「理想の死」としてしばしば挙げられる「ぽっくり死」。その背景には、死に至るまでの苦しみへの恐れだけでなく、家族に迷惑をかけたくないという切実な思いもある。死を前にした不安は身体的な痛みにとどまらず、別れや孤独、存在の消滅にまでおよぶのだ。緩和ケアの役割とともに、望ましい最期をめぐる人々の本音とは。【…
同財団の2023年調査では、「ぽっくり死にたい」理由として、「苦しみたくないから」(69.0%)に次いで、「家族に迷惑をかけたくないから」(59.8%)が多く、ぽっくり死を理想と考える人の約6割がそのように考えていた。
まとめ日本でも、緩和ケアは徐々に浸透しつつある。『ホスピス緩和ケア白書2024』によれば、2022年度には全がん患者の16.5%が緩和ケア病棟で亡くなったと推計されている。緩和ケア病棟とは別に、2006年以降は、全国のがん診療連携拠点病院には緩和ケアチームの設置が義務づけられ、緩和ケア外来も設置されている。
さらに、2016年には「在宅緩和ケア充実診療所・病院加算」が診療報酬制度に新設され、在宅緩和ケアも推進されている。1990年代以降、アメリカやカナダでは高齢者医療と緩和ケアを統合し、がんのみならず認知症や脳血管障害など広く高齢者の疾患を対象とするケアとして「エンド・オブ・ライフ・ケア」という考え方も広まっている。
がん医療の現場では、がんと診断された時点から、患者の身体的苦痛だけでなく、患者・家族の精神的・社会的・スピリチュアルな問題に対応し、苦痛を和らげるための緩和ケアが定着しつつある。仕事や家庭など社会的な悩みや困りごとについては、患者総合支援センターや医療相談室などに所属する医療ソーシャルワーカーが対応している。
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