北の大地の碧さん

>ロンドン時代の二人、もっと見たかったです。
見たかったんですよね。
力一杯幸せそうな二人をみたかったです
同感です (2008年01月25日 23時16分12秒)

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最終更新日  2008年01月25日 01時17分17秒
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魔法使いの弟子8  
(匿名)希望 さん
窓からは曇りがちの暗い空。
やや冷えた透明な空気は心地よい。
机の上に手を置いて
仁子は綿菓子のように甘い、柔らかなため息をついた。
彼から目が離せない。
髪、視線・・・指先まで。
思わず見とれる。
つぎに目を閉じる、声がきこえる。
低く、時にやや高く。
天鵞絨のような手触りの声はリズミカルで音楽のように心をなでる。
胸が震える。
自然と頬がゆるむ。

彼しか見えず、彼の声しか聞こえない・・・でもノートはしっかりとり、彼の話のなかに現れるクジラやペンギン達を思い浮かべる。

そう、今、彼は教壇で講義をしている。
彼の講義は魅力的で人気がある。
広い階段教室が今日も満員だ。
多くの学生の視線の前で動き、語る彼はまるでスターだ。
こういう時・・・仁子はふと彼と自分の関係が自分の妄想ではないかと不安に感じる。
そんな時、必ず彼は彼女に視線を送ってくれる。
『大丈夫だ。自信を持て。』
その目が語る。

(2008年01月25日 10時15分53秒)

魔法使いの弟子9  
(匿名)希望 さん
意地っ張りの仁子は『別に・・・いじけてなんかないわよ。』と背筋をのばす。
『意地っ張り・・・素直じゃないよな。』
妙につっぱった彼女の様子をみて、口元にかすかに皺をよせ笑顔をつくると彼は視線をホワイトボードに向ける。
彼はクジラの分類を書きはじめた。
広い背中・・・ちょっと見とれて仁子は頬を染めた。

そんな彼の背中を見つめ彼女はいつも思う。
彼に恋をしていても、本能といっていい彼女の生物達への興味をこれでもかと刺激する。だから講義の内容を聞き逃さないようにするのには苦労はいらない。
彼に夢中になっていても苦労して自分を留学させてくれた両親を裏切るようないい加減な勉強はしていない。
いや、むしろ学生として彼に評価して欲しいとの気持ちで勉強ははかどっているといっていい。
「でも・・・いいのかなあ。」仁子は小さな声で呟いた。
愛する対象が同時に人生の目標になってしまったこと、右も左も上も下も・・・全て南原孝史になっている。
こんな気持ち、いままで経験したことが無かった。
仁子は不安にちょっと眉をひそめた。

(2008年01月25日 10時16分11秒)

魔法使いの弟子10  
(匿名)希望 さん
***

仁子は『クジラの分類』について説明している彼をみつめ、ふと思いだした。

“そんなことで彼も楽しいのかしら。”
それは“教授の講義を聞いている時って幸せなの。”そういう仁子をみて友人が言った言葉だ。

彼と仁子の日常会話が“動物保護条例の不備”についてであったり、“湖水地方の現状についての話”だときいて“あんなセクシーな人の前でなんでそんな色気のない話が出来るの・・・あなた変人?”といって最後に友人は力なく笑った。

「私・・・へんかなあ・・。」
もっと違う会話の出来る女性が彼はいいのだろうか、仁子の話しに実はあきあきしているのだろうか。
その時、ふっと講義室の明かりが落ちた。
はっとして仁子は顔をあげる。
彼の最近の研究のスライドを流すようだ。
「いけない・・・。」
そういうと彼女は気を取り直した。

スライドを指し示して早口で説明する彼に集中する。
いつの間にか仁子の心の中の不安は消え、大きな海が、深海にもぐり、歌を歌うクジラ達の世界が広がった。
至福の時間だ。
「王子様じゃない・・・彼は魔法使い。」
仁子は頬杖をついてふんわりと笑った。

**:


(2008年01月25日 10時17分15秒)

魔法使いの弟子11  
(匿名)希望 さん

講義が終わるといつものように階段教室の一番後ろから彼女はゆっくりと教壇に向かう。
そしてほんの少しだけ距離をおいて並んで
教授室にむかう廊下をゆっくりと歩く。
廊下を歩きながら、これもいつもの事だが仁子は彼の講義のなかで湧いた疑問を、質問するにはあまりにもずれているもの・・・を順番に聞いていった。

仁子と孝史の関係は、既に学内では衆知のことではあった。
が、人前ではあからさまな愛情表現をしない二人を
というか、むしろ
廊下を歩いている二人の会話の色気のなさに
本当に二人が恋人同士かといぶかる人も多かった。
実際、この日も相変わらずの二人だった。

