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2012年12月17日
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さてバンドに入ったのはもちろん良かったのだが、まずはバンドに入ったことを私の会社の雇い主に報告をしないといけない。

私はそれまで会社の事務所兼アパートに住んでいたので、仕事をしなくなれば当然会社の事務所に住む権利を失う事となり、早速住む部屋を探さなくてはならなくなった。。
今思うと、その時の私は入りたいバンドに入って音楽ができるという事だけで有頂天になり、仕事や住む場所を無くしたこと事態は正直言って大した打撃では無いと思っていた。
コマーシャルのコーディネーターという仕事は面白い仕事であり、私にとって長年に渡りイギリスでの唯一の収入源だったのだが、この時の私は音楽をやりたいという願望の方が勝っていたらしい。(笑)

早速私はLOOTという貸物件が載っている情報誌(新聞)を買い、貸物件を探してひたすらロンドンを走り回った。
かなりの物件を探し回った後、私はロンドンの北部にあるマズウェル・ヒル(MUSWELL HILL)という地域の物件が載っていたのを見つけて出かけてみた。
私は、このマズウェル・ヒルと言う地域に行ってみて、その丘から見降ろすロンドンの風景に一目で魅了された。
丘の頂上を走るブロードウエイという大通りから、物件のある通りに下ると前方にはロンドンの街が一望に見渡せる壮観な眺めが広がり、その光景を見ていると何とも言えない清々しい気持ちになったものであった。

私は、この物件がすぐ気に入りそのまま即エージェントに紹介料と月々の家賃の引き落としの手続きをしに行き、その日の内に部屋に入れる手配をしてもらった。

同時に暫く仕事が無くなるので失業保険の申請をしに所定の事務所に行き、生活の金銭的援助を受ける手続きを済ませた。
住むところが決まった私は早速コーディネーターの会社の事務所から自分の荷物を運び出し、長年親しんだケンジントン地域に別れを告げマズウェル・ヒルでの新しい生活を開始したのだった。

それからの私の新しい日課は、週に3~4回のバンドのリハーサルとキースから他のQUASARの楽曲の伝授そして師匠のウィンストンに会に行ったり、友達とジャムセッションをしたりと何かと忙しい日々を過ごしていた。
そんな毎日を過ごしていると時間の経つのは早いもので、気がつくとあっという間に3~4か月が過ぎ、その内に私の生活にある心配事が浮上して来て毎日を不安な気持ちで過ごす事になって行った。

それは今まで仕事で貯めていた貯金が底をついて来ていて、気が付くと翌月の部屋代を払える金額がもう銀行に残っていないことだった。

勿論この件は以前から気にはなっていたのだが、失業保険の手続きをした時に事務所の人から今までの仕事の経歴から見て援助を受けることは問題ないと言われて手放しで安心していたこともある。
只私は、この書類の審査にどれだけ時間がかかるのかを甘く見ていたようだった。
役所の仕事はどの国も時間がかかるらしいとは聞いていたが、イギリスのお役所の仕事はそれに輪をかけて時間がかかるらしかった。

この審査さえ通れば部屋代と食事代は何とか保障されて、バンドが活動をするまで生活は安定する。
私は、翌月の部屋代の支払いが銀行から自動引き落としになる日にちが迫る中、不安の胸中で手の中に残っている最後の全財産約50ポンド(約一万円)を握りしめていた。





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最終更新日  2012年12月19日 08時30分24秒
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