ねぼすけの読書感想日記

ねぼすけの読書感想日記

2011.11.06
XML
カテゴリ: 書評


書 名=マグマ 小説国際エネルギー戦争
発行所=朝日新聞社
発行年=2006.2
評 価=★★★★☆



【送料無料】マグマ


真山氏の作品は、最近はエネルギー問題を扱う場合が多い。本作品は、地熱発電所を取り上げ、日本で地熱エネルギーのポテンシャルが多いにもかかわらず、政治的理由(国定公園に存在)・地域的理由(温泉業者の反対)・エネルギー種別の政策順位(原子力推進)で進まなかったエネルギー源が、一人の外資系ファンドマネジャーの活躍で今後大きく進む予感を抱かせる仕上がりになっている。

もちろんこれは「小説」であり、事実や真実ではない。現実と本書の主張を混同してはいけない。例え、2011.3.11以降、再生可能エネルギーに対する大きな順風で地熱発電に今脚光が浴びているとしても、問題の解決手法はあくまで小説であり混同してはいけない。また、筆者に先見の明があったとかエネルギー問題に詳しい専門家とか、持ち上げてもいけない。あくまで小説なのであり、冷静に対処しなくてはいけない。

そう言った点を割り引いても、ぐいぐいと惹きこまれるしとても面白い内容であることは間違いない。惜しむらくは二つ減点ポイントを指摘したい。一つ目は、なぜ主人公が「再生ファンドマネジャー」でなくてはならなかったのかよく分からない点である。多分、その職業の描写が筆者にとって身近なものであったが理由であろうが、逆に無理やり筋を作っている感も出てきしまっているのが残念である。例えば、一体全体、何がそしてどこが「国際エネルギー戦争」なのかさっぱり分からない点である。

二つ目は、わざわざ、表題の副題に「小説国際エネルギー戦争」と言わざるを得ないように、おそらく多くの部分で、本当の事実関係を織り交ぜていることは間違いない。全体がフィクションでなく、かといって全体がノンフィクションでもない、このような中間的な作品は、資料原典や取材・インタビューは小説を描くのには十分に行っているのではあろうが、それ以上でもそれ以下でもなく、それゆえたちが悪い。逆に言うと、わざと見る人が見れば分かるようにしか変えていない事実に、事実ではないことを織り交ぜてもっともらしく・小説として面白くしたが、その点からの非難を避けるための弁解に、敢えて「小説」と表題に明言しなくてはならなかった「ずる賢さ」を感じることである。










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2011.11.06 12:36:45 コメントを書く
[書評] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: