大泥棒の路地裏

大泥棒の路地裏

第十四章


「西の都モネルダ」


 一言で表すと、壮大だ。

 モネルダはマルチェルダに負けないほど大きい都であった。

 辺り一面を一見して大きな建物が建ち並び、かと思うと日当たりのいい広場が数多く見える。市場や教会、都の入口は多くに人々が行き来しており、マルチェルダよりずっと生き生きしている。

 ランスロットがベリグへ立って三日が経つ。ルウェンとルセス、そして付き人として共にすることになったピーターはこの広大な都へと到着した。

 このアーチェルドの四大勢力で、マルチェルダに一番近いのがモネルダだ。そして四大勢力の中で一番マルチェルダとの協力を仰いでくれる勢力である。

 今回の事はすでに三日前にこの都を取り仕切る、教会の司祭でもあるヒッピレイという男へ手紙を出した。この件についてはすでに知っているだろう。

 ルウェンは彼に再び四大勢力を一つに集めるために協力を要請するため、このモネルダへやってきたのであった。

「つまり、このモネルダはもうすでにその“一つになる”という要請の方は納得しているってことですか?」おおよそ子供っぽくない口調でルセスが言った。

「うむ。手紙を出しているから、その辺は納得してくれているだろう。今までのモネルダなら、この申請を喜んで引き受けてくれるはずだ」

「ではなんで…」

 都の門をくぐる手前で、ルセスは疑心に眉をひそめて両手を上げた。上げた両手から幅の広い裾が垂れ、汚れて自然に破れたようにデザインされた帽子や靴からは異臭が放たれた。

「こんな恰好をする必要があるんです?」

 ルセスだけではない。ルウェンもピーターも同じような格好をしている。騎士であるルウェンは剣も射しておらず、荷物を入れた大袋を背負っている。立派な髭は手入れされておらず、ぼさぼさだ。ピーターも同じで、一見するとこの三人は小汚い旅人のようだった。

 初めて出会った時のランスロットも同じような格好をしていたが、今回はそれよりよっぽどひどい。

「これは仕方がないんだ、ルセス。確かに本来なら正装して堂々と正門から都へ入るべきだ。だが今はそれができないのだ」

「どういうことです?」

「あー…これは少し大人の事情というやつでな。子供にはわかりにくいのだが…」ちらりとルウェンはルセスを見て、それからため息をついた。

 隣でピーターが不安そうな目を向けている。本当ならもっとちゃんとした姿でここに訪れるはずなのに、こうして身分を偽るような真似をするのだから当然だ。こうなったら、疑りたくないところまで疑ってしまう。

 ルセスはどことなく察する事ができた。

「マルチェルダとモネルダの間で何かあったのですか?」

「いや、これといって何もないのだが…」

「じゃ、じゃあどういうことなんです?」ピーターが泣きそうな子供のような声で言った。

「わかった。私も別に隠すつもりはなかったのだが、言うタイミングを逃していた。――実は出立する少し前に、モネルダに潜伏している部下からよからぬ情報が入ってきたのだ」

「よからぬ情報、ですか?」

「ああ。私の信頼できる部下の一人だ。間違いはないとは思うのだが…モネルダの有力な権力者、賊との繋がりあり、という知らせがあったのだ」

「ぞ、賊と!?」

 ピーターが金切り声に似た大声を出したため、ルウェンは慌てて彼の口を塞いだ。辺りを見渡すが、誰もルウェン達に注目していない。

 注意深くルウェンは顔を近づけ、聞こえるか聞こえないかくらいの声で言った。

「確かな情報ではないが、それでも油断は禁物だ。もし本当にそうなら、私達はこれから死地へ飛びこむことになるのだからな」

 納得してルセスは頷いた。

「それで、こんな変装をしたというわけですね」

「うむ。事が真であるかどうかを見極めなければ、マルチェルダの使者という身分を明かすわけにはいかん。ピーター、ルセス。私達はあちこちを旅してきた旅商人だ。君達は私をルウェンでなく、シクエイ親方と呼ぶように。君達は……特に名を変える必要はないかな。とにかく、私に合わせてくれ」

