いた「純増」分は、震災後から現在まで約220万kW。今後、2030年代までの純増分は約860万kWになる見込みだ。政府は閣議決定する見込みのエネルギー基本計画案で、発電コスト低減や地球温暖化対策の為に「コンバインドサイクル火力発電など液化天然ガス(LNG)の高度利用を進める必要がある」と指摘する。高効率火力発電の急速な普及は、原発再稼働の必要性に改めて疑問を投げかけそうだ。
2014.02.14
コメント(0)
日本はガスハイドレート等の海洋資源の採掘、海水からの各種メタル・水素及び重水素等の資源回収は将来的には欠かせない技術ブレークスルーとなり、狭い国土に天然資源の無い国から、広い海洋国家として資源大国に変貌する期待もあります。日本原子力研究開発機構(JAEA)が海水からのリチウム抽出実験に成功したのは喜ばしいニュースで、キーとなる技術は「イオン伝導体の分離膜」にある様で、既に特許出願済みですが、果たして実験室段階から、規模を拡大したパイロットプラントでの検証、実証プラントでの商業的運用が上手く行くのか注目する必要があります。日本原子力研究開発機構(JAEA)は世界で初めて、海水からリチウムを分離・回収する技術を確立することに成功した。リチウムはレアメタルとはいえ、海水の中には無尽蔵に含まれている物質で、効率的に抽出するかが大きな課題になるが、 JAEAではイオンの伝導体を通してリチウムを移動させる原理を発案して、分離装置で回収する方法を実証した。リチウムは電気を運ぶイオンになり易く、充電・放電を繰り返す蓄電池の用途に向くが、化学反応が進みやすいことから、天然の状態で存在する場所は限られている。現在は南米で塩湖の水を1年以上かけて自然蒸発させて抽出する方法しか見つかっていない。海水からの分離・回収技術が実用化できれば、リチウムを短期間に効率よく製造する道が開ける。更に電気自動車などで使用済みのリチウムイオン電池からリチウムを回収することにも応用できる見込みだ。今後は分離・回収装置の規模を拡大したパイロットプラントを建設して実用化を進めていく。すでに特許は出願済みである。核融合の技術開発の先行きは未だ不透明な部分が多い。現在の方式ではトリチウムを用いることから、放射線を放出する点では核分裂と同様に人体に対する影響は極めて大きく、安全性の確保が欠かせない。リチウムの抽出技術が安全な用途に限って応用されることを望みたい。
2014.02.12
コメント(0)
石炭液化(Coal to Liquids、略称:CTL)は石炭を原料に石油代替エネルギーを生産することを言い、天然ガス液化(Gas to Liquids、略称:GTL)GTLは天然ガスから石油代替エネルギーを生産することを言います。東京新聞では中国の石炭液化プラントへの訪問記事を掲載しています。中国の石炭消費量は2012年に約37億トンで、世界の消費量の約半分を占めた。国内埋蔵量は1145億トンで、米国、ロシアに次ぎ世界第3位。ただ経済成長に伴って消費が増えており、2009年からは輸入量が輸出量を上回るようになった。其処で、中国では石炭液化・ガス化に協力に傾倒する様になりましたが、石炭液化は戦前から日米独など各国が取り組んできた課題。しかし製造コストが嵩むこともあり大きな進展はない。採掘場所の近くに液化・ガス化に必要な施設をつくることなどでコスト抑制に成功したとされる中国が「歴史」を変えられるか。今後の動きが注目されそうだ。インターネット検索しますと、2009年4月時点での情勢が次の様に紹介されていました。中央国有企業である神華集団「中国神華石炭液化化工」の年産100 万トンの石炭直接液化プラントは2009年1 月液化油の試験生産に成功した。同事業は最終的には年産500 万トンが目標である。又、同社の年産18 万トンの間接液化プラントは今年末に完成する。神華は南アのサソル社と提携して、寧夏自治区で年産360 万トンの間接液化事業を進めており、2010 年までにFS を完了する予定とされている。内蒙古自治区の地方国有石炭企業である伊泰集団は2009年3 月に、第1 期年産16 万トンの液化プラント試運転に成功。伊泰の事業は中科合成油公司のフィッシャー・トロプシュ (Fischer-Tropsch)法による間接液化プラントである。伊泰は、将来的にはプラントの年産能力を60 万トンに拡大し、さらに総計500万トンに上る石炭液化基地を建設するとともに、エチレンなど高付加価値製品の精製も計画している。山西省潞安集団のプラントは2009年4 月にフィッシャー・トロプシュ法による16 万トンプラント試運転を開始。プラントの生産規模を40 万トン以上に拡充し、さらに2020 年には年産1,500 万トンの石炭液化基地を建設する計画である。しかし、石炭液化CTLは天然ガス液化GTLとは異なり硫黄含有量が問題であるし、液化用石炭の他にプラント加熱用石炭・水蒸気還元による水素製造用の石炭も必要とし、石炭を大量に消費する割りに人造石油がそれほど採れず、CO2が大量に発生するのが難点ですので、商業ベースで全て解決出来ているとは思えないのです。
