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ほのぼのエッセイ。飯尾さんのお母さんは、息子とは言え借金申し込みされた時は、時候と家族へのお伺い挨拶を敬語で話さなければ決して受け入れないとの事。飯尾さんのお母さんに対する敬語のやり取りが面白い。さすがお母さん。・・・・・・・・・「お母様、あじさいの咲き乱れる季節、いかがお過ごしでしょうか。ところで、和樹の財布はすっかり寂しくなりまして・・・」といった感じのお金の無心のやりとりにクスっ(笑)・・・・・・・・・・いつも穏やかでハスキーボイスとお顔に似合わないスマートなおしゃれなスタイル(^^)相手に対するウイットした会話が大好きです(^^)毎週BSテレ東日曜日夕方5時45分から放映。楽しみにしています(^^)
2024年10月03日
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孤独な弁護士。人殺しを背負う男。二人は全ての事実と罪を受け入れ、「過去」という「籠」から羽ばたけるのか・・・出だしから引き込まれる。薬丸岳さんは上手いなぁ~。最後の最後がハートフルとなるのがホッとする。
2024年09月03日
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常盤団地で繰り広げられるさまざまな事件を経て、おとなしかった蓮は少しずつ自我が芽生え、いじめられる一方だった2歳上の兄、光平と殴り合えるまでに成長する。男の子なら誰しもが通ってきた小学校低学年の、気ままで残酷で果てのない日常を瑞々しく描く成長小説。(アマゾンあらすじより)・・・・・・・・またサイン貰えました(^^)佐藤厚志さんは、地元書店員でしたが、芥川賞受賞した昨年、退職して作家業に専念。エッセーや作品作り・新聞や雑誌や講演などで忙しい日々と拝見しています(^^)今作品もゆっくり楽しみたいと思います(^^)
2024年08月08日
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突然・・・最愛の友だち「ことり」を亡くしてしまった「くま」。悲しみのあまり、「くま」は、暗く閉め切った部屋に閉じこもる。だが「くま」にも、花咲く時は訪れて…(アマゾンあらすじより)・・・・・・・・・・・・「くま」と「ことり」の絆は、これからもず~っと続くと思っていた・・・ある日、突然亡くなった「ことり」。あまりの悲しみに、「ことり」の美しい箱に入れたまま、「くま」の自分の心へ閉じこもってしまう・・・・・・・・・・・・・・ある日、「ことり」の美しい箱にお墓を納めた時・・・ある相手と出会う・・・・・・・・・・・・・・癒やされる事とは・・・亡くなった相手の想いを抱えながら、「くま」とまた大切な絆が続く・・・・・・・・・・・・・亡くなった相手の事を悲しみを付き添ってくれる存在が、静かに感動しました・・・
2024年08月08日
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またまた再読本。何度読んでも色褪せない。ストーリーよりも文章表現が素晴らしい。お互いの心情と言葉のやりとり、丁寧な情景が、なんとも「いいなぁ…」となる。再読本として大切にしている作品の一つ。
2024年07月10日
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シリーズ5弾目!面白い!その一言!ヤクザ「阿岐本(あきもと)組」会社映画館存続から本社ビル再開発のきな臭い上部を止める阿岐本組。映画は映画館で観る事の醍醐味を語る組長と会社社長。映画には、任侠高倉健シリーズニューシネマパラダイスグリーンブックなど・・・登場人物全員が個性的で魅力的!組長・代貸の日村ほかの組員そして警察の甘糟などなど・・・特に「日村誠司」が光っています。
2024年06月27日
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「新・本所おけら長屋一」新刊発売日に早速読書中!さすが畠山健二先生。祥伝社文庫。万造と松吉の「なんでも屋の万松屋 」始動開始!粋で優しくて明るくて諦めない面々が大好き!金太がいつも爆笑(^o^)
2024年06月14日
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川瀬巴水の表紙に惹かれて購入。・・・・・・・・・・・・・・この本の中の「プールのある家」が大好き。ホームレスの小さい男の子と若い父親。健気な小さい男の子が食中毒で亡くなった…。情けないホームレスの父親の、男の子を亡くした時の心情が切なすぎます…。・・・・・・・・・・・・・・・読後が悲しくて切なくて・・・父親に言いたい事多くあるけど、小さい息子が、「お父さんを責めないで」と言っているような気もするし、その分救ってくれる存在が後に現れます・・・情景描写が素晴らしいと思っています。
2024年04月26日
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「すべての季節に君がいて」数行の物語。挿絵や画像もおしゃれ。恋愛、家族、世界観などなど…。X(旧:ツイッター)やTikTok投稿で話題の本との事。う~ん・・・短い素敵な言葉に多く綴られていますが・・・ワタクシには、響きませんでした・・・お若い人には琴線が触れるんだろうなぁ。・・・・・・・・・・・・・・・・「最後は会ってさよならしよう」沢山の作品の中に「遅咲きの天才」のミュージシャンの頁が、どこかの誰かのように思えた(^^)ちなみに、表紙のイラストの猫は、何の関係性がなかった・・・表紙買いされてしまったか・・・(笑)
2024年04月26日
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幕末そして明治の開け・・・ ・時代が変わろうが、女性が出産する命がけは変わらない。・産婆の結実だが、自身の子宝が出来ず出産の経験がない・・・・どんなに子供が欲しくても結実にはまだ授からない・・・・結実の辛い気持ちを夫の源太郎が広い心で受け止めている・・・・結実が言う・・・「道を迷えば戻ればいい。違う道を探せばいい。そしてまた歩いて行けばいい。」・結実に新しく自分の弟子が登場する。・続編も続く温かくてホロリ優しい物語シリーズ。
2024年03月08日
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恐ろしい呪いの人形!のはずなのに・・・・なんで呪うはずが幸運を与えるなんて・・・。・引きこもり青年の話が特に面白かった。・オカルトハートフルでありました!
