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下の子どもはここ最近度重なる災難に見舞われている。少し前にソファーの上から落ちて頭を強く打つ事故があった。翌週には地面に落ちていた紙の上に足を乗せてそのまま滑ってしまい口内を切る怪我をした。そして、先週には玄関の扉の隙間に左手の人指し指を挟んでしまい内出血を起こしてしまった。いずれも今のところ大事には至っていないが、高額な医療費がかかるアメリカでは一つ一つの怪我病気のたびに不安な気持ちに苛まれる。海外に住んでいると医療保険制度が整っている日本が羨ましく思えたりする。扉に指を挟んでしまった日に近くの小児科クリニック(Pediatrics)に電話してみることにした。勿論週末で病院は開いておらず診療してもらうためにはurgent careしか残されていない。時間外受付のナースが電話に出た。一通り事の顛末を話すと「一先ず外傷や出血がなければ冷たいお水で患部を冷やして。3日経過しても腫れが引かなかったら骨折の疑いがあるから病院に来るように」と的確なアドバイスをくれた。3日経って痛みは無くなったようだが、腫れが残っていたので念のため病院にいくことにした。”We are not in a position to judge whether our kid needs to be X-rayed or not. We need your advice.”と電話で伝えると、翌日の朝に予約を取ることができた。ドクターに子どもの手を見せると「確かに腫れていて内出血もまだ若干残っているけど、骨折だったらもっと腫れているし、こんな簡単に指を曲げることはできないはず。テープで固定してもう少し様子を見てみましょう。」と言われた。病院を出ると安堵のせいかどっと疲れが押し寄せてきた。当たり前だが息子の症状を伝えるのも英語だし、ドクターの説明も全て英語である。ドアの間に指を挟む、内出血を起こす、腫れが少しずつ引いてくるといった表現も日本語ではパッと出てくるが、自分の第二言語ではそうはいかない。ドクターの英語も集中を研ぎ澄ませて聴かないと子どもの怪我の状況は把握できない。英検やTOEICといったテストとはまた違う質のプレッシャーを味わった気がする。写真:診療室に貼ってあった掲示物診察室には上記のような張り紙が掲示されていた。We kindly ask that you take ALL soiled diapers with you! If you need a bag, please ask.気になった箇所はdiapersを修飾しているsoiledという表現である。どうやらこのsoiledで「使用済みの、しみなどが付着して汚れた」という意味があるようだ。排泄物の直接的な表現を避けて別の言い方をするのを婉曲(euphemism)という。きっとこのsoiledもeuphemismの一種であろう。因みに排泄物などによるシミはsoiled、コーヒーなどの飲み物のシミは通例spot(s)と言うことが多い。皮膚のシミはfreckleやspot(s)と言うのであわせて確認されたい。「汚れたおむつ」を”dirty diapers”と言ってしまいそうだが、頭の片隅にsoiledという選択肢も用意しておきたい。婉曲表現については以前にも扱っている。気になった方は過去の記事も参照されたい。(過去の記事はこちら)それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.07.17
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英語圏に暮らしていると面白いキャッチコピーをよく目にすることがある。どれもユーモアに溢れていて非常に秀逸だ。日々出くわす洒落た英語の広告からいくつか英語の表現を掘り下げてみたいと思う。写真1:バナナに貼られたラベル“It peels so good.”と書かれている。きっと”It feels so good.”をもじっているのだろう。もし「皮が剥きやすい」とするのであれば英語では”It peels well.”となるはずである。しかし、それではパンチ力(宣伝力)に欠けるため、fをpに換えて”It peels so good.”としているだろう。バナナが自ら”It p(f)eels so good!”と言っているようで面白い。写真2:アイス売り場にあった広告“Every day should be a SUNDAE(.) Why wait for the weekend???”Sundaeとは「サンデー<果物・ナッツなどをのせシロップをかけたアイスクリーム」と辞書には掲載されている。(ジーニアス英和辞典第6版、大修館書店)ここではアイスのSundaeと曜日のSundayをかけているのがお分かりだろう。非英語圏で暮らしてきた自分にとってはこのような広告一つ一つが非常に新鮮に思える。以前書いた洒落た英語の広告はこちらから。それでは良い1日を。きたろう
2024.07.12
