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神坂俊一郎

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Apr 12, 2026
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カテゴリ: 超常現象




私、神坂美奈子67歳、夫神坂俊一郎69歳が、不思議なことなのですが、夫は、私と婚約する前に、京大の同窓生である、摩耶美紀子さんと付き合っていたのです。
とは言っても、彼、美紀子さんと、セックスは愚か、キスさえしていなかったのです。
でも、正直な話、山形の田舎の高卒娘の私が、大阪の京大卒の彼と、簡単に結婚できてしまったのは、本当に不思議なのです。
彼は、IQ143の知能だけでなく、驚異的な運動能力も持っていて、京大イコール眼鏡をかけて近眼のイメージをあっさり否定する、視力表では判定できないほどの視力までもっているのです。
そして、当時の私は、座敷童の異名を取ったことでわかるように、おかっぱ頭で頬の赤い小柄な田舎娘だったのですが、彼は、私が、結婚相手に対して抱いていた理想の条件である、私よりも頭がよい。生活が堅実。私より大きい。性格も悪くない。見栄えもそんなに悪くない。学歴や出身で差別しない。の全てを満たしたのです。
理想の男でしたし、普通なら、全く相手にしてもらえなくても不思議は無かったのですが、信じられないことに、彼は、初めて会った時から、私を見ていてくれたのです。しかも、私のことを、未来の妻として気にかけてくれていることまで匂わせてくれたのです。
結婚してから教えてくれたのですが、夫は、付き合う半年以上前に、東京の会社の入社式の後のあいさつ回りで、私の顔を見て、一目で未来の妻だと確信したのです。
そのため、当時交際していた摩耶美紀子さんとの関係を、如何にうまく収拾するかを考えたそうです。
幸いと言ってよいのか、彼は、今まで深い関係になったのは私だけで、美紀子さんとも、キスしたことさえありませんでしたから、振ったとは言わないまでも、可成り一方的に別れることになったのですが、何とか二股かけずに私との交際に移行させることができたのです。
でも、その前に、無謀な私は、彼が、座敷童からアニーに変身した時も、会社内で、彼一人だけが一目で見破ってくれたし、何故か私だけを見てくれていることだけは確信できたので、単刀直入に、「私のことを、気にかけてくださるなら、結婚前提の交際をお願いします。それでなければ、すっぱり別れてください。」と要求したのです。
今思えば、冷や汗ではなく赤面ものなのですが、信じられないことに、彼は、私の要求を、あっさり受け入れてくれたのです。
つまり、結婚前提の交際を、快く受け入れてくれたのです。
本当に、信じられなかったと言うのが実感で、当時同居していた姉に、「本当かしら。」と何度も確認してしまいました。
客商売をしていた姉は、職業柄人を見抜きますから、まず、こう言いました。
「私に紹介しなさい。彼の愛情が偽物なら、何かと理由を着けて嫌がるか、先延ばししようとするわ。本物なら、喜んで会ってくれると思うから。」
すると、まだ2回目のデートだったのに、彼は快諾して2日後に姉と会ってくれたのです。
姉は、私が緊張に耐え切れずトイレに駆け込んだ5分ぐらいの間、二人だけで話した後、私にこう言いました。
「あんたと同じで、下手したら高校生に見えそうなぐらい若いけど、中身は、物凄いじいさんよ。私が見た中でも、最高に信頼できる人だから、絶対に逃がさないようにしなさい。」
確かに、中身は物凄い爺さんでしたが、最高に信頼できる人でもありました。
ただ彼には、他人には理解しがたい特徴があったのです。
彼は、サヴァン症候群という変わった病気だったのです。
病気と言っても、感染するものではなく、精神医学的には、自閉スペクトラム障害の一種と分類されているのですが、自閉症的な症状を示すことがある反面、別名天才病と言われるほど、一部の能力に非凡な才能を発揮するものなのです。
事実彼は、京大卒ですから、天才ですが、それで何も問題が無かったかと言われれば、大間違いでした。
まず、確かに天才で、何かを考えさせると、瞬時に正しい答えを導き出すのですが、その際、思考のプロセスが存在しないのです。
