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公営住宅団地模型、51C型住棟を模型化しています。バルコニーの柵については、前々回、前回、そしてタイプの違う鉄棒の柵と色々書きましたが、確かに真鍮線をハンダ付けして組み立てたり、網を張ったりすればリアルな柵が作れますが、ハッキリ言って面倒臭いです。また、真鍮線のハンダ付けによる手作りの柵は「誰でも作れる」訳ではありません。そこで、今回は市販の部品を使って手軽に団地の柵を表現する方法を試みました。今回使用したのは、建築模型用の柵パーツ。建築模型用品では様々なパーツを発売している光栄堂の製品。透明PET樹脂板に柵を印刷したものです。縮尺は1/100で、今回の1/150スケールの団地には少し大きいかと思うかもしれませんが、縦棒のピッチはともかくとして、上下を切り詰めれば1/150スケールの51C型住棟にはぴったりでした。吉祥寺のユザワヤで入手しましたが、探せば色々な所で手に入るようです。色はブロンズを選択。51C型の2号棟にはこの方法で柵を付けました。柵部分は製品パーツの下側部分を6mm幅に切り出した後、寸法を詰めて干渉部分を切った後、各バルコニーに木工用ボンドで接着します。折り曲げ部分は表からカッターでスジ彫りをすると簡単に折れ曲がります。何処かスッキリし過ぎた感もありますが、建設当時の写真からは、本来の51C型住棟のバルコニーの柵は、細い鉄棒を組んだ繊細で目立たないものであったことがうかがえます。また、製品パーツは所々に太い柱が印刷されていますが、この部分がハッキリ言って邪魔でした。今回の51C型のバルコニー寸法ではこの太い柱が絶対に入ってしまいました。専用部品ではないのでこのへんは妥協するのが良いでしょう。なお、この柵のパーツはスターハウス型住棟のバルコニー柵にも流用できそうです。製作されている方は利用してみても良いでしょう。ちなみに前回製作の1号棟です。バルコニーの柵がハンダ付けした真鍮線の枠の中に網を張ったフェンス型になっています。この表現方法だとかなりしつこい印象になってしまいました。色が黒なのもその原因でしょうか。現在完成しているのはスターハウスを含めて3棟です。もっと住棟数が欲しいので、現在製作中・・・ ←他の方の珍しい趣味のブログはこちらから
2008.08.29
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団地にフェンスを付けました。フェンスの作り方は前回を参照の事。フェンス自体は黒く塗装しています。実はマジックで塗りました。ポリ網は基本的には塗装不可能のため、マジックで染めるように塗りました。斜めから。バルコニーの端の部分はまだフェンスは未施工。1棟作るのもかなりしんどい。ちなみに網と真鍮線を一度に切るため、金切りばさみを使用しています。団地住棟へは瞬間接着剤で直接接着しています。この金網フェンスの作成を応用して、給水塔の周り等、地面にもフェンスを作りたいと思います。その前に給水塔を完成させなくてはいけません。つづく。 ←他の方の珍しい趣味のブログはこちらから
2008.07.28
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51C型団地住棟の模型化。団地の模型化でネックになっているバルコニーの柵の表現を試みます。今回は作りやすい仕様にするため、金網フェンスのタイプを作成しました。使用したパーツはこちら。柵の枠に使用する0.4mmの真鍮線(黄銅線)を入手しました。一緒に写っている0.3mmの洋白線は今回は使用しません。ポリ網 60メッシュ。ポリエチレンと思われるポリ製の網。これで金網部分を表現します。いずれも東急ハンズで入手しました。まず、鉛筆でケガキをしたホオ板に、線材の治具になる釘を打ちます。ケガキと治具に合わせて真鍮線を格子状に固定し、フラックスを塗った後に格子点をハンダ付けします。ハンダ付けの終わった真鍮線パーツ。ハンダはスズ63%の共晶ハンダを使用します。共晶ハンダは融点範囲が狭く、溶けるとさらっと流れます。ハンダがイモ状に固まる危険性も少なくなります。周りの余分な線を切り落としました。これでバルコニー8カ所分。ポリ網をフェンスの枠の幅に切り出して、フェンス裏側から接着します。ポリ網は縦横の格子状に編まれているので、これを45度の角度で切り出します。接着には瞬間接着剤を使用しました。ポリエチレンは直接は瞬間接着剤では接着できないのですが、接着剤の中に網を埋め込むようにして固定することができました。あとは周りの余白を切って、出来上がり。団地模型だけでなく、普通の金網フェンスを作って鉄道模型のレイアウトに使う事もできます。つづく。 ←他の方の珍しい趣味のブログはこちらから
2008.07.27
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団地模型の給水塔の作成のつづき。カトーの高圧鉄塔キットを改造します。キット箱外観。カトーのストラクチャは基本的には完成済みなのですが、この高圧鉄塔はキット形式。どうやらデンマークのヘルヤンとの共同企画のため、カトーでは珍しくキット形式で発売されているのでしょう。キットの構成は、このような板状の鉄塔側面が4枚、うち2枚は横へ張り出す梁が付いています。給水塔へ改造するにあたり、適当な所でカットして下の部分だけ使用します。このときカットする高さは団地住棟の屋上より高い位置にします。余った上の部分で屋上型高架水槽でも作りましょうか。4枚の側面をカットし、下の部分だけ組み立てました。側面パーツ自体は薄く弱いため、パーツ自体の反りが気になりましたが、4面を組み合わせると反りもなくなりパーツの合いもなかなか良いです。注意しなければいけないのは、接着面にゲート(ランナーとの接続部分)があるため、これをきれいに削らないとちゃんと組み上がりません。このようなトラス構造の鉄塔が組み上がっただけでもなかなか実感的で、期待ができそう。鉄塔部分と団地住棟模型の高さはこのようになります。右の5階建てスターハウスより高くなります。水槽部分の作り方については模索中。写真はスティックのりのフタを乗せてみてバランスを確認しています。直径約2センチ。バランス的にはこれより若干小さい水槽が良いと思います。今回はここまで、つづく。 ←他の方の珍しい趣味のブログはこちらから
