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2012年01月24日

つい返事をしてしまった。
本当の事を話すべきだったのに・・・。

「代答」

あらすじは公式からです。

塔子の声真似をした妖怪が、家に入り込んでしまった。
友人帳に名のある「カリカミ」という妖怪を呼び出したいのだという。
夏目をえさに「カリカミ」を呼び出そうとする「ヨビコ」と名乗るその妖怪は、
夏目に、「カリカミ」は古紙を修正する力を持つ妖怪であること、雨ざらしで
開くことのできない手紙を開いてほしいということ告げ、その理由を語りだす

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

夏目が妖を理解したいと思うのと同じように、この作品の妖達は
人の事も理解したいと思う者もいるんですよね。
もちろん、人間には祓い屋もいれば、「人の子」と言って喰らいたい妖怪もいる。
人間にとって善なのか、悪なのか、妖にとって善なのか、悪なのか。

「夏目」ではほのぼのとした心通うつながりにたどり着くまでのアプローチを
じっくりと味わうことができます。
始めはたとえ押し倒しでも(笑)
夏目のグーパンチでも！

塔子さんの声真似をして入り込んできた妖「ヨビコ」はどうしても「友人帳」を
使って呼び出したい妖がいた。

でも、「友人帳」を使うには相手の顔がわからないと使えない。

ショーーーック！！！

頭を抱えるヨビコは中年のオジサン風なのですが、心はいつも少年！
みたいで可愛いですね。
(そういう私も心はいつも”乙女”なおばさん。苦笑)

理由を聞かせて欲しい。

毎日、古堂で会っていた隆彦とヨウコという恋人。
ヨウコに惹かれたヨビコは毎日、様子をうかがっていた。

が、隆彦はしばらく会えないと言って去っていった。
ヨウコは待っている。
ヨビコが隆彦の家に行ってみると富豪の娘とちょうど祝言を挙げたところ
だった。
多分、傾いた実家を立て直すために・・・。

古堂で待つヨウコの呼びかけについ答えてしまったヨビコ。
堂の扉を開けてはいけない。
病が移る、ということでヨウコは納得するが・・・

積み重なる罪。
隆彦の代わりを毎日、果たすヨビコの心は次第に罪の重みが増していく。

「別れを言ってやるべきだった！」

また、明日・・・何度も、何度も。
扉越しに他愛のない話をしたり、夢の話をしたり。
彼女の願いは海を見ることだった。
気づけば感情を露にすることも。

「隆彦さんじゃないみたい。」

「そんなことはない！」

あふれる笑顔。
以前よりも親しくなれたような気がする。
そういうヨウコはついに「会いたい」と言い出す。
開け放たれる扉。
風が彼女を吹き抜けていく。

「すまん、ヨウコさん・・・すまん！！！」

それきり、旅に出て住処の古木にも古堂にも近づかなかったヨビコ。
人にとっては長い時が経った後、古堂にやってきたヨビコは茶色くなり、
開けることもできなくなった置手紙を見つける。

「文を読んでみたいのだ。」

憎まれても、恨まれていてもいい。
ヨビコが検討をつけた森で一緒にカリカミを探すことにする夏目。
またどうでもいいことに首を突っ込んで！と不機嫌になるニャンコ先生。(笑)

カリカミの名前を呼び続けるとやっと本物が現れた！
夏目レイコではない、と知ってとまどうカリカミだが、
名前を返す代わりにヨビコの手紙を復元して欲しいと頼む夏目。

承諾したカリカミに名前を返した夏目は、レイコとカリカミのやり取りを見る。
レイコに渡した紙が傷んだら治してあげよう。
けれど・・・
手紙を復元しても書いた女はいない。
レイコもいない。

古堂に帰るヨビコ。
手紙の内容を教えてもらう夏目だが、ヨビコは人の文字が読めない。

「なんと書いてある？」

夏目が口にした言葉。
「本当のことを話してくれてありがとう。」

人と妖の時間は違う。
ヨウコもレイコもいない。
レイコとは違うけれど、面差しを宿した夏目と出会い、名前を返して
もらった妖は少しは思い出に浸れるのかもしれませんね。
夏目にとってはレイコがまいた種を一生懸命、拾わなければならない
ですが。

それにしても