文化を紡ぐ 無形文化財 0
日本の文化を紡ぐ 未来の無形文化財 0
西洋:石の家 日本:木と紙と草の家 0
全18件 (18件中 1-18件目)
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解答と解説 解1:cフランスの迎賓館、「エリゼ宮」に おいても最重要な来賓には「子羊」 が供されます。解2:b茶会席からの発展でした解3:空腹を紛らわせるために懐に忍ばせた温めた石のこと解4:cビーフブイヨンに似た、「レストラン」という名のスープから。解5;a解6:c解7:b韓国語の「明太(ミョンテ)が語源との説があります。解8:c解9;ベルーガ、オシェトラ、セブリュー ガ解10:c解11:bアワビはサザエと同じく巻貝です解12:a解13:b解14:b解15:e解16;a解17:a解18:c解19:bベーコン(bacon)は、back(=背中)の意があります解20;c解21:b解22:a解23:b平安時代に愛人が乗った牛車が自分の家の前で停まるように細工したのが始まりです。解24:cサニーレタスは日本で開発されました。当時最も売れていた車種にあやかったものです。解25:c解26;b解27:a解28:aジャガイモはアメリカ原産ですが、南方経由で日本に伝わったためです。解29:c解30;cEarlアールとは男爵や公爵と同じく爵位のひとつです。解31:b解32:b解33:a解34:c解35:aサウザン=千、アイランド=島で 「千島列島」のことです解36;a解37:b解38:a豚は勢い余ってトリュフを食べてしまうことから近年では訓練された犬を使うところが多いようです。解39:a解40;c解41:b解42:c解43:b解44:a解45:c解46;b解47:「おみおつけ」もともとご飯に添えるおかずの「付け」に丁寧語の「御」が三つ持ついたもの
Oct 31, 2006
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(さらに、昨日の続きから、、、)問31:ミルクティーにおいて、紅茶にミルクを加えるのは、紅茶の(a水分、b渋味成分タンニン、cカフェイン)を、ミルクのタンパク質で包んでまろやかにする目的がある問32:グラスには様々な形状のものがあるが、シャンパンに使われるもので縦に細長いグラスは(aピッコロ、bフルート、cタケノコ)と呼ばれている。問33:「ク-プ」と呼ばれる盃型のグラスの形状はそもそもフランス革命の前時代、王妃マリ-=アントワネットの(a乳房、b髪型、cドレス)の形からその型をとったと言われている。問34:近年まで日本で「ソース」といえば「ウスターソース」一般的でした。ウスターソースの「ウスター」とは(aウスター氏・人名、bウイスキーのこと、cウスター州・イギリスの地名)から付けられた名称である。問35:「サウザンアイランド」ドレッシングの、サウザンアイランドとは(a日本、bカナダ、c南極)近海にある。問36:秋の味覚、マツタケ。日本では「よい香り」とされているが、一部の英語圏では(aスカンクマッシュルーム、bソックスマッシュルーム、cマジックマッシュルーム)と不名誉な呼び名で呼ばれている。問37:ヨーロッパで珍重されるキノコ「トリュフ」地中深くに発生するため、もっぱら嗅覚の優れた(a猿、b雌豚、c鶏)に探させていた。問38;トリュフは近年では、(a犬、b電子機器、c占い)にてその場所を探すようになった。問39:洋の東西では料理方法だけでなく、道具にもその違いは表れる。西洋料理の包丁と比べ、日本の和包丁は(a片刃、b両刃、c三枚刃)であることが多い。問40: 英語で「ペッパー」とは胡椒の他、ピーマンを指して言うこともある。そのため「ホットペッパー」と呼ばれるのは、(a黒胡椒、b白胡椒、c唐辛子)ことである。問41:「スイート・ベル・ペッパー」とは(a甘くてベル形の胡椒、b赤ピーマンや黄ピーマン、c人名)のことである。問42:更には、パプリカはハンガリーの発祥で、この「パプリカ」、古くモンゴル帝国時代の名残を残す名前で「ペッパー」の語が(a中国語、bアラビア語、cモンゴル語)訛りになったものである。問43:普段の会話の中に使われることもある「醍醐味」、そもそも(a高貴な人の食事、b熟成したチーズ、c腐った野菜)の味の事であった。問44:ワイン業界において11月の第三木曜日は、毎年、(aボジョレー・ヌーボー解禁、b未成年でも飲酒が可能、c来年用に葡萄の種を蒔く)の日として知られている。問45:日本は「世界で最も早くボジョレーヌーボーが飲める国」として毎年ニュースで取り上げられているが、実は世界で最も早く日付が変わる国は日付変更線のすぐ西にある(aロシア、bキューバ、cトンガ)である。問46:リ・ド・ヴォー(Ris de veau)はフランス料理に使われる食材で、「仔牛の胸腺肉」と訳されるが、胸腺とは(aミルクを飲むための筋肉、b外界の菌に対する抗体の入った内臓、cたまたま付いていた突起)である。問47:「御御御付け」なんと読む?( )おつかれさまでした(^^)解答と解説はこちら、、、
Oct 30, 2006
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(昨日の日記の続き、、、)問16:牛は体内で(aカロチン、b黄色ブドウ球菌、c食物繊維)を分解できない。そのため、乳、脂肪。汗や排出物にカロチンの黄色い色が現われる。問17:豚肉の脂身には糖質や脂質の代謝を円滑にし、食物として摂取すると(a脳細胞や神経細胞、b筋肉、c視神経)の働きを補助する効果があると言われている。問18:ハム(Hum)はフランス語でジャンボン、スペイン語でハモン。ハムというのは本来、豚の(a頭、b背中、c腿肉)の部位を指していう言葉である。問19:ベーコンとは、現代ではわきばら肉の塩漬けや燻製加工した塊の肉を指してベーコンと言うようになったが、もともとは(aお腹全体、b背中、cお尻)と同じ語源で体の部位を指す語であった。問20:クッキングCooking(英語)、キュイジーヌCuisine(仏語)クッチーナCuccina(伊語)とは、料理のことを指していますが、日本の「料理」と違い、共通するのは(a切る、b狩猟する、c加熱する)という意味が含まれる。問21:塩は人間にとって最も重要な食物のひとつでもある。塩で味付けしたもの、という意味の料理が(aカレー、bサラダ、cカマボコ)である。問22;古代ローマ帝国において、兵士の給料は「塩(=サーラ:ラテン語)」で払われていたという。そのため現代でも「給料を貰う人」を(aサラリーマン、bセールスマン、cフリーター)と呼んでいる。問23:飲食店では、お客様を呼び込むための風習として、玄関に「盛り塩」をしている所もある。そもそもは(a愛人、b牛、c幽霊)になめさせるためのものであった。問24:サラダによく使用される「サニーレタス」サニーとは(aサニー・サイドアップ、bサニー&デイブ、c日産サニー)にちなんでつけられた名称である。問25:レタスは(aユリ科、bアブラナ科、cキク科)植物であり、問26:キャベツは(aユリ科、bアブラナ科、cキク科)の植物である。問27:ヨーロッパで春を告げる野菜は「アスパラガス(Asperge)」フランスではアスパラガス専用の食器や道具がある程特別扱いの野菜。もともと地中海東部が原産地で、(aユリ科、bアブラナ科、cキク科)の植物である。問28:日本で呼ばれる「ジャガイモ」の語源は(a東南アジア、ジャカルタの地名、bジャンガジャンガの擬音、c九州弁の「~じゃが、」)に由来している。問29:紅茶の品質表示のひとつ「オレンジペコー」 ペコーとは(aアラビア語、b英語、c中国語)で白いうぶ毛のことを指していう「パイカウ」が訛ったものである。問30:フレーバーティの代表的なものにEarl Grey(アール・グレイ)があるが、アールグレイとは(a錆びた釘、b牛肉を食べる人、cグレイ伯爵)という意味である。>解答と解説はこちら(10月31日に掲載)続く、、、