2008.07.11
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51C型団地模型の敷地に給水塔を立ててみようと思いました。給水塔は団地の敷地内中でも最も高く、目立つので、団地のランドマーク的な存在。実際に通りすがりに給水塔を見かけて団地を発見するという事は良くあります。これは神奈川県住宅供給公社戸手共同住宅の給水塔。コンクリート製円柱型のバットのような給水塔は、よく見かける形です。ところで、51C型等の並ぶ昭和20年代の旧い公営住宅には円柱型の給水塔より、鉄骨を組んだ上に高架水槽が乗っているタイプの方が似合うと思います。こちらも戸手共同住宅の例。鉄骨で組んだ塔の上に円柱型の高架水槽が乗っています。この団地には2種類の給水塔が存在しており、給水塔マニアの間でも有名・・・かどうかは定かではない。さて、こちらの鉄骨製のタイプの給水塔を模型化しようと思います。今回は特定のプロトタイプは決めず、鉄道模型のストラクチャの中から鉄骨部分が流用できそうなものを利用します。鉄塔の上に円柱型の高架水槽を乗せてそれらしいものができれば良しとします。まずはベースとして鉄骨トラスを組んで組上げた鉄塔の模型を探します。■グリーンマックス 37-3 工場付属設備Cプラスチック製の組み立てキット、工場付属施設の中の煙突に使われているトラスの鉄塔が流用できると思いますが、こちらの方はちょっと細身で高架水槽を乗せるには貧弱かもしれません。■ヤ-ド照明灯 (3204) TOMIX(トミックス)こちらはトミックスのヤード照明灯。本来の使用目的は照明で、3つの電球が点灯します。また、本体もエッチング加工された金属製で、繊細なディテール。これを改造して給水塔にするのは勿体ない気がします。そして今回ベースとして使用したのはこれ、カトーの高圧鉄塔キット。高圧鉄塔キット (3基入)鉄道模型のストラクチャのアクセサリー。カトーの一般的なストラクチャと異なり、プラキット形式で組み立てが必要です。箱外観。値段も手頃で3基入り。これを加工の上、給水塔に仕立てます。つづく。 ←他の方の珍しい趣味のブログはこちらから
2008.07.10
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51C型団地住棟の模型化、今回は前回作った窓ガラスをはめ込んでいく作業。まず、窓枠を印刷した透明シールを貼った透明プラ板を、窓の大きさに切り出す。このとき、窓ガラスの外寸が窓の開口部のより大きいことが判明した。どうやら、サッシを表現した線の太さ分だけ外寸が大きくなってしまったようだ。また、スチレンボードで手作りしたため開口部の大きさもバラツキが大きく、はまらない所もあったため、窓ガラスの外寸を更に小さく削った。施行後の窓の状態。接着は開口部に窓ガラスパーツをはめ込んでから角に瞬間接着剤を流して固定した部分(右側)と、窓ガラスをはめ込む前に窓枠に木工用ボンドを塗る方法で固定した部分(左側)を作り分た。仕上がりはどうやら後者(木工用ボンド)がきれいにできるようだ。瞬間接着剤は白く曇るのでお奨めしない。南面の全ての窓を施行した。窓がなかったため未完成な廃虚に見えていた住棟が、窓ガラスが入ることで生き生きとしてきた。窓サッシはあえて桟の細かいタイプを選んでみた。現在残っている51C型住棟はほとんどの住棟で窓がサッシ化されており、このタイプが残る所は見たことがない。水平が出ていない窓があるのはご愛嬌。経年変化を再現してみた。屋上に出るドアも、バルコニーのドアと同寸法のものをはめ込んだ。北面の階段室側。こちらは出窓部分のみガラスのはめ込みとなる。小窓部分は裏側から透明プラ板を貼った後、メンディングテープで曇りガラスを再現してみた。実は出窓部分のガラスパーツが足りなかったので、奥から2番目の縦4枚は以前製作したプラ板にカッターで筋彫りしたパーツを使用している。今回はここまで、つづきはまた今度。 ←他の方の珍しい趣味のブログはこちらから
2008.05.19
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51C型団地住棟の模型化。窓ガラスのサッシ表現は、前回、透明プラ板にカッターでスジ彫りを行って表現する方法を紹介したが、さすがに大変なので実際にはなかなか作業が進まなかった。そんなとき、100円ショップで見つけた粘着シール。これにプリンタで窓を印刷してサッシ表現をしてみることにした。白色と透明があり、白色は2枚、透明は3枚で100円。今回は透明を使用した。白色は自作ステッカーに使えないか思案中。白いインクを使って図面からプリントした状態。プリンタはアルプス電気のMD5500型を使用した。このプリンタ、模型を作製している人の間では有名で定評がある。その最大の特長は何と言っても「特色インク」。何と、白や光沢のあるゴールドやシルバーが印刷できるのだ。普通のインクジェットプリンタは、白い紙に染み込ませて印刷することが前提なので、このような色は今のところ印刷できない。特に白いインクは重宝するもので、航空機模型や鉄道模型では、白文字のレタリングを再現する為のデカールやステッカーを自作するためによく使われている。ところで、このクリアシールはインクの食いつきが悪く、爪でこすると印刷が取れてしまう。そこで、印刷面の上にさらにクリアシールを1枚貼って表面を保護することにした。このシールを透明プラ板に貼付けた状態。このあと窓を切り出すことになる。今回はここまで、続きはまた今度。 ←他の方の珍しい趣味のブログはこちらから
