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おはようございます今日も「個性」について考えていきます全4回の予定です前回の振り返りとしては「個性」とは人と違う事集団の中で個よりも協調を求められたり、同調圧力が働くことで個性を発揮しづらい世の中であるその中でも周囲の圧力に負けず人との違いを大事に出来たり、インターンネット上で発信することで輝く存在になれるという話をしました今日はより具体的にどうすれば個性を活かし輝けるのか、また何が個性を殺すのかを考えます1.個性を活かすために意識したいこと「個性を活かす」、「自分らしく生きる」と言う事が難しい社会だと言う事は実際に今この時代に生きている皆さんであれば少なからず感じることだと思いますそのため何も意識せずに生きていたら自然と周囲から教育、指導されてちゃんと個性のないみんなと一緒の人間になっていきます厄介なのは周囲の人たちの中には(特にあなたと近しい人)精いっぱいの善意を持ってあなたの個性を潰しにかかってくることですそのため個性を活かすうえで、意識しなくてはいけないことは以下の3点①個性は嫌われ、潰されることを理解する②個性を活かせるフィールドを探す③短所も人の役に立てば長所になるですそれぞれ解説していきます①個性は嫌われ、潰されることを理解する個性とはよく言うと「自分らしさ」「人とは違う所(いい意味で)」です悪くいうと「変なところ」「人とは違う所(悪い意味で)」です日本の教育の方針として個よりも集団を重視するように教わってきた私たちは、輪を乱すようなものには排除しようと言う気持ちが働きますつまりみんな同じであることが正しいことで、人と違う事は悪いことだと捉えがちなのです「なんでみんなと同じに出来ないの」とか「皆がやっているから」とかと大人になっても考えてしまうのは、子供の頃や学生時代に親や教師に指導されて正されてきたからです集団として考えた時にはみんな一緒のことをしてくれた方が指導・指揮する方は楽でいいですよね一つの「こうあるべき」というマニュアルに沿って教えればよい、それに沿わない子は落第者としての烙印を押して指導すればよいのですからそんな教育を受けてきたので、「皆と一緒にすれば褒められて、違うことをしたら叱られる」というわかりやすい構図が出来あがっています皆と一緒のことをすると褒められるので、優等生と呼ばれる人ほど人と違うことに対して嫌悪感を抱きやすいでしょう「なんであの子はみんなと同じように出来ないの」とか「人と違う事を言って変に目立たない方が良い」とか考えるようになります大人になってからは教育される機会は著しく減り、自ら学ばない限りアップデートはされないのでこの個性を潰す大人や親がたくさん残ることになりますこうして人と違ったところを潰す、「出る杭は打たれる」社会が誕生しているのです最近世界的にも色々な個性を認めて多様性をのある社会にしていこうという流れになってマイノリティ(少数派)と呼ばれる人たちの権利を認めていこうという流れが出来ているのも確かですただこれまでの長い歴史の中でマイノリティ排除の方針を取ってきた国ですし、トップに立つ政治家が公の場で女性やLGBT蔑視の発言をしたりする国ですから個性を大事にしようとしても、まだまだ出る杭は打たれることを理解しておきましょう②個性を活かせるフィールドを探す個性を活かしていくためには、具体的にはどうしたらよいかと言う事です周りにあなたの個性を認めて応援してくれる人が最初からいれば良いですが、それでは他人任せ、運任せになってしまいますそのため自分で出来るアクションとしては自分の個性を認めてもらえて、むしろ個性を武器にして活躍できるフィールドを探すことです例えばお笑い芸人の渡辺直美さんはまさに自分の活躍できるフィールドを見つけたわかりやすい例だと思いますお笑い芸人としてはその体系をいじられたり、ネタにしていましたがその体系を武器にしたファッションやメイクなどが逆に支持されて今では日本で一番フォロワー数が多いインスタ女王とまで呼ばれています日本一とまではなれなくても、必ず自分の個性を活かせるフィールドはありますインターネットが発達したこと自宅に居ながらでも世界中と繋がれる時代ですから、自分から発信することを続ければ必ず、あなたの個性を認めてくれたり、共有できる人や場所は存在します今の時代大切なのは自分から発信することですスマホ一台あればインスタ、ツイッタ―、TikTok、YOUTUBE、ブログ 等発信できる場はいくらでも整っています自分らしさを隠したり押し殺したりするのではなく、まだ出会っていない人たちに向けて発信していく方が、何より楽しく生きていけると思いませんか?