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霜月21日の朝月が嵐山の端にかかるのを左に、愛宕山の雪化粧を右に見ながら渡月橋を渡り、嵐山鉄道で北野白梅駅へと向かう。
益々深化し続けるきのこと宗教文化の接点を探る2015年きのこ探訪会のはじまりである。
この日1時間余り早く現地を訪れ、桓武帝の外戚である渡来系諸神を祀り、今は桜の名所となった平野神社。 北山天神社として創建され、今は安産祈願の神となったわら天神を巡りメンバーと合流。

本日の旅の本命は、マヤルカ書店で開かれている後藤ゆうこ+中村あやこの二人展「はつゆめ」をのぞくこと、そのついでに上京の社寺9ケ所を巡る旅だ。
地蔵院(椿寺)、大将軍八神社、北野天満宮、引接寺、浄光寺、石像寺(釘抜き地蔵)、大報恩寺(千本釈迦堂)、上善寺、浄土院がその立ち寄り地。
しかし、出たとこ勝負のきのこ旅。数々のハプニングがあり、忘れがたい旅となった。
上の写真は、ゆくりなく出会った蕪村の命の恩人、かつ生涯唯一の師となった宋阿(巴人)の墓。これは意外な出会いで驚いた。

地蔵院ではそのほか、行基ゆかりの地蔵と十一面観音にも対面。

北野天満宮で度々ある休憩の1回目を。今日は画伯持参の「白州」のウィスキーに存子さんの熊野大社土産の「八咫烏饅頭」。きのこライターの博美さんの「きのこの山」、クラブ世話役・俊美さんのキッスチョコ。

合格祈願でごったかせえす北野天満宮では「平成琴姫」だったか何だか聞き漏らしたが、改造大正琴でライブを続けているかわいこちゃんたちとも遭遇。
浄光寺では池大雅の墓所におまいりしました。
そして、いよいよ午後3時半をまわってマヤルカ書店へ。
ここのオーナーは素敵な女性で、マトリョ―シカ、こけし人形のコレクターで、店名も「私の手」のロシア語МАЯ РУКА(マヤ・ルカー)に由来するという。
神戸のトンカ書店と同じく店長の多彩な夢と興味をそのまま集めたような古書と雑貨で満たされていて楽しいことこの上ない。
急な階段を上がった2Fがギャラリーになっており、ここの「はつゆめ」展でデジカメ映像を特殊な手法で定着させたラムダプリント作品の中村さんとテキスタイルデザインの手法できのこや食品サンプルを制作している後藤さんに出会い、いろいろな話をしてきた。
この3名のアーティストたちとの出会いは、また僕の新しいきのこのトレンディ・アートの展開が期待できるものでうれしくなってしまった。
しかし、この日最大のハプニングは、このマヤルカ書店隣りの(といってもなかなかたどり着けない路次奥にあった)注文の多いパン屋さん「八八」と、それに輪をかけたような御幸町夷川の「王田珈琲」でした。
森の酵母を用いた天然酵母のライ麦パンが主体のそれはそれはおいしいパン屋さんも、こだわりまくったコーヒーを飲ませる王田珈琲も、京都以外の土地では1日たりとも営業を持続することは不可能と思わせるに十分な、それはそれは貴重な個性の持ち主で、一緒に押し掛けたメンバー9名、店をあとにしてからと言うもの、その強烈な印象を語り合うことで話題沸騰、三条木屋町筋の「鳥貴族」で、9時過ぎまで語り合って別れました。
実にこの日は、今年のムックきのこクラブ1年の歩みを暗示するような1日に終始し、新春初顔合わせにふさわしい集いとなりました。
下の3点の写真はマヤルカ書店の店舗部分の1F。



以下の3点の写真は、2Fギャラリー部分の「はつゆめ」展の世界。
ナカムラさんのラムダ・プリントの作品

後藤さんの作品(上・下)

さて、以下の写真の廃屋めくパン屋さんこそが、自家製天然酵母のライ麦パン&カンパーニュの店「八八」(はちはち)。
買い帰って賞味しましたが、日々の主食にするには価格的に難ありですが、実にうまかったです。
また、王田珈琲さんのブレンドコーヒーも一口なめた分には店主同様、ただ苦味走っただけのようですが、ジワーッと口に広がる甘味には、こだわるだけのことはあると思いました。
小一時間眺めて過ごしましたが、店主もおそらくこのコーヒーと同様のハートの持ち主のようです。
ただ、嗜好品としてのパンやコーヒーは、日本国中まずいものが主流であることからうまいだけで「大したもんだ、やるもんだ」と思いがちですが、茶の湯の心と同じで「もてなしの心」こそが問われる世界。
こうして、さまざまな人生模様を眺めるにつけ、生きて世渡りし、雨後のきのこほど居る他者と渉りあい「素晴らしきかな、わが人生」と言うことの困難さをあらためて考えさせられる1日でした。

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