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2018年06月19日
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カテゴリ: 感想等
東北の小藩出身の若い医師・立花登は、江戸で活躍するという叔父の医師・小牧玄庵に憧れて江戸へとやってくる。しかし、その叔父は実際には酒に溺れ妻の尻に敷かれた流行らない医者であり、居候した叔父の家では下男扱いで口やかましい叔母とその娘・ちえにこき使われ、さらに叔父が帰郷時に「幕府の御用にあずかる」と吹聴していた小伝馬の獄医の仕事までも押し付けられることとなる。若き医師・登は、この獄医の仕事を通して出会う「訳あり」の囚人たちにまつわるさまざまな事件を、身につけた起倒流の柔術の妙技とあざやかな推理で次々に解決していく――――講談社から出版された、文庫本では『春秋の檻』、『風雪の檻 』、『 愛憎の檻 』、『人間の檻 』四冊です。
私は、藤沢周平氏は『三屋清左衛門残日録』でファンになり、一気に図書館で「藤沢周平全集」を読破しました(ちなみに、池波正太郎氏も全集を読んだよ

ここで興味深いのが、主人公の名前の“登”、どっかの医師見習の青二才も”登”って名前じゃなかたっけ?
なんて、すっとボケてみたものの、分かる人にはきっと分かっている、山本周五郎氏の『赤ひげ診療譚』に登場する”保本登”君ですねウィンク
こっちは立花君と違って、そこそこなボンボンで長崎に留学していた履歴をお持ちです。
正にエリート街道まっしぐらで、将来は将軍様の脈をとるぜぃっ!!!なんて意気込んで留学から帰ってきてみたら、許婚のちぐさは別の男とできちゃった婚をしているし、自分の就職先は「小石川養生所」と決まってるし、そこの上司はなんだか胡散臭い赤ひげの上司だし・・・・・やってられねーよの保本登君と違って、立花登君は最初から「やってられねーよ

まぁ、保本君と立花君は作風が違うから、比べるのは駄目だと思いますが、何かと過去の栄光を思い出し、ねちねちとネガティブ思考な保本君より、前向きに現実に向き合う立花君の方が私は好きですけど(あと、立花君にはいい友達がいましたしね!)


なんだかんだで二人の登君は、きちんと将来を見定め、その道を進んでいくのですが、その進み方も、やっぱり異なります。
でも、お互いに幸せな結婚をするのは決まってますけどね。​


個人的には、山本周五郎氏の「なんでも“貧乏”のせい」で片づけてしまうのは、なんだかとっても嫌です。



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最終更新日  2018年06月19日 23時24分46秒
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