③短所も人の役に立てば長所になる人と違う所を指摘されたり指導された経験のある人は、自分の個性を短所だと捉えている人も多いと思います例えばとても負けず嫌いで何をするにも張り合ってきて、負けたら必要以上に悔しがる人だと集団の輪をかき乱すことになり、浮いた存在として敬遠されがちですしかしスポーツの場面ではこの負けず嫌いさが逆に求められます自分の味方にこういう負けず嫌いの人が一人いると、その強い熱量がチーム内に伝染して全体のレベルを押し上げることになったりもしますまた負けず嫌いの子が原因でチーム内で言い争いが起きても、そこから全体で真剣に話し合って言いたいことを言えなかった子達まで自分の考えを言えるようになったりもしますこのように周りの役に立てば負けず嫌いという一時は嫌われていた個性が、一転して長所としてチームとして求められる人材になることだってできます逆に協調性があって集団の輪を乱さない、一見長所と見える特徴も、意見を求められるような会議やチームを引っ張って自分自身で決断しなくてはいけない場面になると「あいつは自分の意見がない」とか「リーダーシップが無い」とか短所となり得ると言う事です人間や社会と言うものは相手が自分にとってどんなメリットを提供してくれるのかと言う事を自覚しているにしろ、自覚していないにしろ求めてくるものですそのため自分らしさを活かすためには、その特徴がどのように人の役に立てるのかというポイントを意識することも極めて重要なポイントです2.個性を殺すNG集ここまでは自分自身の個性を活かすために必要な事を解説しましたが、ここからは他人の個性を殺さないために意識してほしいことを考えます私たちは常に評価される立場であって、評価される立場でもあります相手の個性を殺さないことが、結果として自分の個性を活かすことにも繋がるので(返報性:相手にしてもらったことはこちらも返さなくてはいけないと思う心理)是非、相手の個性を殺さないことも意識して欲しいです①ステレオタイプにとらわれる②自分が全ての価値基準になる③知らないことへの恐怖に捉われて、考えることを放棄する①ステレオタイプにとらわれるステレオタイプとは固定観念とか先入観等と言う意味ですが、「男らしさ」「女らしさ」などに使われるような「男とはこうあるべきだ」、「女とはこうあるべきだ」と言ったように、一つの理想像を作って皆そうあるべきだとする考え方です正解はたった一つで、他は不正解とすればわかりやすくていいのですが、人間に関してはそんなに単純なものではありませんこのステレオタイプは一人一人の個性を大切にするのではなく、一人一人が皆同じものであるべきだとする個性を潰す典型的な考え方だと思います一体感を生み出したり同じ目標を思い描くと言う意味では必ずしも悪い事ばかりとは言いませんが、皆を一様に型にはめようとするという意味では個性を殺すことになりかねない考え方です②自分が全ての価値基準になる人間は一人一人違ったものの見方をします一卵性の双子であっても全く同じことはないですし、どれほど姿かたちが似ていても、考え方まで全く同じと言う事はあり得ないですしかし、相手の頭の中は見えないので人間はどうしても自分の価値観で物事をはかるしかないのと、なぜだか相手も自分と同じ価値観で物事を考えているはずだと誤解してしまいます自分が美味しいと思うものを相手も美味しいと思ってもらわないと機嫌が悪くなったり、自分が好きなものを相手が嫌いだと言ったら、怒りが沸いて来てその人のことを嫌いになったりなぜだか自分の判断基準に合わないと言うだけで不安になったり、嫌いになったりしてしまうものです個性を考える時にもこの「自分とは違うもの」に対するセンサーが働くと、不安になって遠ざけたり、自分を守るために自分とは違うものを仲間外れにしようとします当たり前のことですが、「全員が自分と同じ考えではない」と言う事は意識しないと簡単に忘れてしまいます対人関係の中で何か不安になった時は、この自分の価値観を相手に押し付けていないかと言うポイントは一度振り返ってみる必要があります先程のステレオタイプにしてもそうですが当然一人一人考え方も違うので、こうあるべきと言う理想像が人によって異なりますただ厄介なことにそれに気づかずに、自分の考えている「こうあるべき」は皆がそう思っていることだと思って型にはめ込んで来ようとする人もいると言う事です③知らないことへの恐怖に捉われて、考えることを放棄する人間の脳の構造上、自分の知らないものに対しては恐れることは仕方がない事ですはるか昔の食料を取ることが困難で餓死する人もたくさんいた狩猟採集の時代から、現代にいたるまで人間の脳の構造はさほど変わっていません日本だけで考えてもこれほどまでに食に溢れて、生命の危機に晒されることなく安全に暮らせるようになったのはここ数十年での話ですおじいちゃん、おばあちゃんの話を聞いていても子供の頃は貧しかったとか、小さいうちに兄弟が亡くなってしまったとかいう話を聞くことを考えるとここ数十年の間で子供が大きく育つことも生き残っていくことも当たり前ではなかった時代がそこにはあったことが見て取れます今の私たちの祖先と言われるホモサピエンスが誕生したとされるのが10万年から20万年前とされていますから、ここ数十年での今の安全な環境で生活することに脳の進化が追い付いていないというのが今の現状です(詳しく知りたい人はこの本がお勧めです)スマホ脳 (新潮新書) [ アンデシュ・ハンセン ]一流の頭脳 [ アンデシュ・ハンセン ]当時の狩猟採集を行っていた時代には食べ物を得ることと、猛獣などの危険から遠ざけることが何より大事な事でしたそのため未知との遭遇をした時に脳はストレスを感じ、コルチゾールという物質を出して私たちに「闘争か、逃走か」の2択を迫ります未知が安全なものか自分に危害をなすものかがわからないからです戦って未知の正体がわかれば、2回目以降は過度に不安になることも無くなりますし、逃げることで身の危険を回避して生存確率を上げることも出来ます先ほど述べたように私たちの脳はここ数十年の急激な世の中の変化に対応しきれていませんこれまでの10~20万年と言う長い歴史の中で多くの危機を回避して仲間を増やし地球上を制圧するまでに至った長い道のりの中で、未だに脳の優先事項は「生存と繁殖」なのですそのため脳は生存と繁殖に関すること(食べること、仲間を作ること、子孫を残すこと 等)に対してはアドレナリンやドーパミン、セロトニン等の幸福や快楽を与える物質を放出して、それらを脅かすものが現れた時にはコルチゾール等のストレスを感じるホルモンを出して不快感を与えますそのため現代においても自分とは違う個性を見つけた時にもその個性が自分にとって害はないものだと理解するまではこの「闘争か逃走か」の原理が働いて知らないものに対して「あいつは変な奴だ」と警戒して敵対するか、「関わらないようにしよう」と考えることを辞めてその場から離れようとしますこの闘争の原理が働くからこそ何も考えずにいては知らないものを避けようとしますしかし、いつの時代だって知らないものが現れた時に向き合って理解してきたからこそ一つずつわかるものが増えて、逆により良い暮らしを享受できるようになったのもまだ事実です10代とか20代前半の子は知らないかもしれませんが、最初にインターネットが現れた時にはインターネットは危険なものだと言われていた時代があったんですよWindows95が発売された時には我が家では子供は触らせてもらえなかった(ソリティアとマインスイーパーで遊んでた)のと、周りにもインターネット使っている友達は一人、二人とかの次元でした今ではスマホが当たり前の時代なので、幼少期からインターネットが当然のようにあって世界中と繋がれるのも当然の世界になっていますが、これはスティーブ・ジョブス等の人類が未知と向き合って理解したからこそですしその未知のパソコンやインターネットと向き合って安全なものだと理解して、逆にその可能性を見出した人たちがいたからこそSNSが出来て世界中と繋がれることも出来るようになりました特段力が強かったり素早く動けるわけでも空を飛べるわけでもない人間がこの世界中で生き残れるようになったのは、脳を使って恐怖と向き合うこともできたからです今の世の中では知らないものが現れて自分の命を危機に晒すことなんてそうそうあるものではありませんだからこそ脳が色々と恐怖を煽ってくるのを自分自身で制御して、自分とは違うものと向き合っていきましょうそうすることで今までになかった考え方やあなたの選択肢が広がりますし、一度理解してしまえば不要