Oct 29, 2006
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問1:日本における各種の食肉で好感度が高いのはやはり牛肉ですが、フランスの場合は、(a鴨canard、b子牛veau、 c子羊agneau)と言われている。 問2:日本料理において高級料理とされる「懐石料理」。同じ発音をする「会席料理」もある。「会席料理」の方はもともと(a禅宗、b茶道、c華道)の形式にのっとった食事を指していた。 問3:懐石料理は会席料理から転意した言葉ですが、後に「懐石」の字が当てられるようになりました。では「懐石」とは?( ) 問4:「レストラン」とは元々料理店のことを指して言うのではなく(a人名、b地名、c料理名)から派生している。 問5:オードブル(Hors d'ouevre)とは「前菜」と現代では呼ばれているが、直訳すると(a作品以外のもの、bあまりもの、c手のかからないもの)という意味も含んでいる。 問6:ソムリエという職種があるが、当初は貴族に仕える仕事で主に(a兵士、b衣服のデザイナー、c馬や牛の世話係)の仕事から派生したものである。 問7:たらの卵に用いられる「明太子」、「めんたい」とはそもそも(a英語、b韓国語、cロシア語)から来た言葉である。 問8:鮭の卵は「イクラ」イクラとは(a英語、b韓国語、cロシア語)で「魚の卵」を指していう言葉であった。 問9:キャビアを採ることの出来るチョウザメの3種とは? ( ・ ・ ) 問10:世界三大珍味のひとつといわれる「フォア・グラ」肥大したガチョウの肝臓を指すが、フォア・グラの「フォア」とは動物に食べさせた(aリンゴ、bブドウ、cイチヂク)を乾燥させたものに由来する。 問11:「磯のアワビの片思い」アワビは貝類の中では特殊な形状をしているが、実は(a二枚貝、b巻貝、cナイスガイ)の一種である。 問12:蟹にはズワイガニのように脚が10本の種類と、タラバガニに代表される8本脚の種類がある。10本脚の種は「カニ」科、8本の蟹は「ヤドカリ」の科に含まれ、進化の過程で地上の(aクモ、bコガネムシ、cコウモリ)と枝分かれして海に棲むようになったものである。 問13:魚類は新鮮なものほど美味しいと思われがちだが、真鯛などはアミノ酸の分解の旨味という意味で、絞めてから(=屠殺してから)、(a48時間後、b6~9時間後、c1時間以内)が最も美味しいといわれている 問14:特上の和牛肉、また、和牛肉の中で非常な高価の場合は、まず間違い無く(aオス、bメス、c生後間もない子牛)である。 問15;日本国内において肉になる「和牛」と名称が付くのは4種類に限られている。誤っているものはどれか示せ。(a黒毛和種、b褐毛和種、c日本短角種、d無角和種、e奄美黒毛種)解答と解説はこちら(10月31日に掲載)続く、、、
Oct 28, 2006
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(昨日記事の続き) 人間が生き物として活動していく過程、あるいは人体を組成していく過程において、必要とされるのが「食物」というエネルギーです。 この食物のうち、食する側が何らかのエネルギーに変換する現象を「栄養」と呼び、また、ほとんどの食物には「栄養素」が含まれています。栄養となる主たる成分の総称が「栄養素」ということです。 栄養素のうち、糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの5つの成分は、5大栄養素と呼ばれています。 5大栄養素のうちでも、筆頭に挙げられているのが「糖質」であり、糖質を受容器官、つまり舌で感受するのが「甘味」です。 そもそも、「甘味」に関しては人間に限らず、動物の舌には「甘味」を受容するための特殊な器官が備わっているといわれています。 その「器官」は舌の味蕾というごく小さな受容体のなかにあり、いわば「鍵穴」に例えられます。「鍵」にあたる「糖」がその鍵穴に収まったときに、「甘い」と脳は反応するのです。 鍵穴に収まるのは、必ずしも「糖」だけではありません。よく似た形の「鍵」であっても分子構造が「糖」の形に近ければ、脳がだまされてしまうこともあるのです。 これを応用したのが、「歯磨き粉」と「ダイエット甘味料」 前者は主に「サッカリン」という成分が、後者は「ステビア」が代表的ですが、これらは分子構造が「糖」とよく似ているいるために、全く成分が違っても脳は甘いと判断するのです。 話が逸れてしまいましたが、つまり「甘い」ことは基本的には「快感」を伴うことでもあるのです。そういう意味では、快感を伴う食物、「お酒」も、アルコールによる快感を得られる物質ですが、アルコールとは、基本的にはも「糖」から「二酸化炭素」を分解したものであり、「糖」の変化したものでもあるということです。 また、人間が生まれて初めて口にする「栄養素」つまり「食物」は「母乳」であり、「母乳」は乳糖を含む「甘い」食品であったというのも、うなずける事実ではないでしょうか。(続く)
Oct 21, 2006
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(昨日の記事の続き) では、「快感」とは、、、、「気持ち良いと感じる事。喜び、幸せ、満足等の感情と密接に結びついている。脳科学的には、報酬系における神経伝達物質を介した神経細胞間の活動で定義される。 食、摂水、睡眠、性的行動など、動物としての本能に根ざした行動は、快感という報酬と不快感という罰によりコントロールされる。 食欲など欲求が満たされれば快感を感じ、満たされなければ不快感を感じる。欲求とは、不快感を解消し、快感を得ることを(本能的に)希求する心のありかたと捉える事も出来るといえる。その他、大脳の高次機能の発達した人間は、長期的な目標の達成等、動物的欲求以外の状態からも快感を得る事が可能である。 美しいものを見、素晴らしい音楽を聴き、楽しい時を過ごす事によって人は快感を得る。 その達成までの期間の長短はあるが、人間の行動は何らかの快感を得る事を目指したものが多く、人間の行動原理、価値観の根本を規定する脳の状態である。」(引用;ウィキペディア) ある欲求が満たされれば快感を感じ、満たされなければ不快感を感じる。のであれば、それは固体の内部、つまり脳の働きに起因する営みと考えられます。 ならば、快感を得るということは、脳が体に与える「ご褒美」とも言えますから、喜びを感じるためのそれなりの要素があらかじめ遺伝子なり、本能と呼ばれるものの中に内在し、脳の中に組み込まれている、ともいえるのではないでしょうか。 人間が定義する「味」にはいくつかがあります。・甘味・酸味・塩味・苦味。 西洋においてはこの4種類の「味」が主とされています。日本語におけるもうひとつ「味」の種類として「旨味」が用いられることもあります。これは分解されて生成したアミノ酸の味を指すようで、俗に「うま味調味料」と呼ばれるものは、鰹節や味噌、醤油といった発酵食品中に含まれる成分を取り出したものともいえます。 また、辛味、渋味、の2味においては舌という器官で感じる「味」というより、粘膜で感じる「刺激」として生理学的には別のものとされているようです。 これらの味のうち、人間に限らず、多くの動物が最も根源的に希求するのは先ず、「甘味」ではないかと思われます。面白いことに、パソコンなどで「うまい」を漢字変換しようとすると、「美味い」「旨い」などの他に「甘い」の文字が候補として現れるのです。それほど、「うまい=甘い」であったのかもしれません。 (続く)
Oct 20, 2006
