PR
フリーページ
カレンダー
コメント新着
キーワードサーチ
かえでは、オシッコがトイレで出来るようになったのは、5歳の頃だった。少しすれば、ウンチもできるだろうと思っていた。
ところがどっこい
まったくトイレでする気配がなく、こっそりと隠れてパンツの中にすることが多かった。
食事のあと、オシリのあたりがムズムズしてくると、その辺で四つ這いになっていきんでいた。
現行犯で見つけたときは、すぐにトイレに連れて行ったけど、トイレに座ると、もう出なくなってしまう。
そのうち、かえでは、見つかってトイレに連れて行かれるのを避けるために、
人気のない部屋に隠れて、こっそりパンツの中にするようになった。
それが 床の間
の前だったりするので、バチが当たるぞ~と思ったりもした。
ウンチが出ると、オシリにホカホカのかたまりをもっこりさせて、私のところに来る
そして私の手を取って(クレーン)、自分のオシリに持っていく。
「なぁに?」 と聞くと、
かえでは片言の地球語(日本語)で 「ウンチ」
と言う。
「チ」
という発音がうまく出来なくて 「ティ」
になってしまうので、 「ウンティ」
と訛っている。
「かえで?ウンチはトイレでしようね」 と言い聞かせる。
だんだん、 「かえで?ウンチは・・・」
と言い掛けると、
「トイレ」
と続いて言うようになった。
言葉が続いて出るのは嬉しいことだったけど、全く進歩のない様子に、かなり参っていた
ウンチはオシッコに比べて回数が少ないので、一回見逃すと、次のトイレトレーニングは翌日になってしまう事も多い。
それに、学校では絶対にウンチをしたことがなかったので、学校で指導してもらうわけにもいかない。
偏食もひどい。いろんな強いこだわりもある。ウンチは出来ない。
先の見通しもつけにくく、日課や予定が変わるとパニックになって泣いて怒る。
ひどい多動はなく行方不明になる心配はなかったけど、問題行動は多かった。
身辺自立はなるべく早く出来るようにしたい。でも、このウンチのトレーニングだけは、本当にどうしたらいいのかわからなかった。
かえで自身は、隠れてするくらいだから、パンツにしてしまうことがいけないことだとわかっている。
とにかく根気強く、気配があったらトイレに座らせるようにした。
そんなことをしている間に、かえでは小学校3年生の終わりになっていた。
ある日、かえではお腹をこわして、
食後すぐに、顔色を変えて慌てて床の間の前にすっ飛んでいったことがあった
パンツの中に、下痢は勘弁してくれ~~っ
私も慌ててあとを追い、嫌がるかえでを無理にトイレに連れ込み、座らせた。
すると、とってもタイミングよく、初めてトイレでウンチが出来た
ウソのようだったけど、かえでもお尻が汚れないこの方法が気に入ったのか、
ことが済んだあとは、 ホェ~~~ッ
と気が抜けたような顔をしていた
きれいにオシリを拭いてあげて、 「パンツが汚れなくて気持ちいいねぇ」
と言うと、
なんだか嬉しそうな感じだった。
私ももちろん嬉しかったけど、何年も苦労してきたことが、意外とあっさり出来ちゃって、なんだか拍子抜けしてしまった。
でも、これ一回きりだったら、何にも意味がない。
続けて出来てこそ、 『トイレでウンチ』
が完璧と言えるのだ
その次の機会が、その日のうちにやってきた。
オシリのムズムズを感じたかえでは、やっぱり床の間を目指してダッシュ
やっぱりダメか またも慌てて追いかける私。
トイレに連れ込み、座らせる。
そしたら、またも意外とアッサリ出来てしまった
これはもしかして、
「ダッシュ」
「追いかける」
「捕まる」
「トイレに連れて行かれる」
「座らされて出来る」
という図式で、新しいこだわりになっちゃうかも?
しばらくは、様子見ながらやっていくしかない。でも、一度身体で覚えたことは、きっと身についていくはず。
その後、トイレでウンチをすることが、良い形で「こだわり」となったようで、
したくなってくると、 「ウンティ」
と言って私と一緒にトイレに行き、
仕上げに私が拭いてあげるということが、板についてきた。
このまま、一生私がかえでのシモの世話をしていこうと覚悟したこともあったけど、その子によって、出来るようになる時期ってあるんだなぁと思った。
かえでは、出来ることと出来ないことのバランスが、すっごく悪いけど、根気強くやっていくことが、自閉症の子にとっては重要なのかもしれない。
身につくまでに、親のほうがバテそうだけど、もう少し頑張らなくてはいけないな。
とりあえず、身辺自立の一つが出来るようになったことにホッとした出来事だった
お食事中の皆様、申し訳ございませんでした~~