2024年03月03日
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金・金・金・・・の人生になってしまった・・・6人の兄弟姉妹で末っ子の捨松。姉2人は、売られてしまった・・・貧しい野作業の暮らしを飛び出した捨松。十数年後の捨松は、今ではいっぱしのお店の主人となっていた。・・・・・・・・・・・・・・・いつも味方してくれていた兄が江戸に会いに来た。捨松の出世を心から喜んでくれた・・・なのに・・・捨松の話す事は金の話ばかり・・・そんな事を聞いたのではない・・・売られてしまった心配と亡くなった姉たちへの想いの言葉一つかけてやれない捨松・・・・・・・・・・・・・・・・・・金をせびると思ったのか「あんちゃんの俺」が・・・あんちゃんの両親は貧しい末にすでに亡くなっていた・・・兄たちの中で捨松を成功した。自分たちが出来なかった事を共にただ喜び、安心したい為に江戸に会いに来たというのに・・・・・・・・・・・・・・・・・・「あんちゃん」は金を一つ受け取らずに田舎へ帰ってしまった・・・・・・・・・・・・・・・・・捨松は、何を失った事かやっと分かった・・・「田舎に帰ろう・・・」兄たちに会いたい・・・女房は離縁していた・・・結局自分に残っていたのは金だけだった・・・店の者たちへ任せ渡そう・・・・・・・・・・・・・・・・兄が助けてくれた想いを恩返ししよう・・・何もかも捨てたはずの田舎・・・今、江戸での暮らしを全て捨て、田舎に帰ろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・表紙の横顔の絵が全てを物語していた。装画はイラストレーターの遠藤拓人さん。素晴らしい内容と装画でした。
2024年02月12日
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「恩送りとは、人から受けた恩をその人に返すんじゃなく別の人に送ること。恩がぐるぐる廻るんだ。」・・・・・・・・・・・・・・・付け火の真相を追ったまま、行方知れずになっている岡っ引きの父・利助を探す娘のおまき。おまきを手助けする材木問屋の息子・亀吉、目の見えない少年・要、そして臨時廻り同心の飯倉。・・・・・・・・・・・・・魅力的な面々。捨て子を育てくれている「おまき」。行方知らず岡っ引きの父親利助を女だてらに代わりに岡っ引きにしてくれと懇願します。描きが上手い「捨吉」。盲目だが鼻が効く「要」。三人は緻密な計画から絵と匂いを嗅ぎ分けるだけではなく、人の気持ちの奥までへも辿り着いて行くのでした・・・・・・・・・・・・・・・・「おまき」「要」の幼子から辛さを人に対する思いやりと善い人とは何かをそれぞれが事件をきっかけに成長させます。捨吉を通して「守ると言う事」を要は自信を受けます。・・・・・・・・・・・・・・人に対する丁寧な情景文章と感情表現が美しく心豊かに感じました。・・・・・・・・・・・・・・・岡っ引き父親の利助「おまき」への言葉・・・「おれはおめぇを命懸けで守るからな」。
2023年12月30日
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亡くなった人は、「月のうらがわ」に行けるの?会えるの?会えたら言いたい事がある・・・「ごめんね」「自分が幸せになっていいの・・・?」・・・・・・・・・・・・・締め付けられる子たちへの想いが、小さな子どもの胸にずっと罪として抱え続けていた物語。・・・・・・・・・・・・周りの子供たちや親たちへの言葉や想いや情景描写が丁寧に綴られています。・・・・・・・・・・・・「亡き人を思い出すこと。亡き人を慈しむこと。それも、わたしたちが亡き人に会いにいくということだ。」・・・・・・・・・・・「月のうらがわ」は遺書ではなく、生きるための物語になるはずだった。」・・・・・・・・・・・まだ2歳の息子の死と自害した妻・・・受け入れ、前向きにならずにいた2年の坂崎・・・その坂崎が長屋暮らしを始めてから多くの人たちに教えてくれた・・・己だけの悲しみではなかった・・・両親で首つる自殺した幼い娘の「おはる」・・・病気で亡くなった幼い姉弟「正太」と「お綾」・・・近所の仲間たちも・・・それぞれが抱えた悲しみと罪を感じていた・・・その幼い子たちの姿を教えてくれた・・・・・・・・・・・・・・・・・・「亡き人と共に生きるには、ここじゃ駄目だ。夜になったら黒々と迫ったくるような山。春には優しく笑い、夏には青葉が滴り落ちるような山。秋は錦をまとい、冬は雪と一緒にしんと眠る山。そんな山が近くになくては駄目だ。山は人々にとって祈りであり、生きる糧でもある。山に人は生かされているんだ。そんな山を仰いで己は生きていきたいと、坂崎の目は語っていた。口には出さずに。でも、切実に願っていた。いつまでも、頭を垂れていたら駄目になんだ。」・・・・・・・・・・・・・・・久しぶりに一ページ一ページ丁寧に読む事が出来ました。物語への心の芯への言葉が美しくて感動しました。
2023年11月10日
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しょっぱなからホロリさせられました。・一人娘がお嫁に行く。・家族3人で暮らしていた。・長年家族でいつも食べる時は、半分コならぬ「三人コ」で暮らしていた。・妻は亡くなり、娘も嫁で去った・・・・娘は写真が写っている部分だけ貰って行く。・夫が急に妻と娘の写真の隙間の多いアルバムを見ながら、「家族ってこんな風に離れるのか・・・」と悲しむ・・・・娘の痕跡もなくなる写真を見て、夫は「これからは、またお前と半分コだ・・・」・「そちらは、変わりはないか?・・・」と言う・・・
2023年10月13日
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乙一さんのエッセイ。・乙一さんの飾らないエッセイが面白い!・小さい頃の事からおっさん系の話題まで、短いエッセイ集となっているので、いつでも気軽に読めます。・この人の文章は上手ですねぇ。・オチも決まっていて、クスっとする箇所が多いです。・オススメのエッセイ集です(^^)
2023年07月08日
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孤独の苦しみと生きて行くって、救いようがないなぁ・・・・コックリさんにのめり込んだばかりに、人間ではなくなり、狐と思しき獣と化して、人に見せられない姿となる青年の夜木・・・・唯一自分を人として扱ってくれた杏子・・・・束の間の人間としての暮らしが、後に杏子と別れる事になっても、夜木に救いと喜びを与えてくれた・・・・杏子と夜木の清らかな心情が美しい文章で描かれています・・・・夜木の悲しい宿命があまりにも切ない物語でした・・・