に闘争か、逃走かを考えることも無くなり快適に暮らせるようにもなります*まとめ*個性を活かすために意識しておきたいことは以下の三つ①個性は嫌われ、潰されることを理解する②個性を活かせるフィールドを探す③短所も人の役に立てば長所になる逆に自分や相手の個性を殺してしまうポイントは以下の三つ①ステレオタイプにとらわれる②自分が全ての価値基準になる③知らないことへの恐怖に捉われて、考えることを放棄する知らないからこそ、個性に対しての向き合い方がわからなくなりますまずは上記を意識したうえで個性と向き合うこと自分自身の個性ともそうですし、相手の個性ともそうです意識しないと人間の脳の構造的に必ず、まずは否定したい気持ちになるものなので、まずは向き合う所から始めていきましょう
2022年03月01日
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おはようございます。今日は指導者の立場から病院実習の前に何を学んだらよいかを、実習指導者の立場から私見を述べようと思います。1.現場実習の構造まず現場実習の構造としては大きく分けて、事前学習(実習前)現場実習(実習中)事後学習(実習後)に分けられます実習と聞くと現場実習だけを意識される学生が多いと思いますが、実際はこの3つの段階に分けられます現場実習は180時間以上(社会福祉士養成課程の変更で今後は240時間になる予定)と規定されているので、たいてい23日間、もしくは24日間で組まれるところが多いと思います23日間の中で学べる内容には限界がありますそのため、現場実習は気付きを得るためのきっかけでしかなく、事前学習と事後学習の方がむしろ重要だと言えますただ、学生の時点で初めて仕事や実際の対象者と触れ合える機会でもあるので、23日間で得られる経験が非常に大きく、濃密な時間となることには疑いの余地はありません2.事前学習、事後学習の意義この限られた現場実習の23日間をより意義のあるものにするために、事前学習と事後学習がありますソーシャルワークにおける面接技法(バイスティックの7原則や面接のための環境設定、観察ポイント等)を学んだ状態で来る実習生と、わからないで来る実習生とでは実習中に得られる経験が全く変わってきます事前学習が不十分であれば、現場実習で得られる感想としては「ソーシャルワーカーの仕事がわかった」「面接中に相手の言葉だけでなく表情やしぐさを見たり、色々なことを意識しないといけないとわかった」「受容と傾聴が大事だとわかった」くらいなものですこれらはバイスティックやソーシャルワーク援助技法を学べば、わざわざ現場へ来なくても理解できるような内容です実習指導者の立場からすると学生の理解度に合わせた指導しかできませんなぜなら理解度以上のことを説明しても、学びが深まらないと思うからですなので面接における最低の技術が身についていないと思えば、面接に同行させて面接中に意識するポイントから説明しながら観察してもらいます面接の座り位置はどこでなぜそこに座ったか、面接中に観察するポイントはどこか、面接の進行(始め方や終わり方)はどのように行うか などです一方で、事前学習でこれらの基礎的なところが身についているなと思えば、より実践的なソーシャルワークの内容に関するところを観察してもらいます面接の目的は何か、話してもらった内容の中で主訴はどこにあったか、ソーシャルワーカーが質問した内容の意図はなんだったか、対象者の発言や態度からどんなことが読み取れたか、沈黙の持つ意味がなんだったか 等より深い部分を意識させますこれらを意識したうえで実際に実習生が面接を実施するのと、前者のように「とりあえずアイコンタクトを取って、否定せずにうなずく」だけの面接ではなく後者では「相談の内容にまで踏み込んで相手の行動や発言が意味することはなんだったか、自分が発現した意図はなんだったか」までを意識して実践に臨んでもらうことが出来ますこれは座学だけでは学べない範囲なので、実習に来て実際に対象者と合って現役のSWからフィードバックをもらって初めて学べる部分でもあると思いますまた現場学習の23日間では実習期間の中で見つかった課題を改善したり、出来た点をさらに伸ばすと言う所までは期間的に難しいです先に述べたように実習期間中は自身の気付きを深めるための期間だと言えますそのため実習期間で学んだ気付きを深められるかどうかは事後学習にかかってきます実習