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今日は私がよく使っている低温長時間発酵のフランスパン生地の状態を紹介します。
これは一般的なストレート法3時間発酵のフランスパン生地とは全く違う状態の生地ですので、まずはそれを頭においてから見てくださいね。
リスドォルを切らしているので、いつもとは粉を変えてあります。
スワッソン 50% レジャンデール 30% グリストミル 20%
サフインスタント 0.1% 塩 2% 水 70%
材料は粉、イースト、塩、水。もっともシンプルな配合。
まずは粉と水を混ぜ、オートリーズ30分。
その後、イーストと塩を入れ捏ね。

捏ねあがりの生地です。

まだ、つながりも弱くドロドロとベトつく状態。
捏ね上げ温度は20℃。

10分後。まだあまり変わりません。
表面に水分が浮いた状態。

パンチを入れます。
容器には薄くショートニングを塗ってます。
とてもくっつきやすい生地なので。
ショートニングは「ごく薄く」です。ショートニングが混ざってしまいますので。
乾燥しないように容器には蓋をしてます。

50分後にパンチを入れました。
まだ少し表面に水分が浮いた感じ。

これだけでも、もうだいぶ生地がつながっています。

40分後にパンチを入れました。
ベトつきますが水分の浮きは少なくなり、かなり水和が進んだ感じ。

30分後の状態。
パンチの仕方ですが・・

まず3つ折り。

で、もう一度くるりと3つ折り。
こうすると、そのままの形で容器に戻しやすいですよね。
で、パンチが入りました。

更に20分後の状態。
薄い膜が出来るほど、しっかり生地が出来ています。
フランスパンはココまで生地を作らない!と思うかもしれませんが・・
ココから16時間以上冷蔵庫での発酵をとります。
その間にタンパク質の分解酵素のプロテアーゼが働き生地の強さは落ち着いていきます。
さらに灰分の高い粉ほど酵素の活性が高い。
予め生地を強く作っておくことでバランスをとっているのです。

5回目。最後のパンチ。
生地はかなり張りがありますよね。
でも、一般的な生地に比べるとベトつきはあります。
この後、冷蔵庫で発酵をとります。
この製法の原理は・・
無糖生地の場合、小麦粉中の損傷デンプンがα-アミラーゼによって分解され、それによって出来たデキストリンという糖分をβ-アミラーゼが麦芽糖に分解し、それをイーストがマルターゼという酵素で分解し餌として活動します。
(話はそれますがドライイーストはこのマルターゼの活性が強いので無糖生地に向きます。日本の生イーストはマルターゼ活性が弱いので無糖生地には向かないわけです。)
α-アミラーゼは小麦粉中に存在するんですが、灰分の高い粉ほど酵素の活性が強いのです。
それがまず灰分の高い粉をブレンドしている理由。
餌を消費するイーストの量がごく少量で更に低温の環境下に置き活性も抑えられているので、小麦粉から分解されて出来た糖分を消費しきれないわけで。
で、長時間置くことで糖分が蓄積され甘みが出るんです。
砂糖と違う糖分なので砂糖甘さとは違った甘さになるわけです。
ただ単に長時間発酵させてる、ってわけではないんですよ~。
パンってすごく化学的だと思いませんか?