2005年02月13日
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カテゴリ: 音声反訳
まあ、ちょっといろいろ思うわけですが。

他人様の仕事に対して「たかが」という言葉を冠するなんてのは、わたしにはちょっと信じがたいです。(^^;
生きるためにする仕事は、他人に迷惑をかけない限り、同等に尊いものではないでしょうか。
職業そのもの、仕事そのものに「貴賤」があるわけでも、価値の高い低いがあるわけでもありません。
あるのは個々人の仕事に対する姿勢の違いぐらいでしょう。
そうでなければ、密かに高い価値を認めている職業に対して、皮肉を込めて使う言葉のような気がします。「たかが国会議員」とかね。
それにしても、あまりお行儀のいい言葉ではないですね。

ある仕事をどういう名称で呼ぶかというのは、やっぱりそれぞれ思い入れがあるものです。

たとえば、わたしは「ガクタイ(楽隊)くずれ」なわけですが、この言葉も、同業者以外から言われるのはあんまり嬉しいもんじゃないですね。


それはさておき。
確定した呼称がないと言われる「テープ起こし」。
わたしは、なんだかわけのわからない手あかがついていてキライという理由から、「 」付きで書いています。

よく言われることですが、言葉というのは、使われて変わっていくものです。
「反訳」という言葉が生まれた頃には「音声データを文字化する」仕事はなかったでしょう。
けれど、もともと「反訳」にたずさわっていた方々が、「テープ起こし」黎明期を作ってこられた歴史から見れば、わたし個人としては、やはり「基本的に現場立ち会いをしない音声書き取り」まで含めて「反訳」と呼ぶことに異論はありません。
現在「テープ起こし」と一般に呼ばれている仕事が、どのような名前で定着するのか、先のことは分かりません。特に、その名前に含まれる「テープ」の仕事の割合が少なくなっていく今、まだまだ変化する余地があるようにも思います。

造語という手段で、呼称を工夫している人もいます。
けれどその多くは、文章作成や文字を書くことを示す「もともとある言葉」を使って表現しているわけですから、どこかでぶつかる可能性は捨てきれない。
ならば横文字、カタカナに行くか。
・・・結局、誰もが満足できる言葉がないということなんでしょう。


自分自身の傾向としては、言葉の変化に対してたいへん寛容なほうです。
言葉なんて、伝わればいい。気持ちが伝わるように使うならば、どんな言い回しだってかまわないじゃないか、という立場です。
でもね。
人を傷つけるために発する言葉は別ですね。
傷つけてしまうことに気づかないような言葉の選び方をするのは、言葉を、文章をメシのタネにする人間として、恥ずべきことなのではないかと。


まあ、そんなふうに思ったことでありましたとさ。





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最終更新日  2005年02月15日 16時26分41秒
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