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台風到来ですね。雨と風に煽られて、一日ぽっかりと時間をもらいました。
久しぶりに読書を。熊谷達也『烈風のレクイエム』を読んでいます。
舞台は函館。明治生まれの潜水夫 、敬介が主人公です。帯にもありましたが、彼は人生のうちで三度、死にそうになります。大火災、大空襲、そして洞爺丸の沈没です。家族と離れ離れになり、血の繋がらない子どもと共に新しい家族を作り、しかしまた次の悲劇に遭遇する。そんな中で仕事の仲間との絆や同じ境遇を持つもの同士の労りや感謝で、生きていきます。
時が交錯して、大震災と重なるシーンが時々出てきました。私にはただ想像しかありませんが、きっと被災した人にしかわからないショックが、そして哀しみがあるとそう思いました。彼は物語の中で、自分が死にそうになった海にまた飛び込み、自分への挑戦を兼ねて、まだ沈んだ船体に遺体を救い出しに行きます。一昨日に乗っていたその場所へ…
お寺に被災地に出かけた宗鑑さんの写真がありますが、ちょうど海に向かって後ろ姿で立っているものがあります。合掌して拝む前か、後か。あの光景が蘇ってきました。あの頃、私も被災地に立たせて頂きましたが、そのときに見た無数の声を、何もないありふれた日常に溶けてしまわないように、また 身に刻まれた気がします。