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「カ・イ・カ・ン、、、」「セーラー服と機関銃」最近、テレビドラマでもリメイクされているようですが、それは私が中学生の頃、初めてのデートで見に行った映画でもありました。当時まだ汚れを知らない私でもありましたから、デートといっても「ダブルデート」つまり、男子2名+女子2名の組み合わせ。窓口で「中学生ですか?何年生まれ?」と聞かれて、諸々の緊張もあってか、つい「は、はっ、、、射手座デス。。。」と答えてしまってました。我ながらカワイイ男の子だった様です。 さて、我々飲食に携わるものにとって「カ・イ・カ・ン、、、」とは、「美味しい」モノを食べること、更には「美味しい料理」を提供できること。 この「美味しい料理」を提供できることは永遠のテーマとも思われます。 「美味しい」「美味しくない」の判断によってお店の評判も大きく変わりますし、また、「美味しい」モノを知らなければ、「美味しい」モノを提供できるはずが無いからです。 では、一体、「美味しい」とは何なのでしょうか? 人間が「美味しい」と感じるとは果たしてどういうことなのでしょうか。 「美味しい」と感じるということは、ある食物を口にしたときに何らかの「快感」を感じるということとも解釈できます。では、「快感」とは、、、、(続く)
Oct 19, 2006
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昨日は「全日本メートル・ド・テル連盟」の、題して「初夏の食材探究旅行」に参加してまいりました。行き先は大阪湾・泉南と堺市。それぞれ大阪湾の魚介、(特にこの季節はアナゴ漁が盛んなのですが)と堺市の「刃物」造りを見学しに行って来たのです。それぞれ、非常に好奇心をそそられる内容でもあり、また、新たな「人」との出会いがありました。 …内容についてはまたあらためて、、、(^^;) そういえば、前回からの続きが未完のままでした。 「マナー」というと、少々小難しい物と思われがちですが、些細なポイントを押さえれば、食べ慣れているように振る舞えますし、また結構綺麗に見えるものです。 例えば、座り方。と言っても、洋の東西を問わず、女性が椅子に深く腰掛けることは避けられます。背もたれにもたれ掛かってしまうのは、背筋が伸びていないので「美しく」は見え無さそうです。 さて、男女が対になってテーブルに着く時は、「男性から向かって右側の椅子にに女性が掛ける」と説明しましたが、マナーの如何に関わらず女性にとっても「有利」と言えます。 と、言うのも「人間」は左側の顔の方が、右側よりも優しくキレイに見えるのです。 人は眠る時、右側を下にして眠ることが多いのです。身体の中心より左側に心臓があるので、心臓が楽になる姿勢でもあり、胃は左から右にカーブしていますので、右側を下にして眠る方が身体は楽であると言えます。となると、知らず知らずのうち、眠っている間に右半身には圧迫が掛かっていますので、ストレスがかかり、結果的には「キツい雰囲気」が醸し出されるのだとか。 また、「理屈の右脳、感性の左脳」などと言われていますが、お相手となる男性にとって、自分の右側に女性が着座することは右方向に意識を集中する、つまり「感性の左脳」が刺激されますから「男性の右側に女性が座る」方が、感情的な昂りを促せる確率は高まります。 さて、本題ですが、女性がキレイに見える「フォーク」の使い方です。 簡単に言えば、 フォークは身体に対して直角に、つまり「タテ」にして使うことを意識する。 これだけです。 これだけなのですが、我々「箸」を持ち慣れた日本人にとっては、なかなか気付かないところであったのかもれません。 時々、テレビのリポーターなんかにも見られる行為なのですが、フォークをお箸と同じように横方向に握ってしまったために、料理を口に運ぶ時に顔が右側を向いてしまい、右方向に身体が開いてしまっています。 これがなんとなく、見た目に綺麗ではありませんし、また不安定な見た目を人に対して与えてしまっているようです。 「フォーク」を使用する時、右手に持ち換えることもあれば、左手でそのまま料理を口に運ぶこともあるのですが、いずれにせよ口に運ぶ時には「柄」が左右のどちらかの方向に大きく向いているよりも、身体の正面方向に向いている方が、口を大きく開けなくても済みますし、顔がよそを向かないので「キレイ」に映ります。 タテに使用する「フォーク」に対し、「箸」は身体に平行に用いられます。こちらはつまり「ヨコ」向きに使用していると言うことです。 そもそも、テーブルに着いた時に、それぞれの食器が置かれている「形」を思い出してみて下さい。 「箸」は身体に対して、平行に、ヨコ向きに、さらに持ち手を右にして配置されています。対して、「フォーク・ナイフ」の類いは身体の方向から垂直に、タテに置かれています。 テーブルのコーディネイトとは、見た目の美しさもさる事ながら、実用性も充分に考慮されていると言えるでしょう。 東洋、西洋の食文化の連続してきた流れの中で、使われる方向に対して使用し易いように培われたものと言えるでしょう。 現代において言われる「テーブルマナー」は、高尚な技術を修得することでは無く、元々、スムーズに事が運ぶために配慮されたものが、事の起こりとプロセスがが忘れられたために、難しく感じられることが多いのです。 洋の東西の「食文化」の違いは、情報が溢れる現代に至って言い出されたことではありません。驚くべきことに、紀元前6世紀、今から2600年前の時代、古代ギリシアに「イソップ」と言う人物が現われます。多くの方々がご存知の「イソップ物語」の作者と言われています。 このイソップ物語の一節に「キツネとツル」というお話があるのですが、、、(、、、またまた続く)
Jun 20, 2006
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昨日の日記の続きから「右は左より強い!」と言っても、政治的なお話ではありません。昨日の日記、「マナー」に関する話の続きです。このマナーというもの、「~するべからず」的な規律ばかりで、少々堅苦しく感じられ、その要素が「フランス料理」などの西洋料理の敷居を高くしてしまっているのかも知れません。 しかし、マナーを覚えておけば、他人から見て『美しく見える』という効果もあるのです。「綺麗」に見えると言うのは、世の女性にとってもなかなかありがたいお話では無いのでしょうか。 と、こんな話から始まった昨日の日記でしたが、いつもご愛読頂いているVecchoの奥さんからコメントを頂きました。いつもありがとうございます。コメント全文は昨日の日記のページからご覧頂くとして、一部抜粋すると、>この前、「両手に花」状態で男性が真ん中に座った場合男性の右側にいる女性は、男性にとって「遊び相手」左側にいる女性は「本気に思っている女性」だと、話題に出たところでした。非常に興味深い内容です。Vecchoの奥さんは何気に書いて下さってますが、実は心理的に言って、人間というもの、右手側=強い=攻撃的左手側=弱い=安心・信頼感という事が成り立つのです。 生物としての「人間」が二足歩行を始めてから、常に内臓側を人目にさらす状態にあります。例えば犬やその他の4つ足の動物の場合、お腹を見せるというのは強い者に対しての「服従」のポーズです。 人間の場合、心臓は左側にありますので、(右側にあるのは、北斗の拳に登場する『聖帝サウザー』位でしょうか)自ずと左側を守るようになり、そのため、「右利き」が多いのです。 右側が強く左側が弱い、という法則は陸上のトラック競技を見ても明らかです。競馬ならば、左回りコース、右回りコースとあるのですが、人間の場合は常に左回りです。心臓のある左側を内側に走る方が、やはり理にかなっているからでは無いでしょうか。 ここで、マナーの話に戻りますが、「マナー」とは、「こうしなきゃいけない」というものでは無く、「7割から8割くらいの人が良しとするもの」なのです、そのため、やはり洋の東西を問わず、右利きの人間が多数派を占めますので、左利きの方には申し訳ないのですが、「右利きの方」向けに制定されているというのが実際のところです。 例えば、テーブルのセッティングがそうです。右手で使用するナイフは右側に、グラスも右側に配置されます。 また、お客様へのアプローチについても、この「右側が強く、左側は弱い」という法則は成り立ちます。メニューを渡す時、ドリンクを伺う時、お客様のアプローチも様々な状況がレストランでは想定されます。 この際に、初対面のお客様に左側から近付くのは警戒心を与えてしましまいます。また、逆に横柄な態度を取られるお客様にはわざと左側に立って、心理的に緩やかなプレッシャーを与えることによって、、、ああっ!ヤバっ!そろそろ仕事に行く時間になってしまいました。続きはまた次回に、、、そういえば、「フォーク」の話をするはずやったのになぁ、、、(^^;)
