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12月に入りました。暖冬といいながらも、少しずつ寒くなってきております。外のテント生活のHちゃんもそろそろ引き上げたいところです。このところは目立った暴言を吐くこともないのですが、相変わらず自分の荷物の中にトイレのゴミを捨てていたりして、難しいなあとも思います。
ところで大阪からのY君。今月の目標は「お粥を卒業すること。」でした。
里では、学びに来ている人たちが順繰りの典座(里の場合は朝のお粥を担当すること)当番をしています。一通り仕事の流れを覚えたものの、その後になかなかお粥の煮え具合が一定せずに、周囲がその都度注意しておりました。
「火をつけてからどのくらいで、弱火にしているの?」
「味見している?」
朝は、お粥とお味噌汁、それにお粥の薬味を4種類そろえることになります。お粥の状態がどろどろだったり、水が多かったりして不ぞろいなので、大人たちが不思議に思って、Y君の話に耳を傾けます。そうして毎日書いている典座ノートを点検したところ一つわかったことがありました。
それは、その日の人数から割り出したお米の量に対して、水の分量が決まっているのですが、その水の分量を計量器で何杯分になるのか、その計算が間違っていたのでした。
「これじゃあ、お粥が安定しないわけだ。」
と周囲の大人たち。どこかで計算が間違ったものをずっと写していたようです。
それからはだいぶお粥の煮え具合が均一になってまいりました。しかしなかなか厳しいものです。
お粥のどろどろ加減だけでなく、温度や量、お汁の具の煮え方、切り方、割合、温度、そして薬味が同じものが続かないように…と気をつけることがたくさんあります。そこまで仕上がって普通。それからが本人の工夫のしどころです。食堂にお花を飾って場をもてなした日もありました。
「このところは、粥座が始まる前に掃いて雑巾がけしてます。」
とYくん。そろそろ卒業できるでしょうか。一人で起きて、大人10人以上の場を調える緊張感。このお仕事を通じて何人が成長させていただいたことでしょう。
すでに絶品のお粥ですが、彼の成長の為にその日の評価が厳しく行われています。
そんな彼も、福祉事業所のすすめで、酪農の仕事に就ける可能性が出てまいりました。見学に行った本人も、牛にどっぷり手をなめられて大満足です。
「僕は悪いのは頭だけで…体を使った仕事がむいてます!心が最高だから、皆に幸せを分けてあげます。」
といつもニコニコ。とても美しい心で、皆に愛されています。正直IQは標準の半分くらいでお粥の当番がよく勤まったなあという感じですが、ここでは容赦されません。もう一人生活保護を受けている青年もいますが、トイレ掃除にお風呂掃除と任されていて、少々サボりがちになるとしっかり叱られています。
生命の創られようは本当に未知数で、どこまでも諦められません。社会生活上、一般との比較は必要ですが、実際に向き合って周囲が囚われないように気をつけていたいな、と思います。