2023年07月08日
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「ある女のひとを守ってほしい」・沢崎の事務所を訪れた十才の少年は、依頼の言葉と一万円札五枚を残して、雨の街に消えた。・やむなく調査をはじめた沢崎は、やがて思いもかけぬ銀行強盗事件に巻き込まれることに…・私立探偵沢崎の短篇。・日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞受賞。・短編の方が凝縮されて面白いと思いました。・「少年の見た男」が特に面白かった。・10歳の男の子に仕事を以来されるとは・・・・「だまれ小僧」に苦笑。
2023年06月23日
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探偵沢崎シリーズ。・元高校球児とその姉と、姉と付き合っていた「女」と、「女」の家族とのドロドロ系。・いや~探偵家業は面倒くさいなぁ。・関係している家族や知人や、それに関わる人物達が多く、一人一人にも物語があって、それを徹底的に暴いて行くんですが、疲れる~(寝っ転がって読んでて何ですが・・・)・30年程前の探偵さんだから、アナログでジリジリさせられるけど、臨場感ある描写は惹き込まれます。・沢崎のまわりの「いつもの顔ぶれ」のキャラクターが魅力的。・事件解決をしても、いつもすっきりする仕事ではない・・・・いや~疲れる作品だけど、文章表現が好きだから最後まで面白く読めました。
2023年06月16日
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20歳の大学生翔太が、81歳の女性を飲酒運転の上、ひき逃げして逮捕される。・5年弱の服役後からの厳しい物語が始まる・・・・25歳で出所しても、これからの長い人生、どのように償って行くのか・・・・葛藤しながら受け入れ、被害者と自分の家族と恋人へ生涯をかけて償う姿が描かれています。・被害者の夫が90歳で、翔太への復讐とも受け取れる行動を起こします。・しかし、それは復讐ではなくて、内容は違いますが、その時代故の自分も人を殺めてしまった罪を告白します・・・・その罪の苦しさは、幼い子どもを自分のせいで亡くしてしまった事で生涯消えません・・・・90歳の夫の犯した罪とは・・・・90歳の夫の翔太への告白は、間近に迫った人生の終焉間際の切々とした思いで語られます。・薬丸岳さんの文章は、とても読みやすいので、大変シリアスな内容ですが、いっきに読み切りたくなる程の流れの良さですね。
2023年06月11日
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煮売屋の設定がほのぼの。・込み入った料理がなくて親近感。・町内のおかみさん達も気軽に買いに来れる。・人に作ってもらえるお料理は美味しいですよねぇ。・シリーズ物と思います。・これからも楽しみ!
2023年06月06日
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第二次世界大戦下のビルマ。兵站作業遂行の責任者である西隈軍曹が主人公。安穏に暮らすビルマ人は働く事自体が日本人と大きく異なり、戦時下とは思えない安穏で暮らしに行き詰まりがない。・・・・・・・・・・・・・・・悲惨な戦闘描写はなく西隈と地元ビルマ人との人間関係が描かれている。・・・・・・・・・・・・・・・作中に登場する10歳の少年が面白い。西隈の前任者である中津嶋少尉より学んだ日本語が軍隊用語や会話でクスっと笑える。「貴様は誰ダ。俺は貴様など知らんゾ」「どこの馬の骨とも知れヌ兵隊にそんなことヲ言われる筋合いはナイ」などなど・・・強気の発言も人一倍働き者のモンネイ少年と西隈軍曹の交流が一時癒やされます。・・・・・・・・・・・・・・117ページ~120ページの3ページビルマ人の旧態依然の価値観と戦争への危機感への説得の言葉がシビア。・・・・・・・・・・・・・・・・ペスト感染予防接種を地域のビルマ村民に強要するも村の長老が反対する場面。感染源であるネズミを駆除することは生き物を無駄に殺生してはいけないとの宗教的観点から否定する長老に対する雪谷士官の言葉・・・・・・・・・・・・・・・・・「いいか長老、そして取り巻きども、耳の穴をかっぽじってよく聞け。そもそもネズミの生死ごときに君たちが騒げるのは呑気に暮らしてきたからだ。未来の不安に目をつむり、国家の危機から目を背け、そして紙一重の安寧をむさぼってきたからだ。はっきり言う。ビルマ人は怠惰である。・・・・・」・・・・・・・・・・・・・・・・・ここからの怒涛の畳み込みの雪谷士官の言葉が圧巻でした。・・・・・・・・・・・・・・・・・最後、モンネイ少年が尊敬する中津嶋少尉の遺言が・・・「すなわちビルマは滅びぬ。人類はやがてビルマ人の心の持ちようがこの世における理想と気づく。人類がビルマの人々を見習うとき地球からは戦がなくなる・・・」
2023年06月03日
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日々カツカツ暮らしの長屋の住民達の物語。・6つの長屋の面々に起こるお話。・①時の鐘②みそはぎ③青物茹でて、お魚焼いて④嫁が君⑤箕屋町の旦那⑥店立て騒動・特に③の青物茹でて、お魚焼いてが好きです。・錺職人の亭主が浮気しちゃって、家に戻らなくなり離縁の危機・・・・女房の「おとき」が飲み屋で働くようになり、常連のお店勤めの手代に言い寄られ、江戸から上方へ行こうと誘われる・・・・口車に乗せられた「おとき」は、手代のつてで、幼い息子と娘を奉公に出してしまい身軽になります・・・・帰らぬ亭主にも見切りをつけ、邪魔な子供たちもいなくなり、手代と上方へ行く夜明け近くの朝・・・・奉公先から逃げて来た息子「作次」が母親の後を付け、体を張って母親「おとき」を止めます・・・・手代は息子に対して手を上げ罵り、邪険にする姿を見た「おとき」は、手代の下心がはっきり見え、目を覚まします・・・・「おとき」は息子と娘を奉公先からつれ戻し、今まで通りの暮らしをします。・息子は錺職人として亭主の親方に住み込み、亭主はその姿に浮気相手の女と縁を切り、「おとき」に詫びて家に戻る事になります。・「おとき」は今までの当たり前の暮らしに感謝します・・・・亭主の好きな青物茹でて、お魚焼いての暮らしがどんなにか幸せであるか・・・・宇江佐さんの言葉や情景や心情表現が目に見え、心に響くんですよねぇ。・息子「作次」が母親を上方へ行かせないと手代は歯向かう場面が泣けます。・親が子を想う気持ちと、子が親を想う気持ちの深さに、しみじみと感動しました。・これまた大好きな作品です!
