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2009年04月20日
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カテゴリ: 想うこと
今まで弱音ハクとか亜北ネルの話をしてきましたが、これは全部初音ミクの二次創作ですね。初音ミクの二次創作には他にも、はちゅねみくとか雑音ミクとか闇音ミク(?)とか 阿久女イク とか(これはちょっと違うか)ありますけれど、要は全部ある種初音ミクのパロディーであることは間違いない。

二次創作ってのは日本では昔から行われてきたもので、例えば「本歌取り」なんてのは古今集の頃からある。これはパロディーというよりは昔の作品に対するオマージュの意識が大きいとは思う。

江戸時代に「仁勢物語」(にせものがたり)ってのが出ていて、大学の頃図書館で借りて読んだ覚えがある。流石に草書は読めないので、解説付きで出版されている本を読んだ。その本のタイトルが「パロディーの精神」だった。

# Amazonでみたら、この本は復刻されているようだ(タイトル、著者が同じ)。でも、内容についてはAmazonでは全く記載がないので以前の本と同じかどうかは分からない。

いうまでもなく、「仁勢物語」ってのはタイトルからして「伊勢物語」のパロディーで、本文も本文中に含まれている和歌も全てオリジナルのパロディーになっている。「パロディーの精神」という本の中では確か作者は烏丸光広というように書かれていたと思うけれど、Wikipediaで烏丸光広の項目を見ても「仁勢物語」の作者である、との記述はなかった。

「伊勢物語」といえば、清水義範が「江勢物語」(えせものがたり)という作品を書いている(残念ながら未読)。清水義範自身、パスティーシュと呼ばれる手法で古今の多くの作品のパロディーを書いている人である。その手法は必ずしも本文そのものをパロディーにしている訳ではなく、現在見られるあらゆる文体(新聞、週刊誌の記事、マニュアル、童話本など)を駆使している。いやはやたいした力量である、といえよう。

現在彼の「世界文学全集」と「日本文学全集」を読んでいるが、その発想の転換には驚かせられる。難をいえば、どちらかといえばエンターテイメントとして発表された作品(群)であるためにそれぞれが発表された時点での世界情勢(具体的にいえば湾岸戦争)を強く反映していることだ。後の世代の読者には(というか、現時点でもそうかもしれないが)その時代に関する情報の補足がなければ意味が分からなくなってしまうと思う。

さて、パロディーの例をいくつか上に挙げてきたのだけれど、「パロディーの精神」というものは何か、と考えてみるとそれはひとえにオリジナルに対するオマージュの現われ、ということがいえると思う。単にオリジナルを真似してそれを貶めるのであれば、それは劣化コピーというべきであり、単なるパクリにしか過ぎない。そういうひねくれた方法でのオマージュの現われ、ってのも否定はしないけれど、あまり質の高いものは見たことがない。



# 「猿蟹合戦とは何か」は超お奨めです。丸谷さんの著作の最後には必ず「私の表記法について」という文章があり、彼の日本語に対する態度が書かれているのですが、清水さんはそれまでパロディーにしています。それがまたなかなか笑える。ご一読をお奨めします。





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最終更新日  2009年04月20日 23時05分17秒コメント(0) | コメントを書く
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