メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Jul 6, 2006
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 夏休みが近付くと思い出します、、、子供の頃はずいぶんと「デブ」でした。

 それは、小学4年性の頃。今でこそ関西フレンチ業界きっての男前の呼び声も高い私なのですが、小学校中学年時において、体重は50キロ近くになり、毎年夏休みになると「肥満体児運動教室」(だったかな?)に通うよう学校から勧められました。

 結局、億劫になって運動教室に通う事はしなかったのですが、そもそもそんな子供の頃に太りだした原因は偏食にありました。脂身が随分好きだったのです。豚ロース肉のソテー等は、片側に付いた脂身ばかりをたべてしまう、なにより、最も大きな原因は当時、母の作る「鶏の唐揚げ」にハマり、食事になるとなにかと「唐揚げ」ばかりをねだるようになり、肥満への道を突っ走っていました。

 「6つの基礎食品」という分類があります。
1群 タンパク質
2群 カルシウム
3群 カロチン
4群 ビタミンC
5群 炭水化物


 この第6群に分類される「脂肪」とは、「エネルギー源及び身体の機能を調節する働きのある食品」とあります。現代では、ダイエット、健康の目的から「高カロリー・高エネルギー」の食品は避けられる傾向があるのですが、そもそも動物の本能において、少量でも高いエネルギーを得られると言うのは、本当はありがたい事でもありました。

 そのため、そもそも「油脂分」には、本能に訴えかける嗜好性と常習性があるのではないか、といった疑問から、また、その研究も進んでいます。決して私がデブになった言い訳をしているのではありません。

 私が「唐揚げ」にハマったのはともかく、昔、「天皇の料理番」というドラマがありました。明治末から大正の時代にかけて活躍した料理人秋山徳蔵の物語です。この秋山徳蔵が当時の軍隊の兵舎にてある料理を口にしたところから、料理人を志すストーリーが始まります。
 その、料理とは、「トンカツ」、豚ロースを脂で揚げた料理である事は皆さん周知の事実です。

 油脂に執着を持つのは人間だけでは無さそうです。先日、ネズミ捕り用の殺鼠剤を購入したのですが、但し書きに「台所のサラダ油等を塗ると更に効果が見られます」とありました。

 油脂分ヘの執着は、人間の歴史にも古くから見られます。
 例えば「フォア・グラ」、フォア・グラは現代では鴨とガチョウの物が作られていますが、そもそもは「豚」に高カロリーの餌を与えて、肝臓を太らせたのが始まりと言われています。
 古代エジプトにおいて、豚に高カロリーの「イチヂク」ばかりを食べさせて、太ったところで肝臓を重宝する。当時の言葉で「イチヂク」は「フィカトゥム」と呼ばれていましたので、「イチヂクによって太る臓器」が後の世において「フォア・」の名前になって残ったと言われています。

 フォア・グラだけで無く、「和牛のフィレ肉」なども同じ目的を持って生産されているとも言えます。フィレ肉はロース肉に比べて「脂身」が目に付かないため、脂肪が少なそうですが、実際はサシがたっぷり入っていると言う事は、筋繊維のなかに多量の「油脂」を含んでいると言う事です。口の中でトロリととろける様にやわらかい、、、口の中でとろけているのは筋繊維では無く、脂肪です。
 こういった、牛フィレ肉の生産には、フォア・グラ並みの手間がかかります。フォア・グラを生産する際においては、その製法が広く知れ渡っており、一部では動物虐待であると非難の声もあるのですが、牛フィレ肉を生産させられる牛もそう違いは無さそうです。

 さて、この「油脂分」高カロリーであるために、沢山取り過ぎると、やはり胸焼けやむかつきを覚える身体の拒否反応が現れます。やはり「良薬は口に苦し」なのでしょうか。


 食事において、何にでもマヨネーズをかけて食べると言うのが、「マヨラー」ですね。マヨネーズも油脂分が多い食品ですが、コレもついついハマってしまう要素もあるようです。

 フォア・グラを美味しいと感じる、マヨネーズに執着する。こういった嗜好はそもそも動物としての本能に起因するものかも知れません。
 そういう意味では、「フォア・グラ」も「マヨネーズ」も同じようなものですね。
















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Last updated  Jul 6, 2006 10:47:23 AM
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背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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