 ルウェンという名は、アーチェルドで知れ渡りすぎている。彼が偽名を語るのは最もだろう。ルセスとピーターは彼に合わせていればいいだけだ。

「話は私がつけよう。ではわかったな? まずはモネルダの適当な宿を見つけ、そこでどうすべきか作戦を練ろう。有力権力者といえば貴族辺りが怪しいが、この辺の金持ちは全て注意すべきだ。地道な作業になるだろうが、君達も辛抱強くしていてくれ」

「わかりました」

「は、はい…」



 モネルダの厳重そうな門はいとも簡単にあっさり切り抜ける事ができた。というのも、マルチェルダが発行した通行証と商業許可証があるため、怪しまれる要素なんて全くないのだから当然だ。

 都は賑やかで建物がそこらじゅうに建ち並んでいるというのに、道幅は広くとてもわかりやすい構造をしていた。広場一つ一つには簡易な地図が中央にあり、迷いにくくなっている。

 地図を見ると、一番近い宿はここから百メートルも離れていない。見た目は質素で、ごくありふれた宿屋だ。ここなら旅商人が立ちよってもなんら不思議ではないだろう。

「部屋は開いているかね?」
宿へ入り、カウンターでうたたねをしてた宿屋の主人が目をぱちくりとしてルウェンを見る。

「旅人ですか?」

「ええ。私達は旅商人です。今日ここには着いたばかりで、宿を探していたんですよ」

 主人はルウェンの両脇に控えるルセスとピーターに視線を落とし、やがて何事もなかったようにカウンターの上の台帳を開いた。

「そうですかぁ。ええ、ええ、空いておりますとも。ちょうど三人部屋が空いた所でして。お客さん達はラッキーですよ。今日はどういうことかお客さんみたいな旅人が多くてねぇ。早朝から夕方にかけて次々と旅人が予約を申し込んでくるんですよ。今ようやく一息ついたところで、ちょっと眠りかけていたかもしれませんねぇ。まあそのおかげでこの場所にも…」

「それは今聞かなければいけない話かね?」ルウェンがいらいらした様子でカウンターに身をかがめた。

「あ、いえ…」宿屋の主人はきょとんとして首を振った。「ああ、では102号室へ。この場所の隣の廊下です」

「ありがとう」

 ルウェンは主人に金を渡し、部屋へ行った。



 三人の部屋は日当たりがよく、人通りの少ない裏手の方に窓がついた値段にしてはなかなか良好な部屋だった。

「さて。ではまず目ぼしい貴族達の調査からだな。そこからまた洗い流していく必要がある」

 ルセスが難しそうな顔をした。

「かなり時間のかかる作業になりそうですね」

「ああ。しかしそれ以外に手はない。私達はこうして旅商人として――それも少人数だから怪しまれずに済んだのだ。マルチェルダから応援を呼ぼうものなら、感づかれかねん。根気強くやっていくしかない」

「僕たちにはなにができます?」とピーター。

「ああ、いや。君達は旅商人を演じるだけでいい。実際に調査するのは私の仕事だ。明日から昼から夜にふけるまで、路上や広場で商業をしよう。私の持ってきた大袋に大量の品物が入っているから、それを売りさばくんだ。その傍らで、私は調査をしよう」



 翌朝、モネルダの広場は人通りが少なく、かわりに屋台を広げる商人たちだけが居座るようになった。ここは人が多く、昼前となると歩く道を見つけるのが困難なくらい都の人々で溢れかえるそうだ。

 ルウェン達は屋台と呼べるたいそうなものは持ち合わせておらず、広場の石畳の上に敷布をひき、その上で簡単に品物を並べるというどこにでもありふれた商業体制でやることにした。

