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風のいたずら 南風一休日の昼下がり川渕を歩いていると後ろから足音が聞こえたきみが歩いてきたような気がして振り向くとビニール袋が風にころがっていた (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/14
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筍 南風一筍は とんがり帽子が見えた頃にはもう食べられないというまだ見えないうちから掘り出して食べろということだがなかなか難しい見えていないからあれこれ迷っているのにきみの胸の奥まで読めていたらもう恋することなんてなかっただろうだから食べられなくなった (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/14
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あねといもうと 南風一「そんなんじゃ 自転車の意味がないじゃない」川のすぐ向こうに姉と妹らしい女の子が二人先に進む女の子は自転車にまたがったままそろそろ歩む姉らしい女の子は そのすぐ後ろで自転車にまたがったまま妹の所作を冷ややかに眺めているこちら側は川向こう側は家の壁そんなところを自転車で通るのは誰だって怖いと思うけど (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/14
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一番美しかったセブン・ティーン 南風一16と18のまん中にセブン・ティーン高校生活は2年目受験なんて ずっと彼方のことだったきみが一番美しかったセブン・ティーンきみはエロスの象徴きみの姿を思い浮かべるだけで人生はバラ色母親の目を盗んではきみと長電話したそんな日々がいつまでも続くなんてありえないことだったけれどきみはずっとセブン・ティーンと信じていたあれから幾霜雪が過ぎてきみの姿は やっぱりセブン・ティーンきみの声も やっぱりセブン・ティーンきっと俺が死期の枕元で思い浮かべるきみの姿もやっぱりセブン・ティーンかな (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/14
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勲章 南風一今さらきみに会いたいなんて不遜なことは望まない若き日に もっと違う自分を望んだのは確かなことそれが人生の目標であったかどうかそれは分からない人生に目標なんてものが要るのかどうか分からない若き日に 少なくとも そんな雲をつかむような期待に惑わされることがなければきみと暮らしている人生が あったのかもしれない目標なんてものが消えて久しいけれど日々仕事に行ってサラリーを貰っていることは 俺にしちゃ上でき過ぎさきみの代わりに妻をきみとの子どものかわりに子どもたちを養っているのか(養われているのか)それはわからないけれど一市井人として暮らしているそれが勲章かな (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/13
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ワッペン 南風一私のワイシャツの右腕を見た同僚が驚いたように言った「それ どうしたの?」「ああ これ?」私は澄まして「ワッペン」と答えた子どもの頃肩や半袖の襟に洒落たワッペンが付いた服が好きだったパイロットみたいに格好良かったからそんなことを暫く忘れていたけれど朱肉が付いたワイシャツの右腕がちょうどワッペンに見えるので私一人だけ得意になっているまわりは不思議に気の毒がっているけれど (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/11
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謎 南風一呼び止められたばかりのきみはもっと不思議だったろうおかげで おばの説明からはじめなければならなかったよりによってこれから 大事なことを告白しようというところで俺の名付け親に出会うなんて随分因果な話しだったおばは察しが早かったのですぐ近くにきみの姿を見たはずなのにそんなことはおくびにも出さない「はじめちゃん お元気? お母さんによろしく」と言ってそそくさと立ち去った「さっきの人 俺のおばなんだ。 すぐそこのスーパーに勤務しているので・・・」「・・・」きみは何とも答えなかった夏の陽射しが照りつけるアスファルトの道をきみは自転車を押しながら俺はきみの甘い香りを楽しみながら歩いた何をどう伝えていいものやら皆目分からなかったただはっきりしたことはきみは俺より一つ年上でどう値引いても俺には過ぎたレディということだった仕方なかったので友だちになることにしてその日は別れたきみはうなずいて名前と住所を教えてくれたけれどますます謎だったろう「なぜ友だちなの?」 (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/09
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遠足 南風一目を覚ますと枕元まで 甘いにおいが漂ってきた昔 遠足に行く朝おかあさんが作ってくれたお弁当あれと同じにおいだにおいに釣られてキッチンに行くと妻が子どものお弁当を作っていた (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/08
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雨 南風一朝から雨の休日特に用事がないときは心なしか薄暗い部屋で雨の日を楽しむ晴れの日と比べてどこがどういいというわけでない雨粒や雲に遮られて向こうが見えないところかな替わりに どこからともなくスクリーンが現れてまだあどけないきみの姿を映しはじめている (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/07
