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小説 「 scene clipper 」 Episode 18
「いやいや、めでたいぞ! 水城、本当に良く頑張ったな!自ら乗り込んであのブラック・キングから抜けることを認めさせた!偉いよお前は!」
よほど嬉しかったとみえてリョウは何度も水城の肩をたたいて、目出度い、偉いを連発し続けた。
「痛い、リョウさん痛いっす、褒めてくれるのは嬉しいけど・・・もう充分ですから・・・痛いですって!」
水城が肩をたたくのはやめて欲しいと願っているのは間違いないように見えるのだがしかし、感激屋のリョウはいったんスイッチが入るとなかなか止まらないのである。
リョウはまた何か自己満足に至る閃きがあったのだろうか、会心の笑みを浮かべて
言った。
「そうだ!そうだな、これはやらなきゃな・・・」
その様子をそばで見ていた水城はぞっとした!
「リョウさん、また何かとんでもないこと、思いついたんじゃないでしょうね!」
「何だよとんでもない事って、それに『また』てのも気に入らねえなあ」
「忘れたんですか、去年の夏のこと・・・」
「・・・ああ、あれか・・・」
「ああ、あれかじゃないですよ。うちの先祖が旗本だったからって、『旗本の子孫集めて江戸城で
馬揃え(
騎馬
を集めてその優越を競いあう
武家
の
行事
の
1
つ
)
をやらないか』
そう言って、冗談かと思ってたら一人で都庁に、あんな企画を持ち込みに行って、結局笑われて帰って来た。あの一件のことですよ・・・」
リョウが首をすくめた。珍しいことである。
「あれはなぁ、江戸城が今は皇居だってことを、うっかり忘れてたんだよな・・」
「普通は忘れませんって」
「それはまあ、置いといてだ」
(はい、いつものパターンから今日は何が始まるのかな?)
「明日は日曜日、で、お前明日なんか用事あるか?」
「・・・ない、と思いますけど」
「なら夕子ちゃんも連れてくるといい、俺が昼飯おごるよ」
「え、ほんとですか?」
「ああ、お前が偉かったからな祝いだよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「おいおい、タバコ吸ってないからな、目に沁みるとか言うなよ」
「まさか、リョウさんと一緒にしないで下さい」
「ばか野郎・・・」
前触れもなくこの場にいないはずの人の声が・・
「男二人で何をくっちゃべってるんだかねえ」
「おっと、マリさんノックくらいしてよ。それにしても久しぶりだね」
「そうね、 Episode 10 以来かしら?」
「あの時は悪かったな、あんたの心ん中に土足で入り込んじゃって、すまない」
「あたし驚いたんだあの時、あんたがそこらの男ならぶん殴ってた。『どうしちゃったのあたし?』って・・・だから、逃げたんだあんたの前から・・・」
「いいよ、その話の続きは二人きりの時に・・・ね」
マリは嬉しそうに大きく頷いた。
「ところで、明日のランチは水城のお祝いするんだけど、マリさんも来るかい?」
「お祝いって?」
「こいつがブラック・キングを抜けた祝いさ。俺のおごりだぜ」
マリは何も言わず水城をハグした。
「良く踏ん切り付けたね、偉いよ」
微笑ましい光景に目を細めながらリョウはスマホを手に取った。
「おう上妻か、うん久しぶり。明日の昼飯一緒にどうだ?・・・そうだなあ、パスタなんかどうだ?・・・うん、お前に任せる・・・決まったら電話くれ・・・うん、じゃあな」
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