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良質な発想はある日突然落ちてくる。
散歩をしている時や入浴中にパッと浮かんだものが、かなり斬新なものだったという経験則があったりして、煮詰まった時に気分転換でもしてみようと考えるかもしれない。
しかし、本書に紹介されている編集者は雑誌クリエーターであり、いうなれば生ものを取り扱っている。鮮度が命のネタを、どう料理するか。それで手腕が試される。だから、そんな悠長なこともしていられないぐらい時間に追われている。
ならば、どうしたらいいのか?
それを取材をしていく中で実践し、紹介しているのが本書の内容になっている。 
■内容紹介
いまビジネスマンが生き残るために最も必要とされる先見力・マーケティング力・企画力・行動力・表現力の『源』を徹底解剖する。
著者は、タイプ別の5人の編集者と、やんわり読者をも参加させるために、まず次のような例を提示してくる。(※:これは架空の事件らしいです。まあ、首相の名から出版年数を類推するぐらいなら嘘にはならないと思いますが)
『海部首相の飼い犬がある朝突然死んだ』という情報を外部のブレーンより入手。これについて、大至急プラン、テーマを提出せよ。
わずか15分で考え、読者を満足させられるような形で仕上げるのだから、すごいですね。僕もちょっと考えてみたんですが、とてもここで発表しえるものではなかったのでカットします。
その後、5人の編集者が提示したものが発想法別に書かれています。ここで、企画編の項目をご紹介。
興味を持ったのは、(1)(5)でした。(1)は有る記者Aが週刊誌の編集部に配属された時、最初に教わった発想法だそうです。 「ネコのことを虎と言う」つまり人が見たものがネコであっても、それが虎だったら大変だという「発想法」である。
「誰がこんな仕打ちを--海部首相の飼い犬が突然死!」がテーマ。首相の犬を殺したのはどこかに「犯人」がいて、その犯人をつきとめる。がプラン。
要約すると、話を膨らませていく発想法ですね。読者を引き付ける手段では即効力があります。その反面、芸能ネタなどに見受けられる、事実無根の話をでっちあげて、さらに誇張させている記事はこの発想法を基に書かれているのではないでしょうか。
(5)は、 たとえば森の中に鹿がいたとする。ふつうの人は森の中を走る鹿を見て、素直に感動する。しかし優秀な記者は、そうした事実であっても、素直に感動しない。「森より大きな鹿は出ない」からである。
だから、どうしてそんなことがニュースになるんだろうな。誰かが情報操作でもしているのかもしれない。でなかったら、そんなことが我々にまで伝わってくるわけがない。……それとも、何か意図的にこのニュースを追わせることによって、取材されたくないものを隠しているんじゃないか。そのあたりを探る。がプランで『マスコミにここまで暴露された「首相の飼い犬の突然死」』がテーマ。
『グラスホッパー』伊坂幸太郎著 2010年12月11日
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