Jun 18, 2006
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今夜は、家でのんびりとテレビを見ていました。「ビーバップハイヒール!」(なんちゅう題や)関西ローカルかも知れませんので、全国の方はご存知無いかも知れませんが(^^;) 今夜のゲストが竹内一郎氏。最近のベストセラー「人は見た目が9割」の著者です。 この「人は見た目が9割」私も人前に出る職業でもありますので、非常に気になっていました。発刊された当初から本屋で立ち読みをしていたのですが、非常に興味深い内容です。しかし、、、まだ買ってません。 人間というのは、言葉で発せられる「言語」よりも、「ノンバーバル・コミュニケーション」と呼ばれる視覚的な情報、つまり「見た目」を実は重視している。その割合いは言葉:見た目=7:93であると言う。「見た目」の威力はそれ程に強力であるらしい。そう言えば… さて、ここから私なりの「テーブルマナー」について考察が導かれます。 テーブルマナーとは、「他人を不快にさせない行為」と広くは定義されています。テーブルマナーで禁止されている行為とは、例えば食事中にクチャクチャと音を立てて物を噛んだり、また極端な例では食事中に鼻をかんだり、、、など、「人が見て不快に感じる」行為とされています。 しかし、よくよく考えてみると、 他人を不快にさせない→不快で無いと言うことは快い→快いとは、見た目が美しい事であると言う3段論法が応用できるのでは無いでしょうか。では、「美しく」見える要素とは何でしょう?ここで登場するのが「クロスライン」という振る舞いです。 「クロスライン」とは、男性が女性をセクシーと感じるのは、例えば腰のラインにかけての「くびれ」だとか、あるいは男性に女性が対峙する時は半身に構える方が「美しく見える」といった要素です。 耳に付けたイヤリングを外す時、意識的に左耳に付けたイヤリングは右手で、右耳についたイヤリングは左手で外す方が、美しく見えます。セクシーアイドルのグラビアに見られるような、身体をひねる姿勢に男性は「女性的な美しさ」を感じるのです。 で、話は飛びますが、男女2人のアベックでレストランを訪れたとします。 向い合せに座るテーブルでは無く、丸テーブルや正方形のテーブルに90度の位置をとって座る場合、上座は常に右側とされていますのでレディファーストの意味から言うと、女性が右側、男性が左側に座る。この様に「マナーブック」等では規定されています。 一説には「レディファースト」の起源は中世の「騎士道」に由来しますので、男女が並んでいる時に危険が訪れたとして、左側の腰に差した「剣」を抜きます。この時に女性が左側に位置していると剣を抜いた拍子に守るべき女性を傷つけてしまうかも知れない、また、男性が右手でエスコートしやすいように女性は男性の右側にいるのが望ましいから、とされています。 しかし、この説は男性からの視点に立ったものです。 女性の視点から「マナー」を見ると、やや目的は違ってくるのでは無いでしょうか? 男女を問わず、人間は右利きが多いですから、女性が左側に座った男性に何かをして差し上げる時、右手を左側に持って来ます。この時、自然に左側に身体をひねる姿勢になります。ここで美しく見える「クロスライン」が生まれ、女性は綺麗に見えるのです。 また、フランス料理で使われる「フォーク・ナイフ」この、「フォーク」の扱いひとつにとっても、クロスラインを応用した「美しさ」を演出する簡単な方法があります。…長くなるので、次回に続きます。
Jun 15, 2006
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先日相互リンクして頂いた「笑う女将のレストラン 裏ガイド」のページを訪問して来ました。このHPがとても素晴らしい!私のページをほめて頂いているのですが、含蓄に富んだお話にあらためて頭が下がります。女性の眼から見た「男性のカッコ良さとは?」というテーマが秀逸です!うーん、先に知っていればなぁ↓こちらですhttp://warauokami.exblog.jp/ さて、いよいよ「テーブル・マナー講座」の日も迫ってきました。何日かに渡って書きためてきたモノをあらためて見直してみると、なんとか退屈して頂かなくて済みそうです。 そろそろまとめに入らねばなりません。とはいえ、上手く出来るかどうか心配です。 実は今回のマナー講習の「お客様」は警察官の皆様です。国家が国民の安全を保障するというのは、最も根本的なサーヴィスといえます。対して我々の職業は豊かな社会における付加価値としてのサーヴィスです。 職業上の性格としては私どもの職業とは最もかけ離れた皆様かもしれませんので、上手くお話が伝わるかどうか、緊張感も一層です。緊張のあまりか、ときどき悪夢を見ます。「先生、ご足労頂いてありがとうございます。さ、どうぞこちらへ」「…エッ?ここって取調室?ここでテーブル・マナーかぁ!?」「お前も疲れたろう?里のお母さんは病気だそうじゃないか?」「テーブルについたら椅子には姿勢を正して腰かけてください。また、病気などの暗い話題は避けた方が良いでしょう。」「一服するか?」「煙草はデザートが出るまでは控えましょう。また、周りの方に対する配慮も忘れずに。」「ところで、凶器のナイフはどこに隠した?」「ナイフは落しても自分で拾ってはいけません。サーヴィスマンが拾ってくれます。」「腹減ってるだろ?好なんか食うか?」「メニューは右側から手渡されます。また、女性には値段無しのメニューが渡されるかもしれません。」「好きなもん、頼んでいいぞ。」「…ってか、カツ丼しか載ってないやんか~」ハッ!と目が覚めました。 警察官の方が「テーブル・マナー」と聞いてもしかして訝しがられる方もいらっしゃるかもしれません。「警官がフランス料理?えっ、また税金の無駄使い?」と。 しかし、そうではありません。昭和の初期において車が贅沢貧であったものが、現代では20歳くらいになれば多くの人が車の免許を持っているように、会食におけるテーブル・マナーの教養を身につけることは、社会人としての必要性があると認識されたということでしょう。 警察官、公務員の方に限りません。私の知人のあるレストラン・サーヴィスに勤める方は医療関係、福祉関係、また家電製造業においても「サーヴィス」についてお話をされてきています。 既存の商品の品質が一様に向上している時代にあって、さらに付加価値を求めるのであれば、無形の商品「サーヴィス」を向上させる他ありません。 そういう時代がやってきているのです 私自身も、今回テーブルマナーではテキストを棒読みだけして帰ってくるつもりもありません。参加者の方を「お客様」ととらえ、テーブル・マナーを通じて「サーヴィス」を知って頂きたいのです。 