2008.05.19
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団地の模型化、今回は外壁のウェザリング。ウェザリングとは、簡単にいえば汚し塗装のこと。実際の住棟は長い年月、風雨にさらされていて色々と汚れているのだが、これがまた味があって良い。また、単色できれいに塗られているとどこか落ち着きがなく見えるもので、実感的で落ち着いた雰囲気にするのならウェザリングは欠かせないものとなろう。以前に買いそろえたウェザリングの道具のなかで、今回使用したのはアクリルガッシュのローアンバーとニュートラルグレイ No.1 ともにホルベイン。そして、黒色のパステルとパステル用の筆。アクリルガッシュは水で薄めてエアブラシを使用した。黒色パステルは、外壁の屋上付近に筆でこすって使用。これは雨の流れた跡のよごれ。ローアンバーは外壁の一番下側と屋上にうっすらと塗装。これは土ぼこりによる汚れの表現。地面に近いところは土が舞うと当然汚れる。昔は道路も未舗装だったため、車の巻き上げる土ぼこりもすごかった事だろう。屋上は土ぼこりがたまりやすい事を想定して、うっすらと。そしてニュートラルグレイは、外壁全体にうっすらと吹き付け。外壁の塗装が劣化してチョーキングを起こしている様子を再現している。また、雨の汚れとして塗ったパステルの黒が強くなってしまったところを落ち着かせるためにもグレイを吹いている。この後、窓ガラスやドアの取付けと、その他、バルコニーの柵の作成に移る予定。バルコニーの柵は、実物では鉄棒を組んだ繊細な構造のため、模型化の際にはネックになる部分の一つでもある。
2008.02.19
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前回、窓ガラスの作例を紹介したが、今回はその作成方法について。まず、窓ガラスの図面を印刷する。窓が隙間なく並んでいる図面を作成して、その上で透明プラ板にカッターで筋を彫ってゆく。今回使用したプラ板は、アクリサンデーのサンデーPET。写真の厚みは1mmだが、今回の窓に使用したのは0.5mm厚のもの。この厚みはカッターで切る事ができる。使用したカッターは普通のカッターと、Pカッターを併用。オルファのPカッター。アクリル板の切断等に使用する。筋彫りも可能。カッターで筋彫りを行った後の状態。筋の部分がつながっているが曲がるくらいの深さに彫り込みを入れる。この技法で、ガラスのドームの模型を表現する事もできるかも。この窓は台所の出窓部分のパーツになる。図面の上に並べると良くわかる。すべて切り離した状態。取り付けは後日。出窓部分のガラスを仮組みしてみた。寸法はちょうど良いが、何か物足りない。サッシの色入れを行っていない事もあるが、出窓部分の内側が明るすぎるのかもしれない。この部分は後で濃いグレーかなんかで塗装すると実感的になると思われる。続きはまた今度。
2008.02.18
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団地模型化計画、今回は窓ガラスの表現方法について。団地模型に限らず、鉄道模型のストラクチャ等の建築物の模型を作成する時、ネックになるのがこの窓の表現。特に、窓サッシをどう表現するか、色々と悩みどころである。ストラクチャのキットでは、既に壁と一体でモールドされているので、プラモデルのようにそのまま塗装組み立てを行えば良いのだが、自作の場合は他の方法で窓サッシを表現する。鉄道模型ストラクチャでのサッシ表現は、糸を窓に張って表現するのが古典的な方法であった。近年ではOA機器が発達したため、透明プラ板に印刷したパーツが出回っていたり、パソコンでデータを作って透明フィルムに印刷したものを透明プラ板に貼ったりして表現できる。今回試作した窓は、ちょっと厚手の透明プラ板にカッターで溝を彫ってサッシを表現しようとした。できればこの溝に塗料を墨入れしてサッシを強調したい。
2008.02.14
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51C型公営住宅の模型化、窓周りの設計変更について。今回、団地の住棟を模型化して鉄道模型のストラクチャとして使用しようとしているのだが、団地といえばやはり、住棟が1棟だけでは団地らしさがない。実は、3棟目まで順次作成中である。作例として紹介しているのは一番最初の1号棟。これは、今後の団地模型製作の方法を確かめるための先行試作の位置付けで作っている。2号棟は、1号棟と基本構造は同一で、より実物に近いように一部を改良中。先行試作の2棟目といったところ。そして、3号棟。この住棟は、より作りやすい構造に設計変更を加えている。設計変更箇所のうち、大きいものは出窓の表現方法。1号棟、2号棟での表現方法は、出窓を構成するパーツを壁の外側に接着する方法で表現していたが、この方法だと出窓パーツの位置が自由に決められるため、位置を揃えるのが難しい。設計変更後は、以下のような構造にした。設計変更後は、出窓の外周の寸法で窓を切り抜き、そこに出窓パーツをはめ込む構造にした。写真は出窓はめ込み前の状態。これにより、出窓の外寸は窓の切り抜き位置で決まる事となり、出窓の位置を揃えやすくなった。出窓はめ込み前とはめ込み後の比較。左一列がはめ込み前。団地の住棟は数が必要になってくるので、このように構造や組み立て方法を変更し、より作りやすい設計にしてゆく事が重要。作りにくい模型は長続きしないから。
