上野で 博物館に初詣
する前に、国立西洋美術館へも行った。
1月11日まで開催の「黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝」。
会期ぎりぎりやったけど、観に行ってよかった。
トラキア、ギリシャ、エトルリア、ローマなど、地中海地域に花開いた文明が生み出した数々の金製品が展示されてる。
オルセー美術館のギュスタブ・モロー「イアソン」が最初にお出迎え。
ペリアス王の命を受け、コルキスにある黄金の羊毛を探しにアルゴ号で旅をしたギリシア神話の英雄。
1972年にブルガリアの黒海沿岸の町ヴァルナで発見された、「ヴァルナ銅石器時代墓地43号墓出土の金の副葬品」(紀元前5000年紀)は世界最古の金製品やそう。
50~65歳ぐらい身長170~175cmの男性の墓が出土されたままの状態で復元展示されてる。
シンプルな金のビーズで作られた首飾りや衣装や弓袋に縫いつけられていたビーズ、飾り金具、腕輪、笏杖など全部で金が1.5kgも使われているという。
カーネリアンのビーズや蛇紋岩と二枚貝とツノガイのビーズもきれいに残ってる。
埋葬された男性は、すごい権力者やったんやろうな。
今から6000年以上前の装飾品が今も輝いているという金のすごさ。
古代ギリシャになると、凝ったデザインのものも現われる。
レムノス島ポリオクニ遺跡の「耳飾り一対」は紀元前2450-紀元前2200年のもの。ハート型の小さなビーズを連ねて吊るしてある。
クレタ島ミノスの紀元前15世紀の「雄牛の頭部をかたどった耳飾り」には、粒金細工が施されてる。
シュリーマンがミケーネで発見した「アガメムノンのマスク」と同じ墓域で出土した装飾品もあった。
紀元前16世紀後半の「蝶が表された円形飾り2個」「渦巻き模様が表された円形飾り2個」「花が表された円形飾り2個」」など。
シンプルやけど魅力的なデザイン。
「金の薄板に包まれた骨製のボタン」は、豪華なくるみボタン。
「蛸の形に切り抜いた飾り板3個」は、蛸が3匹とも足が7本。
「毛虫の形をした飾り板5個」は、カタツムリみたいな毛虫。
「ロゼット紋のビーズの首飾り」。直径5~6mmの花形の装飾モチーフのロゼット文様のビーズが154個(152個?)連なってる。ロゼット紋が表を向くように、円形ピースには穴が2つ開いてるそう。
紀元前15世紀の金の「耳かき」、「二枚貝の貝殻で作られた容器」「粒金細工で飾られた球形ビーズ」「粒金細工で飾られたミニチュア女性像」なども。
「翼をもつ馬が表された耳飾り一対」 (紀元前6世紀末).。
「首飾り」(紀元前500年ー紀元前475年 エレトリア)。小さな月桂樹の実とどんぐりの実が交互に下がり、中央には雄牛の頭。その上には2人の人物までいる。
「耳飾り一対」(紀元前475年―紀元前450年 エレトリア)。大きなロゼットと小さな2つのロゼットの下に、テティス女神を捉えるペレウス?、そして三日月型の盾「ペルタ」形の文様、そこから貝殻の垂れ飾りが3つ下がってる。
「ロゼット3個」(紀元前3世紀)には、金にブルーと白でエナメルの塗装。
「ディアデマ」(紀元前325年-紀元前300年)。ディアデマはハチマキのような頭飾り。デメトリアスの宝物と書いてあった。
唐草のような繊細な模様で、額の真ん中の部分に「ヘラクレスの結び目」があって、その中央にはエロス(クピド)かな?