何か質問すると、答えだけだ返って来ます。
何が悪いと言えそうですが、本人も、改めて聞かなければ、答えに至るプロセスを答えることができないのです。
そして、全ての過程に、普通の人間なら影響するであろう、個人の感情も、全く反映されないのです。
つまり、彼の思考プロセスには、途中と人間的な感情が存在しないのです。

また、彼の喜怒哀楽は、と言うと、単純な理屈なのです。
喜怒哀楽を、理屈でしか割り切れない人間が居ることが、まず驚きでしたが、その上彼は、その喜怒哀楽を、小学校1年生の担任だったベテラン女教諭に逐一教えてもらったのです。
つまり、それまでは、全く感情の無い人間だったわけで、喜怒哀楽の概念を、先生に教わって理解した後も、彼自身の感情は、無いままだったのです。
だから、めでたく彼と結婚できた後、学歴、家柄、財産、その他で、壮絶な嫁いびりに会った私が、義母に腹を立てて、浮気をしてでも、逃げたいと考えた時でも、彼は全く感情を示さず、自分ではなく、子供たちと私のために、全く離婚を考えなかったのです。
今思えば、冷や汗ものですし、子供たちの内、何と一人だけ、テレパス能力で私の浮気を見抜いた、当時まだ6歳だった次女の友美は、6年後になって、父親に聞きました。
「お父さん、6年前、何故お母さんを許したの。」
すると、彼は、こう答えたそうです。
「父が許さなかったら、お母さんも、その相手も、お前も、命が危なかったからだ。人の命が失われることは、私の誇りにかけて、絶対に許せなかった。それだけだ。」
友美は、その一言だけで理解したのですから、怖い娘です。
それでも、そんな彼が、何故美紀子さんと結婚しなかったのか、何故、私を選んだのか、大きな謎です。
普通に考えて、いや、損得勘定だけを考えても、私は、能力面でも、財産面でも、摩耶美紀子さんには、絶対かなわなかったのです。
腹の立つことに、美紀子さんは、夫にはとても優しい女性であり、同年配では唯一彼女に普通に接してくれた彼に、恋もし、ご両親も、娘と結婚してやっていけそうなのは、彼しかいないのでは、と考えたほど、彼に好意的だったのですから、果たして私を選ぶべき理由が、一つでもあったのか、本当に疑問だったのです。
夫を問いただすと、いくつかの答えが返って来ました。
「そうだな。まず、美紀子さんと結婚したら、彼女の生活レベルを維持することが難しかった。」
流石俊一郎、感情無視の答えです。
「他にも、理由はあったのでしょう。」
「東京と大阪のシンデレラ・エクスプレスの恋愛も、厳しかった。」
確かに、それもありました。
結局、大学卒業後の二人の遠距離恋愛のデートは、3回で終わってしまったのですから、彼は、いや、二人は、距離に負けたことにもなりました。
片や私は、部署こそ違え、社内恋愛、住処は私は葛飾、彼は横浜でしたから、彼が異常に心配して、デートの度に、2時間半遠回りしてまで家まで送ってくれても、それだけで済みました。
「でも、もっと大きな問題があったのでしょう。」
2時間半を平気で送り届け、終電が無くなったら、京浜東北の鶴見駅から6キロ歩いて独身寮に帰った俊一郎ですから、それだけとは思えません。
「最大の問題は、母高子だった。」
義母高子は、私のことを、学歴も家柄も無い高卒の田舎娘と散々蔑み、京大卒の名家の令嬢美紀子さんには好意的だったのですから、学歴と出身の問題は明らかでしたが、そんな単純な問題だっただけとは思えません。
事実彼は、母高子が、私を嫌っていくら結婚に反対しても、強硬に押し切ったのですから、本当に美紀子さんが良かったら、私の両親に土下座してでも、結婚したはずなのです。
つまり、美紀子さんと高子婆さんとの間には、何か決定的な不安要素があったのです。
「高子婆さんが絡むとして、私なら良くて、美紀子さんは駄目だった理由はなあに。」
「いやあ、これは、単純な理屈じゃないんだよ。僕の幻視でも、美紀子さんの超越頭脳による、量子コンピューターにも不可能だと思われる、力技の未来シミュレーションでも、当時二人が結婚したら、大凶も大凶、3年で彼女が死ぬと出たんだよ。我が家の霊感男、長男宏和も、不吉だったんだね。と表現したが、彼も同じ結果を予測した。」
それぞれ違う3人の予測が一致したのは、興味深いことです。
「なんで、そうなったの。」
「摩耶美紀子さんって、教養豊かな淑女のイメージがあるかもしれないが、現実は、違ったんだ。」