2008.02.10
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51C型団地住棟の模型化、今回は外壁の塗装の変更。前回、カラージェッソで外壁色の塗装が終わったところまで書いたが、このカラージェッソのパーチメントという色目が、やや黄身がかっているクリーム色だったので、昭和20年代のこの団地住棟のイメージとは少し異なるのが気になっていた。別段、この色自体が悪いのではなく、もっと新しめの団地住棟の場合はこのパーチメントでも良いと思うのだが・・・前回の外壁色「パーチメント」、写真ではわかりにくいが少し黄味がかっているのが気になる。そこで、クリーム色を塗り直す事にした。今回の外壁色「ベージュ」、比較的赤みがかっている方がより旧い団地のイメージに近くなる気がする。このあたりはかなり感覚的なもので、実物はもっと違う色だったりする事があります。あしからず。塗装方法は前回と同じ。屋上とバルコニー上面をマスキングの上、水で薄めたアクリルガッシュをエアブラシで塗装した。使用したアクリルガッシュはホルベインのベージュ。本来ならこれをベースに、色々と調色をすればよりイメージに近い外壁色となるのだが、団地住棟のように複数棟を並べて使用する事が想定される場合、調色をすると同じ色に統一できなくなるため、製品そのままの色を使用する。そして、今後ウェザリング(汚し塗装)を行うために購入したその他の色やパステル。絵の具はすべてアクリルガッシュ、右から今回のベージュ、ローアンバー、ニュートラルグレイ No.1(以上ホルベイン)、バーンド アンバー(リキテックス)。下の筆は、赤い軸のものが絵の具用、下の白い軸のものがパステル用で毛足が短い。筆の左側はパステルの黒。これを粉状にしてパステル筆で雨の跡などの黒い汚しができれば良いと思っているが、これは成功しない事も含めて、お楽しみ。今回はここまで、続きはまた今度。
2008.02.07
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団地の模型化、今回ようやく外壁の上塗り塗装までこぎ着けた。前回の下塗りで濃いめのグレーに塗装したが、やはりコンクリートの表現としてはやや暗い印象があった。そこで、まずはコンクリートの表現と、上塗りの発色を高めるために明るいグレーをアクリルガッシュ(アクリル絵の具)で塗装する事にした。今回使用したのはホルベインのニュートラルグレイ。ホルベインの商品名ではアクリラガッシュと表現されている。アクリルガッシュは普通の水彩絵の具とは異なり、塗るときは水で薄める事ができるが乾いてしまうと耐水性となり、新たに塗り重ねた時に乾いた部分が溶け出さない利点がある。高校の美術の授業で初めて使用したのだが、かなり便利なもので、もちろん調色も可能。これを水で適当に薄めてからエアブラシで塗装する。このタイプの住棟は出窓等の凹凸が多いので、エアブラシの角度を変えながら塗料を塗り重ねてゆく。コンクリート打ちっぱなしの住棟のはまるで建設途中の雰囲気。このままの色で仕上げるのも悪くはない。塗料が乾いたらマスキングに移る。この間2日かけている。塗料が生乾きだとマスキングテープを剥がすときに塗料まではがれてしまう恐れがあるため。マスキングテープを貼る。マスキング箇所は、屋上とバルコニー上面。階段室の屋根も忘れずに。使用したマスキングテープは日東電工の18ミリ幅で、特に特別なものではない。そして壁色に使用したのがリキテックスのカラージェッソ パーチメント。エアブラシで壁色を塗装。やはり団地住棟はクリーム系が似合う。ただ、塗り終えてみるとイメージとはちょっと違い、黄身が強く全体的に明るい印象がある。この色を落ち着かせるために、色々とウェザリングをする予定。基本的には、ススや土ぼこりを表現するためにエアブラシで薄く汚し塗装を計画したい。続く。
2008.02.02
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団地住棟の模型化、今回は下塗りの塗装。塗料は、スチレンボードの塗装のため、一般の模型用の塗料ではなく、画材店で売っているジェッソを使用する。今回使用したジェッソはこちらリキテックス カラージェッソ ニュートラルグレー 240ml前回の照明試験で、未塗装の場合の光の透けが結構目立つものということがわかったので、少し濃いめのグレーで塗装しようと考えた。リキテックスカラージェッソのニュートラルグレーは、少し濃いグレーなのでそのまま使用した。なお、コンクリートの表現には少し暗い印象がある。塗装後の51C住棟模型。白一色の未塗装から一変、重厚な感じになった。今回使用した塗装機器は15年くらい前に購入したエアブラシと10年くらい前に購入したコンプレッサー。どちらも7年ぶりに引っ張りだしてきた。エアブラシはオリンポスのヤング8。エアブラシの入門モデルで値段は安めだが、基本がしっかりしたモデル。本来はエアー缶式なのだが、10年前にコンプレッサーを導入した。当時の廉価モデル。スイッチを入れるとエア供給が始まり、レギュレーターのネジでエアを排気して圧力を調節するしくみ。