刺繍大好き♪のぞみのステッチダイアリー

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2016.07.04
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“ねえ、あれは何かしら、真珠かしら?”とあの人が聞いたとき、“あれは露だよ”と答えて私も露のように消えてしまっていたらよかったのに・・

     白玉か 何ぞと人の問ひしとき
            露と答へて 消えなましものを (伊勢物語)

萩
posted by (C)のぞみ☆*⌒


 昔、男がいた。
 とても手に届かない女性を盗み出してきて、夜道を逃げている。
 芥川という川にさしかかったとき、男に背負われた女が草の葉に露がきらめくのを見て
 “ねえ、あれは何かしら”と尋ねる。

 雨が降りだし雷もひどく鳴ってきたので、荒れ果てた蔵に女を隠して男は弓矢を持って戸口で守った。
 早く夜が明けないものかと思いながらいたのだが、蔵の中に鬼が現れて女を食べてしまった。
 女の悲鳴は雷鳴にかき消されて聞こえなかったのだ。
 ようやく夜も明けて見れば、女は影も形もなかった・・

 伊勢物語の“芥川”です。
 高校の時の教科書の挿絵に、女が男に背負われて逃げていく絵があり、足元にはキラキラ光る露がおりていました。
 尋ねられて男が振り返り、2人顔を見合わせている場面だったのですが、とてもほほ笑ましい絵でした。
 たぶん絵巻物の絵だったと思います。
 これは実話のようで、“鬼に食べられた”というのは追っ手(女の兄弟)に捕まり、女は連れ戻されたと物語の結末にあります。

 梅雨の間、雫の写真を撮っていましたけど、伊勢物語のこの歌が真っ先に思い浮かびました。





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Last updated  2016.07.06 18:11:50
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