実家の台所にお歳暮で届いたという自然薯があったので、今夜は私が個人的に一番美味いんじゃないかと思っている汁物を作ってみました。何でもいいので、手に入る新鮮な美味い魚を用意。今回は、鯖。別に、鯵でも鰯でも鮪でも鯛でも、何でも構いません。鯖を三枚におろして、皮を剥き、包丁で叩いてミンチ状にします。これをすり鉢に入れ、これでもかというくらいよく擂ります。この擂り具合が出来上がりを左右するので、決して手を抜いてはいけません。
鯖とは別に、自然薯をおろし金で擂りおろします。暇があれば、無論すり鉢ですったほうが良いに決まっているんですが、そこまでやってしまうと大変なので、省略。皮は、よっぽどの所はそぎ落としますが、あとはタワシで軽く洗うくらいでオッケー。ちなみに私は“無い物は無い・あるもので済ませよう”というのをモットーにしていますが、今回だけは、大和芋や長芋で代用する事は出来ません。あくまでも自然薯の粘りの強さが必要で、これらの代用芋は粘度が低過ぎます。
おろした自然薯を、少しずつ(これが超ポイント)鯖ミンチの入ったすり鉢に注ぎ、スリコギで擂りながら混ぜていきます。量は、大体自然薯が魚の三倍くらい。途中でほんの少し塩を振って下味をつけておきます。鍋に澄まし汁を作成。今回はせっかくなので、鯖の中骨をスプーンでこそげてなるべく純粋な骨のみにし、軽く炙ったものをダシにしました。醤油はあくまで香り付け程度。味は塩で決めます。酒も入れ過ぎると邪魔になるので、少なめ。魚の臭みを消そう、などと考えるとえてして入れすぎるので、酒によって味わいを深める方向で。
この澄まし汁をゆっくりと煮立て、そこに鯖・自然薯を擂りあわせたものを少しずつ注ぎます。注いだものが、表面を覆うようにして広がり、柔らかく固まったら成功。他に具は要りませんが、気が向いたら色付けに葱くらいはいいかも。これが、美味いんですよ。私、これ以上美味い汁物は無いと思います。ふんわりした自然薯とその中の魚の風味。作るのはかなり面倒臭しですし、自然薯も高価なので、そうそう作るわけにもいきませんが、とにかく美味い。自然薯をただ擂って醤油と一緒にご飯にかけるのも美味いですが、それよりも数段上の味わいを楽しめます。正月早々、これはオススメです。あんまり作れないんですけどね。