今でも買えます。そして、塗装ブース!自作の塗装ブースです。すぐに作れます。なお、現時点でこのグレーのジェッソの他に、上塗り外壁用のカラージェッソ「パーチメント」と、コンクリートの表現としてホルベインのアクリルガッシュ「ニュートラルグレイ No.1」を用意している。エアーブラシで塗装をするので、ジェッソは少しの水で適当に薄めてから使用する。原液のまま使用すると塗料が出にくくなり、効率が悪い。また、塗りムラに気をつけたい。ムラがあると照明を入れたときに光が透けてムラが目立つことになる。また、グレーを塗装したことで、塗装前には気づかなかったササクレや隙間が見つかったので、この段階で修正する予定。このまま乾燥を待つ。水が入っているので乾燥は遅く、1日くらい待つつもりで次の工程に進めよう。今回はここまで、続きはまた今度。
2008.01.28
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スチレンボード製で未塗装の団地模型に照明を組み込んだとき、どうなるかの実験をしてみた。3mm径の白色LEDを組み込み、9V電池で点灯させた。LED数は1個、定電流ダイオードを組み込んでいる。天井付近にLEDがあり、上向きに設置。屋根が透けているのがお分かりだろうか。屋根の透けはアルミテープを内側に貼ることで解消予定。アルミテープが反射板の役割を果たし、室内に効率よく光を分散させることもねらい。壁面も透けが見られ、特に瞬間接着剤がしみ込んだ窓枠付近に光漏れが多い。このあたりを解消するため、グレーでの下地塗装が必要となる。また、窓が明るく見える箇所と見えない箇所があり、光ムラも目立つ。いっそのこと室内を半透明の白色板で仕切って、この板を照らすことで窓から見える明かりを均一にする検討もしてみる価値はありそう。今回は試験なので、どういうものができるかは(できないかもしれないことを含めて)お楽しみ。
2008.01.26
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スチレンボードで団地模型を作製しているのですが、塗装について若干迷いがありました。ペーパー工作では、表面の毛羽立ち等を押さえるために溶きパテ式のサフェーサーのような目止め剤を下地に塗布するのですが、スチレンボードは紙の間に発泡スチロールが挟まっているため、溶剤を使用しているサフェーサーを塗布すると発泡スチロールが溶けてしまう懸念があり、良い目止め剤が無いかと思っていました。いっそのこと、アクリル系塗料を下地剤に使用しようかと思っていたのですが、そんな中、ALL-Aのタケさんから、建築模型の着色時に使用されるジェッソというものを紹介されたので、早速調べてみました。はてなダイヤリーによると、ジェッソとは「アクリル画や油彩画など絵画で用いられる地塗り剤の一種。絵具の定着や発色を高めます。」とあり、絵画の下地材として使用されるらしい。また、乾燥すると耐水性があるようなので、基材の保護としても期待ができそうです。楽天でも扱っているようで、結構な数の商品がヒットしました。リキテックス社製ジェッソこちらは油絵の具でもおなじみのホルベイン製LLやL、M等のグレードがあり、これは粒子の粗さの違いのよう。壁面や地面のつや消し度の違いの表現で使い分けができそうな感じですね。さらに、こんなものもありました。リキテックス カラージェッソこれを使えば塗装さえ必要ないかもしれません。以上より感じたこと。建築模型の塗装は模型の塗装というよりは、立体的なキャンバスに絵を描いてゆくことなのだと思いました。そうすると、上塗りの塗料もタミヤのアクリルカラーよりは、アクリルガッシュのような絵の具を使った方が相性が良いかもしれませんね。鉄道模型のストラクチャに建築模型の技法を取り入れてコンクリート建築をより簡単に作成することができれば、自作ストラクチャの道が開けます。
2008.01.15
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団地住棟の模型化、今回は塗料の選択。今回作成中の団地の模型は、スチレンボードで作られている。スチレンボードの長所は、加工が簡単なところ。カッターナイフで簡単に切断ができ、接着も難しい技法は必要としない。反面、スチレンボードには、塗装しにくいという弱点がある。一般の建築模型では、無塗装のスタディモデルを作成するときにスチレンボードを使用し、塗装前提の模型はアクリル材等のプラスチック材料を使用するのが一般的のようだ。建築模型の分野ではスチレンボードは塗装ができない材料と認識されているが、それ以外の模型の世界では、ジオラマ台などにスチレンボードが使用され、塗装もされている例がある。今回の団地住棟の塗装について、塗料の選定から行ってみる。スチレンボードを塗装するにあたり、注意しなければならないことは、発泡スチロールの部分。プラモデル用のラッカー系やエナメル系塗料、金属用の油性塗料は、シンナーに溶剤が使われているため、発泡スチロールを溶かしてしまう。なので、スチレンボードに塗装可能な塗料は水性のものを選択するのが無難。今回選んだ塗料は、タミヤのアクリル系塗料。値段も手頃で一般の模型店や東急ハンズ等のDIY店で購入でき、種類も豊富。特にプラモデル用は、エアクラフトやミリタリーモデルに専用色が多く、特にグレー系が充実している。今回の色はこちら。左側からダークグレイ(XF-24) ニュートラルグレイ(XF-53) ロイヤルライトグレイ(XF-80) バフ(XF-57) フラットフレッシュ(XF-15)グレイ系は下塗りとコンクリートの表現に、バフは外壁に(少し暗いかも)、フラットフレッシュは窓枠用。外壁用はアイボリー系の色が欲しいが、ラインナップにはないようだ。これらの塗料で、まずは要らないスチレンボードの切れ端に塗って試験をする予定。いきなり本番を塗って失敗したら今までの苦労が水の泡。今回はここまで。
