型をこよなく重んじるも、嵌ることをめっぽう嫌がる作曲家の日記

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2022.06.29
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テーマ: 芸術(12)
カテゴリ: 作曲家
20-30年の間に音楽的な価値や意味づけが多様化し、
嘗ての観点が大きく変えられていくなか信念を持ち続けることは難しく、
少し前までは批判されていたようなことが今では主流となり、
作る側もそうですが嘗ての批評家の言ったことも裏腹に進んだこともある筈です。

世界の潮流と称して日本で新しいモノや音楽を紹介することはいいことですが、
若い時の一時期にその潮流を追っても暫くすれば、
それでは世の中に受け入れらないことを実感し方向転換を余儀なくされる、
結局極めて狭い中の潮流であって同業者からも支持を得られない程度です。

それでも今の時代を見たい知的好奇心は煽られそこに人は集まります。

政府が留学生を給付金によって無償で受け入れることと似ています。
反して、日本人が奨学金の返済義務が課されるのはおかしいと言われています。


同じことはずっと続いていて、大学や企業、財団などの業績にはなっても、
実際の日本人のためになっていないからこそ多様化を生んでいると思います。
企画を主導する大先生は好感されても、運営したり世話をする人たちは、
コミュニケーションギャップなどでたいへんな思いをしていないか心配です。


少し前に高校だった時に購入した日本人作曲家のこどものためのピアノ曲集を、
フリーマーケットで売っていると書きました。
数分で売れることも何度かあり発送が日々忙しくなったりもしましたが、
結局売れ残るものはいつまで経っても売れない状況です。

今も楽器店などで販売されている楽譜でも、昔より定価が3-4倍に上がっていて、

売れたとしてもそこから手数料と送料が差し引かれます。
売れない楽譜は300-500円くらいであっても売れません。

売れ残っている楽譜は、当時有名大学の作曲科主任教授だった人のものなどで、
音大で作曲を志す者がエクリチュール(書法)などを学ぶお手本だったような方、
曲が好きとは言えませんでしたが、自分の感性が追いついていないと考えていました。


しかし、今考えれば曲がその作曲手法でいかに良さや効果を生むのか、
当時の作曲家と曲の関わり、伝播のされ方、売られ方に原因があったと考えます。
ある偉大な先人が認めた作曲家が偉大とされ、人としてリスペクトはされますが、
決定的な裏付けとしての曲そのものへ人々が追随しないのです。

これは作曲コンクールにも見られ、審査する作曲家が次代の担い手を選びますが、
新たな作品が注目されるほどの周知はされず、興味を持って追う人も少ないです。
近年は作曲学生の研究対象からも外れ、演奏家の自発的な選曲としても外され、
あるのは先述の芸術奨励のために経済活動(生業)として演奏されることです。

結果として、現代作品が自由に演奏される機会は減ってしまいました。
しかし、子供のために書かれた作品は子供がわかる言葉で書かれた楽曲ですから、
大人もピアノ指導者もその作曲家の人や考え方がわかるはずのもので、
当時を馳せた人であれば曲の真価を世に知らしめる活動ができた筈です。

それが売れ残る楽譜であるということはとても残念です。
今の時代を芸術音楽がどう生き残るのかに関わっているようにも思います。
共有できていた美学が共通ではなくなり、風化されてゆくことが多く、
昔からの慣例のみが生業として残り形骸化している気がしてなりません。





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最終更新日  2022.06.29 14:17:31
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