貴石を用いた金製首飾り(紀元前2世紀 アカデミア・プラトノス)には、留め金がなさそう。ガーネット、エメラルドなどが使われてる。
プフォルツハイム宝飾品博物館所蔵の首飾りもステキ。
首飾り(紀元前3世紀前半頃)は、金、ガラス、ガーネット、エナメル。
首飾り(紀元前2世紀 ミュリナ)は、金、 鉄ばん ざくろ石でフォックステールチェーンが使われてるそう。
首飾り(紀元前2世紀―紀元前1世紀)は、金、青色マラカイト、カーネリアン、トパーズ。中央のトパーズは逆ハート型。
ライデン国立古代博物館所蔵のビーズの首飾り(紀元前4世紀―紀元前3世紀)。これ好き。金のビーズと古代ガラスかエッチドカーネリアンのビーズを組み合わせてある。
ルノワール「パリスの審判」(三菱一号館美術館寄託)、マルカントニオ・バッセッティ「ダナエ」(西洋美術館)、クリムト「人生は戦いなり(黄金の騎士)」(愛知県美術館)など、金にちなんだ絵画や彫刻も。
続いてトラキア。
ブルガリアの2つの遺跡から。
「ヴァルチトランの遺宝」は1925年にプレヴェン市近郊のヴァルチトラン村で二人の兄弟が農作業中に畑でたまたま掘り出し発見されたそう。豚の餌を入れて使っていたら、豚がきれいに平らげて舐めまわしたらピカピカに輝いてわかったそう。
紀元前14世紀後半―紀元前13世紀初頭の杯など13点の金器すべてが今回展示されてる。
「両把手の大型容器(カンタロス)」を豚が舐めてくれたみたいや。
どれも贅沢に金が使われてて、総重量は12kgを超えるそう。
「螺旋状のディアデマ」(紀元前4世紀末―紀元前3世紀初頭)。これは2012年にブルガリア スヴェシュタリで発掘されたそう。
ライオンや神話の怪物グリュプス、スフィンクスなどが行進してる。
「パナギュリシュテ遺宝」もブルガリア・パナギュリシュテから2km南のメルルで、粘土の掘削作業中に発掘されたそう。
紀元前4世紀後半―3世紀前半の、ヘレニズム期の物で9点。「アンフォラ形リュトン」「フィアレ」「女神をかたどったリュトン」「鹿をかたどったリュトン」 。どれも立体的ですごい加工技術。
モローの「ヘラクレスと青銅の蹄をもつ鹿」とジャン・ボローニャ(ブーローニュ)「ヘラクレスとケリュネイアの鹿」も展示されてた。
最後は、エトルリアと古代ローマ。
動物模様のある留め具(紀元前7世紀第1四半期 ヴィラ・ジュリア国立考古学博物館 イタリア、パレストリーナ、コロンベッラ墓地、ベルナルディーニの墓出土)。
長さ17.3cm、幅10.3cmのバックルの上に、精細な粒金細工のライオン、馬、架空の動物キマイラやセイレンなど合計で 131体並んでる。
ヴァチカン美術館の「腕輪」(紀元前675―紀元前650年 イタリア、チェルヴェテリ、ソルボ墓地、レゴリーニ・ガラッシの墓出土)。
これも粒金細工が施されてる。
ローマ ヴィラ・ジュリア国立考古学博物館 カステッラーニ・コレクションからも9点。
「首飾り」(紀元前4世紀 イタリア、オルヴィエート)。金と藍色のガラス。
「耳飾り」(紀元後1世紀) 昆虫の形で、カボションカットのサファイアと真珠の耳飾り。
「耳飾り一対」(紀元後3世紀初頭) エメラルドと真珠、練りガラスの耳飾り。
「結婚指輪」(紀元後15世紀―16世紀)。古代ローマ人の結婚式ので執り行われるデクストラールム・ユンクティオ(お互いの手を握り合うこと)という儀式に関連してて、婚姻の契りを交わすために、新郎新婦が介添人の前でそれぞれの右手をつなぐそう。
カステッラーニ(カステラーニ Castellani)は、19世紀に活躍した、ローマの宝飾師一族。イタリアで発掘されたエトルリアの宝飾品をコレクションし、そのデザインと技法、特に、謎とされてきた粒金(Granulation)の技法を復元し、考古学様式(Archaeological style)と呼ばれるリヴァイバルスタイルを作り上げた。
見応えのあるすばらしい企画展やった。
私も豚を連れてブルガリアに金の発掘に行こうかなあ。
黄金伝説展 特設サイト
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