始まる前の学生さんからしたら「実習だけでも不安なのに、実習が終わってもまだ続くのかよー」と魂の叫びが聞こえてきそうですがソーシャルワークを学ぶことは必ず社会に出てから役に立つので、「未来の自分への投資」だと思って頑張ってくださいソーシャルワーカーにならなくても、人間が社会的な生き物である以上どこへ行ったって人間関係やコミュニケーションは必ずついて回る問題なので絶対にあなたの人生に役立つと明言できます何を学んだらよいかわからない方は過去の記事でもMSWに必要なスキルや知識などを書いたものがありますので、見てみてください↓↓ほんの一例ですが参考までに社会福祉士は何を学ぶのか会話が続かないと悩む人へ ~ コミュニケーションにおけるMSWの技術3.事前学習で学んでほしい内容(私見です)ここからは私が病院の実習へ来る学生へ学んでほしい内容です①病院の種類・実習先の病院が急性期なのか回復期なのか療養型なのか・救命救急センターの機能を持っているのか、がんの相談支援センターを有しているのか、周産期医療センターの役割は、地域の中核病院か病院の機能や役割によって対象も変わりますしMSWに求められる役割も変わってきます(子供のことを学びたいと思って介護保険施設へ実習へ行く人はいないですよね)そもそも急性期、回復期、療養型ってなんですかってことにならないようにまずは調べましょう②バイスティックの7原則ケースワークにおいてSWが意識しなくてはいけない7つのポイントですとりあえずこの7つのポイントを押さえておけば最低限ソーシャルワークっぽくはなるなと個人的には思っています逆にこれらが抜けているとソーシャルワークではなく、素人が行うただの悩み相談になってしまうと思うので7つは覚えてきてほしいですバイスティックについて書いた記事もあるので読んでみてくださいMSWを目指す人へ伝えておきたい話 ~ バイスティックの7原則③ソーシャルワークの展開過程面接スキルはソーシャルワークの基本技術になりますが、ソーシャルワークは面接だけやれば良いわけではありません面接で信頼関係の構築と情報収集を行い、そこからニーズを発見して対象者自信が課題を解決できるように支援するのがSWの仕事ですそのためインテーク(初回面談)から終結までの一連のソーシャルワークの過程を理解していないと、「ここに困っているならこうしたらいい、ああしたらいい」と場当たり的な対応となり、やはりお悩み相談の域を抜けません得た情報を基にアセスメントしてプランニングして、実行後に評価して、フィードバックまでして初めてソーシャルワークとして成り立ちますなぜそうしたのか、根拠を提示できて、何度やっても同じような質の支援を提供するためにはこのソーシャルワークの展開過程を理解しておく必要がありますソーシャルワークの展開過程についても過去の記事で触れています社会福祉士は何を学ぶのか④自己覚知個人的にはとても大事にしているポイントが自己覚知です自己覚知とは自分のことを理解すると言う事ですが、実習生が自分自身のことをどこまで理解しているのかですたとえば緊張しやすいだとか、ネガティブに物事を考えがちだとか、話すときに手を触る癖があるだとか、相づちの打ち方に癖があるとか実習中に指導者からも指摘されるとは思いますが、実習前からある程度わかっておくと実習期間を通して自分の中にどんな変化や学びがあったかを考えるときに自己覚知が非常に役に立ちます自己覚知が出来ている実習生なら実習前と実習後の自分を比較して成長度合いを可視化することが出来ますが自己覚知が出来ていないと、「自分にはこんな癖や特徴があることがわかった」で止まってしまうので実習前後の変化を可視化することが難しいです自己覚知の方法やチェックすべき方法も書いてあるので見てください人間関係で活かせるMSWスキル③自己覚知___________*結論*実習期間(23日間)は実習のほんの一部でしかない事前学習でしっかりと学べた実習生だけがより深い学びと気づきを得ることが出来る学んでほしい内容は実習機関の種類、バイスティックの7原則、ソーシャルワークの展開過程、自己覚知何をみて学んだらよいかわからない人は、過去記事でも触れているので見てください
2021年10月07日