我々の「レストラン・サーヴィス」だけでなくあらゆる職業において、人と人との関わりは発生しています。警察官は職務を通じて、医療関係者は病室で、行政は窓口で、人との接触があります。人と人とが対峙するときには必ず「心」が介在します。それに伴った行為を「サーヴィス」と呼ぶか否かの違いでしかないのです。「人は見たいものしか見ようとしない。」とは、2000年前のユリウス・カエサルの言葉です。 レストランは感動を与える場所と、我々は自負しますが、では他の職業では感動は与えていないのでしょうか?飲食業界の中だけ、あるいはその他、多くの事を学ばずに、オンリ-・ワンでよかれとして自店の中の内輪の話だけに終始してはいないでしょうか? 「レストラン・サーヴィス」がサーヴィス業の魁であるならば、サーヴィステクニックをフィードバックできるのは何も飲食業界だけではありません。社会全体のサーヴィス度が高まれば「サーヴィス」を主力商品として扱う「レストラン・サーヴィス」はさらに高い水準を求められ、仕事に対しての誇りを保つ事に繋がると私は考えます。 お客様のほとんどは店の先輩でもなければ、同業者でもありません。他の業種に就かれている方々です。 他の業種の方々にに還元できることこそが「レストラン・サーヴィス」の目的なら、他の方々が混在する「社会」をもっと知る必要もあると思います。 で、あるならば我々サーヴィスマンにとって「最も偉大な教師」は日々レストランにお越しになる「お客様」に他なりません。 今回、私は講師を勤める事になって、「教えること」をいろいろと探って来ましたが、本当は参加されているお客様に「学び」に行くのです。
Aug 21, 2005
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さて、テーブルマナーの発展形です。エレガントさを加えてみましょう。 「エレガント」に、というと男性諸氏にはちょっととっつきにくい言葉かもしれません。かと言って、あまり適当な言葉が見当たらないですねぇ、、、パォ~~ン! …それはエレファント うーん、「粋」に食事するというか、かっこう良く見せるちょっとしたコツでしょうか。 食事中の姿勢は、腰を支点にしたやや前傾姿勢を取ります。和食でも何でも猫背はいづれにしてもよくありません。ただ、これも自然と目の前のお相手の話に熱中したり、卓上の料理に神経が向かえば人は前屈みになるものです。 食卓では何か明るい話題を用意しておくこともマナーのひとつです。宗教、スポーツ、政治、病気、悪口など個々意見の分かれる話題や、暗い話題は避けることも心遣いであるともいえます。 卓上のフォークナイフは「ごく普通に」握ってみて下さい。例えばドライバーや、ペンを握るのと同じように。 お皿の上でナイフ・フォークを使用することは「細かい作業」でもありますので、人差し指を添えると安定がよくなりますし、また、フォーク・ナイフはなるべくお尻に近いほうを握るほうが、フォーク・ナイフのラインが長く見えて綺麗です。 ナイフは脇を締めて前後に動かすだけで、近頃の料理は簡単に切れやすくなっています、しかし、あらかじめ細かく切ってしまうのはせっかく中に蓄えられた肉汁などが流れ出てしまうことから、一口分づつ切って口に運ぶ方が美味しく召し上がって頂けます。 普段使い慣れているお箸にみられる角度は、体の正面から見て横方向に向いています。フォークを同様な角度で持ってしまうと、いざ口に運ぶ時についつい顔が横を向いてしまいます。正直、テレビのレポーターの方なんかでもいちいちフォークを口に運ぶ時に首をかしげるような仕草になるのをよく見かけますので、「フォークは縦方向に口に運ぶ」というのがちょっとしたポイントです。 フォークを右手に持ちかえるのはマナー違反ではありません。切る必要の無い細かいものなどは右手に持ち変えたほうが上手くすくえます。例えば「豆類」。すくいにくいものなどはフォークの背で一旦つぶしたものをすくうというのが食べやすい方法です。 ライスも同様ですね。なぜか「ご飯」が「ライス」と呼ばれると急に洋風な感じになってしまう。ヨーロッパで流通しているお米やフランス料理で使われるお米は日本の「ジャポニカ米」でなく、パラパラとほぐれる「インディカ米」ですので豆と同じ様な食し方が適しています。 右手のナイフで左手のフォークの背に盛るという行為は、逆に日本人の器用さから来ています。実際、この技術はなかなか欧米人にマネ出来るものではありませんでした。 とあるNASAの技術者が日本を訪れた際に、日本人が器用にライスを食べるのを見たことから、日本人の技術はやはり優れていると感じて、スペースシャトルの多くの部品に日本の技術者が作った製品が使用されるようになった、、、って言うのは私の作り話です。スイマセン。 料理の献立のうちでグリーンサラダなどは比較的食べにくいかもしれません。軽いために、葉が逃げてしまうためです。こういった場合は右手にフォークを持ち替えて、左手に持ったパンで軽く押さえるというのもひとつの方法です。 スープの場合はスープスプーンを45度くらいの角度で口に持ってくるのが綺麗とされます。取っ手のついた食器、ブイヨンカップは以前は持ち上げて食べてよいこととされていましたが、最近は持ち上げず、手前か向うへ傾けて最後までは食べることが多いようです。やはり、スープも食べるという観点からすする音は嫌われます。 バターは多くの場合卓上にある程度の大きさで提供されます。普通こちらで2~4名様分があるのでバターナイフで自分の分だけパン皿に取ります。 パンは一口づつ手でちぎって下さい。通常はパンをバターナイフで切ることはしません。また、パンは基本的に無くなったらどんどんおかわりを持ってきてくれますが、メインディッシュの前にお腹が一杯になってしまわないようご注意を。 パンの追加がいらない場合やワインの注ぎ足しがいらない場合は、サービスに来た際に器の上に軽く手をかざしてください。これが「おかわりは結構です」という合図になります。 骨付きの食材などが供される場合一緒に出てくるのがフィンガーボウル。銀製品の小ぶりな深い器で中に水かぬるいお湯が入っています。食材に骨が付いているので、手でつまんでもらった時に指先を洗うために出される食器です。とはいえ、なるべくなら使わずに済む方が良いというのが現代的な考えです。 左手側に添えられますので使用する時、骨を掴むのは左手のみを使用するのが原則です。グラスなどに跡が付くことから右手を汚してしまう事は避けられます。そのため両手を一度にフィンガーボウルの中に入れる事は行儀の悪いこととされています。
Aug 18, 2005
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フランス料理店のテーブルへ着くと卓上に様々な食器(什器)が並んでいます。ナイフ、フォーク、スプーン、グラス、見せ皿、パン皿などなど。レストランは「ハレ」の場ですのであえて銀製品などの非日常的な「道具」を使っているのも確かです。 そのため、「使いにくそうだ」とか「どうしてよいのか分からない」とこれがフランス料理店の扉を開ける時に二の足を踏む要因となっていることも事実です。 まあ、そういった思いを打破しようじゃないかという目的もあって、こういった形での「テーブルマナー講習会」が開かれて、まぁ私のような者でもお呼ばれに預かったりするのですが、、、 レストランでは一皿ごとに、ナイフ・フォークのシルバー類が交換されます。オードヴルにはオードブル用の小ぶりなナイフ・フォーク、スープにはスープ用のスプーン、魚料理には魚用のナイフ・フォーク、お肉料理には肉用の大きめのナイフ・フォークが用意されます。 これは、とりもなおさず、個人の技量に関わらずとも、道具を変えることによって、料理を食べやすくするという目的があったからなのです。 