教授室にはいる。
仁子は彼の上着を受け取るとハンガーにかけ、珈琲メーカーに向かった。
「キリマンですか?モカ?それともマンデリン?」棚のなかに並ぶ豆を眺めて仁子が聞く不意に耳元で「君がいいね。」優しい声がした。
おどろいて振り返る。
しっかりと抱きしめられた。
「あの・・・教授・・・ここは・・。」
「俺の部屋だ。」
「いえ、その勤務時間中でしょう教授・・・。」
「いや、昼休憩だろ・・・。」そういって彼は彼女を抱きすくめた。
「その・・・。」
抗いがたい思いに仁子は俯いて彼の胸に顔をよせた
白いシャツのボタンが頬にあたる。
大きく息をする・・・・彼の香に包まれる。

「講義中、ロクでもないこと考えてただろ。」
「え・・・。」
「考えすぎるな。」
「・・・。」
「俺はここにいるだろう。」
「・・・。」
「確かにちょっとお前は変わっているけど、そこがまた・・・なんというか。魅力だよ。俺は無理してお前につきあっているって事は絶対ない。そのうボランティアはしない主義だ。」
顔をあげた仁子の視線の先には微笑む彼がいた。
小さく頷いて何か言おうとする彼女の唇を
彼は優しく塞いだ。 (2008年01月25日 10時17分28秒)

魔法使いの弟子12  
(匿名)希望 さん
****
* **


* *************

* **
*******
「魔法使い・・・。」
ずれた毛布をかけなおし、仁子はそのまましゃがみ込んで彼の寝顔をのぞき込んだ。
「はじめてみちゃった。」
そういうと仁子は嬉しそうに微笑んだ。
そう、朝に弱い仁子は今まで彼の寝顔を拝見する事が出来なかった。
いつも身支度を終えた彼にゆすられて起きる。
今度こそ・・・と思ってもいつもダメだった。

大学の居室。
二人が始めて出会った場所。
朝陽差し込むソファーで彼は体を丸めている。
「風邪引いちゃうから・・・。」そう呟くと仁子は幸せなため息をついた。

はじめての留学で緊張してつぱっていたものが彼といると跡形もなくきえてしまった。
そこはとても暖かく、柔らかく、居心地がいい。
そう生まれてはじめて感じる・・・守られている感じ。
仁子は閉じられた瞼を見つめ彼の寝息に耳をすました。
と、いきなりちょっと不機嫌な表情になった。
いいのだろうか・・・・何かが不安だった。
いままで突っ張って生きてきた仁子にはこの安心感が新鮮で心地よくはあった、が反面、何故か、何か、不安だった。
『いいのかな・・・わたし。』ふと思った。

大人の男で、優秀な研究者である彼、南原孝史と“親しい関係”になってから一カ月。
『間違いなく幸せだった・・・だと、思う。』
仁子は心のなかで呟いた。

もちろん良い事ばかりではなく彼の意外な面と腹立たしい面に数多く遭遇した。
というか彼女の間尺で図れない部分に振り回されたといっていい。

(2008年01月25日 10時18分45秒)

魔法使いの弟子13  
(匿名)希望 さん
『傲慢で、自分勝手、自分より優秀な人間はこの世に存在しないかのような物言いは嫌い。』
ちょっと癖のある前髪を突っついた。
『ちょっと悲しい映画で恥ずかしげもなく涙を流すのには・・・びっくりした。』
彼女の唇は柔らかなカーブを描いた。
『でも、冷たいのよね、私の世界観を辛辣に否定しするわ。非科学的だって鼻で笑うのよ。なのに反面、時にとんでもないロマンチストになる。そう、恥ずかしくなるくらいに。』
ため息をついた。

『私の日常的な失敗には不思議なほど寛容で、でも研究面や勉学に関しては針の先ほどのミスも許さない・・・このうえなく辛辣な言葉を吐くのよね。別人みたいに・・ま、これは当たり前だけど。』
「だからというわけではないけれど・・・。」
仁子はもう一つため息をつくと立ち上がり室内を歩き回った。

『講義の時の、学会の時の彼と日常の彼は別人。兎に角、研究者としてはずば抜けて優秀な事は私でさえ分かるし、反面・・・日常では玉ねぎが食べられないとか妙に子供っぽかったり。講義を投げ出して帰ってきちゃったり。結構、こまめに家事をこなしたりとかするのに、でも妙に亭主関白をきどってみたり・・・。』

仁子は壁に掛かっている白いシャツを見つめた。
「・・・よく分からないけど、説明不能のなにかの性で・・・私は彼が好き。」

最後の自分の言葉で・・・まるで揺れる菜の花畑の中にいるような幸せな気持ちに仁子は包まれた。
そして少し弾んだ足取りで彼のスケジュール表にむかった。
「・・・今日は昼に来客があるのね。」
そういうと次に珈琲メイカーに歩み寄った。
乾燥した珈琲が流しに所狭しと転がっている。
「飲みすぎだって・・・。」
彼女は流しを片づけるとお湯を沸かし、鞄のなかからそれをとりだした。
茶こしをつかって何とか準備をする。
取ってのないカップにそれを注ぎ、テーブルに置くと彼を起こした。

(2008年01月25日 10時22分15秒)