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家族と米国で合流して約3ヶ月が経とうとしている。瞬く間に時間が経過していて振り返る暇もないほどだ。簡単ではあるが合流してからの3ヶ月を簡単に振り返りたい。到着後数日は日用品を買い揃えるために車を借りてIKEAとTARGETに何度も足を運んだ。物価高と円安の影響で日本で買うよりもお金がかかった気がする。敷布団やテーブル、食器類は知人から譲り受けることができて出費を抑えることができた。少しでも出費を抑えたい時に手を差し伸べてくれる友人がいることは非常に有り難かった。車がなく困っている時も近所の方々が何度もスーパーに連れて行ってくれた。引越しやローカルスクールの手続きなど苦労が多かった4月だが、人の温かみを感じる場面が多い4月でもあった。上の子どもは4月22日(月)から現地のローカルスクールに通い始めた。最初は不安も大きかったようだが、英語をサポートしてくださるフルタイムの先生のおかげで今では毎日楽しく学校に通っている。英語はまだ苦戦しているようだが、お風呂の時間になると「パパ“Don’t do that!”って何?」、「 “I see.”ってどうゆう意味?」とその日学校で聞いてきた英語について質問が飛んでくる。自分の周りで話されている英語を必死に理解しようとしているようだ。下の子供と狭いソファーを取り合っている際に上の子が突然下の子に向かって”This is my spot!”と言っていて大変驚いた。子供は耳から言語を覚えて自然と適した文脈でそのまま使えるようだ。 残り数ヶ月で上の子どもがどれほど言葉を吸収するのか記録しておこうと思う。学校は6月12日に終了して、現在は私が住んでいる学区が提供するlanguage programに月曜日から木曜日まで通っている。8月の上旬までサマースクールに通って、8月中旬からは1週間サッカー教室にも通う予定だ。下の子どもも英語に興味を持ち始めているようだ。上の子の真似をして「パパ…は英語でなんて言うの?」とよく質問をしてくる。どこで英語を覚えてきたのかわからないが、お菓子が欲しい時は英語で“Pass me! Pass me!”とよく叫んでいる。9月からは下の子どもも近所のPre-schoolに通う予定である。いきなり英語の環境に飛び込むことになり最初は苦労すると思うが、大変周りの子どもたちと遊ぶ中で社会性を身につけて欲しいと思う。4月当初は環境の変化に疲れが少しあった妻も少しずつこちらのコミュニティーに馴染んできているようだ。5月あたりから地域で開かれている無料の英語教室にも通い英語の勉強に勤しんでいる。夏休みに入ってからは私が通っている大学の博士課程にいる大学院生とLanguage exchangeを週に2回行っている。妻は日本語を教える代わりに英語を教えてもらい、相手は英語を教える代わりに日本語を妻から教わっている。1回1時間の短いセッションで終わるたびに「疲れた」と言いながら帰ってくるが、どこか表情が明るく大学院生との会話を楽しんでいるようだ。写真:上の子が学校の課題で仕上げたジオラマの作品簡単には文字化することができないほどたくさんの出来事が過去3ヶ月間起こった。良い経験もあれば苦い経験も数え出せば枚挙にいとまがない。家族が無事この旅を終えられることを願ってやまない。円安と物価高の影響で遠方への旅行は断念せざるを得ない。この夏は家族をワシントンDCに連れて行くことにした。近場の旅行だが、家族にとっては初めてのロードトリップになる。家族で過ごすアメリカの夏が楽しい思い出になったら嬉しい。「自由」を獲得する旅はまだ始まったばかりだ。つらつらと書いているとあっという間に授業の時間となってしまった。それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.07.07
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前回の投稿に続いて独立記念日について書くことにする。(過去の記事はこちら)私が住んでいるコミュニティーでは昼間に子ども向けのイベントが近所のベースボールフィールドで行われ、夜6時あたりからステージ上で音楽のパフォーマンスと花火が予定されていた。日中の様子:夜は花火の場所取りのため打ち上げが始まる約1時間前に家を出ることにした。到着するとベースボールフィールド一面にレジャーシートが敷かれ人々が花火の開始を待っていた。野球場のマウンドだけでなくダグアウトの上や内野近くに設置された観客席にもびっしり人が座っている。子どもたちがダイヤモンドを駆け回ったり、アメフトのボールを投げて遊んでいたり、花火や爆竹をしていたりと完全にカオス状態だが、それを注意する大人は誰もいない。そういえば公園で「静かに遊んでください」という張り紙もこちらでは見かけたことがないかもしれない。土地が広く家と家の間隔が空いているアメリカで住むメリットの一つかもしれない。アメリカでは野球場が常時開放されていて野球と人との距離が日本よりも近いような気がする。さすが野球発祥の地という感じがする。花火は野球場の隣にあるバスケットボールコートから打ち上がっているようだった。我々が座っている場所から100メートル〜200メートルくらいのところで花火が上がっていて大迫力であった。最初座って眺めていたのだが、途中から首が痛くなって寝転がって花火を鑑賞することにした。まるで花火を真下から見上げているようであった。きっと日本では消防法の抵触してしまいこんな近くで花火を拝むことはできないと思う。幼少期から花火を見てきた上の子どももあまりの迫力と音の大きさに耳を塞いでいた。真上に打ち上がる花火にこれからの願いを込めて花火会場を後にした。上の子が帰り際に「来年もアメリカで花火を見たいな」とポツッと言った。残念ながら来年の今頃我々はもうアメリカの地にはいない。少し間を空けてから「そうだね」と絞り出すように言うことしかできなかった。ベースボールフィールドが人の海になる:それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.07.06