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俺の彼女を返せ 南風一目の前にとびきりかわいい女の子がいれば学園祭だし 時間を持て余している連中ばかりだから無理やり拘束することも平気の平左教室の前を通りかかった方が悪いくらいにしか思わなかっただろうきみは1時間も拘束されて教室から出てきたときは すっかり上気していた1時間も二人きりになったことすらなかったのにそこに きみがいることが分かっていたのに「さっさと解放しろ」と怒鳴り込むこともできなかった最低の男きみと初めてのデートはさんざんな結果学園祭なら気やすいだろうと誘ったのがあだ花になったきみは俺のことを呆れただろうし俺はきみの尻軽ぶりに不信感だけ残ったきみが悪いわけではなかったのに嘘でも「俺の彼女を返せ」って言えていたら (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/07
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根無し草 南風一日曜の早朝子どもを学校まで送って行くとき交差点で 1台の車とすれ違った誰かに似ていると思ったら会社の総務部の部長代理だったでもその人は海の向こうに住んでいるし昔見た車はわりと高級っぽかったからまさかカローラには乗らないだろうと思った彼は伊勢市の出身で父親が気象台勤務の根無し草だったので香川の大学を出てそこで同級生だった女性と結婚して奥さんの実家の近くに家を建てたはずだったいつ電話をかけても無愛想に ぶっきらぼうに返答するその人は何が楽しくてこの地に勤めているのだろうと思う昔「なぜ ここに勤めているの?」と尋ねたら「成り行き」の一言だった (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/07
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ないこと 南風一いつもそこにあるものがないなぜだろう?ただないだけなのにあるときは 全然気にとめなかったのになくなってから気になりはじめる (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/06
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5月の風 南風一5月の暖かな風が吹いている金木犀 ムクゲ 月桂樹 モチの木 の枝葉が揺れているある5月の日 同じような風が吹いていた私は誰を待っていたのだろう?いたずらに 過ぎゆく時を 風の中に感じていたきっと彼女は来ない風に吹かれていただけなのにいつかしら 陽は傾いていた昔から そうやって 風に頬をなぶられるのが好きだったすぐ隣で上目づかいの視線を投げて寄こしたきみの姿を思い出したきみはなぜ漫画の中の少女のように黒目がちの目をしていたのだろう?それから きみはきっと走れメロスのように一生懸命にこちらに向かっているのに違いないのになかなか近づけない川堤を吹き上げる風はひんやりしてきた会えたところで どうなっていたわけでもないきみはやってこない5月の風の中に きみが駆けてくる姿を見たはずなのにきみはやってこなかった (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/06
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GWの病院 南風一息子を駅まで送った帰り道病院に立ち寄ったゴールデンウィークの中日のせいか病院は空いていた家族連れの一団が病院から出てきたところだった年輩の人から中年の男女が揃って年老いた親でも見舞ってきたのだろうかそういえば私も父親が健在だった頃ゴールデーンウィークに実家に帰省してまだ小さかった子どもを連れて入院中の父親を見舞ったものだった父親は久々に見る息子や孫の顔がうれしかったのか車椅子で院内を回ったものだった息子はおばあちゃんにミニカーを買って貰って病院の広い廊下で遊んでいた・・・そんなことを思い出した (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/06
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ふぞろいな新緑 南風一見上げる新緑は生まれたばかりで皆すがすがしい見下ろす新緑は虫に食われて穴ぼこが開いていたりでこぼこに湾曲してそうでないのを探すのが難しい (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/05
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こどもの日 南風一妻に請われて 近くのショッピングセンターについて行った長男が下宿先に帰るので夕食の刺身を買いに行ったのだった入り口でサービスの柏餅を配っていた私は妻について行ったので貰わなかった店長らしき人も 特に私に差し出さなかったから私も貰わなかった妻は「なぜ柏餅を貰わなかったの? 向こうの入り口にでも行って貰ってきたら」と言ったけれど 行かなかった(妻にしてみれば 柏餅を貰うために私を連れて行ったのだった)本当は 貰いたくて仕方ないのに自分からくださいと言えないいつか幼少の頃母親について買い物に行ったとき風船を配っていた自分から欲しいといえなくて母親にねだったことを思い出した (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/05
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桃源郷 南風一田中さんは 子どもたちが大きくなったので暇なはずだが近頃は 庭の手入れに忙しい植木の落ち葉を掃いたり花を植え替えたり野菜を植えたり肥料を与えたり土を掘り返して暇さえあれば 庭いじりをしている「精が出ますね」と声をかけたら「おかげさまで」と笑顔を返す私も田中さんのまねをして落ち葉を掃いたり土いじりをするとこれが結構おもしろい箒を持ったり植木や野菜に水をかけていると時がたつのを忘れる10坪に満たない庭に出現した桃源郷 (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/04
