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2002年04月10日
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「70年に近く生きてきたのに、世の中には知らないことがたくさんあるんだなあと・・・・・」沈痛な面もちで口を開いたのは白髪が美しい女性でした。

 「最近テレビで「性器割礼」という言葉を聞きました。あまりにも衝撃的なことだったので、なかなか口に出すことができませんでした。もっとよく知りたいと思ってインターネットで探してみましたら、多くは興味本位のものだったので、私がテレビで見たことを少しでも口にだすことで、知らなかった世界のことを心に留める人がいるかもしれないとおもいまして・・・・」

「そのテレビは教育テレビの「未来への教室」という青少年向けのものでした。アメリカの子どもたちに1人のスーパーモデルが語りかけます。彼女はソマリア出身です。イスラム教徒の中に今もある男子の割礼の儀式は、よく知られることですが、その割礼が女子にも施されているという実態を知るものは多くはないでしょう。
それはアフリカから移民してきたアメリカのイスラム教徒の中に、今現在でも行われています。
性器割礼というのは、女の子が生まれたらその性器を切りとり、排尿に必要な部分だけを残して縫い合わせるというものだそうです。何のために?
その伝統的な文化の初めはきっと宗教的な儀式だったのでしょうが、そのことによって失血や感染などで死亡するものが多く、廃止運動を積極的に進めてきた運動体があって、彼女もその1人です。
女性の純潔をまもるということで続けられてきた習慣のようですが、子どものころに有無を言わせず執刀されるだけでなく、かなり成長してからも行われることがあるとのことです。その恐怖から逃げる女性も多くなり、彼女もその1人です。
彼女はアメリカの中のソマリアの女性たちに対して、この性器割礼についてどう考えるかを、子どもたちと共に聞き取り調査を始めます。けれど多くの女性は顔を伏せ、ショールで隠して逃げるように立ち去ります。
みんな自分が受けた理不尽な人間無視の行為に対して、深い深い傷を負っていることが分かります。



こんなことが、私たちの生活するこの世界の、この時代の中にきっとたくさんあるのだろうと、戦慄する思いでした。」

ここまでのことを話されたそのご婦人は精も根も尽き果てたように疲れた顔をして肩で息をされました。
その場に居合わせた私たちもまた、言葉を発することができませんでした。
それはそういう恐ろしいことが存在するということへの恐怖であると共に、私たちがいかに何も知らずに生きているかということへの、堪らない罪悪感のようなものに押しつぶされたのだと思います。

この話しはあまりにも大きなことで、かいつまんでお話しするようなことではないと思いますが、自分の身の回りの小さな世界の中で、泣いたり笑ったり怒ったり悲しんだりしている私たちの心に小さな風穴を開けることが出来たらと思って書きました。

最後に、スーパーモデルと話しをした子どもたちが言った言葉を書いて終わります。
「僕たちはあらゆる体験を声に出すことで、犠牲者ではなく勝利者になろう」





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最終更新日  2002年04月10日 22時10分39秒
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