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7月4日はアメリカにとって特別な日である。1776年に独立宣言(the declaration of independence)が公布されイギリスから独立に成功した。7月4日(The fourth of July)はアメリカが誕生した記念すべき日なのだ。仕事は勿論休みになるのだが、商業施設やスーパーまで休業になってまうこともあるから驚きだ。前日にスーパーに立ち寄ったのだが、案の定レジの前は大変混雑していた。独立記念日には全米各地で屋外イベントや打ち上げ花火が行われ盛り上がりを見せる。近くの公園で独立記念日を祝してイベントが行われると知人から教えてもらったので家族で行ってみることにした。会場について人手の多さに驚いた。そして会場にいた地元住民は皆アメリカ国境が描かれたTシャツやアメリカ国旗を模した赤と青の洋服を身につけている。我々はそんなことも知らずに普段着で会場に行ってしまったため若干浮いていたかもしれない。普段遊んでいるベースフィールドには出店が沢山用意されていて子どもたちがあちらこちらで遊んでいた。我が家も一枚一ドルのチケットを20枚購入してキックターゲット、輪投げ、マグネットのついた釣竿で魚を釣るゲームなどを楽しんだ。遊ぶたびに景品が用意されていて、景品(prize)をもらうたびに受付の人が子どもに笑顔で”Happy fourth!”と声をかけてくれた。独立記念日にはどうやら”Happy fourth!”と声をかける習慣があるらしい。それにしても今年の独立記念日は非常に暑く91度(摂氏33度くらい)を記録した。これから早めに夕食を済ませて、夜は花火(fireworks)を楽しむ予定だ。独立記念日に家族で眺める花火鑑賞が夏の思い出としていつまでも残ることだろう。写真:イベントの会場で見つけた独立記念を祝うポスターMay the 4th be with you.Star Warsのファンであればピンとくるのではないだろうか。劇中でよく出くわすMay the force be with you!(フォースと共に)というフレーズを捩ったポスターである。訳すと「独立記念と共に」という感じだろうだろうか。“Happy fourth! I really like this. Can I take a picture of it?”と聞くと撮影を快く許可してくれた。日本では2月11日が「建国記念日」とされているが、上記のようなイベントは開催されないし、このようなポスターを見かけることもない。どちらが良いか悪いか判断するつもりはないが、この違いは非常に興味深いと思った。それでは今日も良い1日を。きたろう
2024.07.05
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以前面白い動詞の使われ方と題して空港にあったポスターからpetの動詞形をご紹介した。(過去の記事はこちら)今回はTrader Joe’s(通称トレジョー)の店内の装飾画よりあまり英語学習者には馴染みがない動詞をご紹介したい。まずは以下の写真をご覧いただきたい。乳製品が並んでいる棚の上部に牛が描かれている。その牛の隣には吹き出しがあって“Our prices won’t milk you for all you’re worth!”と書かれている。牛が自分でmilkという動詞を使っているのがなんとも洒落ているポイントだ。このmilkには「乳を絞る」という意味以外にも「⦅略式⦆<人など>から〔金・情報などを〕しぼり取る〔of, for〕; 〔金・情報などを〕を〔人から〕まんまと引き出す〔from〕」(「ジーニアス英和辞典」大修館書店、第6版)という意味がある。ネットやコーパスで調べてみると”milk something for all it is worth”で「ありったけ〜から搾取する」という意味があるそうだ。つまりこの牛の主張は「私たちの牛乳の値段があなたを搾取することはない(我々の牛乳はお手頃価格である)」となりそうだ。なんといっても牛が動詞のmilkを使って牛乳(milk)の宣伝をしているのが面白い。このようなウィットの効いた洒落た英文がすんなり出てくるようになりたいものだ。今日も良い1日を。きたろう
2024.07.04
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