2008.01.13
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51C型団地住棟の模型化、今回やっと箱になりました。屋根パーツと階段室の仕切りパーツを作成し、箱状に組み立てました。屋根が付いたことで屋上の雰囲気が出ます。また、室内が暗くなることで窓が強調されるようになりました。実物も窓は外から見ると結構暗いので、リアルになりました。南面を取り外して構造を見る。屋上パーツは妻板の裏打ちと階段室から延びた仕切りの壁の上に乗っているだけです。屋根パーツの切り欠きに階段室の屋上部分がピッタリはまるはずでしたが、組み立て途中に、壁の接合部の紙の厚みが影響して、寸法が狂い隙間ができてしまいました。壁の接合方法変更で狂いが出ても全体の寸法に影響が出ないように改良したいです。隙間はあとでパテで埋める予定ですが、スチレンボードを侵さないか心配なところ。階段室の壁パーツ(細長い部品)が仕切り板の間にはまります。実物ではここにトイレの小窓があるのですが今回は省略。余裕があったら作りたいです。やっと箱になったので、せっかくなのでちょっとした情景を再現してみます。かつて新宿にあった都営角筈アパートのイメージ。都営アパートの前を都営バスが走っていました。実際の角筈アパートは49C型だったので、この51C型より幅方向に間取りが狭く細部も異なるのですが、雰囲気は似ていると思います。今回はここまで、次回は塗装に移ります。
2008.01.08
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51C型団地の図面をネット上で見つけた。ネット上で入手可能な51C型集合住宅住棟の資料のなかで、今の所一番詳しいものだと思う。建築設計計画研究拾遺著 者:吉武泰水発行者:吉武泰水発行日:2005年11月12日ここに、きわめて詳しい51C型の立面図がある。平面図は色々な所に掲載されているが、立面図は珍しい。なので、51C型を模型化する際は「五一C白書」という本を参考にしていたのだが、図面が小さく寸法が不明であった。改めて51Cの立面図を見て、驚いた。階の高さが2600ミリではないか!模型の図面、2400ミリ相当で描いてしまいました・・・現在製作中の団地模型、高さがちょっと低い。
2007.12.27
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団地模型、今回は出窓の表現。51C型をはじめとする昭和20年代の公営住宅に欠かせないのが出窓。出窓と言っても、装飾的でオシャレなものではなく、ただ単に窓が外側に出っ張っている構造のもの。そのような出窓が、特に昭和20年代の団地住棟には多い。51C型の場合、実施図面にもよるが、窓部分は外壁からだいたい30センチは出っ張っている。壁の厚みも考慮した場合、室内から窓の開口部まで約45センチも外側に出ている事になる。このスペース、12坪の室内から考えるとかなり広い。窓の下部分に奥行き40センチ強の棚が作り付けられているようなもので、狭い居住空間の中では有効に使われたのではないかと推測する。51CS型(南階段室型)の南面。色々なものが出っ張っている。これらの出っ張りが、模型化の際のハイライトになる。そして、この出窓は昭和30年代の東京都公社住宅で特に見られるようになるのだが、逆に、公団住宅ではあまり見られない。事業者によって好まれたり好まれなかったりした感じのある出窓、模型化の際は、この昭和20年代の特徴である出窓を是非表現したいのだが、逆にこれが模型化の時のネックな部分でもある。つまり、かなりめんどくさい・・・今回の出窓の表現方法を以下紹介する。出窓の寸法に合わせてスチレンボードを短冊状に切り出し、折り曲げて接着する方法を取りました。まず、短冊状に切り出す前に折り曲げる部分にカッターで切り込みを入れ、さらに折り曲げたときに板が重なる部分を避ける為に板の厚み(1ミリ)分、外側に切り込みを入れます(一番上)。この時、スチレンボードを完全に切断しないように、紙1枚分残すように切り込みを入れましょう。その後、短冊状に切り出したスチレンボード(上から2番目)の切り込み部分のスチレンボードを、紙1枚残して取り去り切り欠きを作ります(上から3番目)。これをコの字型に折り曲げて(一番下)、窓部分に接着します。施行した窓の拡大。短冊の幅が2ミリなので、実物で30センチ。隣のキッチンの窓の出っ張りが1ミリ(実物で15センチ)なので、並んだ出窓に変化が付きます。南面を半分施行した状態。雰囲気が出ています。階段室側の北面の窓も同一寸法で施行します。特にこちら側は周りに何も無いのできれいに並んでいないと目立ちます。実際によく見るアングルです。下から見上げると、ヒサシの寸法がそろっていない事が良くわかります。その他、今回は屋根板を取り付けたときの位置決めの為に、妻板の内側にちょっと低めの板を裏打ちしました。この裏板の上端に屋根板がはまるようになります。ちょっとスターハウス風に・・・いずれはスターハウスも作ってみたいのですが、この51C型が完成してから考えます。今回はここまで、続きはまた今度。
2007.12.25
