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2004年12月08日
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 今日12月8日は、日本が太平洋戦争に突入した開戦の日。アジアでの犠牲者は2千万人。この侵略戦争への反省が、戦後政治の出発点であるべきなのに、「やむおえない戦争だった」などと戦争を美化する人たちが、日本の政治の中枢に昔も今もいることが、政治のゆがみの大きな問題のひとつです。

 日本共産党は、1922年の創立のときから、天皇制政府の野蛮な弾圧に抗し命がけで侵略戦争に反対を貫いた唯一の政党です。戦前の日本共産党員の生き方は、私の生き方の支えです。

 12月8日の今日、当時の日本共産党員、伊藤千代子さん(24歳の青年)の手紙を思い出しました。

 千代子さんの祖父母は、千代子さんが「国賊」「非国民」といわれるような道にすすもうとしていることに不安をつのらせ心配していました。心配する祖父母の思いに苦悩しながらも、自分がどんな思いと決意を抱いているのかぜひ知ってほしいという切々たる気持ちをこめて、3月はじめにいとこの岩波八千代さんへの手紙にその心情を書き送っています。それが、1928年に出された以下の手紙です。

―「お手紙拝見いたしました。みなさんに大変わる者のようにうたがわれているので、あなたも何か大変わるい、人並はずれたのらくら者のように思っているようですね。せんさんの事は別問題として、私がずっと前から現在の社会で最も困っている人達、いくら働いても働いても貧乏している人達の味方になって、そんなわるい社会を何とかよくしたいために勉強していることは、あなたもよく知っていて下さることと思います。一方では朝から晩まで働いても働いても飯のくえない多くの人々、一方で遊んで人を使ってぜいたくしている少数の人々――こういう社会を見て、何の不思議も、うたがいも起こらない人はありますまい。一体人間の世界って昔からこうであり、又何時までも何時までもこうであるか考えずにいられなくはないでしょうか。年取った、こんな社会の不公平、不正になれっこになり、これを何とかよくしようと思う気力もなくなった行手の少ない人々は仕方ないでしょうが、少なくともこれからこの社会に生き、この社会で仕事をしていこうとする青年男女にとって、真に真面目になって生きようとすればする程、この目の前にある不公平な社会をなんとかよりよいものとしようとする願はやむにやまれぬものとなってきます。私の勉強もそのやむにやまれぬ所から生まれてきました。ますます深まりますますひどいものになっていく社会の不公平は、私のように勉強せずに居られぬ人間をどしどし生みだしてました。ことに若い、行手の長い元気にあふれ、力に充ちた私達青年男女の間に、学生の半分以上はそうです。殊に大学、高等教育の学生はどうしてもこのことを考え勉強せずには居られなくなってきました。
 私達学生は理論的に、科学的に、この現代社会の不公平の原因がわかります。わかった以上誰かにそれを教えます。この世の中に最も多くのうたがいと苦しみをうけている人々が、それをいちばんよく知ろうとし、又理解し得るのです。私は一旦思い定めたことを、正しいと信じたことは、どこまでもつき進まずにはいられない性質です。お祖父様やお祖母様のおなげきを思います。それを思うと私はいくどやめようと思い、一晩中泣いたかわかりません。けれども何も不正なことでない以上、只皆様のおなげきは、私のしようとしている仕事のほんとのことがわららない為だと思います。そして大きな、長い目で見た時、たしかに、私自身の持っている性質、持っている才能を一番よく発揮し得た時、お祖父様方の御恩に最もよく報いられるのだと思っています。
 おとなしい、やさしい娘になったら皆様も一寸は安心し、人目もよく思われるでしょうが、昔から、何か新しい、ほんとに世の中のためになる仕事を始めた人々はだれでも始めは社会からつまはじきされたものです。私は強い確信を以って、正しい勉強をし、やがて皆様への御恩がえしになるようなものになる準備をしていることをあなたに信じていただきたいのです。わからない為にいろいろ誤解して、心配して下さるのはやめて下さるように、安心して、長い目で見て下さる様に、あなたから慰めておいて下さい。
 三月になればすぐ帰ります。その時になったらゆっくりお話しも出来るでしょう。」(現代かなづかいに直してあります)

 この手紙は、検挙される前に出した彼女の最後の手紙となり、ゆっくり話をすることもなく、翌年(1929年)9月、無念であったろう死を迎えることになりました。






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最終更新日  2004年12月17日 16時34分28秒
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