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ガトー吉田 南風一その店は 実家から帰る道沿いにある道路のすぐ向こうに垣根があって小さな小道のむこうにさながらお菓子で作ったようなライトグリーンのこじんまりした店がある常連客相手の店なのか店頭の黒板にはその日の商品名しか書いていないそれでいて駐車場にはいつも車が溢れ小道には行列ができている一体どんなケーキを売っているのだろう? (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/04
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衣更え 南風一衣更えの季節がきてタンスから春夏ものを取り出す昨年着た服は 今年もぴったりだでも10年前のものは結構きつい20年前のものはチャックがまったく締まらないきみを好きなことは 20年前と変わらないのにね(詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/03
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2世 南風一余り他人の生き方を参考にしなかった男なので生き方が下手だから いつもこんなはずじゃなかった と思っている自分が選んできた道だから 決して後悔はしないけれど身近なところにお手本があったらもっとましな生き方ができたかな とも思うだから子どもたちにとってよいお手本にはならないけれど下手くそな生き方の見本にはなるだろうと思ってサラリーマンを続けている背中でおやじのようにはなるなもっとわがままな生き方をしろ って伝えたくてね (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/02
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石垣りん 南風一石垣りんが亡くなって2年もたつのだろうか詩集「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」時代背景や生活感がよく出ていて 面白い題だと思う石垣りんの若い頃の写真をみるとグラマーで健康的な身体をしてかわいい顔をしていたのでなぜこんな女性が一生独身を通したのだろうと疑問に思う(一説には、ある事情でもう自分は一生結婚しないと誓ったという話しを 聞いた人がいる)石垣りんは家族の生活を背負うために生まれてきたような女性だった高等小学校を卒業するやすぐに日本興業銀行に就職したそして定年まで働き続けた女性詩人として有名になったけれどけっして気取るところがなく日々の仕事をきちんとこなしたという (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/05/01
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春の小川 南風一春の小川は鯉や鮒が競って 跳ねるのどかな光景川をのぞきこめば鯉たちは大きな口を開けて何やら餌を夢中で食べているどん欲な食欲がのどかと映り 彼らがそれだけ太るには幾歳月を要したことか鯉たちは そんなことをつゆ知らず自分たちがいつ産まれてきたかを知らずいつ死んでゆくかを知らず詰田川という川を泳いでいることすら知らない (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/04/30
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メーデー 南風一会社に入社した年だけメーデーに参加した幟を持った労組委員の話しかけに 適当に相槌を返しながら代々木公園からちょっと気になる秘書の女の子のお尻ばかりながめていたら(どこをどう歩いたのだろう)再び代々木公園にたどり着いた先に好意を持ったのは きみの方だったかそれとも 俺の方だったかそんなことはもう忘れてしまったきみはエレベータでいっしょになるといつも俺に話しかけてきた同僚がすぐそばに立っているのにそんなことは お構いなし俺が秘書室に行くのはパソコンの操作か パソコンの具合が悪いときくらいきみは息がかかるくらい顔を近づけてきて小さな声で話しかけるのだった俺が会社を辞めてほんの半年後きみの声が無性に聞きたくなって会社に電話をしたきみの名前を伝えたらきみも会社を辞めたあとだった(詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/04/30
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突然の来客 南風一時間に追われて掃除機をかけているとき突然現れたセールスマン営業文句を並べ立て 100万円を超える高額商品をさあさあ買ってくれとまくしたてたところで戸惑うばかりの奥さんちょうど そんな調子だったのだろうな と今にして気付くゴールデンウィークが終わって いよいよ新緑が濃くなる季節にまさかこれから学校へ行く朝にはるか遠くにいるはずの男友だちが 呼び鈴を鳴らすなんてどこの誰が想像できるかよそんな心構えなんて まして大学生になったばかりの小娘だぜ彼女には彼女の悩みや日常があってそれと恋人とは別のことそんなことに 今さら気付いている (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/04/29