2014.02.02
コメント(0)
タールサンドと言う存在を知ったのは1975年10月、初めてのカナダ出張の時でした。当時は石油も精々20ドル/バレルの価格で、タールサンドからの石油抽出は生産コストが高くて放置されていました。その出張の目的はアラスカ・プルドー湾の天然ガスとカナダ・マッケンジーデルタの天然ガスを合わせて、米国にパイプラインを輸送しようと言うCAGSLプロジェクトにガスタービンを売り込む為でした。しかし、その後石油価格も高騰し、タールサンド・オイルシェールからの石油抽出コストが採算上問題無いことになり、大規模の開発となりました。しかし、タールサンドからの石油は「黒油」とも呼ばれ、環境影響が酷く、開発拡大の反対運動が激しくなっている様です。Tar Sands Oil Extraction - The Dirty Truthタールサンド(Tar sands)とは、性の高い鉱物油分を含む砂岩で、地表に露出し揮発成分を失ったものと考えられている。母岩が砂岩ではなく頁岩の場合にはオイルシェール (Oil Shale) と呼ばれる。世界中に埋蔵されているタールサンド、オイルシェールから得られる重質原油は約4兆バレルで通常原油の2倍以上と推定されており、石油燃料代替資源として注目を浴びている。タールサンドから1バレルの重質原油を得るためには、数トンの砂岩を採掘、油分を抽出するので、大量の産業廃棄物が発生する。従来の原油と比較して生産コストが高く、廃棄土砂処理に多額の費用がかかるため、長い間不採算の資源として放置されていた。2度の石油危機が起きた1970年代後半からでカナダ・アルバータ州では大規模な露天掘りが行われ、カナダ原油生産の相当部分を占めるようになった。国際エネルギー機関が最近発表した 世界エネルギーアウトルック2009年度報告書では、カナダのタールサンド生産の長期成長が見込まれ、2030年までには1日当たり500万バレルの生産量に達すると報告している。カナダのタールサンドは民間エネルギー企業にとっては絶好の投資対象であり、石油価格が高騰し始める中、タールサンド開発拡大は間近に迫っているが、環境対策の懸念から開発反対の運動が激化している。「従来通りにタールサンド事業を行えば、一握りの大企業には潤いをもたらすが、経済の空洞化、世界に誇る水源の破壊、アルバータ州の1/4近い土地の工業化、カナダ最後の天然ガス供給を使い果たし、そしてカナダの統治権を崩壊させることになるだろう」
2014.01.17
コメント(0)
30才代から40才までは、業務に応用数学適用に情熱を注ぎ、ガスタービン性能解析、天然ガスパイプライン計画等に適用して、汎用コンピュータでFortran4プログラムを作成したこと等は良き思い出です。37才にて家族帯同の米国駐在を3~5年することとなりセールスエンジニアとして役割が増えましたし、又管理職として業務が少し変質することとなりましたが、良かったのか否かは何とも言えません。導管内ガスから熱伝達を経て地中熱伝導にて地表面に達し、地表面自然対流熱伝達によって放熱される仕組みを計算するのは、なかなか難しい問題である。地中の熱伝導が、ガス熱伝達および地表面熱伝達に比べ十分小さいことを想定して問題をより単純化することで検討する。この問題は1920年代、埋設電線からの放熱問題として解決されているもので、上記図形をSchwarz-Christoffel式による写像にて矩形に変換しての簡単な一次元熱伝導問題に置き換えることが出来る。命題を複素平面(z=x+iy)で定義し、下記の関数にて他の複素平面(t=u+iv)に写像する。t = i * ln((z+c)/(z-c)) 即ち u+iv = i * ln((x+c+iy)/(x-c+iy))ここで、c2 = d2 - a2で設定する。数学的な意味はz平面の(-c, 0)及び(+c, 0)から対象点への各々の距離をr、r’、角度をθ、θ’とすると次の様に定義される。v = ln(r/r’)、u =θ'-θcの値を設定したので、z平面の円はt平面にv一定の水平線分で写像される。地中埋設の円筒部分はv = cosh-1(d/a) , u = 0-2πの線分に、地表面部分はv = 0 , u = 0-2πの線分に写像される。即ち矩形で、表面積が2π、温度傾斜が(Ta - Tg)/ cosh-1(d/a)とした極めて簡単な準一次元熱伝導問題に転換された。その結果、放熱量Qは次の様に導かれる。Q = 2*π*λ*(Ta - Tg) /cosh-1d/a = 2*π*λ*(Ta - Tg) /ln((d + √(d2 - a2))/a)ここで、π: 円周率(3.14159…)
2014.01.12
コメント(0)
