今回の八ヶ岳山行でとんでもない経験をした。二日目に赤岳ショルダー左を登攀したことは報告の通りであるが、その時トイレ地獄に襲われたのである。
雪稜や雪と岩のミックスルートでガイドと男性Yさんに私という3人パーティである。1ピッチ目は普通だった。2ピッチ目の半ばからトイレを催してきたが、しゃがむ場所など無い急峻なリッジなのでトイレに行くことは不可能だと思い、ずっと尿意を我慢していた。しかし3ピッチ目当たりから膀胱が圧迫され下腹がチクチクするようになった。更に腹筋を使いながら登るため腹圧が加わると何とお漏らししているのを感じた。
お尻周辺の感触から下痢便のようである。ああ、困った!!どうしよう。もうお漏らしや尿意が気になって苦しく、登攀にはほとんど集中できない。後続の男性Yさんはさぞかし悪臭に辟易しているだろう。我慢、我慢と言い聞かせて登ったがもう限界に近づいていた。4ピッチ目が終わった所でちょっとしゃがめる場所があり、そこでトイレをさせてもらった。
滑落しないようロープを体に巻いて確保し、すてきな男性二人の前でトイレ、まあ、ここまでは長年の経験でよくあった話なのだが、それが下痢便なので周辺にその悪臭が漂う。もう恥ずかしいし申し訳ないけどどうしようもない登攀中の現場である。またアイゼンを履いた靴の上からハーネスの着脱もとても手間がかかり、本当に情けなかった。悪天候で1分でも早く先に進みたい時にロスタイムしている自分を嫌悪感が襲った。
その後、地蔵尾根を下った赤岳展望荘前でもまたトイレ、強風が吹きすさぶ中、飛ばされそうになりながらロープに掴まって用を足した。せっぱ詰まっていたので寒さは感じなかった。更に南沢を下っている時にもトイレ、トイレ地獄だった。もうお尻周辺はウンチでベットリ、下着もメチャクチャに汚れていて自分でも気持ち悪くてたまらないけどどうしようもない。解決の方法がない。私の周辺はウンチの匂いが隠しようもなく広がっている。我慢しつつ迷惑をかけつつ、小渕沢駅までこの状態で帰った。
前夜からの行動を振り返った。当日の朝は行動中催さないよう、朝食を控えめにし、トイレに行ってしっかりウンチをした。じゃ、なぜこんな酷い事態が生じたのか?夕食を食べ過ぎたのか、登山用のスポーツ飲料が効きすぎたのか、寒さのせいか、それら全てか。


行者小屋の夕食 お尻の気持悪さと戦いながら登攀中
駅のトイレで総取っ替えし、汚物のついた下着やタイツを洗ったが、ウオッシュレットもなくお湯もでないので完璧にはいかない。この状態で特急あずさに乗るのも気がひけたけど、本当にどうしようもない。
総武線の中で私の隣りに座った男性二人がすぐ席を移動していった。やっぱりねと思って身が縮まった。休憩の時にトイレばかり行っていてほとんど食べる時間がなかったので珍しく登山後に体重が減っていた。肥って帰らなかったことは有り難いが、金輪際こんな目には逢いたくない。
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