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なりたかったもの 南風一一番なりたかったもの父 かな?一番なりたくなかったものそれも父 かな?一番なりたくて一番なりたくないってどうゆうこと?うーん 友だちに知られたくない(ぼくから見て)格好わるいところかなそこが一番なりたくなかったところでも 何の気負いもなくてらいもなく生きていたそこが一番なりたかったところ (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ
2006/04/27
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ラブレター 南風一「南風 掲示板におまえの名前が出ていたぞ」久々に会った友人から教えられたもしかしてと思いながら学務課の窓口に行くと案の条 ラブレターのことだった「こういうものは渡せません」封も切っていないのになぜラブレターって分かったのだろう?癪だったので友人から彼女の電話番号を聞きだして翌日彼女に手渡した (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/26
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転職症候群 南風一職場が嫌になった理由を述べてみなさい賃金が低い評価が低い評価が適正でない我慢ならない奴がいる仕事がつまらない上司が無能会社が合わない将来が見えないかわいい子がいない(不思議にこんな理由をあげる者はいない)要するに きみが一番偉いわけだ (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/25
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温泉の発見 南風一鳥が傷めた羽を浸けているのを見て人間も温泉につかって傷を癒すようになったという温泉とまでいかなくとも家にたどり着いて一風呂浴びることほど 晴れ晴れすることはない身体の汚れとともに赤や黄色に点滅した感情をきれいさっぱり押し流す(詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/24
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さつき 南風一2年ぶりだろうか庭のさつきが白い花を咲かせたさつきは気まぐれだから気が向いた年にしか咲かない1年が過ぎても庭の景色はそう変わらないし3年に一度さつきが咲いたところで花の形や色もそう変わらない季節が巡って同じことしか繰り返していないのにいつもそこに意味を見いだそうとするわたしたちさつきには「何年開花」のさつきなんて書いてないのにね (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/23
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先生の悩み 南風一春には子どもたちを送り出すのが楽しみだった社会に出て 少しくらいうまくいかないことがあってもたまにやってきて世間話をしたら 帰りにはにこにこして帰っていったところが 近頃は教え子たちの悩みに何の力にもなってやれない自分が歯がゆい真っ黒に日焼けして一生懸命頑張っていたガソリンスタンドの健太くんは無人給油スタンドに押されて解雇された優等生だった純くんは大学を出て銀行に就職できたのにいつも会社の評価が低くてもう銀行をやめようかと悩んでいる奉仕活動に熱心だった幸子さんは公務員になって一生懸命働いていたのにリストラ要員になった歯をくいしばって頑張りなさいそうすればきっと道は開ける先生はそう言い続けてきたこれからも そう言い続けるべきかどうか先生は迷っている (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/23
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物干し台 南風一ごみを収集所に持っていくとき散歩から帰るとき近所の物干し台を見るともなく見上げるある家ではご主人や男の子のトランクスが干してある奥さんや娘さんのショーツやガードルも仲良く風になびいているある家では男物のトランクスが風になびいているだけでご婦人方の下着は一切見かけることがないどちらの場合も奥さん方の心の中がかいま見えるきみはほんの26才で「もうおばあちゃんなので会わない」と答えたくらいだからきっと 下着を外に干すことはないのだろう (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/22
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軟式ボールを忘れた少年 南風一 公園の広場に軟式ボールが1個ころがる 私が草野球をしなくなったのは中学生になったときから。スポーツを続けつつ勉強も良くできる友人もいたが私はそれほど器用ではなかったそんなことは自分が一番よく知っていた器用な者には幾つもの選択肢があったけれど私にはたった一つその一つさえ満足にやれたとは言えない公園に軟式ボールを忘れた少年 ・・・・それは私だったのかも知れない (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/22
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奥の池 南風一子供を市立体育館まで送った帰り道さて病院と図書館へ回るにはどの道を行けばよいだろうと標識をさがすと奥の池とある私が走ってきた方向が山沿いだったからこの辺りは平野なんだけどなと思ったらなるほど旧市街に辿りつくにはトンネルを一つ抜けねばならない昔はトンネルなんてなかったから殿様の住むお城から山一つ向こうの池は奥の池だった (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/22