確かに、話だけ聞くと、そのイメージでしたから、聞き返しました。
「えっ、教養豊かな淑女じゃなかったの。」
「恐らく、家族以外でそれがわかったのは、僕だけだったのかもしれないが、彼女、滅茶苦茶過激、かつ子供っぽいところがあったんだ。」
私も、それはわかりませんでした。
「彼女の母親、娘が死んだ時、最後に、僕にこぼしたんだよ。「子供も生まれたから、もう少し大人になってくれると思ったのですが。」と。」
「つまり、大人じゃなかったし、過激だったってことなの。」
「そう。周囲の大人と言うか、周囲に居た人間たちも悪いのだが、仕事もできる、金も一番稼いでいた彼女に、主婦役を強要したんだ。」
「何やら、頭の余り良くない私が考えても、合理的じゃないことを強要しようとしたわけね。」
夫なら、絶対そんなことは考えないなと思いながら、私が答えると、夫はうなずきながら、否定しました。
「美奈子は、頭がいいよ。」
「そうかしら。あなたや美紀子さんの話を聞いていると、無茶苦茶頭がいいと思ったんだけど。」
「いや、頭がいい人が、現実に適合するとは限らない。彼女は、好例だった。」
「何してん。」
「過激な美紀子さん、自分は、伊東家のために、夫よりもお金を稼いだし、子供を二人産んであげたし、家事育児もこなしてあげた。それなのに、妻は家で子供の面倒を見るもので、仕事に没頭するものではないと、義父母と親戚一同に避難されるや、頭にきて、夫と子供を放り出して、フランスに出奔してしまったんだ。しかも、2年間帰って来なかった。」
確かに、過激です。
「それで、結局3人が予知した美紀子さんの過激な行動は、何だったの。」
当事者二人が、結婚を諦めたぐらいですから、大変なことだったはずです。
「彼女は、私ほどではないが、直感的に将来を予測し、判断する。彼女は、私と結婚したら、即座に、我が家の癌は高子であることを知る。その結果、過激な行動に出る。」
過激なら、私にはできなかったが、高子婆を追い出すでしょう。
「高子婆を追い出すところだけど、それでは済まなかったってことよね。」
「そう。僕のために、高子婆を殺して、自殺する未来だった。」
何も、殺して自殺することまでする意味はないはずです。
「何も、そこまでしなくても。」
「だから、彼女は、これが絶対の正解だと思えば、過激に行動する。彼女の母が嘆いたように、そこは子供のままだったんだ。」
本当に彼女と結婚したかったら、何とかできたはずの夫が、しなかった理由がようやく理解できました。
「ようやく、あなたが、美紀子さんでなく私を選んだ理由がわかったわ。」
「そして、お互い無事に生き抜くことができる未来は、今のこの運命しかなかったのだ。結果的に、彼女を犠牲にしてしまったが、3年を20年に伸ばすことができたと考えるしかなかったわけだ。」
彼の幻視した最善の策はそうだったことになりますが、もう一つの選択肢があったかもしれないことを、私は気付いていました。
「もう一つ方法があったのではないかしら。」
私が指摘したら、彼は、とぼけました。
「いや、美奈子も生きている運命は、これだけだった。」
私は、彼が白状したので、思わず笑ってしまいました。
「つまり、私が死んで、彼女が生きている運命はあったわけね。」
彼は、私を気遣ったのだろう、こう答えた。
「美紀子さんは26年前に亡くなった。今更その可能性を聞きたいか。」
彼が話さなかったと言うことは、それなりの理由があるはずですが、夫にとって、魂の双子と言う不思議な縁だった美紀子さんですから、是非とも聞いてみたいと思って頼みました。
「未来は変わらないけど、参考までに教えてくれる。」
「そうだな。今更美奈子が非行に走ることは無さそうだから、教えるか。」
非行と言われると、私も胸の痛い過去がありますが、頼みました。
「お願いします。」
「34年前の事件の時、僕が美奈子の命を助けたら、神様が意外そうな反応を示したんだ。」
34年前と言うと、浮気相手の子供を流産して、死にかけた時です。
「ああ、そうだったんだ。あの時、私を助けなければ、あなたが美紀子さんと結ばれて、彼女が死なない運命もあったってことね。何故、助けたの。」
実は、心が読めるため、母親が浮気していることを知っていた次女の友美は、同じ質問をその事件の6年後父にぶつけたことがあったのです。
「28年前に、友美に同じ質問をされた。」
心が読める友美でしたから、私も、彼女にはばれたと思っていましたが、何も言いませんでしたから、ばれなかったのだと今の今まで思っていました。
