第35回野間文芸新人賞の作品。新人とは思われへん人やけどなあ。
最年長での受賞やそう。
想像ラジオ いとうせいこう著
東日本大震災の津波で山の上の杉の木のてっぺんに引っかかった男性が、DJアークとして想像力でつながるラジオ番組を始める。
死亡の種類は、大きく病死や自然死の内因死と外因死の2種類に分けられる。
外因死は、不慮の事故や災害、戦争などの外傷による死亡。
突然死が訪れると、本人の魂魄(こんぱく)は、まずわけがわからんくなってとどまってるやろうなあ。
迷い、悲しんでる魂たちが、リスナーのようや。
そのラジオ番組は、死者の声を聴こうと耳を澄ます一部の生者にも届いてる。
作家のS氏と事故で亡くなってるR先生の奥さんの会話が胸に沁みた。
「いつからかこの国は死者を抱きしめていることが出来なくなった。」
「亡くなった人はこの世にいない。すぐに忘れて自分の人生を生きるべきだ。まったくそうだ。いつまでもとらわれていたら生き残った人の時間も奪われてしまう。でも、本当にそれだけが正しい道だろうか。亡くなった人の声に時間をかけて耳を傾けて悲しんで悼んで、同時に少しずつ前に歩くんじゃないのか。死者と共に」
「生き残った人の思い出もまた、死者がいなければ成立しない。だって誰も亡くなっていなければ、あの人が今生きていればなあなんて思わないわけで。つまり生者と死者は持ちつ持たれつなんだよ。決して一方的な関係なんじゃない。どちらかだけがあるんじゃなくて、ふたつでひとつなんだ」
こんなふうに考えると、死も少しこわくなくなるかな。
いとうせいこう『想像ラジオ』から流れてくる曲はたとえばこんな曲。
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