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おはようございます今日は社会福祉士取得のための実習時間が追加になったことに関しての話ですこれまでは社会福祉士の国家資格要件として180時間の現場実習が必要となっていましたが、今の大学2年生の代からこれまでの180時間に加えて、もう一か所別の施設で60時間の実習を追加で行うことになりましたその関係で先日北海道内の社会福祉士養成大学の説明会に参加しましたその時の説明の概要も含めて、実習時間が増えることの意義と今後学生に求められることについて私見を述べていこうと思います1.実習時間180~240時間へ変更社会福祉士なるためには福祉系の大学や専門学校等を卒業して国家試験に合格する必要がありますが、その養成カリキュラムの中に現場実習が含まれています受験資格取得ルート(社会福祉士振興・試験センターHPより)これまでは必要な実習時間は180時間(1施設以上)でしたが、今の大学2年生から240時間(2以上の施設)へと変更になることが決まっていますこれまでは基本的に1か所の施設での実習だったので、ソーシャルワークの展開過程に関してみてもらったり実際に援助計画を立案してもらったりは可能でしたが、その後のフィードバックや修正は大学に戻ってからの事後学習で補ってもらうことが一般的でした180時間ではソーシャルワークの基礎を実践の場で理解して、学んだものを実際に一度活用することまでは出来ても、「実際にやってみて上手くいかなかったことを次の支援に生かす」という所までは出来なかったように感じますまた社会福祉士が働くフィールドや対象の幅の広さが見えづらかったことも課題だったと指導者の立場からも感じていました例えば私の病院へ実習へ来た学生にとってはMSWとしての業務や求められる役割は180時間の中で充分に理解してもらえると思いますしかし病院以外で働く社会福祉士の役割や業務内容に関しての学びは深まりません他機関との連携でケアマネや包括、社協、高齢者施設、児相、障害福祉サービスの管理責任者等との連携場面は見られるかもしれませんが、それだけで他の分野で働く社会福祉士の役割が理解できるわけではありませんそのため時間数が増えて2つ以上の施設を見ることが原則となったので、社会福祉士の仕事の幅の広さが見られる点は今回の改定の大きなポイントだと思います学生時代に現場に出向くことはなかなかある経験ではないので、どうしても「実習先での体験」はインパクトが大きいですし、その後の進路選択においても大きな影響を与えるものだと思いますその中で一つの機関しか見ていないのと、複数の機関を見たことがあるのとでは後者の方が圧倒的に学生にとってのメリットは大きいと思いますまたソーシャルワークという答えが一つではない学問(社会科学)において(基盤となる部分は同じだとしても)、一人の指導者からだけ指導を受けることで学生の視点が偏ることのリスクは大きいと個人的には思っていました複数の機関で実習を行うことで複数の指導者から教わることができることも学生にとってはメリットが大きいと思います学生からすると「指導者によって言うことが違う」と不満を言いたくなる方もいるかもしれませんが、「これが正解」という一つの解があるわけではないのでそれも当然なことです(当然ソーシャルワークの基盤や最低限の共通ラインは身に付けた上での話です)むしろ様々な視点がある中から自分らしい援助の仕方や視点を見つけていく作業こそが「社会福祉士の醍醐味」であると思うので、いろいろな人と関わって様々な意見を聞きながら代えの利かない唯一無二の存在になっていってください2.実習時間が増えることの意義実習時間が増えて、複数の機関で実習を行えることの意義は先に述べたとおりですでは実習時間が増えることの意義とはなんでしょうか結論から言うと、社会福祉士の実習時間は少ないので実習期間中に教えられることにも限界があったが、時間が延びたことでより高いレベルでソーシャルワークを学ぶことが出来ると思いますこれまでは180時間の中で職場理解、地域特性の理解、職種理解、ソーシャルワーク理解、他職種連携、他機関連携、ソーシャルワーク技術の確認、ケアプランの作成と実施とおおまかにこれだけのことを詰め込んで教えていました180時間ではこれらを全体的に触れていくので、どうしても本題であるソーシャルワークを学んでもらえる時間は180時間中の半分か良くて2/3程度でしたここに60時間が追加されると、前半部分の説明は一度受けているものとして、追加になった60時間分はほぼそのままソーシャルワークの理解