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今回も昔の読書メモから、Arthur Reeve(アーサー・リーヴ)のThe Silent Bullet(音なしの弾丸)という短編集を紹介したいと思います。本作品のレギュラーメンバーは、科学者探偵のクレイグ・ケネディ、ワトソン役のウォルター・ジェイムソン、警部のオコナーです。ほとんどが、当時最新の科学知識や技術をトリックとして用い、そのトリックを科学に基づきケネディが解き明かすというものです。これはたぶん最初の短編集で、後のもののほうがあもしろさがアップしているような気もしますが、記念すべき初作ということで、まず紹介します。The silent Bullet(音なしの弾丸)銃で撃たれた死体があるが、そのとき銃の音を聞いた人もいなければ、銃の煙を見た人もいない、という事件。The Scientific Cracksman(科学的な金庫破り)鉄壁を誇るはずの金庫が破られた。ケネディは、なんと、一見関係なさそうな電気の使用量の変化に目をつけます。The Bacteriological Detective(細菌学探偵)チフスで死んだ男がいた。たしかに病死なのだが、遺言に引っかかる点があった。筆跡と心臓という意外な組み合わせが面白い。The Deadly tube(死に到るチューブ)グレゴリー医師の放射線治療が失敗し、クローズさんは怪我をした。しかし、ケネディは本当に事故なのかと疑問を持ち、調査に乗り出す。The Seismogroph Mystery(地震計の冒険)『シャーロック・ホームズのライヴァルたち3』(ハヤカワ文庫)に翻訳あり。The Diamond Maker(ダイヤモンド製造者)金庫破りによる宝石盗難事件。しかも、宝石の作り方を知る男までが登場して・・・。The Azure Ringワインライトさんとテンプルトン氏が窒息死体で発見された。しかし、どのようにしてそうなったかははっきりと分からなかった。"Spontaneous Conbustion"(「自然発火」)ラングリーさんの、上半身がこげた死体が発見された。これは、自然発火元璋のなせる業なのだろうか?The Terror in the Air(空中の恐怖)ノートンさんのジャイロスコープをつけた飛行機が2台ともなぞの墜落を起こした。ノートン自身もフライトを試みるが・・・。The Black Hand(黒い手)毒物を使いこなすという秘密組織「黒い手」にゲナーロ氏の娘が誘拐された。ケネディは秘密道具を駆使して「黒い手」に立ち向かう。The Artificial Paradice(人工の天国)行方不明のゲレロ氏の捜索に乗り出したケネディたちは、その過程で「人工の天国」という怪しい店を発見する。ケネディも客に成りすまして突入。The Steel Door(鋼鉄のドア)カジノにいた負け続ける男のなぞ。コメントどの作品に関しても、なぞの設定はとてもよいと思われます。科学的な地恣意を使っているのも面白いが、どちらかというと道具を使ってなぞを解くタイプであり、論理的な推理の積み重ねというタイプではない。言語連想による心理テストや、心臓病と筆跡の関連、薬品発火による金庫破壊など、面白いトリックが満載。毒物も実辞するものを使いながら、よくもここまで多種多様なものを使って作品を書くものだと思います。
2011.02.11
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最近読んだ本ではありませんが、昔まとめたノートが見つかったので、そこに記録されたミステリ洋書を何冊か紹介していきたいと思います。最初は、オースティン=フリーマンの作品The Mystery of 31, New Innを紹介したいと思います。これは科学者探偵ソーンダイク博士が登場する長編で、1912年の作品です。1912年というと『オシリスの眼』(後日紹介)と『静かな目撃者』(未読)の間に位置する作品です。代表作と見る向きは多くないかもしれませんが、冒険の要素、奇怪な発端、手がかりなど十分な骨格を備えた作品です。物語は、ジャーヴィス(ソーンダイク物語のワトソン役)医師のところに、奇妙な患者が来たことから始まります。その患者は、外を見えないようにした車でジャーヴィスをぐるぐる連れまわして「病人」のところまで連れて行きます(ホームズで言えば、「技師の親指」ですね)。どうも、彼の見立てでは(瞳孔の散大などから)モルヒネ中毒ではないかと考えるのですが・・・。ソーンダイク博士もその病人を不審に思い調査を企てるが、場所が分かりません。その場所を突き止める方法も、実にソーンダイクらしい方法です。そのほか、逆さにかけられた絵の手がかりや、割れた硝子からめがねを復元し、その度数から人物を割り出すという彼の本領を十二分に発揮した手がかりもあります。また、ジャーヴィスが犯人に襲撃されるというスリラー的なくだりもあります(ちなみに『赤い拇指紋』では、ソーンダイクが狙われた)。ソーンダイクは秘密の?アイテムを駆使して館に着き、いろいろな手がかりを見つけて何が起こっていたのかを推理していきます。「もう手がかりはそろったのだから、君にも分かるはずだ」とソーンダイクがジャーヴィスに言った言葉が示すように、フェアプレイを目指した本格作品であります。
2011.02.06
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甲賀三郎の『恐ろしい凝視』を読みました。復刻版で、ある古書店にて1000円で購入しました。甲賀三郎というと本格(謎解き、論理)ミステリというイメージが強いですが、本作品ではその枠には収まりきらない作品も多く取り上げられていました。収録作品は 「従弟の死」「大下君の武勇伝」「急行十三時間」「記憶術」「恐ろしき凝視」「錬金術」「嵐と砂金の因果律」「魔の池事件」「戀を拾つた話」「青春への嫉妬」「見えざる敵」「黒衣を纏ふ人」です。私にとって特に面白かったものを紹介します。「急行十三時間」・・・けちな父からお金を出させるために、狂言脅迫事件を演じるものの、そこに本当の事件が交わって・・・?主人公たちは列車でお金を運ぶが、怪しい客が乗り合わせて・・。怪しい客が何人かいるので、誰が犯人かという「フーダニット」の楽しみもある。「錬金術」・・・・小さな禁を生み出すというデモンストレーションは真実なのか、という問題と、高利貸し殺人事件のかかわりは?題名から最後のオチと主人公の職業まで、上手く計算されつくした作品。「嵐と砂金の因果律」・・・嵐の岬の家に二人の男が来て、それぞれが昔の話を物語る。その二人の関係は・・・?雨の夜一人で読むにはちょっと怖いかも。「戀を拾つた話」・・・・主人公はある屋で「瀕死の人」から、他人に成りすましてくれとの依頼を受ける。その目的は?ハッピーエンドかバッドエンドか?自分にとっていまいちだったのは、「大下君の武勇伝」「記憶術」。どちらもユーモラスな作品なのですが、ほかに比べて見所やストーリーの錯綜感にかける。全体的に、いくつかの別の事件が絡まりあっている作品が多く、手がかりに基づいて推理するというよりは作者のストーリーを楽しむとよい。楽しく読める作品集です。【送料無料】恐ろしき凝視復刻版
2011.02.05
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