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ぽっかり 南風一長男が自転車を止めていた場所に引っ越しでご用済みのダンボールをしばらく立てていた雨が降ったりする日もあったが場所が塞がっていたので再生ゴミとして出ていくまで特にどうということもない日が過ぎたいよいよ再生ゴミを回収する日ダンボールを運び出すとそこだけ ぽっかり空き地になっていたそれで ようやく長男が家を離れてしまった事実に向かい合った (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/21
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犬なんかその辺りに放っておいて 南風一犬を連れて散歩している女性それは 当たり前その女性が若くて美人でスタイルが良くて魅力的であってもそれも 当たり前でも どこにでもいそうな犬をなぜ きみが散歩させるの?なぜ きみでなけりゃいけないの?犬なんかその辺りに放っておいて俺と散歩しようきみには俺がふさわしいそんな風に思うのは 俺だけかな (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/21
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きみのわがまま 南風一きみは先生の卵「OLだったら 仕事が終われば 飲みにいけて羨ましい」そんな言葉に何を考えているんだ と思ったものだったでも 結婚するまでのほんの短い独身時代だもの若いときしかできない暮らしがあって当然だった子供が産まれれば自分のわがままなど通せなくなるそう考えたらきみのわがままなどかわいいものだった些細なことに肩肘張って どちらがわがままだったか と今さらながら思っている(詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/20
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真夏の夜の夢 南風一日頃の自分から想像もできないことそんな行動に出て 自分に驚くことがある学園祭の前夜祭私のクラスの出番も終わりいよいよストームを囲んでフォークダンスが始まろうとしていた放送係が手をつないでストームの周りに集まってくださいと声を上げていた私は体育館の前で立ったままその場を離れない一人の女子学生の手をつかんだ柔らかな手だった「さあ 行きましょう」「いえ 私はここにいますから」女子学生は拒んだけれど拒まれると ますます引っぱってゆきたくなるのが男心私は彼女の手を引っぱってストームの前まで連れていったクラスの友人たちもどこからか女子学生を調達していたフォークダンスが始まると私が引っぱって行った女子学生とはすぐに離ればなれになった横顔を見ると色白で清楚な感じの素敵な子だった遠ざかっていく後ろ姿を見やりながら名前だけでも聞いておけばよかったと後悔したが あとの祭りだった (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/19
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妻 南風一私と妻は高校の同級生でも 話しをしたのは 卒業してから妻の名前を知ったのは 高校1年のときでも 顔と名前は一致していなかった高校1年のある夏の朝のこと強い陽射しが照りつける中で 校長先生の話を聴いていたふと ざわざわという声が聞こえて誰かが倒れたという私は運ばれていく女子学生を遠くに見送りながらこの暑さではぶっ倒れる子も出わなと思った後年 それが妻であったと聞かされた(何のことはない 妻はその日朝寝坊して朝食を抜いていたのだった) 高校2年のとき休み時間となれば 廊下にずらりと男子学生がたむろしていた私はあえて廊下には出なかったでも廊下を通り過ぎる別のクラスの女子学生には興味があった私は廊下でたむろすることはなかったけれど親しい友人の教室にはよく遊びに行ったその友人の教室の手前が妻の教室だった私は妻の顔を知らなかった後年聞くと 妻はよく私が隣の教室へ行く姿を見かけたという私は妻らしき長い髪の女学生がいたことは知っていたがまさか彼女が後年私の妻になる女学生だったとは夢にも思わなかった (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/18
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お邪魔虫 南風一おじさんが止まったように動かないと思ったらあらあら 横断歩道を越えて車が止まっているおじさんは車の中を睨みつけながら通り過ぎる車の中では一人の運転手が申し訳なさそうに 頭を下げている彼は正直者だったのだ赤信号で通り過ぎることができず急いでブレーキを踏んだけれども横断歩道を越えてしまった歩くにはちょっと邪魔だけどね大目に見てあげよう次回からは もう少し早めのブレーキがいいけどね (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/18
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好きなのに 南風一好きな人には2種類あってきみのように一緒になれない人一緒になれる人どちらも好きな人には違いないけれど一緒にならなくて良かった人一緒になれて良かった人確かに2種類の人がいて好きの量には変わりがないけれどきみのように一緒にならなくていつまでも悲しむ人がいる (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/17
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いちご 南風一いちごが八百屋の店先をにぎわすようになると先生が忙しくなる小学生の頃新学期を迎えて 新しい友人たちと仲良くなった頃先生の家庭訪問が始まった先生は地図を片手にあるいは 次に訪れる児童の家を教わりながら挨拶もそこそこに児童の家を回るのだったたまに自転車の荷台にいちごの箱を括りつけていることがあった私の家は農家ではなかったので先生にお土産に渡すようなものはなかった先生は母と私のことを少しだけ話してそそくさと次の友人のところへ向かった先生はいちごのことを全然気にしていないようだったけれど私には荷台のいちごがうらめしかった (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/16
