

小川山ソラマメスラブで復活した翌日、Mさんと再会すべく韮崎まで出かけた。その日はMさんのお宅に泊めていただき、Tさんも加わって5年分の話に花が咲いた。
Mさんは5年前の秋、北アルプスは剣岳で出会った女性である。その時私は仕事のストレスを解消しようと、一人で剣岳に入っていた。予約無しで剣沢小屋に行き、運良く4人組の部屋に滑り込ませてもらった。そのうちの一人がMさんで唯一の男性がTさんだった。
「女一人で剣に来る人ってどんな人?」とTさんに顔を覗き込まれてしまった記憶がある。翌日私は一般ルートの剣に、皆さんは源次郎尾根にと袂を別ったが、どういうわけか帰りに黒四ダムでまた会ったのである。皆さんとても親切で韮崎まで車に同乗させてもらった上に、Mさんは私の忘れ物を韮崎駅のホームまで届けてくださったのであった。
このようないきさつでその後Mさんとは文通をしていた。お互い仕事が忙しく会う機会が無かったが、この度やっと再会にこぎつけたのであった。
翌日はTさんも一緒に瑞牆山(2230m)東尾根を登った。富士見平から左にルートをとって八丁平までは一般ルートを楽しく歩いた。苔がびっしりと地面を覆い、きのこがあちこちに顔を出していた。崩れ落ちた伐採小屋でおびただしい焼酎の空き瓶を見、湿地帯を過ぎた。


富士見平小屋 瑞牆山遠望
しかし、そこから先は道なき道を地図を見ながらの藪こぎになった。いかにも奥秩父という原生林が深山幽谷という雰囲気をかもし出し、足元はふかふかの苔と落ち葉でやわらかかった。しかし瑞牆らしく、森の中に突如大露岩が現れ、その基部を巻きながらあるかなきかの踏み後を探してけっこうさまよった。石楠花の大群落が道をふさぎ、枝に阻まれて難渋した。前日の雨のしずくが残り、膝から下が濡れそぼった。
藪こぎの末、やっと一般道の最後10メートルに合流、頂上に着いた。
山頂にてMさんと
「やったあ、着いた!」思わず叫んでしまった。先客が4,5人いた。頂上は曇っていてあまり眺望はきかなかったが、見覚えのある大岩壁が迫っていた。


圧倒的な迫力でせまる大岩壁
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