Atelier Mashenka

Atelier Mashenka

2007.01.21
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カテゴリ: アート
東京駅に用事があったので、帰りにてくてく日本橋まで歩いて
三井記念美術館へ「新春の寿ぎ(ことほぎ)」展を見に行った。
初めて行く美術館は、いつもわくわくする。




一村雨さんおすすめの、円山応挙の国宝「雪松図」。
塗り残した雪の白と対照的に、幹の墨の黒の力強さ。
私にとっては、ちょっとコントラストが強すぎて、少々威圧的にも感じられる。

しかしふんわりした雪、特に小枝につもった雪が軽くやわらかそうで
塗り残しによってあれだけ質感を表現してしまう描写力には
圧倒されてしまう。


右にどっしり直線的で鋭角的な老木を配している。
その様子は、若木は蜘蛛の姿にも似て、下から這い登ろうとしているよう。
虎視眈々と老木に迫り来るようなしなやかなパワーを感じさせる。
対して老木は腕を突っ張ってNO!と拒絶している人の姿に見えてくる。
追う側、逃げる側のように見えて、その造形の対比が面白い。


狩野常信「寿老人・松竹図」、3幅で1つの作品だが、
右の松図が特に素晴らしかった。
幹を描く筆が踊っている。かさかさごつごつとした表皮の様子に目を見張る。
自在な筆さばきが非常に魅力的。


江戸初期の作品、土佐光起「女房三十六歌仙帖」は、
平安時代の女房の姿絵とその人物の歌が一首書き散らされている。

それにも増して、御簾に隠れ、髪と衣装のすそしか見えない女房が
その奥ゆかしさゆえか、より美しく感じられてしまうというのは
不思議なことだ。


焼き物では、
本阿弥光悦「黒楽茶碗 銘雨雲」、光悦はほんとにマルチ人間だとため息。

仁清って初めて見たけれど、こんなモダンなものをつくる人なんだな・・



国宝「志野茶碗 銘卯花墻(うのはながき)」

国宝である焼き物は2つしかなく、その1つを初めて目にすることができた。
写真で見るより、予想以上に大きく、またゆがみも大きかった。
こんなにゆがんでいるとは・・・写真にだまされちゃいけません。

いつものことながら、美術館で見る茶碗にはもどかしさを禁じえない。
いいものであればあるほど触りたくなるのに、それは当然叶わない。
表面のざらざらやごつごつに触れ、またその重みを味わいたい。

しかたがないので、ガラスケースのまわりをぐるぐる回って、視覚だけで
白い釉の下に秘められた、じっとりした朱を味わった。


楽吉左衛門「焼貫き茶碗 銘●雨(あめにささぐ)」は、現代の作品。
(●は"敬"の下に"手"をつけた漢字)
モダン&シックで、落ち着いた中にも黒や緑の釉が弾み、交わり、
心地よいリズムを感じる。
銘が「あめにささぐ」だからか、
暗い雨空と、濡れた葉、静かな雨のリズム、水や湿った空気の流れ、など思い起こさせ
強引に私の誕生月の6月にぴったりだと、密かに楽しく思ったりする。


最後出口近くに、室町時代の絵巻物「放屁合戦」というのがある。
男たちの表情がとてつもなく楽しそうで、微笑ましい。
かわいく、おおらかで、案外現代的だと感じた。



たそがれとともに、ライトアップされる三井記念美術館、
その側面は、ルーブル美術館の円柱を彷彿とさせる・・・日本じゃないみたい!


国宝2点を見られる「新春の寿ぎ」展は、三井記念美術館にて
1月4日(木)~1月31日(水)まで。





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Last updated  2017.02.16 13:28:00
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Re:「新春の寿ぎ(ことほぎ)」展@三井記念美術館(01/21)  
一村雨  さん
この美術館、ビルのエントランスを通って
エレベーターを使って、美術館の入り口にたどり着くまでの
雰囲気がどっしりと味わいがあって、がとってもステキですよね。

長谷川等伯の松と応挙の松を比べるととっても面白いです。
片や幽玄な感じ、片や大胆で華やかな感じ。
でも双方ともものすごい技法を使っているんですね。

茶碗については、私も同感です。あぁ~、肌触りを
味わいたいと悔しい思いもしています。重々、無理なことは分っているのですが。
(2007.01.26 05:46:53)

一村雨さん  
mashenka  さん
>この美術館、ビルのエントランスを通って
>エレベーターを使って、美術館の入り口にたどり着くまでの
>雰囲気がどっしりと味わいがあって、がとってもステキですよね。

初めて行きましたが、すごく立派でした・・
重厚なつくりなのに、エレベータや通路があまり広くなく
VIP専用、といったような隠れ家っぽい雰囲気が気に入りました。

>長谷川等伯の松と応挙の松を比べるととっても面白いです。
>片や幽玄な感じ、片や大胆で華やかな感じ。
>でも双方ともものすごい技法を使っているんですね。

まったく正反対の印象でした。
応挙のは少々威圧的にこちら前面に押し出てくる感じ、
等伯のほうは、画面の中に引き込まれる感じ。
個人的には等伯の国宝のほうが好みです。

>茶碗については、私も同感です。あぁ~、肌触りを
>味わいたいと悔しい思いもしています。重々、無理なことは分っているのですが。

一村雨さんはお茶をされているので、より良さがわかったり、
普段からも稽古を通じていいお茶碗に触れているんでしょうね。
茶道具の展示も多かったので、お茶をやってたら、
さぞもっと楽しめる美術展だったのではないかと思いました。
(2007.01.27 00:30:02)

雪松図  
はろるど さん
こんばんは。
一昨年のオープニング展では「雪松図」を見逃していたので、
今回は本当に楽しめました。満足です。

>塗り残しによってあれだけ質感を表現

見事ですよね。
応挙の描写力や空間の構成にはいつも唸らされます。
しばらく見とれてしまいました。

>ルーブル美術館の円柱を彷彿とさせる・・・日本じゃないみたい!

本館の構えは重厚ですよね。
裏手の日銀本館とともに風格を感じさせます。
今度は中央通りを挟んだ反対側も開発されるそうですが、
その趣を壊さないようなものになればと思いました。 (2007.01.28 23:11:30)

はろるどさん  
mashenka  さん
>一昨年のオープニング展では「雪松図」を見逃していたので、
>今回は本当に楽しめました。満足です。

もうオープンしたのは"おととし"になるんですね!
なんだか私にとってはまだまだオープンしたての
イメージが残ってましたが・・

>応挙の描写力や空間の構成にはいつも唸らされます。
>しばらく見とれてしまいました。

応挙の描写力は、確かにすごいなあと感心しますね~。

>本館の構えは重厚ですよね。
>裏手の日銀本館とともに風格を感じさせます。
>今度は中央通りを挟んだ反対側も開発されるそうですが、
>その趣を壊さないようなものになればと思いました。

反対側も開発されるんですか、どんなふうになるんでしょうね。
また機会があったら、ゆったり散策がてら行きたい界隈です。
(2007.01.31 00:33:16)

Re:「新春の寿ぎ(ことほぎ)」展@三井記念美術館(01/21)  
カナダ村  さん
胸に迫ってくる迫力ある批評でした。
松と茶碗に心が入ります。 (2007.02.01 12:30:44)

カナダ村さん  
mashenka  さん
>胸に迫ってくる迫力ある批評でした。
>松と茶碗に心が入ります。

いつもありがとうございます。
最近なかなかゆったりできてないのですが、
美術に触れたり、それを文章に表現したり
そういう時間をなるべく取れるといいなあと思います。
(2007.02.01 17:16:28)

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