NHKで「神の数式」シリーズを拝見しましたが、天才達の格闘によって物理学の進歩も格段のものがあると感心してしまいました。宇宙はアインシュタインの一般相対性理論(General Relativity)に従って重力場が主体的役割を果たしているとされて来たのですが、所謂ブラックホールでは重力波が無限大となりその理論が成立しない矛盾が指摘されていました。しかしながら現在では、それに素粒子解析に必要な相対論的量子力学論(Relativistic Quantum Mechanics)を加え、近頃注目を集める超弦理論(Superstring Theory)を付加するとブラックホールからの放熱事象を含めて全ての宇宙の解明がなされると言うのですが、物理学が好きだったにも拘わらず工学の道に進んだ私の理解を越えていました。此の様な記述にも不正確である可能性もあり、その点はご理解頂きたい所存です!超弦理論は、物理学の理論仮説の1つ。物質の基本的単位を、大きさが無限に小さな0次元の点粒子ではなく、1次元の拡がりをもつ弦であると考える弦理論に超対称性という考えを加え拡張したもの。宇宙の姿やその誕生のメカニズムを解き明かし、同時に原子、素粒子、クォークといった微小な物の挙動を説明する理論の候補として、活発に研究されている理論である。この理論は理論的な矛盾を除去することには成功したが、不完全な点を指摘する専門家もおり、また実験により検証することが困難とみなされ、物理学の定説となっていない。超弦理論は、現時点では観測や実験事実を説明するまでには至っていないが、ブラックホールの問題への回答、宇宙論や現象論の模型への多大な影響、そしてホログラフィー原理の具体的な実現など、その成果を挙げるにはいとまがない。超弦理論に懐疑的な発言をしていたスティーヴン・ホーキングも、近年は超弦理論の成果を用いた研究を発表している。問題点1.「超弦理論」では現在のところ観測されていない10次元といった多数の次元を必要とする点で問題がある。2. 超対称性理論と同様に、現在観測されている素粒子の倍程度の新粒子の存在を予言する。3. 重力の量子論の有力候補とされているものの、現在の超弦理論は背景依存の理論形式であり、背景独立でない理論は真の量子重力理論にはなり得ないという批判がある。4. カラビ-ヤウ空間の形状などに依存して、膨大な数の超弦理論が存在し得る。膨大な数の超弦理論が、それぞれ別の宇宙を表すとの考え方もあるものの、我々の宇宙の法則を得られなければ、実用理論としては意味が無いかもしれない。
2014.01.05
コメント(0)
三菱重工業と日立製作所は、火力発電事業規模の拡大により海外市場での受注を増やし、米ゼネラル・エレクトリック(GE)や独シーメンス(Siemens)に対抗するべく、昨年11月に火力発電事業の統合で合意。社長には三菱重工から、会長には日立から派遣され、資本金は1000億円、三菱重工が65%%、日立が35%を出資し、三菱重工の連結子会社となり本社は横浜市に置き、新会社名を「三菱日立パワーシステムズ(MHPS)」にすると発表していた。12月12日に公正取引委員会が事業統合を承認されたが、競争政策をめぐる韓国当局の認可が得られていない上、統合に向けた準備が一部完了していない為、三菱重工業と日立製作所は18日、両社の火力発電事業の統合を当初予定していた来年1月1日から2月1日に延期すると発表した。三菱重工と日立は統合延期の理由を「全世界規模での事業統合を円滑に達成し、統合会社の速やかな事業展開を実現するため」と説明している。欧米や中国などでの手続きは順調に進んでいる模様だが、韓国で電力会社向けに発電用タービンなどの事業を展開していて、現時点では韓国で年内に認可を得られるか不透明な状況にて、1ヶ月の延期を決めた。ガスタービンや蒸気タービンなど火力発電システム事業や地熱発電システム事業などを手がけ、売上高は単純合算で約1兆1000億円。日立は米ゼネラル・エレクトリック(GE)と提携関係にあるのですが、三菱重工の技術で補完して3兆円を目指すと自信満々です。世界市場を睨みGEやSiemensに匹敵する“重工重電メーカー”の誕生は、重工重電のライバル東芝(Toshiba)はGE大型ガスタービンとの技術提携関係にありますが、その事業戦略に影響を与えて更なる業界再編の呼び水ともなります。大型ガスタービンを持たず、航空転用型の中小型しかない重工メーカーKHI、IHIも事業戦略の再検討を要し、その激動流に晒されつつある気がします。
2013.12.19
コメント(0)