先にも述べましたように、「テーブルマナー」は外交上の食事儀礼、「プロトコール」がその基本となっています。と、いうことは歴史、風習、価値観の違う人どおしが食卓を囲むにあたって、いろんな人が存在することを大前提に誰もが食事できるように変遷を重ねてきた結果なのです。 日本ではお箸をみんなが使えますが、お箸を扱う事は結構技術のいることなのです。でも「みんな」できるから、と日本人が考える事に対して、西洋ではヨーロッパもアメリカもイスラムも含めての「みんな」がもともと一緒で無い事から思考は出発するのです。 西洋の文化で言う「みんな」とは、日本で言う「世間一般」では無くて、「社会全体」であったからです。 テーブルにナフキンが置いてあるというのも、人が食事をすると手や口元を汚してしまうのは当たり前である、という発想からです。歴史を遡ると、もともとは全員で囲んだテーブルのクロスで口元を拭いていたものが、個人用に分かれてナフキンになりました。 ナフキンはふたつ折りにして使用します。以前は折り山を手前側にして膝に置いたのですが、最近ではもう少し簡略化されて山側を向こう側にして置くことが主流です。いづれの場合も拭くのは裏側で。他の人に汚れた部分が見えないようにします。 卓上のナイフ・フォークの類の提供のされ方はレストランによって変わってくることがあります。一皿ごとにナイフフォークを入れ替える形式と、宴会時のようにあらかじめ使用するものが決まっている場合などは何種類かのフォークナイフが並べられている場合とがあります。 いくつかのナイフ・フォークが並べられている場合は外側から使用します。 えっ?オードヴル、魚料理、肉料理と進むにしたがって、だんだんお皿が大きくなってきますので内側から使って場所を空けるんじゃないの?、、、というのはマチガイ。 お皿を下げた時の卓上が間伸びした感じにならない様に、と、まだこの後もお料理が続きますよ。という合図のため大きなナイフ・フォークは最後まで残るようにされているのです。 さて、卓上に配置されているこのナイフというものは、現代では形状が、昔に比べて雰囲気が随分変わったようですが、本来は獲物を取る時に使用する非常に危険な道具でした。本来が危険な道具であったことから、その取り扱いに注意をしていた事がテーブル上のマナーとして現代も残っています。 ナイフを卓上で立てるような仕草は挑発的な野蛮な行為のためしてはいけない事となっています。また、落した場合自分で拾っちゃいけないのは、テーブルに隠れてよからぬ事をさせないためでした。 実際にナイフ・フォークを落としても、間違っても、さりげなくサーヴィスマンが交換してくれます。予備のシルバー類は飲食店ができる程あるはずなのですから。 眼の前に並べられたグラスは、右側から順に使います。いちばん左手にあるグラスが水の注がれるグラスとなっていますので、先に飲むであろうと考えられる飲料のグラスが右側に配置されています。 さて、飲料が注がれる時はグラスを持ち上げないで下さい。お客様の話を中断したりしないようにサーヴィスマンは気を使っておりますので、お客様にグラスを持たせるのは、サーヴィスマンがお客様に気を使わせている事になるからです。…どうぞお気づかい無く。お客様には気を使って頂くよりも、お金を使って頂く方がお店にとっては嬉しいのですから。
Aug 16, 2005
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ここ何日かお話している「テーブルマナー」なんですが、来週、あつかましくも私が講師として行く事になっています。早くも、一週間後に迫ってきちゃいました。講習先の皆様が割と男性の方が多いと聞いていますので、男性の方向けのマナーを書いているつもりです。 正直、あらためて自分自身勉強し直さないといけないなあと感じる部分も多くあって、私自身が始めてレストランに食事に行った時の事など思い出しながらブログをしたためております。--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- さて、テーブルマナー実践編です。 席まで案内されて、椅子に着席するのは左側からです。もし椅子を引いてくれる人がいなかった場合、右手で椅子を引くことになるので、椅子の左側から出入りするということになるのです。実際にそういった場に居合わせる事は少ないでしょうが、一列に並んだ食卓に同時に腰かけるような場合はいづれかに決めておくことによって衝突を防ぐことが出来ます。 着席されたら、自分のお腹とテーブルの間隔を握り拳一個分、約10センチほど空るような感じに腰掛けて下さい。もちろんお腹の出具合によって多少差はありますので、自然に苦しくない間隔をとってもらうのがベストです。 椅子は深く腰かけ顎を引き姿勢を正します。フランス料理店のほとんどの椅子には背もたれが付いていますが、あまりもたれない姿勢のほうがきれいにみえます。ここで姿勢を正すというと、それだけで堅苦しく感じられますが、背筋が伸びてまっすぐに見える座り方のほうがごく自然であるといえます。背もたれに横柄にもたれたり、脚を組んだりしてしまう仕草は、逆に緊張感の表れともとれますし、他人から見てあまりキレイとはいえません。 柔道の型において最も強いといわれる構えは「自然体」なのですから。 さて、席に着くとディナーなら先に食前酒を伺われます。これは、それこそ日本の居酒屋の感覚となんら変わりありません。喉の渇きを潤し、食欲を増す働きがあります。種類は様々にありますのでお店のドリンク担当者、まぁソムリエという役職の人が伺いに来る事が多いのですが、相談していただくのもよいと思われます。 もちろん、アルコールが苦手な方はその旨を伝えて頂いて、お水でも全然構いません。ソムリエもある意味レストランの「営業マン」ですから仕事としていろいろとお勧めしてくることはありますが。 続いてメニューが渡されます。女性のお客様や、明らかに支払いがどなたか分かっている場合は、お手元に渡されるメニューに値段が入っていない事もあります。 お店のスタイルは様々ですので料理名もいろいろな付け方をされてます。ア・ラ・カルトとコースメニューが用意されている事がほとんどです。コースはいろいろな料理を楽しみたい時、ア・ラ・カルトは自分の好みの料理をしっかり食べたい時にお勧めです。しかし、ほとんどのお店の場合、ア・ラ・カルトは一品の量が結構多めに設定されています。 分からない用語だとか、食べられない食材などはどんどん尋ねていただいて結構です。ご質問にお答えできることがサーヴィスマンの仕事ですし、また、お客様との会話を楽しみたいと思うのもサーヴィスマンの本音でもありますから。 料理の品数は同伴者どうしで合わせていただいた方がよいかも知れません。というのも、一方のお客様が先に終わった皿がずっと残っているという状態が続くと、どうしても心理的に早く食べようとする、あるいは料理を待ってしまうという意識が働く為です。もし、同席されている方が接待などで目上の方だとしたら、接待する側はお客様のペースに合わせるという意味でやや早めに一皿を食べ終えた方がよいかもしれません。 最初の料理が運ばれてきたころに合わせて、あらためて、ソムリエなどがワインの注文を伺いに来ます。大体、あくまでも目安としての話ですが、ワインの値段は料理にかかる金額の1/2から1/3くらいと言われています。二人の食事代が20000円だったら6000円から10000円くらいといったところでしょうか。 味の好みなど相談して頂いて、「この辺りで」とワインリストの値段をそっと指し示せば見合ったワインをソムリエが用意してくれます。 さて、いよいよ料理が運ばれてきます。卓上にはナイフ・フォーク、グラスなどが揃えられています。それぞれの使い方のコツなどは次回あらためて… テーブルマナーの話はもうちょっと続きます。
Aug 15, 2005
