MY HIDEOUT ~私の隠れ家~

Jan 20, 2004
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"RUNAWAY JURY"

監督・・・ゲイリー・フレダー
原作・・・ジョン・グリシャム『陪審評決』(新潮文庫刊)
出演・・・ジョン・キューザック、ジーン・ハックマン、ダスティン・ホフマン、レイチェル・ワイズ、他。

・物語序盤・
ニューオーリンズのとある証券会社。
社員達が出社して間もない朝、突然オフィスに銃声が響き渡った。
訳も分からぬまま逃げ惑う社員達。
犯人は銃を乱射し続け、16人を死傷させた上、自らの命を絶った。

それから二年後。
その惨劇で夫を失った未亡人が、地元の辣腕弁護士ローアを雇って、銃の製造メーカー・ヴィックスバーグ社を相手に民事訴訟を起こした。
企業側は万一敗訴して判例を残せば、同様の訴訟が各地で起こり、致命的な大打撃を受ける事になる。
絶対に負けられない被告側の切り札は、伝説の陪審コンサルタント、フィッチだった。
陪審コンサルタントの仕事は、裁判で勝訴する為に、自分達寄りの評決を下しそうな陪審員を選出する事。
ちょうどその頃、ゲームソフト店の店員ニックの元に、この裁判の陪審員に選定されたという通知が届いていた。
陪審員など面倒臭いので、上手く免除してもらえる弁解は無いかと同僚達に相談するニックだが…。 


原題の中の"jury"は「陪審」という意味です。
日本の司法制度には陪審員制度はありませんが、アメリカの法廷モノを観れば必ず出てくるので、わりと馴染みはありますよね。
でも陪審コンサルタントという職業は、聞き慣れない仕事です。
私はこの作品で初めて存在を知りました。

アメリカの裁判では陪審員の評決が重要視される為、この事前の採否決定が審理の勝敗を分けると言っても過言ではありません。
そこで登場するのが、陪審コンサルタントという訳です。
彼等は、選定された陪審員候補達を徹底的に調査し、審理でどちら寄りの評決を下すかを見極めて、採否の指示を出します。
訴訟王国アメリカらしい職業ですよね。

前置きが長くなりました。

法廷サスペンスとして佳作だと思いますね。
陪審員達の心を操る事で、判決を商品とし、原告・被告の両方に売り込む二人組。
ジョン・キューザックも良かったのですが、マーリーを演じるレイチェル・ワイズの存在感が大きかったです。
共演の大物俳優達に負けない力演でしたね。
テンポ良く進む物語も、三者の心理戦と時間との戦いを上手く演出していて、最後まで緊張感を失いませんでした。
一言で言って、とても面白い作品でした。

ただ少し残念というか、個人的に引っ掛かったのは、企業を悪者と捉える視点。
民事訴訟というのは、刑事訴訟のように極悪な犯罪者と気の毒な被害者が存在するものではありません。
原告と被告は、訴えた側と訴えられた側という立場の違いこそあれ、互いの正義は同等のレベルにある筈。
大企業対個人と聞けば、ついつい悪徳企業を相手に勝ち目の無い戦いを挑む非力だが善良な市民と思いがちですが、それは違いますよね。
製造物責任が非常に厳しく問われる、アメリカらしいと言えばその通りなのですが。
こうあってほしいという製作者の願いなんでしょうね。
でも敢えて、その個人的感情は作品から排除してほしかったです。
という事で、ラストがくどくなければ、もっと評価は高かったかな。
でもなかなかの力作でした。





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最終更新日  Jan 21, 2004 08:15:33 PM


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