リニア中央新幹線の駅と所用時間、料金、本数が発表になりました。東京-名古屋は40分、指定席チケットは「のぞみ」の700円増しの11300円程度と思ったより安価。運行は1時間に5本と、安全から見ても適切に思われます。「神奈川県駅」は相模原市橋本で、橋本駅地区で、我が家からはアクセスは良いのです。完成は2027年と言うことで、東京五輪の更に7年後となるがよい目標が出来ました。私は85才になってしますのですが、家内が66才で亡くなった分多少長生きして、その姿を見たいものだと思っています。私世代は技術への期待が強い世代で、高速増殖炉、リニアモータ、核融合発電は夢の技術と実現を期待したものでした。リニア中央新幹線建設は、東京、名古屋、大阪の三大都市圏を結ぶ高速鉄道輸送の「二重化」が狙い。東海道新幹線は開業から50年が経過し、線路や施設の老朽化が進んでいる。静岡県や愛知県の太平洋側を通るため、南海トラフ巨大地震への備えも必要になる。品川-大阪間で総額9兆円超に上る建設費は、JR東海が全額自己負担でまかなう。金利負担が大きい長期債務の残高は、東海道新幹線の収益力を背景に、平成4年の約5兆4500億円から、25年には約2兆6100億円まで半減。だが、リニア中央新幹線の工事が進めば再び増加し、品川-名古屋間の開業時には5兆円規模に達すると見込まれる。リニア中央新幹線は品川-名古屋間、名古屋-大阪間と「2段階方式」で開業することで、債務の膨張を抑え、経営の健全性を保ったまま計画を実現できるとするが、工事は長期に及ぶことから、長期債務の金利負担や建設資材の高騰、難工事での遅れも想定される。中間駅は、「神奈川県駅」(相模原市)が地下、「山梨県駅」(甲府市)、「長野県駅」(飯田市)、「岐阜県駅」(中津川市)が地上に設けられる。リニアは全席指定でインターネットを利用するなどした完全予約制を取る。発券機は必要なく、窓口も設けない。待合所や売店もなく、トイレやベンチなどの必要最低限の設備にとどめる。JR東海は当初、駅の設置を希望した地元自治体に建設費の負担を求めていたが、負担軽減の声が強く、同社は交渉難航による完成の遅れを嫌い、構造を簡素化、地元負担ゼロに方針を転換した。
2013.09.19
コメント(0)
スタジオジブリ宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」が8月下旬から公開されるとTV等で宣伝されています。主人公が零式戦闘機(通称「零戦」)の設計者として知られる堀越二郎氏であるとのことで、非常に興味があります。この写真は工学部7号館の屋上で、1964年3月の卒業式当日に撮られたもので、卒業生と教職員での記念撮影でした。堀越二郎氏は教職員に混じって前列に、」その右後ろにいるのが私ですが、教職員でも無い堀越氏がいるのか不思議でした。その頃の航空学科は機体コースとエンジンコースに分かれていて、機体コースの方で堀越氏の出張特別講義があったのかも知れません。その頃は学外有識者による講義があり、気象学は気象庁からでしたし、航空エンジン実例は中島飛行機の後裔企業であるプリンス自動車(現在の日産)、航空エンジン開発は石川島播磨(現在のIHI)からでした。機体コースの方は記憶がありませんが、国産初の旅客機YS-11を製造する日本航空機製造が発足して、機体コースから数名が就職することになりましたので、航空学科の先輩でもある堀越二郎氏とその後輩の東條輝雄氏(東条英機元首相の息子)が来ていたのかも知れません。その搭載エンジンがロールス・ロイス社のターボプロップでしたので、設計が出来ないとエンジンコースからは就職する学生はいなかったのです。現在とは違ってその頃は、何とか設計に携わりたいとの学生が多く、およそ半分は重工各社に、半分は自動車会社に、残りは航空用ジェットエンジンを運用したいと防衛庁に、又商事会社でガスタービンを扱いたいと夢を抱いて就職したのでした。
2013.08.13
コメント(0)
多分、70~80年ほど昔、欧州の高い落差のある水力発電所で送水管破裂事故が起きた時に、「ウォータ-ハンマー(水撃)と解析しその対策を考案」したのは、スイス国BBC社(ガスタービンを世界で初めて開発した企業)の技術者に依ってのお蔭だったと教えられたのは、工学部機械学科藤井澄二教授の「振動学」講義であったと思いますが、50年以上前のことなので定かではありません。しかしながら、往時のエンジニアの能力の高さを知らしめた事例だったのだと記憶しています。先日TVで村田製作所、特に無水撃チェッキ弁の特徴が紹介されましたので、ふいと50年前を思い出すことになりました。村田製作所のWebサイトでWater Hammer-Proof Check Valveについては、次の様に解説されています。石炭等の鉱物資源は、地下数百メートルの坑内から多量の湧水と闘いながらの採掘であり、停電等によってポンプが停止すると、激しいウォータ-ハンマー(水撃)が発生し、送水管の破裂、ポンプの破損、ひいては坑内作業員を危険にさらす事故となっていました。一般のチェッキ弁は、逆流に押されて初めて弁が閉鎖に向かう傾向があり、逆流が瞬間的にストップされるため、ウォーターハンマー(水撃)現象が起きて、圧力が急上昇し、その結果、水撃音響が発生し、時には送水管破壊という事態に至ります。無水撃チェッキ弁は、所定流量時に弁体が、管内の流水に包まれ浮遊した状態となるよう設計されているので、正流が減速し始めるとそれに即応して弁閉鎖に向かいます。そして、正流から逆流に転ずる瞬間、即ち、管内の水が停止する時点に弁が完全に閉鎖しますのでウォーターハンマーは発生しません。河川取水機場、上水道揚水機場、送水管路、農業用送水設備、下水道設備、最近ではビルディング高層化や、各種設備の高圧化に伴い、ウォーターハンマーへの対処が増々重要となっています。