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団地模型化計画、今回は南面のキッチンの出窓の表現。51C型住棟では、バルコニーに面しているキッチンの窓が出窓になっている。これは、台所に大型のシンクを採用したため、窓の下のシンクの部分まで出っ張っている。実寸にして15センチ、1/150に換算すると1ミリ。なので、1ミリのスチレンボードを切り出して表現する事にする。実物の断面が偶然撮影できました。川崎市営古市場アパートにて。バルコニーへの扉の手前に、台所の出窓がわずかに残っています。実物でも壁一枚分出ています。余談ですが、東大吉武研究室でこの51C型の原設計が提案された当時はこの出窓はなかったのですが、設計事務所が実施図面を作成するときに付け加えられたとの事で、この為にバルコニーが狭くなり、設計思想から乖離したという話があるようです。実際の模型では、スチレンボードをこのように切り出します。最初に窓の中を切り抜いてから、窓がつながった状態で外周を切り、最後にバラバラにします。このような繊細なパーツは、組み付け直前に切り離すことで破損する危険性も少なくなります。接着後。なかなか様になっていると思いますが、バルコニーの手すりが付くと、この出窓は無くてもあまり目立たないんですよね。なお、隣の大窓の出窓は未施行。こちらは実寸にして30センチ、1/150換算で2ミリの出窓なので、スチレンボードをそのまま貼付ける訳にはいかないようです。今回はここまで、続きはまた今度。
2007.12.21
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51C型団地の模型化、今回は北面の工作の続き。北面の階段室側の工作を進めている。窓にヒサシを付けた。大きい窓は出窓風で、ヒサシ付き。今回は出窓は未施行で、ヒサシのみ。ちなみに小さい窓のスペースは実物では物置になっている。建設当時は電気冷蔵庫などなかった時代、買ってきた野菜をこの倉庫に保管していたようだ。実際のスケールがどのくらいの大きさになるのかを確かめるため、隣にバスを置いてみた。こちらの縮尺も1/150スケール。バスの高さと、1階の窓のヒサシの高さがほぼ同じで、意外と低い。同じパーツを使って階段室が一つしかない住棟も作成できる。4階建て8世帯の住棟。どこかポイントハウスのような雰囲気で、団地内に一つは欲しい。ちなみにこのような住棟が実在するかどうかは未確認。前回、階段室部分の高さを間違って作ってしまったので、階段室部分のみ図面を修正して新たに作り直した。右側が修正後、左側が間違った寸法で作成した階段室。踊り場の窓は階と階の間にあるのが正しい。今回はここまで、続きはまた今度。
2007.12.07
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団地の模型化、いよいよ組み立てである。スチレンボード製の工作物の組み立ては、「スチのり」を使用する事が推奨されている。これは、スチレンボードが紙と発泡スチロールの複合材料のため、どちらにも影響する事なく接着できる接着剤を専用で作ったという事だと思う。しかし、スチのり以外では本当にだめなのか、検討してみる。まず、どうしてもダメな接着剤は、プラモデル用。これはプラスチックを溶かしてくっつける方法で接着するため、プラモデルによく使われているスチロール樹脂等の硬質プラスチックであれば問題がないのだが、発泡タイプのスチロール樹脂では、発泡セルの間に接着剤がしみ込んで溶かし続けてしまうため、使用できない。同じ理由で、溶剤の入ったゴム系接着剤も使用は控えた方が良い。スチレンボードは、発泡スチロールより紙の部分を接着すると考えた方が良さそうだ。そこで、今回選んだのがこれ。模型の手前に見えるのがおなじみの木工用接着剤。今回、これを使用した。鉄道模型の世界では、ペーパー製の模型工作も古くからある模型技法の一つだ。そして、この技法では木工用接着剤を使用する事が良く知られている。また、この木工用接着剤は、主成分が酢酸ビニルエマルション、有機溶剤を使用しないタイプで、発泡スチロール部分にも影響は与えないと判断。エマルションタイプの接着剤には低温時の接着性を良くする為に可塑剤が添加されているものがあり、この可塑剤が発泡スチロールを侵す恐れもあったが、今回使用した部分では、トラブルは発生しなかった。そして、最近のペーパー製鉄道模型技法でよく使われるもう一つの接着剤・・・こちらもおなじみの瞬間接着剤。木工用。ペーパー製の鉄道模型では、紙に瞬間接着剤をしみ込ませて強度を保つ技法が最近知られてきた。特に、屋根まで紙で作るペーパールーフ構造の車両の場合、屋根のカーブの裏側にカッターで筋を入れて曲げた後に、瞬間接着剤をしみ込ませると、筋から接着剤が良くしみ込んで強度が出るのだそうだ。私も、1/80スケールのバスを自作したときにこの技法を使った。材料は異なるが、同じように樹脂を繊維にしみ込ませて強度を出したプラスチックが、FRPと呼ばれる強化プラスチック。こちらはガラス繊維を樹脂で含浸したものだ。そして、今回の団地ではこの瞬間接着剤は隙間を埋めるパテの役割も期待した。普通のプラモデル用のパテを使うと、発泡スチロール部分を侵してしまう可能性があるため、使用できないと判断したから。上から見た構造。まだ途中だが、だんだん形が見えてきた。床板を作って治具にすると、直角が正確に出せそうだ。階段室側から。こちらの面は、まだ壁ができていないので、こんな状態。まるで取り壊し中の団地住棟のようだ。・・・ここで、階段室の窓の位置がおかしい事に気づいた。踊り場は階と階の間に来るはずなのだが、かなり高い位置にある。急遽、階段室の壁の部分の図面を引き直す事に・・・つづく。
2007.12.06
