りらっくママの日々

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2009年06月08日
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カテゴリ: オレとボク
今日の日記1

今日の日記2 (「ぼくの妹」感想と美容院に行きました♪


「アイツとボク42」



その時、
なぜかわからないけど、
むしょうに、アイツの声が聞きたくなった。

仕事で忙しくて連絡してない。
アイツも多分そうなのかもしれないけど…。

一瞬どうしようかと思ったけど、
電話をしたら、アイツがすぐに出た。

「ごめん、こんな時間に、ボクだけど。」

「ああ、アオヤンだろ。わかってるよ、表示出るから。」

「いや、何でもないんだけどさ、
どうしてるかな~って思って。起きてたか?」

「起きてた、起きてた。
はは…、オマエなんかすげーなぁ。」

「すげーって何が?」

「いや、何もないけど…、どしたんだよ?
こんな時間に何でもないってことないだろ?
言ってみ?何でも聞くし~。」

アイツの軽いノリに思わずポロポロと本音が出る。
外回りしてるジジイが偉そうで、
ちょっとでも機嫌を損ねると、
担当を替えるだの、契約を切るだのとネチネチ言うこと。

ババアが知ったかぶりするくせに、
結局何にもわかってなくて、何度も呼び出されること。

ボクが白熱して言えば言うほど、
アイツはクックと、まるでとんでもなく面白い笑い話でも聞くかのように笑った。
それで、ぼくも何だか、
自分が面白いことでも話してるかのような気分になってきて、
もう、最後はネタみたいになってきた。

「んじゃ、その妖怪ネチネチジジイは今度何言い出しそうなの?」

「そうだな~、次はソフトが起動しないって、
呪われたコンピューターに塩でもまくんじゃないの?」

「砂かけジジイだな!やってるとこ、見てえ~!!!」

一通り笑った後、アイツはこう言った。

「おい、オマエさ、大丈夫なのかよ?
ホントはカリナちゃんとこういう話したいんじゃねぇの?
なのに、出来ない。」

「まあ、いいよ。オマエがいるから。」

「そうかもしれない。
でもさ、それでいいのか?
オマエは優し過ぎる。
優しいから、相手がつい寄りかかってくる。
オマエもそれを許す。
相手がそれが普通と思う。
オマエだって、相手に寄りかかりたい時だってあるだろ?」

ボクは何て返事していいのかわからなくなって、
口ごもってしまう。

「大学のノートの時も同じだ。
相手は、オマエの優しさを感謝しない。
そういうヤツだと思っている。

でも、オレはそういうのイヤなんだよ。
カリナちゃんにもそうなって欲しくない。

オマエらは、いっぱいいっぱいだ。
カリナちゃんは、自分でいっぱいだし、
オマエは仕事でいっぱいだ。

でも、オマエは彼女を失いたくなくて、
寄りかからせている。」

「そうかもしれない…。」

ようやく出た言葉がそれだった。

「赤木くんはボクのノート、コピーしなかったよね。」

ボクは思い出して言った。

「当たり前だろ。
オマエが自分でとったノートなんだから、
必要があるのはこっちだから、
ありがた~く自分で書きうつさせてもらったんだよ。
コピーしたとしても、それが当然とは思わない。」

だから今、オマエとは友達なんだろうな…。
ボクはぼんやりと思った。


「オレは思うんだけど…」

アイツが、言っていいのか迷うようにそこで無言になった。

「いいよ。言ってよ。」

「オマエの優しさが、カリナちゃんにとって、あまりいいこととは思えない。
同情する方が相手にとっては居心地いいよ。
でもさ、相手が弱ってるからって遠慮して、
自分の弱い部分見せられなかったり、
突き放して、それでいなくなっちゃうようなら、
結婚しても、オマエが疲れてくだけじゃないのか?」

はぁ~っとボクはため息をついた。

「そうかもしれない…。」

「まあ、そうため息つくなよ。
息抜きがオレでも構わないけどな。
オレだって、オマエの話聞いてると面白いしさ。」

「面白いって、ボクは面白くないよ~。」

「そりゃそうだ。ゴメンゴメン!
んじゃ、明日も妖怪退治がんばってくれよ。」

「ああ、やっつけられたら報告する~。」

ボクは電話を切ると、
急激な眠気に襲われた。

自分の本心を話せる人間がいるのは、いいな…と思った。
アイツが言った言葉は、
ボクも思っていたことだった。


妖怪退治をした、外回りの帰り、
携帯を見ると、カリナからメールが来ていた。

  今日は早いの?

ボクは返事を書く。

  今日は定時だよ。

そのメールにカリナからの返事は無く、
ボクも次の仕事が詰まっていたので、急いでとりかかった。

「おい、青山~、今日部署で飲みに行くぞ!」

「え?!いきなりですね~!」

「何でも、部長からのいきなりの声かけだから!
みんな逆らわないよ。」

「はいはーい。」

ボクは仕事を区切りいいところで終わらせるのに必死だった。
でも、その区切りがなかなか終わらない。

「青山さん、そろそろ行かないとマズイですよ。」

事務の女の子が声をかけてきた。

「え?あ、ボクたちが最後?」

「そうです。呼んでくるよう、言われました。」

彼女は一回りも年上の、
今日ボクに声をかけてくれた先輩と結婚することになっている。
薬指にダイヤがキラリと光っていた。

会社を出る支度をしながら、ボクは聞く。

「それって、婚約指輪だよね?」

「ええ、そうですよ~。」

「あのさ…、ちゃんとプロポーズとかってされた?」

「え~、何でそんなこと聞くんですかぁ?」

彼女が照れ臭そうに笑った。

ボクは、自分の恋愛事を一つ話すと、
今日の飲み会が冷やかしのタネになることがわかっていたので、

「え~、独身の男は参考にしたいんだよ~!」
と、彼女の口調を真似て笑った。

「あ、何真似してんですか!」
彼女はボクの肩を怒ったように叩いた。

「ごめん、ごめん。
あの先輩がどんなふうにプロポーズしたのか聞きたかっただけ。」

お互い笑う。

笑った時に、何となく視線のようなものを感じて、
ふっと見た先にカリナがいた。

え?何でココに?!





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最終更新日  2010年03月27日 17時24分12秒
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