「あれだけ人がいたのに、朝はこんなに少ないんですね」

 のどかで少し肌寒い広場を見て、ピーターが言った。

「うむ。モネルダは夜の都だ。昼は異常に忙しく、夜はもっと忙しくなる。ここはマルチェルダより栄えていてな。夜は祭りのように色鮮やかな明かりが付き、大人どもが多く徘徊するのだ。早朝はそれらが過ぎ去ったあとの唯一穏やかな時間だ」ルウェンは辺りを見渡して、続けざまに言った。「ここにいるほとんどが、恐らく旅人だろうな」

 彼の最後の言葉を疑問に思い、ルセスは首をかしげた。

「どういうことです?」

「あ、ああ。まあ感だよ。それに宿屋の主人が言っていただろう。ここ最近旅人がよくここへ寄る、と。まあそう珍しくはないさ。いつだってそんな時期はある」

「まぁ、そうですね」

「今日一日は私もここの商人としてやっていこう。明日以降は私はこの時間から調査の方をやっていくつもりだ。君達はしっかり覚えて、旅商人を演じてくれ」

「はい!」ルセスとピーターは同時に返事をした。



 ルセスたちが店の支度を終えるとほぼ同時に、広場のあちこちから人々が見えるようになった。それから気がつくと辺り一面に通行人や客で埋め尽くされ、ルセスたちはその場から一歩もあるけないほど窮屈になっていた。

 朝ののんびりとした静寂から一変し、今では騒がしく人ごみで視界が埋め尽くされるようになっていた。

 ルセスたちのもとにも客足が多く入るようになり、ルウェンが用意していた大量の品物がその日だけで半分以上も売れた。

 途中に、旅人であるルウェンたちに珍しい話を聞きに来る女子供もやってきていた。ルセスやピーターは対処ができなかったが、ルウェンは若い頃から騎士として各地を転々としてきたため、いろんな話題を持っていた。

 その中にはユーリンドの話も含まれている。旅商人という職業柄、ルウェンがユーリンドも巡ったと言っても誰も不審がりはしなかった。

 明日からは、ルセスとピーターでやっていく必要がある。やはり旅人の話を聞かれるのだから、それなりにネタがあったほうがいいだろう。

 とはいうものの、ルセスは今まであちこちを旅した経験がほとんどなく、ランスロットとアーチェルドへやってきた事以外の話がなかった。ピーターも同じで、軍に入ってネーミヌドへやってくるまで、故郷から離れる事はなかったらしい。

 さて、これは考えものだ。旅商人が旅先の話ができないようでは怪しまれるのではないだろうか。

「だったら、ルウェン様のお話なんてどうだろう?」夜中になった部屋で、ベッドの布団に埋もれながらピーターがひっそりと言った。

「それはどうかと思うけどなぁ。だってルウェン様の冒険話はアーチェルドだけじゃなくって、ユーリンドでも有名なんだよ? 特に珍しい話ってわけじゃない。ありふれた話だよ」

「でもルセス。僕が話したルウェン様の冒険話だって、君は知らなかったものが多かったでしょ? それと同じだよ。ここでしか聞けない話もあるだろうけど、僕はマルチェルダでルウェン様の話をいっぱい聞いてきたんだ。自慢じゃないけど、僕ほどルウェン様を知ってる人はいないよ」