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ヨーロッパにおける中世の騎士道の精神から「レディファースト」は生まれたと言われています。 レディファーストを重んじないのは日本、中国、韓国くらいと言われ、欧米のレストランでは不評を買うことさえあるということです。 そもそもレディファーストとは、「女性はか弱き存在、守ってあげないといけない存在」とする観点から生まれてきました。 まずレストランに到着して、玄関の扉を開けるのは男性の役目です。未知の場所へ女性を先に進ませる事は出来ません。メートル・ド・テルが迎え入れをして初めて女性を先に歩ませます。席に着くときも女性から。男性は女性が席に着いたことを確認して、椅子に掛けます。メニューのオーダーは男性が「彼女は××と××、私は××と××」と注文してあげるのです。 ワインを選ぶのも男性の役目、続いてのホストテイスティングも男性が行いますが、注いでいくのは女性からです。料理は女性から提供されます。お支払いも当然男性の役割。いざ退店の際はクロークで女性のコートは男性に手渡されますので、預かったコートを連れの女性に着せてあげてから、男性は店のサーヴィスマンにコートをを羽織らせてもらうのです。 裏を返せばレディファーストとは男性の強さを顕示しようとする姿勢でもあったのです。「強さは優しさである」ことを示すためにも女性を大事にしようとするのです。 このことから日本男性がレディーファーストが不得意なことに対して、「日本人男性って女性に優しくないのね」 ではなく「ノン、ノン、ノン。男性として強くないのね」という意味でヒンシュクを買ってしまったと言えるでしょう。 昨今では賛否両論があります。レディファーストの習慣は女性を子供扱い、男性の所有物扱いすることから、自立した欧米のキャリアウーマンなどは敬遠する向きもあるようです。 対して イタリアによく足を運ぶ友人にイタリアでの「レディファースト」の様子を尋ねると、イタリア男性は大変女性には優しいそうです。それは「マンマ信仰」があるからだと答えました。「マンマ信仰」とは母というものに対する敬意だそうです。女の人は尊敬されねばならぬ存在であるそうです。 なぜなら、「私もあなたも女性から生まれているのだから。」と、いうことでした。 中国、韓国における男女観はよく知らないのですが、日本男性はもともと「レディファースト」が不得手です。日本男性の「女は半歩下がって付いて来い」的な姿勢は、女性が「付いていく」という女性自身のすでに自立した意識に支えられているとも言えます。男の人が背を向けている間に、こっそり逃げることも出来るからです。 考えてみれば日本において「水商売」と呼ばれるもののほとんどが「弱い男を立てて上げる」ことで商売が成り立っています。クラブ、スナック、ラウンジ、、、みんな男性がお金を払って「男を立てて」もらいに行く場所でもあるということです。 日本人の男性は、私も含めてみんなさほど「強く」はなかったのです。 我々サーヴィスマンの側においてはある意味、「レディファースト」とは、目上の方を招待される時や、会社の接待を行う場合のお客様への接し方に準じてくると考えています。 レストランを利用される場合の多くは、お店とお客様という双方向へのサーヴィスだけでなく、サーヴィスマン、ホスト、ゲストの3方向の関係で成り立っています。ホストの方がゲストの方へ気遣いをされるのを、サーヴィスマンはお手伝いする役割を持っています。 そのためサーヴィスマンは、職務上常にテーブルを囲む方々の上下関係を意識しています。どなたから先にお料理をお出しするか、どなたが最後の会計の際にお支払いされるのか。 もちろん男女2人のお客様なら女性のほうが目上であるようにサーヴィスマンも接客致します。 せっかくそういったシチュエーションを演出出来るように整っているのですから、「レディファースト=男性が強く・優しく」振舞っていただくのも、レストランの利用法のひとつであるとも思います。
Aug 14, 2005
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「テーブルマナー」の一番基本的な原則は他人に不愉快な思いをさせないという事にあります。 中世の古いマナー書には「ナイフで歯をせせらない」「食事中には寝そべったりしない」「テーブルクロスで鼻をかまない」とありました。実際にありえなさそうな事柄なのですが、文書が残っていることから見て食卓でそのような行為があった事は間違い無いことと思われます。 現代の社会における「テーブルマナー」ではさすがに上記のような行為はわざわざ示されませんが、やはり他人に不快感を与える行為は慎むべきです。平たく言えばどのように振舞えば「カッコいいか。美しくみえるか」ということでもあるでしょう。それは何も西洋のテーブルマナーに限った事でなく、日本食において、また家庭における食事の「行儀」にあたるものです。 「行儀がよい」とされるのは、人間が人間であるための最も根本的な部分にあります。「食べる」という行為はあらゆる動物が本能的に持って生まれて来るものです。しかし、人間が「ケモノ」と違う事を証明するために「文化的」に食事を取ろうとしました。この時基準になるのが「他の人間がどのように感じるか」です。人間が不快感を覚えるとは、他人が人間もケモノのうちの一つである事を露呈してしまう時なのです。 いかなる食事においても、だらしない姿勢で椅子に腰掛けたらそれは「行儀の悪い」事ですし、口に物をいれたまま話をするのは「行儀の悪い」事です。もちろん「イヌ喰い」という言葉にも動物の名前が付けられているように、「文化的」な食事の仕方ではないといえます。 また、グラスに残った唇の跡も他人のグラスとはいえなんとなく気にかかります。さりげなく拭き取ることも他人に対する心遣いであります。 また、昨今ではレストランのホールなどでの携帯電話の使用も他人を不快にさせる要因のひとつになってしまいました。 さて、食事中に音を立てて食べることも、はしたない事とされています。が、静かに食べないといけないということではありません。おしゃべりの声はフランスの星付きのレストランにおいても華やかです。 クチャクチャと音を立てて咀嚼したり、ズルズルとすする事によって出る音を嫌うのです。実はこれはヨーロッパにおいて、手づかみで食事を取る時代が長く続いた事の名残です。 一例を挙げると、マルコポーロの時代に麺類はシルクロードを渡ってヨーロッパにもたらされたといわれています。後にこの麺類はパスタと呼ばれるようになるのですが、この時代は人々にフォークはまだ普及していませんでしたから、当然長いパスタも手で丸めるようにしてつまんだものを口を上に向けて垂らすように食べていたそうです。これでは、音を立てたくても立てられないというものです。 日本を中心とするいくつかの国では、うどんやそばに代表されるような、たっぷりのスープの中に入った麺類を食します。「すする」という時に発する音が他の国の方々には少々品の無い音ととられます。 と、いうのも普段何気なく行っている「熱いものをすする、熱いものを熱いまま口に放り込める」というのは日本人など一部の民族のある意味特殊な技能だったのです。 マナーとは「10人中7~8人がよしとするもの」という観点からすると、この「すする」という行為は残念ながら国際社会ではマイノリティになってしまうのです。それも、手づかみで食べていた習慣に起因しています。手で食事を取る以上、手で掴めない温度のものは必然的に口に運べなかった事にあるからです。 古い歴史の中でも洋の東西の文化の違いは取り沙汰されてきました。イソップの寓話の中に「キツネとツル」という物語があります。キツネがツルを食事に招きました。出したのは、平たい皿に入れたスープ。ツルの長くて細いくちばしでは、味さえもわかりません。キツネはその前で、美味しそうにそのスープを、なめてしまいました。今度は、ツルがキツネを食事に招きました。キツネが行ってみると、出てきたのは口の細いつぼにつまった豆でした。キツネはお腹をすかせたまま、ツルがくちばしを突っ込んでお腹いっぱい食べるのを見ているだけでした。 イソップという人物は紀元前6世紀の古代ギリシア、サモス島の哲学者クサントゥスの奴隷でした。数々の伝説があり、その物語のいくつかも後世においてイソップの名で創作されたものも多いようです。その中で、この寓話は「意地悪したら、仕返しされる」という教訓をもって使われることが多いようですが、実は、食文化における西洋と東洋の差異を表しているのではないでしょうか。
