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クリクリマロン2168

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2012.01.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
=勲章と乞食=

W弁護士はフランスびいきかなと思う。なぜかフランスの

ことを話しているW弁護士は嬉しそうな顔をする。

「先生はフランスに行ったことがあるんですか?」

「これまでに3回行きましたよ。まぁ、おもにパリが

中心でしたが、リョンにも行ったし、ニ-スにも行きましたな。

クリさんは行きました?」

「まだ」



勉強になりますよ」



「そうですか」

「クリさん、犬に噛み付かれた腕はいかがですか?」

「手の腫れは引きましたが、手の痺れはあります」

「そうですか」

「警察病院の後、近くの外科に行っていましたから・・・」

「告訴する場合、噛み付かれた時の治療証明書を必要になりますから

お願いしますね」

「警察病院、それとも外科医院の?」

「それは、最初に診断した警察病院がいいですね」

「はい、判りました」



犬の訓練所でしつけを徹底的に仕込まれたと言ってます。

人に噛み付くような犬ではないと言っているんです。

主人に忠実だそうです」

「でも、やれ!!と命令すれば跳びつくでしょう」

「まあ、それはあるでしょう」



「でも、XXXXさんがクリさんに敵意を見せたことは

何か原因があるのでは・・・・・」

僕には思い当たることはなかった。

「アフガン犬に噛まれた時の服装は何でした?」

「皮のジャバ―でした」

「どんなジャンバ-ですか?」

「毛の生えた物です」

「狸か狐のジャンバ―ですか」

「犬だと思います。いや、狼かも知れません」

「狼!!」

W弁護士は驚いた。

「何処で手に入れたんです」

「原宿でフランス骨董市で買ったんです」

「そのジャンバ-ありますね」

「あります。捨てようかと・・・」

「それはやめて下さい。物的証拠品ですから・・」

あのジャンバ-を見るだけで悲しくなっていたから。

「もう1つ聞いていいですか?」

「なんですか?」

「犬に噛まれた時の髪の毛は、今の頭の髪の毛の

ように伸びきっていました?」

僕は頭に手をやって、くしゃくしゃにかき回した。

狼毛皮にくしゃくしゃ頭。これじゃ、まるで乞食ではないか。

「浮浪者みたいだったんですね」

「いや、乞食スタイルでした」

と僕は,ハッキリ言った。

「でも、XXXXさんとは、しょっちゅう路でお逢いしていたんでしょう?」

「はい」

「それが、突然、あんな行為に出るとは思わないんですが?」

W弁護士は頭をひねった。

「それとも何か」

「何かがあると思うのですが、何か、心当たりはないですか?」

「実は僕の家で犬を飼っているんです」

「犬を?。どんな犬です?」

「柴犬の混じった雑種の犬なんです」

「買われたんですか?」

「うちの娘が江戸川の河原の土手に捨ててあった目のあいてない

犬を拾って来たんです」

「犬の名前は?」

「ハナと呼んでいますが、登録名は江戸川花太郎とつけました」

W弁護士は,思わず、

<ハハハハハハ>

と笑ってしまった。

「時々、ハナちゃんを連れて散歩に出ると、あのアフガン犬が

鎖をはずしてハナに飛びかかって首に噛み付いたのです。

僕は棒を持ってアフガン犬を叩きまくって、追っ払ったのです」

僕の話を聞いたW弁護士は納得したようにうなずいていた。

「今日きこれで結構です。これからは起訴の手続きをしますので

今度、来た時には治療証明書を持って来て下さい」

「大丈夫ですか」

「危害を加えたのはXXXX人ですから」

と言われて、なんとなく安心感でW法律事務所を出た。






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Last updated  2012.01.15 13:50:37


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