 しばらく考えて、ルセスはうなずいた。

「うん、じゃあそれにしょうか」

 結論が出ると、部屋の扉を開けてルウェンが両手にカップスープ持って入ってきた。

「ハッハッハッ。話はもう終わったのか? 宿屋の主人が言っていたが、明日は今日よりずっと人足が少なくなるそうだ」

 ピーターとルセスはカップスープをルウェンの手から受け取り、口にした。豆のスープだ。肌寒い夜には温かく、味も優しい。ルセスは心から温まってきた。

「ありがとうございます」

 懐から台帳をいくつか取り出し、ページをめくりながらルウェンは自分のベッドに腰掛ける。古いようで、少し体重をかけただけでもギシギシときしでいた。

「明日から予定通り、私はこの辺一体の有力権力者の調査を始める。明日は今日ほど客が多くはならないらしいが、油断しないでしっかりやってくれ」

「調査について僕たちが手伝える事はありますか?」

「いや、特にはないな。――あ、いや。無駄な好奇心なんて持つんじゃないぞ」

 あごひげをさすりながらルウェンはにやにやしてそう言った。ルセスの行動力に念を押すような言い方だ。

「僕だって、重要なことくらいわかってますよ。明日はしっかり旅商人としてやっていきますよ」

 ルウェンは眉をひそめた。

「明日は?」

「……明日からは、やります」

「うむ。ならよろしい」

 とはいうもの、ルセスはそれに応じようとは思っていなかった。ただ旅商人を偽るだけ。それだけで本当にいいのだろうか?

 それなら、自分たちが来た理由にならない。そう、本当にこのモネルダのことを思うのなら、行動をするべきだ。そうルセスは考えていた。

 だから、ルウェンのいいつけを全て守りきるつもりはない。

 ルセスはピーターを見た。彼に協力を仰ぐのはやめておこう。彼にもルウェンにも内緒で、一人で調査してみようと思う。

 ルセスの不思議な能力。相手の瞳を見て、条件をたっせれば対象のあらゆる記憶や思考を見る事のできる能力。これさえあれば、誰よりも調査を早くすすめるはずだ。

 相性さえよければ――



 翌朝起きるとルウェンはベッドにはいなかった。部屋の机にはルウェンの書いた手紙が置かれていた。

『私はこのモネルダの南地区から時計回りで調査を進める。今日は君達だけでなんとかしてくれ』

 わかっていることだが、やっぱり押しつけのようだ。それに、字はなんだか焦って書いたようにひっかいたような筆跡だ。寝坊でもしたのだろうか?

「本当に僕たちだけかぁ…」ピーターが不安そうに呟いた。

「大丈夫だよ。昨日だって僕たちとそう年齢変わらない子たちが商売やっていたじゃない」

「う~ん…でも、あれは本物の商人じゃないか。僕たちは…」

「そうとも言えないかもね」

 一瞬固まって、ピーターは不安にあたふたしながら言った。

「て、ててことは商人たちも密偵とかだったりするの!?」

「わかんないや。でも、そうとも考えられるんじゃないかな? 僕たち以外にもモネルダのことを知りたい人はいるだろうしね。例えば、賊とか」

「ぞ、賊ぅ!? …………って、ルセス」

「うん?」ルセスは小首をかしげた。

「君って…本当に僕より歳下だよね?」



 ルウェンの言った通り、翌日は客足がいつもよりかなり減っていた。それどころか、あんなに賑わいつくしてきた商人たちもめっきり減っている。

 昨日一番忙しかった昼間だって、女性客がちらほら見えるだけで、人はほとんど見かけなかった。

「どこか別の場所で祭りでもやってるのかなぁ?」退屈そうにピーターがぼやく。

「だとしたら、おっきい祭りなんだろうね。モネルダ中の人たちが集まるんだから。ピーターはなにかわからないの?」

 ルセスはもともとユーリンドの人だ。ピーターのほうがずっと詳しいはずだが、彼は首を横に振って傾げた。

 売り物の木製のよくわからないオブジェクトに手を伸ばしてみる。無骨だが、細部は細かく手入れしてあり、ただの飾りだというのに手によくなじむ。こうしてよくわからないものに手を伸ばしていると、ルウェンに忠告された意味がよくわかった。

 ルセスは好奇心があるだけでなく、行動して自ら答えをだそうとする探究心まである。それがここで発揮されるようなら、危険なことに彼は足を運んでいくことになる。ルウェンはそれが心配だったのだ。

 心配しなくても。ルセスは軽く鼻で笑った。僕はへまなんて絶対しません。



 ふと目に留まったのは、白いフード付きのローブで全身をすっぽりと覆った長身の女性であった。頭もフードで覆っているため、顔全体を見る事は出来なかったが、顎の華奢で綺麗なラインが見えて、ルセスは女性だと確信した。