2013.06.28
コメント(0)
ボーイング787の初期故障が止まらない、運航停止となったバッテリー・システムの故障原因が解決された訳ではないがFMEAによって問題が隔離されたとの判断で運行が開始されたのですが、今度は数々のエンジントラブルに見舞われています。プロジェクト詳細は把握していませんし、マスコミ情報だけですので、決定的要因は未だ分からないのですが、どうもエンジン燃費向上を図る為に採用された電気システムが予測とは異なって、十分機能を果たしていないのではないかと思われてなりません。補助動力装置(APU)と機能バックアップするバッテリー・サブシステム、設計時点よりもバッテリーに過大な電力需要が要求されて放熱不足となり、電池温度が上がって劣化したのではないかと思われるのです。エンジン始動と発電の両方を司る補助動力装置(APU)を起動するには、バッテリーに頼らざるを得ませんし、その正常な機能発揮無しには、電気システムが上手く動作しないだろうと推定されるからです。FMEAによる問題解決が急がれますし、設計者は懸命に努力中なのでしょうが・・40年前のボーイング747(ジャンボジェット)でも、エンジンの静止部と回転体が運転後の冷却速度の違いで固着すると言う事象があり、エンジン静止部につっかい棒(York Tree)を施して変形を防いで解決を見たことがありました。今回も遠からず、初期故障は何時も起こることですし、今回も遠からず解決されるのだろうと楽観視していますが・・エンジンは高バイパス比のロールス・ロイス製Trent1000とゼネラル・エレクトリック製GEnxが用意されている。何れも国際共同開発で、電気接続のインターフェースを標準化してエンジン交換を可能とし、将来の技術進歩により高性能エンジンが開発された際には異なるメーカーのエンジンと取り替えることが可能になった。エンジン始動と発電の両方を行う補助動力装置(Auxiliary Power Unit: APU)を採用し、従来ブリードエア(Bleed Air)とスタータタービン(Starter Turbine)により行っていたエンジン始動の電動化、エアコンや翼縁解氷装置などもブリードエアを使わず電気化する(エンジンナセルの防氷については、従来通りブリードエアを使用)等により、エンジンコンプレッサからの抽気(ブリードエア)を殆ど廃止することで燃費向上を図ることができたとされる。
2013.06.12
コメント(0)
土曜日はダブルヘッダー、午前11時から蒸気タービン設計部OB会、午後2時から浜離宮朝日ホールのピアノリサイタルでした。機関設計OB会と名付けられていますが、蒸気タービン船を隆盛に導いた井上宗一技監を偲ぶのが趣旨のOB会で、12回目とのことで、昨年よりも出席人員が減り34名参加とのことでした。70才代後半でも山歩きを楽しみ、大菩薩峠付近の山中で遭難死してしまったのは残念なことで、もう19年も経過しているのですが、それだけ人徳と存在感が大きかったと言うことなのでしょう!私は船舶用ガスタービン開発があるとのことで、1964年の入社時に希望を出してガスタービン設計部に配属となりました。新設の部でしたので管理課機能が無く、タービン設計部の管理課に世話にならざるを得ず、蒸気タービン3名、歯車1名、ガスタービン3名は、配属後部内教育を受けることになりました。タービン技術と言うカリキュラムで、井上宗一技監がタービン内の流れ講義があったのですが、Secondary Flow等は学校で習ったよりも実践的で面白いものがあったので、大学教授よりも凄い人物が工業界にはいるのだと実感する処があったのです。ガスタービン設計部には、これ又優秀な松崎英雄主任がおられ、技術提携先のスイス国BBCのドイツ語技術資料を悉く翻訳されていましたが、技術水準の高いもので応用数学の知識が十分でなければ理解出来ないものがあったのです。慌てて、寺沢寛一の「応用数学概論」を読み返しては、理解を深めて行く様な技術者には勉強が必要だと認識を新たにさせられた先輩でもありました。両者とも東大工学部機械学科の卒業で、戦前の学生は国難もあったのでしょうが、勉強好きであり、優秀で忘れられない先輩方でありました。
2013.04.22
コメント(1)
