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2004年04月27日
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Abbots Gardens


今回私達が泊まっていたWest Kensingtonにある、ホテルで食べていた朝食は、純英国風のブレックファーストです。
娘もはじめはなんだか味がしっくり来なかったということでしたが、日が経つにつれ懐かしく、なんだかわからないけど無性に食べたくなる美味しい味に変わっていったようです。
子供の頃、学校で毎日みんなで楽しく食べたイギリスの味は大人になってもなかなか忘れないのでしょうか。 食事をしている子供たちを見て、ホテルの、美味しい味の理由が思い当たりました。

職員室に入ると先生方が対応して下さり、「当時の校長先生は誰でしたか?担任の先生は?」と私達に立て続けに質問をなさいました。
私は校長先生の名前は覚えていたものの、担任の先生の名前までは覚えていません。「ミセス・・・、うーんわかりません」と私。 
「ロングヘアーで黒い髪をしていた女性です」と娘。
「解りました。まずは在籍簿を調べてみましょう」「えーとEriko・・・あ Kobayasiさんですね、お父さんのサインがここに・・・」と言いながら、がっしりとしたハードカバーの大きなノートを先生が私達に広げて見せてくれました。
この国は本当に物持ちがいいのね、と心の中で思ったその時、娘が「Oh、 my name is here!(まぁ!私の名前がある!)」と声をあげました。


話がパソコンになると、「ここの生徒達もパソコンを使っています」とおっしゃって、私達はパソコンの入った教室に案内されました。 そこでは低学年の小学生が10人ぐらい座っており、各自が1台のパソコンを操作していました。 
私はこのような光景を初めて目にしました。  東京の学校でパソコンの授業があることは聞いていましたが、こんな幼い子供達までもしているなんて。 英国のブレアー首相は教育に力を入れている、と聞いてはいましたが。
ここでも突然お邪魔してしまいましたのに、先生方はとても親切にそして丁寧に私達を迎えてくれました。 十分御礼を述べ私達は学校を後にしました。



タイムスリップした、私。
Golders Green 駅前から10分たらずバスに乗り、6、7分歩くと私達が住んでいた2番目の家、があるAbbots Gardenという通りに入ります。
この付近はロンドンの中心から少し入った所にある、ハムステッドの立派な家々が立ち並ぶ高級住宅街に隣接している美しい街です。 
娘の後に付いて歩いて行きましたら、懐かしい見覚えのある家に到着しました。
「ここよ」と娘。  そうです、確かにここです。 見覚えがあるどころか、まだこの間まで住んでいたような感じがしました。 長い旅行から、今、ようやく我が家に戻って来たような、そんな気がしたのです。
この家は私達が住んでからしばらく経っているのに、ペンキが綺麗に塗られていて以前よりも家が美しく見えます。 こちらでは家が20年、30年経っても古くなるどころか逆に綺麗になっていくのが不思議なところです。

私達が以前住んでいた我が家のベルを押しますと、日本人の奥様が私達を「立ち話もなんですから」とわざわざ迎え入れて下さいました。 昔住んでいた時と同じように私達はなじみの玄関で靴からスリッパに履き替えました。 室内も私達が住んでいた頃よりもペンキの塗り替えや間取りの変更でより美しくなっていました。 
家主さんが私達の頃と代わり、初めはその家主さん一家が住むために家を大改装したということでした。私達の時代には別々に仕切られていた応接間と居間の仕切りが今はなく広い部屋に変わっていました。


少し曲がった人通りのない道は今も静かな家並が続いていました。 以前、毎日見ていた景色が目の前に広がると、昨日もその前の日も、同様に、この同じ景色を見つづけていたかのような不思議な錯覚に陥りました。 
その部屋には私が当時フラワーアレンジメントで習ってきて、活けたお花が置いてあったのですが、それが、いつもの場所に置かれていなかったので、私は、「あら、お花はどこ?」とつい探してしまいました。

リビングにはあの頃は、古いがっしりとした黒い木のテーブルでしたが、今は新しい、美しいテーブルが置いてあり、私達はそこで日本茶をご馳走になりました。 
彼女が、キッチンに入り、お茶を持ってきたとき、「いつも私が、キッチンでしていたことを今、彼女がしている」と思い、不思議な感じ、想いがしたのです。
ロンドンで美味しい日本茶をいただいて、とても心が休まりました。 