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同じかな? 南風一親しい友人と久しぶりに会った彼はまだ独身だった夜に一杯やって旧交を暖めた二人とも大分お酒が入って軽口がぽんぽん飛び出すようになった友人は言った「おまえの奥さんと一度やりたい」友人に悪気がないことは知っていたので何とも思わなかったが返答にちょっと困った「俺自身はいいけど 妻とちょっと気まずくなるなあ」(そのときは夫婦に貞操義務があることは忘れていた)「そうだろうな・・・」友人はあっさり引き下がった「女はみんな同じだろう?」「うん 多分そう思うけど・・・」妻しか知らない私には答えようがなかった(詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/16
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ままごと 南風一ままごとを見なくなって久しい牛乳瓶や空き缶に水を入れたり葉っぱに泥まんじゅうを盛って新聞紙の上が家だった近頃は幼児がゲーム機を操り携帯電話で友だちと会話する大学生のマンションには生活のための電気製品一式が調って親の暮らしと変わらない子供たちはままごとを体験することもなく生まれ落ちたときから大人の暮らしをする (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/16
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マ・メゾン 南風一彼女が食事に誘ってくれるというので彼女と彼女の弟と 3人で玉川上水べりの木立へ向かった彼女について中に入った席に着いてみると何のことはないフランス料理店だった彼女の弟はマ・メゾンという発音を聴いて豆をたくさん食わされるのではないかと心配したという私も正直何処へ連れていかれるのかと思った (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/15
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春 南風一ゆく者は希望に燃えいつも笑顔残される者だけいつも悲しむ (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/15
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八王子の風 南風一中央線を下ると向こうに多摩川がゆったり流れるその町に きみと私は落ち合ったなぜその町に落ち合ったのか理由はもう忘れてしまった駅ビルの階段に久々に見つけたきみの笑顔初めから約束していたように肩を並べて町なかを歩いた昔みたいに気兼ねする人はなく気兼ねする理由も何もなかったから思い思いの話しをしたきみも私もただ好きだから一緒になろうと言えるほど若くはなかったでも一緒にいることは楽しかった「南風くん って 本当は明るかったのね」私はただ苦笑するだけだった多摩川べりの堤にそって 行きつくところまで行き着いて並んで 土手にすわった「南風くんは 好きな人いるの?」「いない」(それは多分真っ赤な嘘だった)本当は「きみが好き」と言いたかったけれど迷惑になると思ったから黙っていたきみの脚はあいかわらず色白だった多摩川の向こうに中央線の線路がもう一つ川のように延びてその上に 八王子の町並みが乗っかって見えたきみにも私にも何の縁もない町それなのに町並みも 多摩川べりの土手を吹き抜ける風も二人にはとても懐かしかった (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/15
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花見 南風一湖畔に沿って灌木の堤をぐるりと一回りすること小1時間花見の帰りに民家の離れのうどん屋に立ち寄るかけ普通 2杯すじ肉と天ぷらのおでん 2本青豆とごぼうの揚げ物 2枚妻と二人向かい合って食べた (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/13
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いつかしら 南風一 はじめは嫌になれば逃げてくれればいい好きな人が現れたら去ってくれてもいいそんな気楽さが楽しかったのにいつかしら哀願したり怒ったりする俺がいてきみにすっかり心を見透かされている (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/12
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知っているくせに 南風一 きみと初めて話しらしい話しをしたばかりなのに今日はもうよそよそしい俺も悔しいからわざとそんなに固執していない風を装う せっかく待ち合わせもしないで会えたのに今日はもう何事もなかったようにスタスタ きみを追い越してしまった きみもなぜか俺のあとを追って来ない なぜだろう?俺はきみが好ききみだって俺の気持ちを知っているくせに (詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/11
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男 南風一ヒタヒタヒタ ヒタヒタヒタ南天の日差しがまぶしいグラウンドさきほどまでの喧騒は途絶え嘘のように静まりかえったトラックほらまた一人のランナーが走り過ぎたとうに見えなくなった仲間たち消えた聴衆気づいているのかいないのかかれこれ60年近く男はひた走っている(詩集の宣伝)詩集「異国のお姫様」(南風一著)を発売しました。購入は、こちらからどうぞ
2006/04/10
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