2023年06月03日
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8つの短編時代小説・表題の「ほかげ橋夕景」と「泣き笑い」が好きでした。・「泣き笑い」は、絵札、今で言うポケモンカードのような物で盛り上がる子供達のお話。・絵札(カード)欲しさに金持ちの友達から盗んでしまった息子への強いしつけをする父親。・自身の小さい頃と重なり、当時親父に叱咤された事を思い出す・・・・「ほかげ橋夕景」は、若くして女房が亡くなり、以来一人娘とやもめ暮らしをする大工の傳次郎。・嫁に行く事が決まったと同時に、自分の事はさて置き、亭主との暮らしを第一にするべく、わざと娘との距離を作る父親。・男気があり父親としての愛情とプライドとやせ我慢が不器用に描かれています。・ホロリ切ないながらも優しくなれる物語でした。
2023年05月30日
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訳あり母娘が営む一膳飯屋。・息子が刃傷沙汰を起こし、江戸追放の罪が解ける頃のお話。・いつか会える日を願い、江戸にたどり着く時に最初に目につくよう、娘が飯屋を営むんですねぇ。・訳ありな物語は、母娘だけではなく、4つのお話が出てきます。・親子・恋仲・師弟・・・・シリーズ第一弾となり、続く物語も読みたい。・お相撲さん・芸者さん・蘭学医者・認知症の父親・・・・それぞれの家族への想いと今現在を大切にする姿が、母娘の飯屋「しん」を舞台に優しく逞しく描かれています。
2023年05月28日
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今で言う所の塾の先生物語。・お父さんが数学の先生だったんだけど、ある大事な試験の問題用紙を生徒の一人が盗み見したと思い叱責。・生徒は見ていない誤解だと主張。・お互いが噛み合わないうちに、ある晩、生徒に会いに言った父親が帰らず・・・・翌日父親と生徒が溺死しているのが発見される・・・・真相は分からず・・・・で、一家お取り潰しにあって、ほどなく母親が病死・・・・娘は妙春となり尼さんになります。・その尼寺で薫風堂と言う名の寺子屋を営み子供たちと共に成長する物語。・ほのぼの系かなぁと思っていたけど、ある事件勃発で、何やら方向性がイマイチになって行きます・・・・えっ?その人がそんな風になる設定?・という感じの終わり方で、う~ん何か無理やり奇をてらった流れにしようとしている感じで読後感は不満足かなぁ。・説明的文章が多くて情景が思い浮かばなかったなぁ・・・
2023年05月23日
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藤原緋沙子さんの「雪よふれ」が良かった。・きつい姑(しゅうとめ)の意向により、婚家から追い出されて離縁させられた「おつや」。・亡くなった父親の一膳飯屋を幼馴染の「清七」と堅実に営んで暮らしていた。・「おつや」の胸には、心残りである一人息子の幸吉が何年たっても忘れられない・・・・ある日、おつやの友人である「おなか」が店を訪れ、離縁後の悲惨な婚家の様子を聞かされる。・「おつや」は元亭主の長屋を訪れ、あまりに侘びしく悲しい姿の元亭主に驚く。・一人息子幸吉は、姑から母親である「おつや」の悪口ばかり聞かされたので誤解しながら育った。・「おつや」は離縁したとは言え、姑も亡くなった事で、元亭主の世話をする・・・・雪が降った日に、幼い幸吉が「雪うさぎ」を作り、家族三人で微笑ましく楽しんだ日を思い出す「おつや」。・その日また雪が降り出す・・・・あの日のような家族としてやり直せるだろうか・・・・切に願いながら「おつや」が空を見ながら言う・・・・「雪よふれ」・・・
2023年05月20日
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短編時代小説。「鬼子母火」が良かった。・・・・・・・・・・・・・・奉公先の酒問屋で神棚から火が出た。幸いボヤで済んだが、神棚のしめ縄から何故か髪の毛の束が見つかる・・・いったいこれはどういう意味なのか・・・・・・・・・・・・・・・しめ縄に髪の毛を隠したのは、ひと月前に女中として奉公してきたまだ12歳の幼い「お勝」だった・・・なぜ髪の毛をしめ縄に隠したのか・・・それは、お勝が病で亡くなった母親を想う気持ちからだった・・・神棚に祀った行いで供養しようとした・・・・・・・・・・・・・・・奉公に来る前に村で起きた流行り病によりお勝の母親は苦しんだ挙げ句に亡くなった・・・土葬は禁止とされ、母親は燃やされた・・・お勝は、母親が燃やされたら土に還れないと泣き悲しむ・・・祖母や早死にした兄のそばに一緒に眠れないと・・・お勝は、悲しい思いを抱えながら奉公に出る事になった・・・・・・・・・・・・・・・・・それでも母親への想いを残したかったお勝はひっそりと母親の髪の毛を隠し持ち着物の襟に縫い付けて大切にしていた・・・・・・・・・・・・・・・・貧しく食べる事にも事欠く暮らしだったから奉公先の神棚に祀れば日々手を合わせ水も食べ物もあげてもらえる・・・お勝の幼い思いつきが、後にボヤ騒ぎで大事になるところだった・・・・・・・・・・・・・・・・この物語に登場する女中頭の「おとよ」がお勝に愛情深く面倒をみます。お勝への気持ちを込めた一言一言がしみじみ感動します。・・・・・・・・・・・・・・謎が解ける過程がホロリとなりました。静かで優しい物語に感動しました。
2023年05月18日
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題含め8作品のミステリー時代小説・ミステリーと言うか人の心の奥底にある闇や葛藤や欲を描いています・表題の「堪忍箱」が印象に残りました・決して開けてはいけない先祖代々の箱「堪忍箱」を守り続ける菓子問屋「近江屋」・開けてしまったら最後、お店と家族に災いが起こる・・・・その真相とは・・・・末代までこの箱に縛られる事を、自分の手で終いにしようとした孫娘の決断が悲しい・・・
2023年05月17日
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宮部みゆきさん、西條奈加さんが好きで選んで読んだ作品。やっぱり宮部さんの時代小説は良いですねぇ。特に短編が良いです。・・・・・・・・・・・・・・・・宮部みゆき 「迷い鳩」老舗大店の主人がある時から具合が悪くなって寝込むようになる・・・お付きの女中が次々と辞めたり行方不明に・・・・・・・・・・・・・・・・・・岡っ引き六蔵親分と弟の直次、六蔵の女房のおよし。そして今回の謎解きで活躍する六蔵の妹の「お初」。・・・・・・・・・・・・・・・・大店の主人をろうそくに灯した毒で抹殺しようとした下手人の思惑とは・・・決して許せる犯行ではないが、下手人である妻の胸の内が六蔵の女房やお初の女心に切なさを残します・・・・・・・・・・・・・・・・六蔵親分のビシっとした采配と逞しさ。女房のおよしの優しさ。弟直次の俊敏さ。そしてお初の感の鋭さと行動力。4人のキャラクターが目に浮かびわくわくしながら読み進めました。・・・・・・・・・・・・・・宮部さんの謎解きが面白くて何となく結末が分かっていても引き込まれました。面白かったです!