愛知・三重県沖の海底にあるメタンハイドレートから天然ガス採掘に成功したとニュース発表されました。水深約1000mの海底から約300m掘り進めたところに分布するメタンハイドレートを海底で減圧分解してガスを産出したのは世界で初めての快挙なのです。海底に埋蔵されるメタンハイドレートは1990年代から次世代エネルギー源として注目されていましたので、20年に亘る研究開発の成果とも言えます。深海1000mでは圧力が10MPa(100atm)になりますので、10℃以下の温度では安定した固体ハイドレートとして存在出来るのです。又、国内の都市ガス各社もマイナス163℃LNGに替る貯蔵法として、マイナス80℃GasHydrateの貯蔵タンクをNEDOと共に検討研究して来ましたので、遅々として進まなかった開発が進められそうにも期待する処があります。シェールガス&オイルも1980年代から注目されて来たエネルギー源で30年を要して商業採掘に漕ぎ着けたのですから、日本でも何とかメタンハイドレートの商業開発まで持って行き、ガス輸出国になって欲しいものだと期待しています。中国系の新華社のWebサイト「新華網」が報じている記事を、多少脚色して以下の様にいましたが、エネルギー源確保の為、今後一層尖閣諸島の領有権主張が激しくなるものと懸念せざるを得ません。米国ではシェールガスの割合が高まり2008年から米国の天然ガス価格は8ドル/MMBTUから2~3ドル/MMBTUに下がり、米国の火力発電はガス発電に切り替わり始め、一部の鉄鋼メーカーもガスによる製錬技術の開発に乗り出した。シェールガス分野におけるリーダーとしての地位が固まり、2025~2030年に米国は世界最大のエネルギー生産国に浮上する見込みで、シェールガス開発は世界資本の投資ターゲットとなり、カナダ、中国、ロシア等でもシェールガスに殺到している。米国のシェールガス価格は安いが、輸出価格は安くなく8~10ドル/MMBTUに上昇、言い換えれば廉価なシェールガスは米国国内にしか供給しないというストーリーだ。日本では東日本大震災以降、原発停止で2013年1月は過去最大となる1兆6000億円の貿易赤字を記録した。原因は液化天然ガス(LNG)輸入量の大幅増で、その購入価格が通常国際価格の倍以上となる20ドル/MMBTUを越えたことに依る影響も大きい。こうした肝心な時期に、日本はメタンハイドレート採掘技術の大きな進展を発表したことは、シェールガス獲得に大きな代価を払う国内を慰めると同時に、国際エネルギー市場における発言力をさらに強化するという一石二鳥の効果がある。但し、メタンハイドレートがシェールガスの地位に大きなインパクトを与えるか否かについて業界の見方は一致していない。技術的には未だ商業採掘の水準に達しておらず、採掘コストがシェールガスの数倍に上回っていることが理由である他、メタンハイドレートを採掘する際、大量のメタンが大気に放出されることも問題だ。メタンは一種の温室効果ガスで、その温室効果が二酸化炭素の20倍といわれる。だがこうしたボトルネックが日本をはばむ力になるかは分からない。米国がシェールガス開発で製造業を新興させた経験を目の当たりにした日本は、当然メタンハイドレート開発に全力を注ぐ。メタンハイドレートの開発を順調に推進できれば、日本は真っ先にその恩恵を受けることになるからだ。メタンハイドレートの将来性について、ブログにアップしたのはもう7年も前のこととなりました。エネルギー源の枯渇懸念から漸く動くことになりそうです!メタンハイドレート-期待される工業的採掘
2013.03.16
コメント(0)
ロシア南部チェリャビンスク市に閃光を発しつつ隕石が爆発・落下するニュースが画像と共に放映されました。米航空宇宙局(NASA)の解析に依りますと、落下スピードは64000km/Hrですから、秒速v=17.8km/Secとなります。音速a=(κg RT)0.5と計算され、κは空気の比熱比(=1.4)、gは重力加速度(=9.8 m/Sec 2)、Rは空気のガス常数(=29.27)、Tは空気温度(=300K)を代入しますと、a=347m/Secとなります。するとマッハ数はM=v/a=17.8/0.347=52と物凄い数値になりますが、空気抵抗を受けて減速して行き閃光を発する頃にはマッハ数は7~8程度に減速したのでしょう。隕石先端部は空力加熱で熱せられ、その温度Tv=(1+M2*(κ-1) /2)*T とされますので、数値を代入してTv=(1+(7~8)2*0.2)*300=3240 ~4140K(2967~3867℃)となりますが、此の温度では空気分子は一部原子に解離してしまいますので、解離エネルギーを要して実際は数百℃低くなります。又、先端部以外は斜め衝撃波による空力加熱となりますので、隕石全体が2500℃で溶融しつつ爆発したと言う解析は妥当なものだと思っています。ロシア南部チェリャビンスク州で2月15日朝、災害の負傷者は、地元当局などの調べで計1200人に上った。非常事態省や現地の警察当局の調べで、爆発の衝撃波で吹き飛ばされた窓ガラスなどでけがをした市民の数は増え、被害は州都チェリャビンスク市を中心に半径約100kmと広範囲に及ぶことが判明。周辺のクルガン、スベルドロフスク、チュメニ各州でも被害が出た。被災した建物は約3300棟、被災総額も10億ルーブル(約31億円)に上る見込み。チェリャビンスク州西部の凍結した湖面上では、爆発後に粉々となって数十カ所に落下した隕石の小片の一つによるとみられる直径8mの穴も確認された。米航空宇宙局(NASA)は、隕石が20km/秒のスピードで落下し、爆発前の直径は約15m、重さは約7000tだったとの推定値を公表した。ロシア地理協会は、隕石が同市上空の高度70~30kmで計3回爆発し、閃光を発した際の温度が2500℃だったと解析、爆発のすさまじさが明らかになってきた。