「答えは。」
「美奈子を助けなければ、いや、助けても、美奈子と離婚していれば、あの猿の手男は、お前と結婚したがっただろう。そして、友美を自分の子供として欲しがっただろう。」
浮気相手を、猿の手男と呼んだので笑ってしまいましたが、事実、その男は、ホラーの「猿の手」のように、友人と自分が横恋慕していたその恋人を、死なせていたのです。
「そうね。確かに、友美を娘にしたいって言ってたわ。」
「何故、そう言ったか、確かめたか。」
「いいえ、3兄妹の一番下で、母親から引き離したら可哀想だと思ったんじゃないかしら。」
私は、そうとしか考えませんでした。
「いや、猿の手男は、自分が甘えることができる年上の妻が欲しかっただけで、甘えるのに邪魔になる、赤ん坊は欲しくなかったんだ。」
言われて、愕然としました。
「そ、そんな。」
「その上、猿の手男は、生活のことを全く考えていなかった。そんな人間が、妻と娘を抱えて上手く行くと思うか。」
「確かに、仕事のできる人じゃなかったから、だめだったでしょうね。その後、他の不倫もばれて、クビになったし。」
その後の夫の言葉は、ホラーでした。
「そう。あいつは、将来のことなんて、ちっとも考えていなかった。一時でも、お前に甘えられれば、それで良かったんだ。」
「その後は。」
「生活がにっちもさっちも行かなくなって、お前と友美を巻き添えに、一家心中でチョン。」
つまり、彼は、そこまで幻視できたから、私を助け、かつ離婚しなかったことになります。
「そうだったんだ。あらためて、感謝するわ。私と友美を助けてくれて、ありがとう。」
すると、夫は笑いました。
「助けたのは、二人じゃない。三人だ。」
浮気相手のことまで、考えたわけです。
「何故、そこまで。」
「友美は、お前の心も、猿の手男の心も読んだから、お前の浮気に関しても。僕がお前と離婚しなかったことに関しても、当時は、何も言わなかった。そして、6年後になって僕に聞いた。「6年前、何故、お母さんを許したの。」と。」
「あなたは、何と答えたの。」
「今の答えだ。ゆるさなければ、三つの命が失われたからだ。そしてこれは、美紀子さんを助けなかったことともつながる。」
「どうつながるの。大天才でないわたしにもわかるように、教えて。」
「犠牲者が3人出るのと、一人で済むのとでは、どちらを選ぶ。」
この選択ができたのは、彼には、個人の感情がないからなのです。
普通の人間なら、私と浮気相手の二人よりも、魂の双子である美紀子さんを選んだでしょうし、友美のことは、幻視者である彼なら、どちらに転んでも、何とか助けたでしょうから。
「あなたは簡単にできる選択でも、普通の人間は、自分を裏切った人間を同等には考えられないものよ。」
「僕には、自分だけの感情はない。だから、正しい選択だけを行う。」
「今更だけど、友美ともども、感謝するわ。」
「情けは人の為ならず。美奈子が生きていたからこそ、僕の平穏な今がある。」
家族皆が生き続けることができた運命は、今につながる一つだけだったのでしょう。
「あなたは、これで良かったのね。」
「美奈子に感謝されずとも、これしかなかったのだ。とりあえず、2035年まで、おとなしくしておいてくれ。」
2035年となると、私は76歳、彼は78歳です。
ああ、自分の寿命は78歳だと、本人が言いましたから、自分が死ぬまで大人しくしていてくれということなのでしょう。
でも、考えてみれば、後9年しかありませんから、のんびり生きることにします。


我が家の黒猫2匹、ヤマトとニコです。






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Last updated  Apr 12, 2026 08:50:05 PM
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神坂俊一郎 @ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ アメーバブログも確認したら全…
神坂俊一郎 @ Re[1]:ヤマトタケル?2(04/19) YOKOさんへ 既に発見されたかも知れません…

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