2023年05月06日
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何気ない簡単なレシピなんだけど、簡単だからやり易くて優しい気持ちになる物ばかり。・疲れている時はねぇ…・惣菜やお弁当で済ませたいものです…・だけど少し気持ちを立ち上げて、台所に立って自分が出来る料理をする…・何を作ったら良いか迷った時などにこの本が優しく手引きしてくれる…・可愛いイラスト入りで作り方も丁寧で優しい。・早速ポトフかクリームシチューあたり作ってみようかな。
2023年04月17日
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田舎暮らしの高齢の父親が運転を続けていて、心配なので仕事を辞めて田舎の実家で暮らす息子。・息子と言っても50近くで、田舎での仕事探しは大変。・都会と田舎の違い…・車がないと暮らせない田舎…・息子は学生時代の同級生と再会し、彼女の仕事ぶりが、自分も両親もそして地域にも役に立ち、生き甲斐となる事で決意します。・免許返納はそれぞれの地域や家庭環境で、簡単に勧められない…・今回のお話は、理解ある息子と家族がいればこそ実現しました。・難しい問題だけど、自分が高齢にならなければ気持ちが現実的にならないなぁと思いました。・考えさせられるお話。・作品に登場する高校生の孫が大きなポイントになっていると思いました。・ありがとうお孫君!と感謝の読後感でした。
2023年04月17日
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これで完結になるのかぁ…・と思いたいけど、多分続くのではないかなぁ。・焦らされ続けていた万造とお満の行先が見えて来た。・お互いを想う粋な流れはさすが。・だけど長屋の面々は二人のために、ドンと動きます。・そして万造の男としての行動が、カッコいいです。・これは、このままで完結は残念過ぎるし、少し時間をかけてゆっくりでも良いから続編や番外編をどうか作って下さいませ畠山先生!
2023年04月17日
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ショートショートで本当に数ページの短いお話がいっぱい。・サスペンス物や人情物など色々で飽きない流れ。・印象に残ったお話は、ある殺人事件をきっかけに、その事件の被害者である娘をずっと父親代わりに育てる元刑事。・この娘にはあの殺人事件を目の前にして、どうしても思い出せない記憶があった・・・・父親は娘を残して病死してしまうんだけど、死の間際に娘に話す「嘘」が切なすぎる・・・
2023年04月12日
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「保呂里長屋」の住民たちの物語をそれぞれの作家が人情味たっぷりに描いている18の短いお話。・表紙のミケ猫ちゃんがポイント的に登場して可愛い。・吉森大祐さんの「酒日和」は、どうしようもない甲斐性なしで、女房子供から愛想をつかされた飲んだくれの男と、隣りに住む田舎者で馬鹿にされながら日々弱々しく暮らしている若者とのご縁を呼んだ「どぶろく」のお話。・酒で身をほろぼしていた男が田舎者の若者をお酒で身を立たす行動にホロリしました。・他に、何年も待っていた想い人とやっと会えた途端に、それは自分が撒いた想い人への裏切りとなってしまったという悲しい物語も・・・・幽霊が見える子が解決する人情物や、何故か兄弟姉妹が争うと亡くなった父親の壺が割れて行くという奇妙な流れから父親の思いが伝わる物語などなど・・・・捨て子を大事に育てた子を、見つかった生みの親へ渡さなければならない物語は切なすぎるぜ・・・
2023年04月12日
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幕末の江戸・八丁堀で産婆をする結実の成長を描く、シリーズ第三作!・想い人と結婚したばかりの若き産婆「結実」。・産婆としての成長ぶりもとても初々しく健気で心温かくなります。・祖母の真砂から指導を受ける事は、技術的な事ばかりではない。・祖母真砂の言葉が印象に残りました。・真砂は、赤ん坊がよく泣く理由は、おむつ・空腹・寝たい時・動きたい時・・・・それ以外で、何も理由がないように見えるのに泣き止まなかったりするのはどうしてか・・・・真砂がほかにも理由が二つばかりあるように思うと言う・・・・一つは・・・・「赤ん坊はずっとおっかさんの腹の中にいただろう。・突然、勝手が違うこの世に出てきて、はじめてのことばかりで、怖かったり不安だったりするんじゃないかって・・・・お腹の中じゃ、息を吸ったり、乳を飲んだりしなかっただろう。・陽の光だって見たことがない。・聞いていた音だって、おっかさんの腹の水を通したものばかりだ。・かいだことのない匂いもいっぱいある。・冬の空気は冷たいし、布団の感触だって、赤ん坊が知っているはずがない。・もう一つは・・・・おっかさんも、初めての子育てはこれでいいのかと、不安でいっぱいだったりするだろう。・十月十日おっかさんの腹の中で暮らしてきた赤ん坊は、おっかさんの気鬱を、我が事のように察して、泣いていることだってあるような気がするんだ。・赤ん坊がよく泣くからと、母親が不安になると、ますます泣き止まなくなったりするだろう・・・・でも産婆は、決して母親を責めてはいけないよ。・しっかりしろとか、立派な母親になれとか、偉そうに言ってはいけない。・不安になるのは、赤ん坊のために良いおっかさんになろうとしているからなんだから。・産婦を励まして元気にするのも、産婆の仕事だからね」
2023年01月11日
