蟲師続章 #７「日照る雨」感想 | おぼろ二次元日記

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2014年05月24日

いつか雨が止んで本当の涙が出たら・・・
土の上に根を下ろそう。

「日照る雨」

あらすじは公式からです。

その女は、雨を告げながら旅をする。
蒼天から注ぐ雫が呼び起こす女の過去──それは幾粒の涙でも
償えぬ数奇な巡り合わせ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

これからやってくる猛暑を思うとうんざりした気分になったり、そして

ギンコが直接、治療をする行為は無く蟲について説明しただけなのですが
人は心持で変わる事ができるのですね。
憑いた蟲が命に係わるものでなかったことがテルにとって運が良かったのだと、
それも幸福の一つなのだと思いました。

日照りの村にやってくる占い師のテル。
彼女が村にやってきて「もう少し留まれば降る」・・・
そう言えば必ず雨が降る。

馴染みの村のヤスは好意を寄せてくれるけれどテルにはその気持ちに
応えることができない理由があった。
回想シーンでテルの過去が語られていますね。

雨で村の作物は全滅し、流行病まで起こった。

同じようなことが起こる。
何で・・・どうして。

悲しみと不安で心が満ちても、瞳から零れ落ちる涙は一滴も出ない。

村でテルと遭遇したギンコは彼女とすれ違った時に雨の匂いを感じ、
追いつけるはずもないものをつかまえてしまったことは？という

逃げ水と思って追いかけた幼い頃の思い出。
アメフラシという蟲の一形態でナガレモノと呼ばれるそれは普段は
漂っているだけ。
触れると体内の水分を奪い、上空に雨を集める。
だからテルは汗も涙も出なくなってしまったんですね。

対処法は無い。
ナガレモノがその生を終えるまで。

ギンコが指示した生き方は”共生”ですね。
うまくやっていけてる。
悲観することばかりじゃない。
確かに雨で失われた命はあるけれど、それを背負って生き、恵の雨を
降らせることができるなら。

村人やヤスの感謝の言葉はどんなに傷ついたテルの過去を癒したことでしょう。

昔は医療が進歩していなかったから人の生き死には病や環境で当然のように
失われたわけで。
自然の連鎖の中に人間もただ一つの種として存在する。
水も太陽も無ければ死んでしまう。
水があって生きながらえる命があるなら。
流れていく人生も悪くない。

人と蟲、人と自然、人と命。
そんなことを考えさせられるお話でした。