2013.02.16
コメント(1)
国際熱核融合実験炉(ITER)の建設候補地としては、当初米国サンディエゴ近傍、日本苫小牧、青森県六ヶ所村、仏国カダラッシュが挙げられていたが、2005年6月カダラッシュに建設することが決定された。現在最も研究が進んでいるのは、磁気閉じ込め方式の一種であるトカマク型であり、ITERでもこの方式を用いられる。しかし、核融合は自然界恒星で起きているD-D反応では10億度プラズマを必要とし実用が難しいとされ、採用されない。D (重水素)+ D(重水素)→He (ヘリウム)+エネルギー反応条件が緩やかなD-T反応は1億度程度の高温で核融合反応が起きるので、実用に適するとして採用されることになっている。D(重水素) + T(三重水素)→He(ヘリウム) + n(中性子)+エネルギー三重水素(トリチウム)は放射性元素で放射能の危険性は無視できないし、D-T反応では高速中性子が発生し炉壁などの放射化への問題解決が求められる。又、トカマク型にも弱点があり、核融合の際に発生する中性子が炉壁などを傷つけるためにその構成材質の変質・耐久力が問題となる。ヘリウム冷凍で極低温となったニオブ合金が超電導状態となるので、それで強力磁場を形成し1億度のプラズマをトカマク炉内に浮かすのであるが、未だ電気を取り出す程持続出来てはおらず、又ヘリウム冷凍システム故障の場合における安全な熱解放(Quench)システムも未だ万全では無い。研究炉(JT-60SA)、実験炉(ITER)を経て、発電実証炉に至るのであるが、2050年迄に実現出来るか否か、未だ見通しは立っていないのが現状だろうと思っている。日本原子力開発機構那珂研究所で1月28日、核融合技術の研究炉JT-60SAの組立作業が始まった。日米欧7ヶ国が平成19年から共同で進めている国際熱核融合実験炉(ITER)計画の一環で、平成31年3月の実験開始を目指す。ITER計画は、重水素やトリチウム等からヘリウム原子核になる反応を地上で起こし、発電に利用する「核融合発電」の実用化を目指す国際プロジェクト。JT-60SAは、フランスで建設中のITERの1/2スケールで、直径約13.5m、高さ15.5m。ITERに先行して実験を行い、結果をITERや将来の発電炉に反映させる。日欧が建設費計435億円を出し、各国で製造したパーツを同研究所で組み立てる。
2013.01.30
コメント(0)
昨日は川崎市生田緑地にある「宙と緑の科学館」にあるプラネタリウムを見に行きました。先日の連休中は駐車場が満杯でしたので、昨日は小田急線を使い、向ヶ丘遊園地駅から12~15分程歩きましたが、バスを使うこともなく至って便利な場所にありました。昔の向ヶ丘遊園地と違い、入園料は不要で、園内の各会場で各々入場券を購入するシステムに替った様でした。目当ての「宙と緑の科学館」は東口から数分で着きましたが、思ったより小さな建物でした。科学館前にはD51蒸気機関車が展示され、午後3時の夕日に照らされた芝生広場が広まっていました。65才以上は50%割引で僅か200円、加えてプラネタリウム入場時には双眼鏡を無料で貸してくれるのです。話題の高解像度を誇るMegaStar3は、思ったより随分小さなもので驚きましたが、これで1500万個の星を投影できるとの説明でした。天の川が見事に再現されていますし、星座「昴(スバル)」のもやもやした感じが双眼鏡で見ることが出来るのには驚きました。1月は「恒星の成り立ちと終わりまで」と言う解説がされるのだそうですが、バーバルな口頭解説だけなので、もう少しオーラルな映像解説があったら、もっと魅力的なのだろうと思われました。本日は、府中郷土の森博物館にあるプラネタリウムに行って来ましたが、65歳以上のシニア割引は無く、入園料とプラネタリウム観賞券で600円、少し高いのかもしれませんが・・此処は従来プラネタリウムでMegaStar3よりも倍以上大きいのです。此処では天の川の再現は出来ない様ですが、30分の星座解説の後、ドーム全面に「ライフ:いのちを繋ぐ物語」(ジャイアントスクリーン版)と言う30分のBBC製作の映画が上映され楽しめました。此処は季節ごとに違った映画が上映されますので、再訪しても見飽きることが無い様に企画されているのが特徴で季節ごとに訪れて見学することにしています。
2013.01.20
コメント(0)
