モンスターハンタードス・EYES

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2005年10月29日
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カテゴリ: セカンド冒険紀
【――ブレイブの過去――】

ギルドマスターからの依頼でROADは以前出くわした男・ブレイブと共にクエストをこなすことに。しかし相性最悪のこの二人では到底まともにクエストは行えない。新種の毒怪鳥の捕獲が今回の目的であったが、それに苦戦し、ブレイブはその閃光を食らい危機に陥る。そんな光景を目前に、いくらその男を嫌っていても助けないわけにはいかなかった。

「チクショォー」ROADの剣が毒怪鳥に炸裂する。強烈な一撃が最も安易に斬れる尾の先端を斬り裂いた。《ギュオォオ》それは毒怪鳥の弱点部であり、その痛みに空へ舞うゲリョス。そのスキにROADはブレイブの元へ走った。しかし《ドカン》「なっ」再び蒼い大剣が振り下ろされROADを遮った。もちろんブレイブの意志で。「・・何故俺を助けようとした・・?!てめぇは俺に腹立ってるんだろ?・・クク・・あれか、俺様の無様な姿に少しばかり同情したってか?」そう言うとブレイブは傷んだ体を持ち上げ立ち上がった。すでに目は治りつつあった。がしかしその瞳の前を何かが一瞬過ぎったかと思うとそれはブレイブを突き飛ばした。《ドガッ》「ぐっ、てめっ?!」それはROADの怒りの拳であったと同時にブレイブに訴えかける一つの方法であったのだろう。そしてROADはブレイブの元へ足を進めると倒れたブレイブの首元を掴み上げた。「てめぇ・・いい加減にしろよっ。なんで助けるかだと?!俺たちはっ・・ハンターである前に人間だろうがっ。人は助け合う生き物だろっ?!だから俺たちが助け合うことなんかに理由なんてないんだよっ。いい加減気付けよ。お前は確かに強い、でもな、人としては最低野郎だ。人の感情を知らない・・。お前だって・・一人の人間なんだぜ。俺の・・」そこまで言うと今度はブレイブの手がROADを突き飛ばした。「ぐっ」「ふん、俺様に説教か。てめみてぇな雑魚が。言ったはずだ。俺様は一匹狼。助け合うなどという優しい感情なんてまっぴら御免だ。それに俺様に仲間は必要ないっ」ブレイブもROADの叫びを上回る懇親の一言を放った。「俺様は一人で十分だ」すると蒼い炎剣が空に向けられた。《ギュオォオ》《ドカンッ》上空で爆撃が放たれる。下降してきた毒怪鳥を斬り落としたのだ。「さて、再開だ。さっきはよくもやってくれたなゲス野郎っ」「ドカンドカン」激しい爆撃がゲリョスのトサカを破壊し閃光を使用不可にした。完全に視力の回復したブレイブにもはや適うすべもない毒怪鳥。怯み苦しみ、そして横倒しになった。「待てよっ、今回は捕獲だろっ」ROADが叫ぶもその声にブレイブが聞く耳を持つわけもない。「チクショォ・・何か・・何かないのか」《ドカンドカン》「くそぉ、これでも食らえっ」ROADはとっさにバッグからそれを取り出すとブレイブとゲリョスの合間に投げつけた。《ボワンッ》それは辺りを黄色いガスで包み込み、強烈な異臭を放った。《ギュオォオ》「なってめぇこんなものっ」それは『こやし玉』と呼ばれる主に飛竜を追い払うために使用されるアイテムで、その強烈な臭いはもちろん人にもたまらない。そしてゲリョスも、その異臭を嗅ぎ急いで上昇しその場を避難した。「・・・何故だっ・・何故そこまで拘るっ?!捕獲だろうが、俺にとっちゃぁ討伐でも構いやしねぇんだよ・・。こんなしょうもない物で・・俺様の最高気分を潰しやがってっ・・」ブレイブの拳がROADに向けられるがそれを軽くあしらうと今度はROADが拳を振るい、それがブレイブに直撃した。「ぐっ・・てめぇ・・」しかしすでにROADはブレイブの真上にいた。「ブレイブ・・お前・・以前となんも変わってないんだな・・。お前は嫌なやつだ・・。けどあの時最後にお前が言った・・。村長によろしくなってさ・・」するとはっとブレイブの顔つきが変わった。「お前みたいな奴でもそんなこと言ったんだぜ・・。お前だって俺と同じ感情があんだよ・・。なのにそれを恥ずかしがって表にださないだけだろ?お前だって・・昔はこんなんじゃなかったんじゃ・・」するとブレイブは体を起こすと何か寂しげな目で、下を向きながら、「フっ・・あれは俺がまだ未熟な頃だ・・」ROADの会話を遮り、今度はブレイブが語り出した。