と実践に費やすことが出来ます一度実践した学生であればその内容をふまえて、自分の苦手な部分がどこかうまくいったところはどこかを考えながら望むことで、初回よりももっと深く自身のソーシャルワーク実践について学ぶことが出来ます(理論としてだけではなくて)そもそも社会福祉士はほかの専門職に比べて実習時間が少ないということは、私が学生時代(10数年前)から感じていました私は北海道にある名寄市立大学というところで当時は社会福祉学科、看護学科、栄養学科の3学科連携(2年生短大の児童学科も当時はありました)を売りにしていたので、看護師を目指す学生と管理栄養士を目指す学生と4年間同じ大学で過ごしました社会福祉士は現場実習は基本的には4年間で1度だけです(1日、2日の見学くらいの職場体験なら何度かありました)社会福祉学科は基本座学がメインでこれといった実習のようなものはほとんどありませんでした栄養学科も同様でしたが大学内にある給食センターのような所で、実際に給食を作ったりなどの学内実習を毎週のように行っていました看護学科の学生に至っては1年生の時から実習が組まれていて、それに向けた学内での実習も盛んに行われていました社会福祉学科では高校の教員免許なども取れたため、教員免許取得希望者は4年次に教育実習などもありましたが、社会福祉士としての実習は3年次の実習だけでした私は当時病院実習がなかったので4年生の時に2週間程度の自主実習を帯広と名寄の病院でもさせてもらいましたが、正規の実習(社協)だけでは到底MSWの業務も社会福祉士の業務も理解できなかったです今回実際に他の資格の実習時間を調べてみましたが、社会福祉士の実習時間は少ないことがわかります看護師は大学1年生の時から4年時まで何回にも分けて3千時間近くの実習をこなしている社会福祉士に最も近い資格である精神保健福祉士も210時間で、病院と地域の2か所の実習に行くこととなっています精神保健福祉士の実習を受ける学生は大抵社会福祉士も受ける人が多いと思うので、実際に私の職場へ来る精神保健福祉士受験予定の学生たちも、社会福祉実習で来る学生よりも広い視点でものを見られる子が多いと思います(社会福祉士は3年生、精神保健福祉士は4年生での実習)学生にとって実習を通して学べることは非常に多いです理論としてソーシャルワークの展開過程や相談援助技術としての面談技術を理解したとしても、実際の面接場面で援助を実践できるかということは全く別の問題になりますなぜなら理論は面接の場面を切り取って、時間をかけて持っている知識の中から「こういう場面ではどうしたらよいか」を考える作業ですが実践ではその一瞬一瞬の場面で理論を頭の中でフル回転しながら、その時々で瞬時に答えを出す「反射神経」が求められるからです理論としては知識を身に付ければよいですが、実際にスキルを生かして働くためには実践の中でトライ&エラーを繰り返すしかありません学生のうちからこの貴重な経験を体験をできる場は基本的には実習しかありません今回60時間追加されたことで、初回の実習の中で実際にトライして、うまくいったことやうまくいかなかったことを事後学習で振り返ってもらい、再度2回目の実習でトライできることになったことはとても大きな変化だと思います2回目の実習ではより目的意識をもって実習に臨んでもらえると思うのと同時に、実習指導者の立場としても1回目の実習での最後に行う評価では2回目へ向けての具体的な課題も意識できるようなフィードバックが必要になるなと思っています逆に2回目の実習を受ける時には一回目の課題も踏まえた目標設定が必要になると思います3.学生に求められること実習指導者の立場からすると当然、2回目の実習を受ける際にはある程度の基礎は出来ているものとして接します初回の実習では自施設の説明や施設内でのソーシャルワーカの役割、業務の理解、面談場面のロールプレイ、ソーシャルワーク実習と時間をかけながら行いますが、二回目の実習に関しては前半の説明にかける時間は圧倒的に省くと思います領域は違ってもソーシャルワーカーの仕事に対する理解はある程度あるものだと考えるからです学生に事前学習で求められることは、これまでの「ソーシャルワークに関する基礎知識」に加えて「ソーシャルワーカーが働く領域とその対象の理解」に関してもより幅広く学ぶ必要があります具体的には病院であればその病院の有する機能(「急性期なのか回復期なのか、療養なのか」「救命救急を