Aug 13, 2005
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みなさんは「自転車」に乗れますか? 私も乗ることは普通にできます。さて、自転車に乗ってる時って乗りこなす事を一生懸命考えながら乗ってるのでしょうか?タイヤと地面の接地面積がいくらで、進行速度に対して何キロのスピードで漕げば倒れずに、曲がる時は重心を移動して傾いたら倒れない様に遠心力を利用して…なんて考えながら走ってませんよね。 でも、自転車には乗れる。何ヶ月か何年か、乗る機会が無かったとしても大体自転車の乗り方を忘れることはない。ちょっとしたコツと言うか、体の感覚というか。でも想像してみて下さい。自転車って車輪2つしかないんですよね。人間が乗ってないと倒れてしまうような代物です。最初に頭の中で考えた人はスゴイ! しかし、誰も最初は乗れなかったはずです。思い出してみて下さい。自転車に乗れるようになったのはいつからでしょうか?世界の中野選手も橋本聖子も最初は乗れなかったはずですよね。幼少のころは。 どうして自転車に乗りたかったのですか?遠くへ行く必要があったから?乗れないとお友達にバカにされるから? どうしてこんなお話をするかというと、「テーブルマナー」って「自転車に乗る」ようなものだからです。最初は少々練習が必要かもしれません。初めて自転車に乗れた頃のように。 「テーブルマナー」は確かに少々厄介です。でも一度身に付いてしまえば多分一生忘れません。頭で覚える事は忘れますが、身につく感覚は忘れません。 日本人の多くはグローバルスタンダードとされる西洋式のテーブルマナーにたまたま触れる機会が少なかったと言えるでしょう。多分一度身に付いてしまえば、「なんとなく」できるようになるものですよね。 テーブルマナーを厄介なルールとして避けようとする方もいます。ところが、多くの人の中にはテーブルマナーを知りたい、学びたい方もいらっしゃいます。サーヴィスの仕事に就く者の教養としてかもしれません。接待の仕事で使う必要性があるからかも知れません。好奇心からかもしれません。好奇心、そう、自転車に乗れれば歩いている時よりもっと遠くにいけるかも知れないと想像するように。 マナーを知ればレストランをもっと楽しむこともできるのです。 テーブルマナーを知った上での究極のマナーは、「テーブルマナー」を忘れて楽しめること。にあります。----------------------------------------------------- …実は、再来週「テーブルマナー講習」に行く事になりました。恥かしながら、受講生では無く私が講師なのです。もともと、私の先輩に依頼があった話なのですが、先輩のスケジュールが合わなくて急遽代役です。今回、聞けば人数は70~80名様になるということ。受講されるお客様の多くは公務員の方だそうです。 その先輩からのレクチャーは昨日行って頂きました。しかし、すでにかなり緊張しており、眠れない毎日です。あ、昨日からですが。 ホントの事を言うとですねぇ、このブログを使って講習でお話させていただくつもりのことをイメージトレーニングさせていただこうかと…話すつもりの事を復習してみて、受講される方が退屈されないように、話を組み立てて持っていくつもりでいます。あとは、会場に着いたら緊張して舞いあがらないように、手のひらに「入」って書いて、ゴっクン。。。ああ~っ!いかんっ、間違えたやんかぁ!「入る」やなくて、「人」やがな!
Aug 12, 2005
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フランス料理店を訪れるとどうしても気になるのが「テーブルマナー」この「テーブルマナー」がどうしても苦手、というお客様もいらっしゃるのは確かで、フランス料理を肩肘が張って敬遠されてしまうものにしている要因のひとつであるかも知れません。 「マナー」や「エチケット」は社会においてお互いが気持ちよく生活するための暗黙のルールです。「エチケット」はどちらかというと生理的に不快な感じを与えないという意味合いが主でしょうか。例えば、道路につばを吐かないとか、話をしてる時に頭をボリボリ掻かないとかですね。 ルール、というと規制を掛けるという意味ですので、人間誰しも規制は嫌います。しかし、重要なのはその前の「お互いが気持ちよく」の語句で自分自身も気持ちよく、更には自分以外の人も気持ちよく。そのための行為という事です。 さて、良く似た意味の言葉で「プロトコール」という語句があって、辞書などを引くと「国際儀礼」とあります。「プロトコール」とは本来、国家間の儀礼上のルールでもありました。今日では世界的な情報の流れが早くなっていますので、企業、個人どうしでも国籍の違う者の交際のルールとして定着しています。 プロトコールは、国家間で晩餐会などが開かれる時に、お互い歴史や価値観が違うわけですから、食事の際の習慣も当然違ってきます。そこで食事および宴席がスムーズに進むよう取り決めを行う事が「プロトコール」でした。 あるトーク番組に皇室の儀典長が出演されていました。儀典長という役職は、皇室のメートル・ド・テル、つまりは天皇陛下に替わって宴席を取り仕切る役割の仕事の意です。で、儀典長がおっしゃるには、「プロトコールとは、食事の席ではこうしておきましょうね。と、あらかじめ決めておく事によって、その決めごとだけ覚えて食事の席に臨んでいただければ、お互いの慣習が違う事に差異を感じないで済みます。そのために用意されたもので、このように振る舞わないといけないという『規則』では無いのです。」 プロトコールには「たったひとつの正解」はありません。「いろんな人がいる」という事がそもそも大前提なのですから、10人中なら7~8人くらいがよしとする意見が判断の基準となります。そのため、左利きの人ももちろんいるのですが右利きの人が大勢を占めることからテーブルセッティングは右側にグラスを並べて置いたり、右手側にナイフ、左手側にフォークが並べて置かれています。この、プロトコールに基づいているのが「テーブルマナー」なのです。 国交での取り決めという大層なものをレストランの食事に反映しようとするのですから、そりゃ肩が凝るわな。と、思われる方もいらっしゃるかも知れません。しかし、「プロトコール」と「テーブルマナー」の関係は「パリ・コレのオートクチュール」と「プレタ・ポルテ」の関係に例えられると思います。デザイナーが手作りの特製品として発表した物が、既製品となり皆の流行となり、流行に乗り遅れると「カッコ悪い」と感じる事に似ているのではないでしょうか。 「テーブルマナー」とは、国籍や歴史、価値観などいろいろ人には違いがある事を基に、「他の人が見て不快に感じないように」と「その事柄だけ知っていれば自分自身が気持ちよく食事をとる事ができる」という2つの視点から作られています。それは決してレストラン側の都合で、堅苦しくお客様を縛るための「規則」ではありません。
Aug 11, 2005
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