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新美 南吉 「おじいさんのランプ」https://amzn.asia/d/fSjhfTd天涯孤独の貧しい田舎暮らしの巳之助が港の町で出会ったランプによりランプ売りの商売で成功する。・・・・・・・・・・・・・田舎の村民は灯をともす事がなく巳之助のランプにより生活が豊かになる。・・・・・・・・・・・・いつまでもランプの暮らしが続くはずもなく・・・文明開化の世は巳之助の村にもやって来る・・・・・・・・・・・・・・・電気が村に設置される事により、巳之助は、自分の商売に見切りをつける・・・巳之助の商売品であるランプを湖畔の枝に括りつけ一燈一燈灯し、ランプに分かれを告げる・・・・・・・・・・・・・・・この物語は、巳之助の成功物語ではなく、時代を反映した先行きの柔軟な流れにのった潔い人間性を描いていると思いました。・・・・・・・・・・・・巳之助が商売に見切りをつける為にランプを灯して行く情景描写が大変美しいです。巳之助の苦労と成功と将来への決断を細やかに美しく、そして切なく描いた物語でした・・・
2023年01月09日
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小川 未明 「小さい針の音」 https://amzn.asia/d/0gMnkTQかけがえのない大切な宝物に気づく物語。・・・・・・・・・・・・・・・優秀な青年教師が自分を更に活かす為に田舎の学校から都会へ上京し、努力と運と才能で大出世をして行きます。・・・・・・・・・・・・・・田舎の学校で生徒達が惜別の贈り物を青年教師に渡します。・・・・・・・・・・・・・・生徒たち全員が自分のお小遣いを持ち寄って先生の為に買った懐中時計。生徒たちに惜しまれながら上京する青年教師。・・・・・・・・・・・・・・毎朝起きたら生徒たちから貰った時計のネジ巻きをする青年。一人一人の顔を思い浮かべながらなれない暮らしにも頑張れた・・・・・・・・・・・・・・・・月日が流れ、青年は地位を得る。それなりの身分になった事で生徒たちから貰った懐中時計は手放してしまう・・・・・・・・・・・・・・・・・社会的地位についた青年だったが、いつしか仕事や生き方に虚しさを感じるようになる・・・・・・・・・・・・・・・・・ある日、青年の高価な時計がいつも3分遅れると周りに語ると、ある若き職員は、「自分の時計はいつも正確で一度も狂った事がない」と言い出す。・・・・・・・・・・・・・その時計を見せてもらうと、それは青年が田舎の子供たちから貰った懐中時計だった・・・長い年月、手放して忘れてしまっていたあの懐中時計・・・・・・・・・・・・・・・若き職員に自分の時計とこの懐中時計を交換してくれと頼む・・・しかし、若き職員は大切なこの時計を譲らない・・・若き職員は、なけなしのお金で買ったこの中古の懐中時計は自分にとってとても大切な物であると言う・・・・・・・・・・・・・・青年教師は、その時になって初めて気づく・・・自分が今まで求めていた地位とは・・・自分がやりたかった事とは・・・・・・・・・・・・・・青年教師は、ある時の授業を思い出す・・・「みんなはどんな大人になりたいですか?」ある生徒が大きな声で答える「社会の役に立つ大人になりたいです」と・・・・・・・・・・・・・・青年教師は、ずいぶん歳を取ってから自分の求めていたものをこの懐中時計を贈ってくれた生徒達から学ぶのでした・・・・・・・・・・・・・・・小川未明さんて、女性だと思っていたのですが男性なんですねぇ・・・気持ちが優しくなる物語に感動しました。
2023年01月09日
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①中島要「吉原桜」②廣嶋玲子「桜の森に花惑う」③梶よう子「あじさい」④浮穴みみ「ひとつ涙」⑤諸田玲子「縁の白菊」⑥宮部みゆき「侘助の花」・・・・・・・・・・・・・・四季折々の花々をテーマに物語が描かれた短編集。・・・・・・・・・・・・・・浮穴みみ「ひとつ涙」が良かったなぁ。幼なじみとの気づかなかった想いが実るお話。朝顔の花を育てるのが下手くそな「おまき」。「おまき」を幼い頃から想っていた「丈二」。二人に共通の親しい兄貴分と、兄貴の想い人との恋が実る流れから、二人の想いも近づく。しっかり育てようと丈二がおまきに持って来た朝顔の鉢が二人の幸せな行く末を示していて、読後感がとても爽やかでした。
2022年12月20日
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俳句・短歌・文学の一節・詞・ことば遊び・古文・ことわざ・四字熟語・名セリフ・・・多ジャンル。有名な小説の一節などは懐かしくも覚えておこうと思いました。そんな中、ミュージシャンの歌詞も解説と共に掲載。伊勢正三・米津玄師・常田大希(King Gnu)・藤井風・そして宮本浩次(エレファントカシマシ)の5人が文豪達に挟まって堂々掲載。藤井風さんも米津玄師さんも「元気を出して前に向かおう」の励ます歌。明るくてリズムの良い語感に声に出して読むと言う意味が分かりました。宮本さんの詞は切ない心情を斎藤先生が優しく解説しています。エレファントカシマシ「今宵の月のように」。明るいのは太陽、輝くのは月。真っ暗な夜空と、何もかもうまくいかない自分の心の暗さで、月がまぶしく見えた。あの月のように、いつかかがやけるはずと自分をふるいたたせていると解説。イラストも掲載されていて小学生だけではなく、読書苦手系の人にも端的に短く優しく読めるようになっています。声を出すって大事だなぁと感じました。とてもオススメの本です。
2022年12月07日
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不貞を疑われ、夫に三行半を突き付けられて一人長屋住まいをする「おえん」。三十代の「おえん」が仲人稼業を営み、男女の糸を繋ぎます。離縁してしまいましたが「おえん」には息子が二人います。弟は奉公に行って頑張っていますが、兄の「友松」は幼い頃に行方不明になってしまいます。今回、友松の行方不明の原因が分かり、切ない流れになって行きます。第三弾でも「おえん」の人柄の良さで素敵な仲人として糸を繋ぐ優しい物語が楽しみです。長屋の辰平とおえんの仲もこれからが気になるし楽しみです。
2022年11月08日