魔法使いの弟子14  
(匿名)希望 さん
****

「教授起きてくださいよ・・・・。」
その声に目をこすりながら孝史は体を起こした。
そして目の前にいる彼女に気づき、腕を伸ばした。
「おはよう。」
そういうと有無を言わせず彼女の抱きしめた。
「あ・・・あの。」
一瞬とまどいこわばった彼女の体がゆっくりと柔らかく彼に沿う。
彼女が降参したのを見計らってキスをした。

ゆっくりと体を離す。
半身をおこし照れて俯く彼女を嬉しそうに眺めた。
「最高だな。目が覚めたら君の微笑みが迎えてくれる。天国かと思った。」
笑顔で仁子の顔をのぞき込んだ。

「教授・・・じ・自宅で仕事をしたほうがいいですよ。風邪引きます。こんなところで寝てしまうと。」
そういって照れて逃げようとする仁子をもう一度抱きしめる

「君のいない部屋に帰る気にならなくてね。君こそ、いつ帰ったんだ。フィールドワークは明日までだろう?」
そういって彼女の額にキスをした。
「ゆ・・・夕べ・・・。そう、教授のおかげで、レポートや調査計画はAプラスの評価で無事終わって・・・一番に返してもらえたんです。今朝、お部屋に伺ったらお留守だったから、でも・・・。」
その時の落胆を思いだしたのだろう。仁子の表情がちょっとだけ曇った。
(2008年01月25日 10時23分35秒)

魔法使いの弟子15  
(匿名)希望 さん

彼女のわずかな表情の変化に孝史は満足そうな微笑みを浮べて答えた。
「俺が部屋にいなくてがっかりしたんだな。」
彼の言葉に仁子は照れたように彼の腕から抜け出しテーブルの上のものを差し示した。
「そ、それと実家から送ってきた漬物とほうじ茶です。夕べから珈琲をかなり飲んでいらっしゃるでしょう。このほうが胃が落ち着きます。」

仁子の差し示したテーブルに視線をうつす。
「へ~え。美味しそうだな。」
そういうと孝史は嬉しそうにお茶に手を伸ばし、漬物をつまんだ。
「うまい!茶漬けがほしくなる・・・。」
その言葉に
「ご飯も準備してます。お茶づけ作りましょうか。」仁子は嬉しそうに言った。

「え?できるの。」まるで子供のような彼の様子に、彼女は頷くと鞄のなかから“弁当箱”をとりだしで準備を始めた。

(2008年01月25日 10時23分50秒)

本日はここまで  
(匿名)希望 さん
ちゅうとはんぱかもしれませんが
本日はここまで・・・・。

当初の予定と話しがずれて・・ふたりが勝手にいちゃいちゃしています。 (2008年01月25日 10時25分04秒)

たまりません!  
riri さん
いいな、いいな、教授とお茶漬け・・・
尊敬する人と愛し愛されるって、本当に理想的な関係ですよね。あこがれちゃいます♪ (2008年01月25日 10時36分34秒)

たまりません! 2  
北の大地の碧 さん
ほわ~んと、このテンプレートの色のように、やわらかなピンクの世界が広がった感じですね。
ロンドン時代の二人、匿名希望さまの作品のように、もっと見たかったです。 (2008年01月25日 13時23分44秒)

ふんわりた綿菓子みたい・・・  
青空 さん
このまま、あま~い蜜月が続けば・・・・
逆にいつあの・・・う・わ・き・・・が発覚するのかとハラハラしてしまいます。 (2008年01月25日 17時55分13秒)

たまりません!  
ゆきみ さん
二人の間だけ、ゆっくりと時がながれているそんな感じの甘い日々・・・いいですね。 (2008年01月25日 22時12分19秒)

Re:たまりません!(01/25)  
(匿名)希望 さん
ririさん
こんばんわ
>いいな、いいな、教授とお茶漬け・・・
本編で仁子の部屋で阿部君達と食事する教授を思い浮かべて書きました
>尊敬する人と愛し愛されるって、本当に理想的な関係ですよね。あこがれちゃいます♪
そうなんですが・・・この後・・・。
-----
(2008年01月25日 23時14分49秒)

Re:たまりません! 2(01/25)  
(匿名)希望 さん

Re:ふんわりた綿菓子みたい・・・(01/25)  
(匿名)希望 さん
青空さん
>このまま、あま~い蜜月が続けば・・・・
はい
>逆にいつあの・・・う・わ・き・・・が発覚するのかとハラハラしてしまいます。
はい・・・それはまあ間もなくで・・・。
(2008年01月25日 23時16分54秒)

Re:たまりません!(01/25)  
(匿名)希望 さん
ゆきみさん
>二人の間だけ、ゆっくりと時がながれているそんな感じの甘い日々・・・いいですね。
みたかったんですよ
そういう二人
本当に・・・・。 (2008年01月25日 23時17分27秒)

甘くていいな~~~  
ナナホシ さん
ロンドン・・・教授と一緒にいる仁子はすごく幸せそうだなぁ・・・
教授室でお茶漬け♪教授も初めてでしょうね(笑)

ふたりの甘い日々に幸せのため息をつかせてもらっています。(*^_^*)
(2008年01月25日 23時29分34秒)

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