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団地の模型化、エクステリアの構成と仮組み。スチレンボードから切り出した各パーツを実際に仮組みし、構成の検討をする。図面通りに切り出せていれば、仮組みでもかっちりと組み上がるはず。まずは南面のバルコニー側。南面のパーツは、まず窓等を切り抜いた南面の壁に、ダストシュート、そしてバルコニーの床面、このパーツは下の階の窓のヒサシも兼ねている所が51C型の特徴でもある。片側だけ仮組みしてパーツ構成の確認。なお、窓のヒサシ部分は、あらかじめ壁側の窓の開口部を上に広げて、ヒサシをはめ込む構造にしている。このような構造にすれば、ヒサシの高さが開口部の寸法で決まり、組み立て精度が向上する。妻板は単に長方形に切り出したスチレンボードに、接合部ののりしろとして表面の紙1枚を残して削った部分を作っている。角の接合部分は基本的にこの構造をとっている。続いて北面と階段室の構成。右から北面の壁(一部)、階段室の側面右側、階段室の窓、階段室の側面左側。階段室の側面パーツは、補強材も兼ねているため南面まで伸びている。この階段室の側面に、北面の壁が組み合わされる為のスリットをあらかじめ開けておき、北面の壁が位置決めしやすくしている。組み立てるとこんな感じになる。これを先ほどの南面と組み合わせると、階段室側面パーツが南面と当たった位置で建物の厚みが決まる仕組みになっている。立体化するといよいよ模型を作っている感じが出てきて、やる気が起こる。今回はここまで。
2007.12.02
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団地の模型化、今回は図面と材料について。団地の模型を自作するにあたり、設計図を引き、実際に着手してみる。プロトタイプは1951年度に設計され、公営住宅に採用された51C型。作成した図面をPDFで置いておきます。必要な方はこちら ↓「http://www.geocities.jp/mishizawamain/51CN2.pdf」この図面は、間取り図等を参考に1/150で模型化しやすい寸法にアレンジしている。いや、ただ単にわからない部分は想像で作ったため、実物とは異なる場合があるため。この図面を作って気づいた事・・・たいていの建築模型が縮尺1/100や1/200等、キリのよい縮尺なのは、寸法を端数なしで作れるから。例えば1/150で1mは、6.66666・・・mmになってしまう。これが、1/100や1/200では、10mmや5mmで作れるので、やりやすい。今回は、1/150の縮尺でなるべく1mm単位で管理できるようにアレンジしてある。そうすることで、ごまんとある鉄道模型用アクセサリーを流用できるだけでなく、作成中のジオラマレイアウトに組み込む事ができる。いや、主目的は後者。さて、図面を印刷したら、これを1mm厚のスチレンボードに貼付け、カッターで窓を抜いてゆく。図面の貼付けは、貼って剥がせるスティックのりを使用する。切り抜き後は図面部分を剥がす。スチレンボードは発泡タイプのスチロール樹脂の板の両面を紙で挟んだ構造なので、加工が簡単。1mm厚は実寸に直すと15cmとなるので、15cmのコンクリート板で団地の建物を組み立ててゆくイメージ。本当はこのタイプの団地の窓は出窓なのだが、今はそんな事を考える前に実際に形になるのかを検証している。その他、この先、階段室の内部の階段の表現や、繊細なバルコニーの手すり、窓枠の表現等、細かい問題が山積みなのだが、これは後で考える事にする。続きはまた今度。
2007.11.28
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前々から書いていた、団地住棟の模型化について、進めたいと思っている。現在、団地を趣味にしている人口はまだまだ少ない。そのためか、鉄道模型ストラクチャとしての模型を含めて、既製品で団地を模型化したものは私の知る限りでは一つしかない。グリーンマックスから発売されている公団住宅キット。プラスチック製、未塗装で未組み立て。いわゆるプラモデルで、鉄道模型用ストラクチャとしても唯一のものだろう。縮尺は1/150。この団地模型の存在は10年以上前からわかっていたし、実際に組み立てたこともある(たぶん実家にある)。ただ、団地マニア界がディープになっている昨今、このモデルでは納得がいかない部分も出てきた。そこで、自作を試みようと思う。模型化対象のプロトタイプは、以下紹介する51C型。昭和26年(1951年)に設計された公営住宅の標準設計51C型(推定)。51C型はダイニングキッチンの提唱等、戦後日本人の生活スタイルに大きな影響を与えたエポックメイキングな設計ということで、現在でも色々な資料が手に入る。少し専門的になるが、「五一C白書」という本に、この設計の詳細が書かれているので、興味のある方にはおすすめしたい。写真は愛知県名古屋市に現存する県営仲道住宅。51C型の知名度は上がっているが、当然ながら実際の住棟は減っており、現存数は数えるくらい。51C型の平面図は間取りとして色々な所で見かけるが、立面図はほとんど手に入らない。模型化する意味もあり、より模型的な寸法にする為、図面を引き直した。まだバルコニー面しかできていないが、順次作成予定。図面はCADソフト「ドラフティングCAD」を使用。模型図面の作成では、単純に線が引けて、寸法線と実寸が表示されるだけのCADで充分。さて、まだまだ2次元の段階だが、完成を見るのはいつの日か。続きはまた今度。
2007.11.23
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