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深川佐賀町の稲荷小路に、『足柄屋』という小間物屋を構える与四郎と小里の夫婦。共に助け合う夫婦の仲睦まじさと、周囲の人々の人情で解決される事件を、実力派作家が描く心温まる物語。・・・・・・・・・・・・・・・シリーズ物なのでこれからも色々苦労する事や情緒あるお話しが続く事と思います。よくある物語なので目新しさはないです。主人の与四郎の幼い頃の苦労話から小間物屋の主人になるまでのストーリーをもっと詳しく描いて欲しかった。妻小里の出来すぎな女房像もちょいとつまらないかな・・・夫婦の周りのご縁のある人々も曰く有りげだけど、夫婦の為に動いてくれて人情味を感じますが、これまたちょっと上手く行き過ぎのように感じました。セリフや情景描写も淡々としていて、奥深さが物足りない・・・これにて今作品の購読はなしですかね・・・つまらないと言うより、物足りない感じでした・・・
2022年10月07日
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クラスメイトの持っている美しい西洋絵の具が羨ま しくて衝動的に盗んでしまい、良心の呵責に苛まれ る内気な少年と、若い女性教師の包容力に溢れる姿 を描いた表題作 「一房の葡萄」。・・・・・・・・・・・・・・① 一房の葡萄② 溺れかけた兄妹③ 碁石を呑んだ八っちゃん④ 僕の帽子のお話⑤ 火事とポチ⑥ 小さき者へ・・・・・・・・・・・・・・・① 一房の葡萄は、女性教師の肌の白さと紫の葡萄の色の対比の美しい描写が印象的でした。・・・・・・・・・・・・・・動物系のお話はやっぱり気になります。⑤ 火事とポチは、悲しいお話。自宅が火事になった時に一晩中鳴き通したポチのお陰で家族皆んな助かります。しかしポチ自身は全身火傷を負い、倒れた物置の下敷きになって瀕死・・・看病の甲斐なく翌日朝には死んでしまうというお話。小さい兄弟三人がポチを探し回る描写とポチの最後の姿に泣けました。・・・・・・・・・・・・・・・有島武郎さんご自身は、奥さんを亡くして5歳を筆頭に三人の子供さんを男手一つで育てたのだそうですね。現代と違い大変なご苦労があった事と思います。そんな有島武郎さんですが、なんと45歳で人妻と不倫し心中したんですねぇ・・・お相手は『婦人公論』記者で人妻であった波多野秋子さん。波乱の短い一生の有島武郎ですね・・・・・・・・・・・・・・・・・ハルキ文庫さんの今回の文庫本の紙質が厚手でしっかりしています。カバーの髪質も滑らかで厚みがあり美しい製本と思いました。11年前の本で、お値段が267円+税とお安い。印刷製本は「図書印刷株式会社」さん。
2022年10月04日
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再々読。何度読んでも感動します。・・・・・・・・・・・・・・第7回時代小説大賞受賞作品主人公は紅屋惣兵衛。奉公人が数人しかいない紅のみ売る店の主人。実は惣兵衛は元は武士。16年前、妻を亡くしてから一人を通していた父親が、想いを寄せていた小料理屋の女将「ふみ」を庇い同僚の林房之助に斬られます。なぜ同僚と斬り合いになったのか・・・「ふみ」の正体を知る同僚「ふみ」とは一体誰なのか・・・謎を残したまま、足が不自由な兄に代わり、次男の惣兵衛が仇を討つべく放浪の旅へ出て、十年後江戸で仇を見つけ出し本懐を遂げますが、謎は分からぬまま。本懐を遂げ帰郷すると、兄は公金横領の罪で切腹させられていました。惣兵衛の家は廃絶。兄嫁と子供達は実家へ帰った事で絶縁。惣兵衛は領外追放。この先の見通しもなく江戸へ戻る惣兵衛。放浪の日々を送っていたある日、紅屋の一人娘「おいと」を暴漢から救った事が縁で結婚し、紅屋の婿となり刀を捨て商人となります。それから6年・・・惣兵衛の商人としての物語が始まります。父親の死。父親が想いを寄せていた小料理屋の女将との謎。紅屋を乗っ取ろうとする大店との闘い。大店との闘いの中、惣兵衛が武士を根底から捨てていなかった事が起こり、夫婦の絆が揺らぎ出します。夫婦としての信頼と絆は戻るのか。そこへ父親の想い人「ふみ」の姪から長年の「ふみ」の思いを綴った手紙を受け取ります。「ふみ」と父親の関係。「ふみ」の本当の正体とは・・・惣兵衛は大店との緊迫した闘いを協力し合う仲間と乗り切ります。その矢先「ふみ」が惣兵衛に果し合いを申し込みます。父親の仇を討たせようとの命がけの申し込み。惣兵衛は霧が深い朝、果し合いの場所である橋に向かいます。惣兵衛とふみの対面の場面からラストに向けての描写が素晴らしいです!感動的で名文です。霧と橋と夫婦の描写がとても素敵です。武士とは、商人とは、夫婦とは・・・男と女。親と子。商人としての信用。乙川優三郎さんの素晴らしい文章表現が目に浮かび美しい風景となり感動しました。何度でも読み返したい大好きな一冊です。
2022年10月04日
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「とむらい屋」 現代で言う所の「葬儀屋」さん。人は必ず死ぬ。弔う事の重要さは分かっていても、世間の人は「とむらい屋」を縁起が悪いだの、人の死で稼いでいるだのと悪く受け取る。反面、貧しさや理不尽さで亡くなった人たちにとって、弔う事の有り難さも丁寧に描かれています。亡くなりかたにも色々あり、事件がらみの死に方をした人に対して、颯太自身が死因を解明するお話など、すこしサスペンス風味もあり、物語の進みが心地良いです。・・・・・・・・・・・・・・・颯太自身の生い立ちが悲惨であり、なぜ「とむらい屋」を営もうとしたかが「火屋の華」で語られています。印象的で泣けました・・・・・・・・・・・・・・・・・・「火屋の華」の章より。颯太の命の恩人である鳶の頭「権次」の言葉。「命なんてものは、もらいもんだ。いつ何時失くしちまうかわからねぇ。けどよ、もらったもんだからこそ、大ぇ事にしねえとなあ・・・」・・・・・・・・・・・・・・・「儒者ふたり」の章より。「貧しいのは罪ではない。罪なのは、学ぶ意欲を失わせることだ。」・・・・・・・・・・・・・・・「三つの殻」の章より。「あの世で暮らす自分を思うより、逝った者を忘れないでいてやることだ。それが病死であろうと、惨たらしい死であろうと、記憶に留めてやることが、亡者(もうじゃ)を生かすことになるのだ・・・」