「あの頃はまだこの世界に入ったばかりで、そこら中にいる雑魚と何も変わらなかった。どうすればいいかと困っていた俺を誘ってくれた男たちがいた。そいつらは強豪で俺のためと言って、リオレウスの討伐に連れて行ってくれたんだ。そして」―――――「おいっブレイブよぉ。あれがあの飛竜どもの卵だ。あいつをこっちに持って来るんだ」黒い防具を着た男が急にそう言った。その頃のブレイブはまだ幼く、ハンターとしての知識もてんでなかった。「でも、飛竜がっ・・」もちろんリオレウスが寝ているすぐ横にある卵を入手するなど恐ろしくて足が言うことを聞かない。討伐目的の中で卵を採る必要もないのだが、この頃のブレイブにそんなことを考えるよしもない。「・・大丈夫」するとブレイブの肩を優しく叩く優しそうな白髪の老人ハンターがさっとその場に現れた。「もし飛竜が目覚めても、ワシがこの角笛でやつを誘導する。身軽なお主が最も近づきやすいじゃて。必ず助けてやるから、勇気を持て」その男はそう言うとブレイブの背を押した。励まされたからだろうか、老人を信用したからだろうか、ブレイブの足は自然に動き、飛竜の卵の元へ素早く駆け寄った。《グオォ》その瞬間、その巨大な飛竜の目が光を放ったかと思うと、それは大きく咆哮した。「うわぁぁぁっ」もちろん目覚めたリオレウスの最初の標的はブレイブ。しかしどこからか角笛が奏でられた。《ブロォオオ》すぐにその音に反応したリオレウスは標的をその男に変え、大きく翼を広げるとそちらに向かって飛び立った。《グオォオオ》「今のうちじゃ。小僧急げ」老人の声が聞こえると、すぐにブレイブは卵を抱え、走ってきたもう一人黒防具の男の元へ駆けた。がしかし、卵を奪われたことに気付いたか、飛竜の攻撃対象が再びブレイブらに向けられる。なんとかブレイブは黒防具の男に卵を渡した。がしかし飛竜の攻撃はすでに二人を襲う寸前。「無理じゃ、一度卵を捨てて、避難せい」角笛を持つ老人がそう言うが、しかし卵を抱えた男はそれに反した。そしてどこからかもう一人黒い防具に身を染めた男が姿を現すと「へへへっ、上手くいったようだな。悪いがこの卵は俺らが頂くぜ。お前らはせいぜいそいつと遊んでな」男らはそう言うとその場を離れ消え去った。予想もできなかったハンターの裏切り。残されたのは白髪の老人と弱き少年。そして立ちはだかるのはあのリオレウスであった。《グオォオ》怒り狂ったリオレウスから逃げる間も無く、戦闘が開始される。「ぐっ・・仕方あるまい。小僧逃げろっ」老人がそう言うも、腰が抜けて立つことすらできないブレイブ。するとリオレウスの牙がブレイブに向けられた。《グオォオ》《ズサッ》強烈な一撃がほとばしる。がそれを受けたのは老人であった。「・・なっなん・・で・・」その攻撃でもはや老人は立つことなどできず、最後の力を振り絞りそれを投げた。《ボワン》黄色い異臭のガスを放つそれはもちろん『こやし玉』である。それはリオレウスをすぐに遠ざけた。「ふふ・・これで安心じゃ。お主なら無事に戻れるじゃろう・・?ワシはもう駄目じゃて、小僧。お前だけでも生きて、そして強くなれ・・。強くなれ、一人でも、どんな敵にも屈せぬ者になれ・・じゃが・・決して・・」その老人はそこまで言うと息を引き取った。「うわぁぁぁぁ」ブレイブの悲しき過去である――――「そんな・・ことが・・」ROADの拳は今まで以上に強く握られ、今にも血管が契れそうだった。「クク・・これで満足だろ、俺様はあの時誓った、一匹狼だ。ハンター共を恨み、そして飛竜を狩る。俺様は・・」「・・きっと・・」今度はROADがブレイブの話を断った。「きっとその老人は最後にこう言おうとしたはずだぜ・・。『決して人を裏切るな』ってな・・」「なっ・・・」「そんなとこだろう・・、その爺ちゃんがお前の思う通りの人ならな。だから、約束を守ろうぜ。とりあえず今はマスターの頼みだ。このクエストをこなして、その爺ちゃんに笑顔で感謝しようぜっ」『続く』

◎ブレイブの悲しき過去の話。そしてROADの一言がブレイブの心を動かしていく。次回【――約束――】へ。





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最終更新日  2005年10月30日 00時08分33秒
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