山への情熱 音楽への愛

山への情熱 音楽への愛

2008年02月15日
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カテゴリ: 山と音楽


 これ以上ブルーを濃くしたくなかったので、モーツアルトをたくさん聴いた。

 弦楽五重奏曲ト短調、ピアノ協奏曲23番、24番、27番、弦楽四重奏曲第15番、オー ボエ協奏曲を選んだ。どの曲にも強く心を揺さぶられ、その場から動けなかった。

 弦楽五重奏は彼の宿命の「ト短調」、胸を引き裂かれるような硬質で凝縮した旋律に心を  奪われた。弦楽四重奏のほうはそこまで硬質ではなく、情感豊かで美しかった。

 協奏曲は混じり気のない明るさとその影のような部分が浮かんでは沈み、沈んでは浮かびあ がり、非常に陰影に満ちていた。そしてそれは絶え間なく流れ、また巡ってくる。これがモ ーツアルトの音楽の真髄だと思う。

 それにしても彼だけがどうしてこんな深く美しく純粋な音楽をたくさん創作できたのか。
 この美しさを感得すれば、これは神がモーツアルトを通じて表現した音楽としか思えず、同 業者ならサリエリならずとも嫉妬するだろう。

 最後にシューベルトの弦楽四重奏「死と乙女」を聴いた。
 静謐な主題の次に出てくる第一変奏がいかにもシューベルトらしく大好きだ。



 音楽だけを追求していれば今の苦しさを味わうことはなかっただろう。
 私はどうしてこんなに変貌してしまったのか。

 山はたくさんの生きる喜びと楽しみを与えてくれた。

 でも今になってクライミングを始めたこと自体が間違ってはいないか。
 どうして全く適性のない分野を選んでしまうのか。

 私のこれまでの人生で適切な選択といえるものは果たしていくつあるだろう。

 音楽だって今思えば最適な選択だったかどうか。

 しかしそれらはその時々に私が情熱を傾けたものなのだ。
 そう、情熱である。情熱が私を動かす根源的エネルギーなのだ。


 求めているものだから、理性で否定することができないのである。

 その結果として、こうして苦しんでいる。苦しみながらもクライミングを捨てられ
 ない。私は矛盾に満ちた人間である。

 いつしか音楽への情熱は私の中で奥深く内に潜み、私を支え生かしてきた。音楽が魂の
 血となり肉となった。長年の間にそれは情熱を超越し、愛へと変容した。







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Last updated  2008年02月16日 15時38分59秒コメント(0) | コメントを書く


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