私が住んでいた時そこにあった2本の大木が切倒されたのです。 大きな音と共に木が倒れるのをこの部屋から見ていました。 ザザッという音とともに、リスが数匹、その倒れかけた木から、飛び降り、逃げ散って行ったのです。  
そのとき以来、リスの姿を見かけなくなってしまったのです。 

そんなことを思い出しながら、同じ場所に在る木々を当時と同じリビングから眺めていましたら、裏庭にリスが数匹、現れてきたのです。  
「あっ、リスだわ。まだリスがいたのね」と私。
「ええ、毎日出て来るんですよ。 息子がエサをあげています。 これです」彼女はクルミを二つリスの方へ転がした。 私はそのリスを見ていて、なぜかわからないのですがさらに不思議な思いに浸っていきました。
私は昔から此処にいてリスや裏庭を眺めていたのです。 
今も同じように眺めています。  私はあの頃と全然変わっていないのに娘だけが大きくなっている。 それはなぜ?  不思議な気持ちのまま、私はそのまま昔に1人タイムスリップをしていったのです。 これが不思議な現象の始まりでした。 
と言いますのは、その時以来、ロンドン滞在中に亡くなった私の姉の夢を再び見るようになったのです。 この次女の姉のことは、後日の日記に書きますが、姉が亡くなってからは、このときまで一度もその姉の夢を見たことが無かったのです、それなのに、その晩、滞在中のホテルで夢を見ました。 姉は夢の中でとても元気でしたしまだ若かったのです。

さらに、私の高校時代の担任の先生の夢までも見たのです。  先生は相変わらず若く快活でとてもお元気でした。 姉も先生も、二人とも、あの頃と変わらず若々しくお元気でした。 もちろん私自身までもが若返っていたのは言うまでもありません。

そして不思議な現象がもう一つ。  
今回、私と娘とで二人ロンドンにいて、色々な交渉事は全て娘がしてくれていました。 娘の英語で十分だったし、私は話していても単語が思うように出てこなかったり、第一相手は誰も私の顔を見ないで、娘の方を見て話をしていました。 それがどうしたのでしょう、この時から私は、急に昔の若かった時と同じような、流暢な英語、を話せるようになったのです。  不思議なことに単語が淀みなく出てくるのでした。  そしてなぜか気分も若々しく軽くなり、私の持病の足の踵の痛みも薄らいでいたのです。

同じ家に住んでいたというだけの縁で、娘が事前に話をつけておいてくれたとは言え、すっかり長いこと見ず知らずのお宅にお邪魔をしてしまいました。
厚く御礼を述べてこの家を出ました。 
夕暮れ近くになり、コートなしの私には冷たい外気のはずでしたのに、タイムスリップして、若返っていた私は、一考に気にならず、娘の速歩に負けないで、元気良く、若い頃の、ここに住んでいた当時の、私のように歩いたのです。

タイムスリップしたこの不思議な現象は、帰国して、成田空港に到着するまで続きました。



(楽天の仲間)
懐かしい英国の家に戻られタイムマシーンに乗ったような経験で感慨深いでしょう。
(私)
タイムマシーンに乗ったような経験、ずばりそのものです。


(楽天の仲間)
懐かしい不思議な体験で、一気に脳細胞が活動始めたのかもしれませんね。
(私)
不思議な現象でした。
「脳細胞が活動を始めた」、そう、なんですか、不思議な体験でしたよ。



(私)
Lovelyの日記の中で、私はタイムスリップをしています(本当の話)、数十年前とまるで同じ環境の中に戻ったのが原因でしょう。風景は、環境は人に与える精神面の影響が大きいのでしょう。
(楽天の仲間)
今、Lovelyさんの日記を読み終わったばかりです。昔の記憶が蘇って(というよりもそれを被っていたカバーが取り払われた状態になって)良かったですネ。環境がそういう風に刺激を与えてくれるということは大いにあることで生活に更なる潤いを与えてくれた点では良かった旅行でしたネ。







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最終更新日  2004年04月30日 08時40分44秒
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