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2008/01/07
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カテゴリ: ケア



飲むと疲れた体にじんわりしみこんで心までがほっと温まるような気がする。
不思議なコーヒー。
魔法のコーヒー。

今日も夜勤明けにコーヒーを淹れてもらった。
慣れた手つきでコーヒー豆をドリップし、芳醇な香りが部屋の中に広がっていく。
「ありがとうございます!」
嬉しくてニコッと笑った私に彼女も微笑んだ。
「いい言葉よねぇ。昔ねぇ、私、それについて考えたことがあってねぇ。」

「昔ねぇ、重症のおばあさんを看ていたことがあったの。手足が冷たくて紫色に変色して今にも亡くなりそうな状態の人だったんよ。触ると氷のような足をしていたから何とかあっためてあげたくてねぇ、温かいタオルで暖めながら必死でマッサージしていたのよ。あったかくなぁれってね。」
彼女は私の前に座るとコーヒーを一口飲んで話を続けた。
「する突然苦しい息をしているおばあさんがね、力を振り絞るように『(あり)・・がとぅ』ってお礼を言ったのよ。私はびっくりして一瞬手が止まってしまったのだけど、紛れもなく『ありがとう』ってね、そう言ってくれたのよ。」
私はうんうんと頷いた。
彼女は優しい目をして言った。
「死ぬか生きるかの瀬戸際で、他人に感謝する言葉を言えるおばあさんって凄いなぁと思ったの。しんどくてそれどころじゃないじゃない?でもそのおばあさんは言ったの・・『ありがとう』って。果たして自分が同じ立場に立たされた時に同じようなに感謝の言葉を口に出せるだろうかと思うのよね。」
彼女ははにかむ様に笑うと「コーヒーのお代わりはいかが?」と訊いた。
私は二杯目のコーヒーを注いでもらいながら彼女の顔を見入った。
彼女は凛として美しい表情をしていた。
「私がこうして生きているのってね、きっと神様が『死んでいく時全てにちゃんと感謝できるよう勉強しなさいよ』って機会を与えてくれているからだと思うのよねぇ。まだまだ素直に感謝できない部分って私にはあるからねぇ・・もっと頑張って勉強しなさいよって、そういわれているのかもしれないね。」

彼女のコーヒーにはほんの少しだけお砂糖が入っている。

彼女の淹れてくれるコーヒーには彼女の人生が詰まっている。
優しく微笑む彼女と淹れてくれたコーヒーの香りとが私の中で重なって見える。









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Last updated  2008/01/07 11:27:49 AM
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