There are some snacks.でも問題ないのだが、ハロウィーンの時期になるとなぜかcandiesが好まれる傾向にある。大学院でも教授がハロウィーンの日にお菓子を用意してくれたのだが、その時もsnackは使われず"take some candies!!"であった。しかし袋の中にあるのはチョコレートやキャラメルでコーティングされたお菓子ばかりでキャンディ(飴)は見つからない。 こういう時に大変役立つのが、学習英和辞典である。日本の学習者に対象を絞って編纂されているため日本語を母語とする英語学習者がよく陥る思わぬ落とし穴について丁寧な解説がついている。ジーニアス英和辞典第6版(大修館書店)には「《日本語の「キャンディー」があめを指すのに対して、あめだけでなく、砂糖、チョコレートやフルーツなどを使った甘いお菓子全般をいう」と書かれていた。同様にスーパーアンカー英和辞典第3版(小学館)にも「キャラメル・チョコレート・ドロップなど砂糖菓子一般をさす」と書かれている。 ここからは辞書には書かれていない個人的な考察になるが、お祝い事やイベント時に配布されるお菓子はcandyが使われることが多いような気がする。アメリカの小学校にはお菓子の持ち込みが可能で、お菓子を食べる休憩時間まで設けられていることがある。その時間のことをsnack timeと呼ばれることが多い。今までそれをcandy timeと呼ぶ学校を私は聞いたことがない。そして、ハロウィーンで配られるお菓子をsnackと呼ぶアメリカ人もいない気がする。アメリカ人も無意識の内にsnackとcandyを使い分けていて、実はcandyはお祭りや行事といった文脈で使われる傾向があるのではないかというのが私の仮説だ。実際に調査をしたわけではないし、アメリカの友人に聞き取り調査もしていないのであくまで私の憶測だと思っていただきたい。
ちなみにハロウィーン前にスーパーに買い物に行くとハロウィーン売り場ができている。子供たちはそれぞれお気に入りのキャラクターになりすまして近所を練り歩き"Trick or treat!!"と言いながらお菓子をもらうのがアメリカのハロウィーンだ。前回留学した時は一軒家に住んでいて近所の子供達が何人も遊びに来たのが今も記憶に残っている。子供達を家に誘導するためにたくさん飾り付けをつけたり、イルミネーションを飾ったりするのだ。ハロウィーンやクリスマス前は夜に住宅街をドライブするだけでも各家庭の飾り付けを眺めることができ日本とは一味違ったハロウィーンを満喫できるだろう。非常にレベルの高い装飾もあり地域によってはどちらの飾り付けが優れているか競い合っているようにも思えてしまう。