 彼女の体を覆う刺繍の入ったローブはこの場所にあまり似つかわしくない雰囲気がでている。それに、もうひとつ彼女に似つかわしくないものがある。

 腰の位置から足の付け根まで、硬く長いものが垂直に下がっているのがローブのしわでわかった。あれは多分、剣だ。

 一瞥しても特に関心もせずに品物をいじくりまわすピーターを見たところ、彼は気づいていないようだ。だがルセスだけは、彼女のその似つかわしくない姿を観察するように注意深く見ていた。

 やがて彼女は広場を横切り、建物に挟まれた広い道を歩いていき、見えなくなった。

 彼女はいったいなんだったのだろう? 剣を商売道具として扱っている曲芸師なのだろうか。しかしそれだと、やはりあの刺繍入りのローブが矛盾してくる。あれは高貴な貴族がまとうようなローブだ。

 もう一人、目に留まる人物がいた。ルセスと同い年くらいの小さな女の子だ。何かの作業で黒っぽくすすけたフリル付きの洋服に、可愛らしい花の刺繍が施されているフリルの帽子から赤毛を流している。

 さっきのローブの女性とは一見して、どこの町でも見かける風貌の少女だが、なぜだかルセスは彼女に注目していた。

 それは彼女が頬の隣で両手を合わせ、いかにも乙女っぽいしぐさで、ローブの女性が過ぎていった道をじっと見ている。頬は淡く赤みを帯びており、目はうつろだ。

 あの少女は何をしているのだろうか。それが気になって、ルセスはじっと少女を見ていた。

 やがて少女もルセスの視線に気が付き、首をかしげてこちらへやってきた。

「わたしの顔に何かついている?」

 まさか話しかけられるとは思っていなかったので、ルセスはきょどって「え? いや、その…」

 その反応が恥ずかしくて、ルセスは顔を赤らめた。

 ふーん、と少女は身をかがめてルセスを見る。なぜか含み笑いを浮かべている。

「あなた綺麗な顔してるわね。それに、金色の髪もとてもきれいだわ。この辺に住んでいるの?」

「い、いや、ぼくは商人の親方のもとで一緒に旅していて…」

「へぇ。じゃあ最近ここにきたんだね。だってこんな日に店を出してるんですもの」

 ということは、彼女は今日モネルダで何が起きているか知っているということなのだろう。ルセスは率直に訊ねた。

「今日はお祭りか何かがあるんですか?」

「ううん。今日は都の人総勢の大きな集会がある日なの。今からわたしも参加しに行くんだ。あ、でもあなたたちは参加しちゃダメだよ?」

 そう言うと少女は踵を返して、刺繍入りローブの女性が過ぎていった道へ走りだした。

「ぼくたちが外から来た人間だからですか?」

 少女の足が止まり、振り返る。笑いながら少女は言った。

「あなたたちが男だからよ」

 再び彼女は走っていった。またいくつか聞きたいことがあったのだが、それを思いついたころんは少女は遥か遠くへ行ってしまい、豆のように小さくなっていた。

「ピーター」少女とルセスの話を聞いていたようだが、そこまで感心した様子を見せなかったピーターにルセスが言った。「集会ってなんだろう?」

「ぼくが住んでいた村でも集会はあったよ。まあほとんどは作物に関する知らせとかばかりだったけどね。今年の収穫がどうとか、近くに大猪が出没したとか。だいたいどこも一緒じゃないかな?」

「ふうん。でも集会だからってあんなに沢山いた人たちがいっぺんに集まるものなの? だとしたらマルチェルダの城よりずっと大きな広場がモネルダにあるってことだよね」

 首をかしげてピーターは笑う。

「そうかもしれないけど、ぼくにはわからないよ」

 しばらくして、二人は店をたたんで宿屋へ戻っていた。やがて夜になり、食事の時間がやってきたが、ルウェンは帰ってこなかった。


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