受けているのか」「都会で資源が多いのか、田舎で資源が少ないのか」「がん相談支援センターや認知症疾患利用センター等の特別な役割も担っているか」等)ソーシャルワーカーの対象となる患者はどのような人が多いのか(年齢層はどのくらいか、住んでいる地域はどのあたりか、どんな疾患が多いのか等)2回目の実習ではこれら領域と対象理解に関しての説明時間は圧倒的に省かれることが予想されるので、60時間と言う限られた時間の中でスムーズに実習に入るためにはこれらは事前学習である程度理解しておく必要がありますただ対象の理解に関してはホームページ等で見て出てくるものでもないので、過去に実習機関へ行った先輩に聞いたり、実習前の事前打ち合わせで実習指導者に聞いてみるのも良いでしょうまた2か所目での実習先では「初回の実習先でソーシャルワークの基礎は学んできているだろう」という目で見られるのは不可避だと思うので、より高いレベルでのプランの立案や実施後の評価・フィードバックまでを求められることもあるかもしれないそのため初回の実習の中でソーシャルワークに関して基礎の部分での理解が足りないと感じた点があるのであれば、しっかりと学内での講義の中で振り返っておく必要があるでしょうまとめると社会福祉士が働くフィールドについて広く理解すること、初回の実習で学んだソーシャルワークの展開を今度は実習生主体で行えるように事前学習や初回実習後の事後学習で取り組むべき課題だといえます学生自身からすると実習時間が増えて大変だと思うかもしれませんが、複数の実習機関を見られることで自身の職業選択の幅が広がることや学生の内からより実践的な能力と経験値を詰めることは間違いなくあなたにとってプラスになることなので、事前学習・事後学習大変だと思いますがしっかり学んで実習をあなたの糧にしてください*まとめ*これまでは社会福祉士の国家資格を得るために必要な実習は180時間(1施設)だったが、今の大学2年生から240時間(2以上の施設)へと変更これまでは1か所の施設で180時間以上の実習のみだったので、社会福祉士の幅の広さが見えづらかった複数の施設を見ることで社会福祉士の仕事の幅の広さが見られて、学生の就職における選択肢も広がると思う他の資格に比べて社会福祉士の実習はあまりにも少ない看護師は大学1年生の時から4年時まで何回にも分けて3千時間近くの実習をこなしている似たような資格の精神保健福祉士も210時間で、病院と地域の2か所の実習に行くこととなっています今回のカリキュラム改正で実習にかける時間も増えたことや異なる領域の施設を複数見ることが出来るようになったことは学生の今後の職業選択や就職後の社会福祉士としての質の担保を考えた時にプラスに働くと考えられる学生に事前学習で求められることは、これまでの「ソーシャルワークに関する基礎知識」に加えて「ソーシャルワーカーが働く領域」に関してもより幅広く学ぶ必要があるまた2か所目での実習先では「初回の実習先でソーシャルワークの基礎は学んできているだろう」という目で見られるのは不可避だと思うので、より高いレベルでのプランの立案や実施後の評価・フィードバックまでを求められることもあるかもしれない社会福祉士が働くフィールドについて広く理解すること、初回の実習で学んだソーシャルワークの展開を今度は実習生主体で行えるように初回実習後の事後学習で取り組むべき課題だといえる私の働く病院でも毎年社会福祉士と精神保健福祉士の実習生を受けているので、これまでも多くの学生と接してきましたが実習期間を通して本当に目に見えて1日1日成長していきますし、最初は「大変だったり、緊張したり、帰りたい」と思うこともあるかもしれませんが、最後は実習に来てよかったと思ってくれたり、なんなら「時間が足りません」と言う子も少なくありません国家資格の受験資格を満たすこと以上に、実習ではこれまでにない挑戦の連続で人間的にも大きく成長できるのが実習の良いところだと思っていますし、実習指導者は一番身近で学生の成長を見守れる特等席だとも思います私のもとへ実習へ来てくれる学生さんだけではなく、実習を控えるすべての学生さん、未来のSWの皆さんを応援しています!!何か気になることや知りたいことがあればコメント欄に書き込んでくれれば返信しますね。
2022年06月15日
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