『となりの半野良君』
これは、向かいの家でご飯だけ
あてがわれ、家の中には入れても
らえない半野良生活の猫だ。
たぶん名前はないと思う。
もちろん我々にはなつかない。
わが家の庭の砂地に、ありがた迷
惑なお土産を置いて、砂も掛けないマナーの悪いヤツだ。
つい、「猫ばば」なんていう言葉はもう古典か、と思ってしまう?
猫のことあまりよく知らない。
猫は自分の屋敷内にはウンコしないとか、と聞いたことあるが・・・。
筋向いの屋敷に入っていって間もなくして出て来るところを見ると、
時間的にはどうも、用足しに、といった感じだし。
それからやおらこうやって、たまにわが家を覗き込みに来る。
「お前んとこのアイツどうしてんだ?」ってな顔で。
そのアイツ、吠えても飛び出て来ないこと知ってるから、いつもこう
やって「オイ、そこから出て来いよ」と悠然と構えている。
もちろん人間が顔を出すとすっ飛んでいくのだが、四つ足同士、そこ
がなにかしら通じ合うものがあるんだろうな、と思ってしまう。
だからもん太によく、友達が来てるぞ~、と教えたものだ。
でも、「お前さんねえ、いくら待ってても、もうアイツ、いないんだよ」