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ゴジラ@北京

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Apr 11, 2009
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CCTVニュース

突発性大怪獣ゴジラ15号が、天津から上陸し、徒歩でおよそ時速50キロのスピードで北京にむかっております。周辺にお住まいの方は、戸締りなどに十分、気をつけてゴジラに警戒を怠らないようにしてください。繰り返します。突発性大怪獣ゴジラ15号が、天津から上陸し、徒歩でおよそ時速50キロのスピードで北京にむかっております。」

中国人民@北京「突発性大怪獣ゴジラ15号ってなんだ。そんなの聞いてないぞ。でも中国人民解放軍がやっつけてくれるからだいじょうぶだよ。」

中国共産党首脳部「なに!突発性大怪獣ゴジラ15号だと。ウイグルの組織が送り込んできた新たな新兵器なのか。それとも日本帝国主義のあらたな侵略なのか。どちらにしてもオリンピックの開催を邪魔するものは中国の総力をあげて撃滅する。なにせ中国は、原爆も水爆も開発に成功している。いざとなればその使用も辞さないつもりだ。」

山根博士(志村喬)「私は日本からゴジラのことを聞きつけて北京にやってきた山根博士です。
昔は、北京大学の教授をやっていたこともある古生物学者です。だから中国語はわかります。
あなたたちはゴジラ撃滅のために原水爆を使うことを考えておられるようですが、それはやめたほうがいいです。ゴジラはもともとアメリカによるビキニ環礁における水爆実験で誕生した怪獣です。水爆に被爆しても死ななかった怪獣です。そのゴジラをどうして原水爆で葬り去ることができましょうか。
それより、まずはあのゴジラの不思議な生命力を研究することが先決です。それからゴジラに光をあててはいけません。ゴジラは光をあてるとますます怒るばかりです。」


私はハルピンからの引き揚げ組みです。だから中国語が話せます。だから先生の中国語を聞き取ることができました。
先生、しかしあの怪物をそのままほうっていくわけにはいかんでしょう。中国政府はウプノールで核実験を繰り返しているとはいえ、このオリンピック開幕時にあらわれたゴジラは中国人民に覆いかぶさっている原水爆そのものではありませんか。」
山根博士(志村喬)「尾形君、君までがゴジラを抹殺しようというのか。帰ってくれたまえ、日本に帰ってくれたまえ」

CCTV「ゴジラがやってきました。北京の東側からやってきました。」
悲痛な中国人民の声とともに中国人民解放軍の砲撃の音がまじりはじめる。

CCTV「砲列が一斉に火を噴き始めました。中国人民解放軍がゴジラを鉄条網区へ追い込まんと猛烈な砲撃を開始しました。」
声はとぎれ爆撃の音だけは続いていたがまた
CCTV「爆撃機群も必死の攻撃を加えています。しかしゴジラは平然とすすんでいます。あ、鉄条網にかかりました。五万ボルトの電流が、、あ、激しいスパークが、、、。ゴジラを、あ、ちがう。ゴジラは平然と鉄条網をはらいのけました。五万ボルトの電流もついに効力を発揮しません。」
現場をにらんで中継していた放送局の車は後退した。
CCTV「お聞きになったでしょうか。ゴジラはすごい叫び声をあげて、ゴジラはたけり狂い、何もかも破壊しています。もはやゴジラに立ち向かうべきものはありません。その巨大な姿が徐々に近づきつつあります。」
マイクやカメラは移動を続ける。

もはやなすすべはなかった。テロ対策はしてもゴジラ対策の準備はなかった。
砲撃や爆撃がはげしくなるほどゴジラは、凶暴性を発揮し、口から白熱線をはきだして建国門はたちまち火の海と化した。ゴジラは中国の伝統的な建築物も最新の鉄骨の高層ビルも同様に体当たりでぶつかり、噴出す白熱線で破壊していった。
対策本部は容易ならぬ事態に関係方面一同に集まり協議を重ねたが、とるすべもなく情報は悪化の一途をたどった。
ゴジラは、建国門、王府井をとおってついに天安門の故宮に足をふみいれた。そしてその近くにある人民大会堂を体当たりで破壊した。
ゴジラの脅威を信じなかった一部の人々は逃げ遅れて破壊された建物の下敷きとなり白熱線で焼き尽くされ、おびただしい死傷者をだした。しかしゴジラは北京をさらず依然として猛威をふるっていた。


「信じられません、信じられません、まったく信じられません。しかもその信じられない事件が今、われわれの眼前において展開されているのであります。、、、いまやゴジラの通過した跡は炎の海と化し、見渡せば、建国門、王府井より、東単、天安門、西単などはまったくの火の海です。あ、ただいまゴジラは移動を開始しはじめました。どうやら五道口方面に向かう模様です。テレビをごらんの皆様、これは劇でも映画でもありません。現実の奇跡、世紀の怪事件です。われわれの世界は一瞬のうちに200万年の昔に引き戻されたのでありましょうか。この恐るべき怪物は、もはや人力をもっていかんともしがたく、警備に配置された中国人民解放軍も戦うことができません。今や中国の首都北京は完全にゴジラの荒れ狂うにまかせ全滅をまつばかりです。なぜゴジラはこのオリンピック開催の時期の北京にあらわれたのでありましょうか。」

しばらくの沈黙。

CCTV「お待たせいたしました。ただいまの放送場所に危険が迫ったためマイクとカメラをCCTVのテレビ塔にうつします。ゴジラはいまや長安街をへてあたりをさまよっております。このテレビ塔も危なくなってまいりました。もし右に向かってくるとすると逃げる余地はありません。
あ、ゴジラがむかってまいります。ますます凶暴な形相をしてまいりました。やけに前肢をふりまわしています。」
ゴジラのものすごい叫び。
CCTV「あ、こちらを向きました。まっすぐこちらにやってまいります。」
ゴジラひときわ大きくほえる。
CCTV「お聞きになりましたでしょうか。あの叫び声、あいよいよ近づいてまいりました。もう絶体絶命です。この鉄塔めがけて突進してまいりました。あと二十メートル、十メートル、あ、右手を塔にかけました。折れます。テレビ塔が折れます。もう最後です。みなさん。再見、再見、」

こうして北京の都市機能はゴジラによってずたずたにされることとなった。
このあとゴジラは五道口からオリンピックセンターへと進路をとり「鳥の巣」に向かうこととなる。
そこには四川省で行方不明になり漏れた放射性物質で巨大化した真のジャイアントパンダの姿が、、、。

『ゴジラ対パンダ』第一部(完)






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Last updated  Apr 12, 2009 04:10:09 AM
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