2022年10月04日
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手習い所の萌先生と子供たちの一年。単行本も良かったけど、文庫本も良いなぁ。絵がとても可愛いし雰囲気にピッタリ。ちなみに単行本は、こちら・・・少しコミック色の絵ですが、内容に合う可愛らしさが好感持てました。・・・・・・・・・・・・・・大人と子供。親と子。師匠と弟子。夫婦。兄弟姉妹。生みの親と育ての親。この物語にしっかり描かれていました。学びを通して子供たちは成長し、幼いながら将来を考え、巣立って行きます。萌先生自身も出戻りの新米先生ですが、子供たちと一緒に成長し強くなります。7つの物語の一つ一つが面白かったです。
2022年09月15日
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幕末から明治の京都の周辺、若いというには、あまりにも年少の者たちの、汗して働き、懸命に生きる物語7篇。・少年達一人一人の過酷な労働に可哀想とは違う感想が浮かぶ。・確かに家庭環境が悲惨過ぎて生きて行く為の過酷な仕事は、少年一人一人が望んでいる仕事と言えないかもしれない。・それでも家族の為必死に大人顔負けの仕事に懸命になる少年たち。・その仕事に対する姿勢を周りの大人が見守り励まします。・この物語は少年達の辛さばかりを描いてはいない。・強さと生きようとする前向きさを強く描いています。・どんなに泣いても稼がなければ食っていけない。・子供らしい遊びや甘えはいっさいないが、それでも大人になった頃には、同じ年齢の者たちより逞しく優しく育っていると実感。・物語の解説で、あさのあつこさんが言っております。・「七人の少年たちは、みんなかっこいい。ため息がでるくらい、惚れ惚れと心が微熱を持つぐらいかっこいい。」
2022年09月06日
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浮世絵の摺師(すりし)の世界。・「おまんまの安」こと安次郎と5歳の息子信太。・おまんまの安とは、腕が良い摺師の安次郎は食いっぱぐれがないことの異名。・妻は信太を出産後、産後の肥立ちが悪く亡くなります。・摺師としての仕事をしながら周りの人々との交流や切ない揉め事を安次郎の落ち着いた人柄で解決して行きます。・安次郎を取り巻く人々がとても個性的で親近感があります。・安次郎の息子新太は5歳ながら、周りに気を使い我慢して暮らしていました。・そんな新太も物語が進む程に本来の可愛らしい甘えん坊さが出て来ます。・そんな幼い新太の夢は、彫師になって父親の安次郎に作品を摺ってもらう事。・安次郎と縁を生んだ彫師の伊之助が夢が続くならと弟子として請けあってくれます。・彫師・摺師の世界を丁寧に描いていて、浮世絵の出来の良し悪しは彫師・摺師の技術によるものだと実感。・国貞や広重の力量だけでは作品にならないのだなぁとつくづく感じました。・絵師は下絵を描いて彫師に渡す。・彫師は下絵に描かれていない人の髪の毛の一本一本も彫って行く。・摺師は、髪の毛一本も美しく色をつけ、生きた表情や風景として仕上げる。・物語の流れも面白かったですが、職人の匠な描き方に大変感動しました。
2022年09月06日
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面白い!!・老舗糸問屋の主人徳兵衛が還暦に隠居。・余生は静かな田舎暮らしで悠々自適の予定だったが・・・・孫の千代太が隠居家に来るようになった事から、一人が二人・二人が四人と訳ありの人々が増え始める・・・・一人一人の家庭環境と事情に小さいながらも頭を巡らし祖父徳兵衛の力を借りて、仲間となり困難な事情を克服して行く。・「縁」が起点となり、頑固で非情な商売人だった徳兵衛の変化と子供たちやその親達の自立を促す流れがとってもワクワクしました。・子供たちにとっても一番の「学び」は、机の上だけではない。・孫の千代太の可愛らしさと純粋さが時に徳兵衛を窮地に追い込みます。・そこからの徳兵衛の本来の心根の優しさと強さが気持ち良いです。・千代太の仲間達一人一人の個性が丁寧で目に浮かびました。・また、徳兵衛と妻のお登勢との長年の冷めた関係も子供たちによりゆっくりゆっくり温まって行きます。・子供たち自身が作った「商売」は、その後の子供たちの成長と発展へ続きます。・最後、孫の千代太が大人になり、徳兵衛への思い出を語ります。・どんなにか充実した余生であったかが伝わるじ~んとする物語でした。
2022年09月03日
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産婆見習いの「結実(ゆうみ)」の成長物語第二弾。見習いの結実が一人前の産婆さんになります。昼夜問わずお産婆さんの仕事は忙しい。自分の時間も犠牲にしながらも誇りを持ってお産の手伝いをする結実ちゃんの健気で真面目で一生懸命な姿に感動します。・・・・・・・・・・・・・・物語に登場する結実の周りの人たちの個性とキャラクターがしっかり描かれていてさらに物語を面白くさせてくれます。・・・・・・・・・・・・・・今回は産婆としての成長ぶりと幼馴染の源太郎の恋の行方が清々しいです。・・・・・・・・・・・・・・表紙の絵がそのまま結実ちゃんのイメージ!・・・・・・・・・・・・・・出産のいかに大変であるか、そして母子共に無事であることは奇跡なのだと実感。五十嵐さんの出産の描写の丁寧さに読みながらホロリしました。・・・・・・・・・・・・・・・まだまだ続く結実物語は楽しみです。
2022年07月23日
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