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言うまでもないが、僕のことである。「努力」っていう言葉がこんなにピンとくる人って、ちょっといない。いつも眉間にしわを寄せて、懸命に一つのことに打ち込む。そういう姿の男を思い浮かべると、自然に僕になるので、一度試してください。昔は、紅い薔薇を口にして踊っているとカルメンというあだ名がついたものだが、僕なんか幼い頃から「努力くん」と呼ばれている。これ以外についたニックネームはないほどである。とにかくこれまでの人生、努力に次ぐ努力を重ねてきた。今でもこの癖が抜けなくて、なんでも一生懸命に取り組んでしまう。特に日記なんか書かせるとすごい。悪い癖ですね。色々な意味で。小学校5年生の頃、突然思い立ってあることに打ち込み始めた。とにかく毎日やった。苦しかった。暑い日も寒い日も、とにかく頑張りました。6年生の夏、ついにそれを達成したときの喜びは、今でも忘れることが出来ない。クラスメートは、拍手喝采で僕の快挙を祝った。夏休みに入る少し前、「学習発表会」というものがあり、まあそれはお楽しみ会のようなものだったが、僕は体育館の壇上で6年生全員に自分の偉業を伝えた。先生は涙を浮かべながらただ一言、こう言った。「本当に出来るなんて思わなかったぞ!よくやったな!」それ以来、もう20年がたっているのだが、誰かに「あなたの特技は?」と訊かれると、自信を持ってこう答えている。僕、自分の鼻がなめられます。
2002年04月09日
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「42!」
2002年03月04日
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