北朝鮮はロケットによる人工衛星打ち上げと言う口実で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発に成功しました。中国に加えて、北朝鮮が核武装したミサイルが装備されたことで、日本への脅威は増すこととなりました。北朝鮮の流した映像では、1段目ロケットは4個のノズルが見えるクラスター式で、ロシア型に近いものに見えますが、4個のノズルから均等に燃焼ガスが発射されないと垂直には上昇せず、難しい技術を克服したと考えられますが、ロシア若しくはイランからの技術供与を受けたのかも知れません。2段目、3段目のロケット切り離し・軌道修正と言う難しい制御技術にも成功、遂にアメリカの恐れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発に成功しました。軌道に乗せたとする人工衛星は観測機材と通信機材を備えた100kg程度のもので、観測やスパイ目的には機能が充実しておらず、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験をする口実に過ぎないと見られている。さて、弾道ミサイルには大気圏再突入の際の空力加熱から弾頭を保護するカプセル技術が欠かせないが、軌道修正と言う難しい制御技術に較べればそれ程の高度技術は必要とはされず、今後数回の実験で習得出来るものと推断される。何れにせよ、ロケット技術では韓国を凌駕し、危険な国が長距離破壊兵器を自前のものにしたと言うことで、日本を含む北東アジアに対してだけでなく、太平洋を挟んだ米国にも脅威を与えることになりました。国連安保理での適切な非難決議と経済制裁実施が必要で、これ以上の緊張を激化させない様にしなければなりませんが、特に覇権国家で常任理事国の中国が友好国北朝鮮に対して、どの様に対応するのか注意して見て行く必要があります。
2012.12.13
コメント(1)
笹子トンネルのコンクリート天井スラブはケミカルアンカーで吊り下げていたとのことで、設計不良ではないかと思われます。シールド工法でトンネルを掘りつつ、工場製作のコンクリートセグメントを嵌め込んで行くのですが、その時に埋込み金具を設けてそれにアンカーを溶接して置くのが最低限必要な設計だったのだと思われてなりません。後打ちのケミカルアンカーでは、いくらケミカル接着剤が強固だとは言え、常に剪断力が働いて、躯体コンクリートから抜け落ちようとするのですから、耐用年数は長くは無いと思わざるを得ないのです。最善と思われるコンクリートスラブ敷設法は、コンクリートセグメントの継ぎ目で適切幅の棚を設けて、その上に置いて棚で重量を支えて行くこと、更に安全確保の為に埋込みアンカーを利用して冗長補助手段とするのが良い設計と言えるのです。TVニュースでは、「打点検査が実施しなかったのが今回崩落の原因」としていますが、元来アンカーは吊り下げ方式では無く、押し上げ目的で設置しますので抜け落ちはあり得ず、それ程検査を要する金具では無いのです。ニュース番組には専門家と称する大学教授等が、「30年以上の検査不足が原因」とコメントしていますが、設計不良と言うコメントは出て来ていません。彼等はケミカルアンカーに依る吊り金具のみで天井スラブ重量を持たせると言う長期間耐用に耐えるとは思えない設計を是認・黙認して来たのでは無いかと疑わざるを得ません。マスコミも種々専門家に聞いて報道して貰いたいものです!重量物は棚等を介して壁で持たせるのが基本、コンクリート建物として有名なローマのパンテオン等、昔からのアーチ構造から見ても妥当な設計手法、ケミカルアンカーに頼り過ぎたのは間違いです。
2012.12.04
コメント(4)
先日、TVでも報じられていたプリウスのリコール案内通知が来状しました。ハンドルを操作する装置に於いて、ハンドルとギヤボックスを連結している継手部品(インタミエクステンションシャフト)のギヤボックス側強度が不足している為、低速時にハンドルを強く一杯に切る操作を繰り返すと、継手部品の連結部にガタが発生することがあります。その為、そのまま使用を続けると、連結部が摩滅し、ハンドル操作が出来なくなる恐れがあります。点検し、当該継手部品を対策品と交換、又は締付ボルトの増し締めを行います。修理時間は約50分を予定します。尚、プリウスにつきましては、ハイブリッドシステムの電動ウォータポンプの警告灯点灯や走行不能となる不具合でリコールを同時に実施致します。ご案内直後から暫くの間は、修理のご要請が集中し、お客様の希望される日時に修理出来ないことも予想されますので、取扱販売店にご相談賜ります様に宜しくお願い致します。我が家は今年3月に、5年4ヶ月を経過した中古のプリウスを購入したのですが、至って快調でハンドル操作も強く切ることも滅多にありませんから、摩滅している懸念は無いと考えています。それにしましてもIntermediate Extension Shaftは駆動系の根幹部品ですから、必ず点検整備を行うことは必須ですが、来月早々にも12ヶ月点検を行いますので、今度のリコール修理はその時に合わせて実施すれば良いのでは考えています。
2012.11.18
コメント(3)
全199件 (199件中 51-100件目)